これからの中小企業の事業承継のあり方を読み解く連載コラムを、全4回でお届け。第1回は、ポストコロナで起こる中小企業の変容についてお伝えします。
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【本コラム】ポストコロナの事業承継①中小企業経営に求められる4つの変容
ポストコロナの事業承継②選ばれる買い手企業になるための視点
ポストコロナの事業承継③中小企業の成長戦略として考えるM&A
ポストコロナの事業承継④より良い案件に出会うためのポイント
ポストコロナにおいて地域企業経営に起こる変容は以下の4つが挙げられます。
①「雇用と地域経済の維持」
②「ニューノーマルへの対応」
③「経営における懸念」
④「新しいマーケットの創造」
今回のコラムではこれらについてお話していきます。
1つ目の「雇用と地域経済の維持」についてです。大企業ではコロナ禍において希望退職を募る動きが活発化していますが、中小企業を取り巻く環境は人材不足が緊急課題であり雇用の維持と地域経済の維持が重要になります。コロナ禍において、政府はこれまでに無い新型コロナウイルス感染症特別貸付等、異次元の中小企業支援・施策を続々と発表しています。中小企業はそのような制度を十分に活用していくことが大切です。
次に2つ目の「ニューノーマルへの対応」についてです。こちらは既に概念として浸透してきた新生活様式のことや各業界、業種ごとの新しいガイドラインを指しています。具体的には非接触型のサービスや、企業のIT化、デジタルトランスフォーメーションです。いかにデジタルを活用して、自社を次の成長ステージに上げていくかが非常に重要なポイントになっています。コロナ禍によりDX化の重要性が多くの企業で浮き彫りになりました。
3つ目は「経営における懸念」です。経営者の高齢化、跡継ぎ不在、慢性的な人手不足など従来から懸念されていた課題に加え、コロナがもたらした環境変化は、ポストコロナにおける中小企業経営の根幹から考え直さなければならないものとなりました。
そういった状況下の近年、中小企業によるM&Aが注目されています。後継者難の企業の事業承継手段としてばかりでなく、人材や生産設備などの経営資源が集約されることによる生産性の向上を求めたり、休業や廃業をせざるを得ない中小企業の経営資源を引き継ぐことで創業時のリスク低減といった効果を期待できます。国もこういった理由での中小企業の経営資源引き継ぎ後押ししており、支援機関の強化、補助金や税制優遇措置などサポートしています。
4つ目は「新しいマーケットの創造」です。地域企業が今後の環境下で経営していくために重要なことは、コロナに適応するために必要なサービス・商品を生み出していくということです。ポストコロナにおけるマーケットを念頭に置き、中小企業の特徴や強みを活かした戦略が必要になります。我々のような中小企業が優位に立てられる競争軸を再構築、または新設し、積極的にマーケットを創造することが必要です。
我々中小企業はポストコロナにおいて以上の4つの変容について考えねばなりませんが、元々少子高齢化、経営者の高齢化が日本全国の課題としてあります。約40年前までは事業承継といえば経営者のご子息やその他の親族が承継するケースが9割でした。しかしこの10年、その状況は劇的に変化しました。特にこの5年は6割以上が社員や社外の第三者への引き継ぐケースとなり、M&Aを活用した経営資源の引き継ぎについて視野に入れながら企業活動をする時代となっています。ポストコロナでの経営と事業承継のこの2軸にて企業戦略を考えることで、地域で成長する企業経営が可能だと思います。
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