ツグナラ
事業承継に必要な3つの視点
2021.07.19 | 事業承継

事業承継に必要な3つの視点

皆さんこんにちは、サクシードの水沼啓幸です。日ごろから、国家的な中小企業の課題になりつつある事業承継支援を中心に活動を行っております。ここでは毎回、事業承継にまつわるトピックスについて事例を交えてお送りいたします。

皆さんこんにちは、サクシードの水沼啓幸です。日ごろから、国家的な中小企業の課題になりつつある事業承継支援を中心に活動を行っております。ここでは毎回、事業承継にまつわるトピックスについて事例を交えてお送りいたします。

ここ数年「継いでくれる社員がいなくて困っています」「実はもう社長を辞めたいんです」事業の引継ぎに関する相談が増え続けております。通常、事業承継対策と言うと相続や株の評価などお金に対するアプローチが多いように見受けられます。しかし、現実は経営の承継など領域が多岐に渡り、課題が複雑で見えにくいがゆえに取り組みもなかなか進まないのが実情です。

では上手に事業を引き継ぐにはどうすればよいのか?これまで円滑に事業を引き継いだ会社を調査していくと、次の3つの視点を持って対応していることが見えてきます。

  1. 事業内容を時代に合わせて魅力あるものにしていく(事業の魅力度)
  2. 後継経営者の経営人材としてのレベルアップ(後継経営者の資質)
  3. 仕組化、税制、法的側面からの整備(実現可能性)

以上の3つに対して会社に適した対応策を立案することが近道になります。

まず、1つ目に挙げられる事業の魅力を高めていくというテーマに対しては、「継ぎたくなるような事業であるかどうか」がポイントになります。借金が多く、収益性の低い事業は幹部社員どころか親族であっても引き継ぎたいとは思いません。その為、計画的に事業の価値を向上させていくことが承継への近道です。具体的には自社独自の技術開発や新商品、サービス開発を継続的に行う、社員教育に力を入れ、次の世代に向けた人材育成を行うなどが挙げられます。また、事業の価値が高ければ、社内に後継者がいなくともM&Aを行うことで事業を譲渡することも比較的簡単に行える時代になっています。

2つ目は、後継経営者の資質が挙げられます。それぞれの業務分野における経験、新規事業の成功体験、社員からの信頼度向上など経営者として基礎力向上を図る取組です。これらは、一朝一夕には対応できないため、10年スパンで取り組む必要があります。事業を引き継ぐにあたり「新しい分野の事業を手掛けた」、「業績に貢献する成果を出す」など成功体験を経ていることが理想です。最近は、後継経営者に引き継いだが、上手くいかずに先代経営者と経営権を巡って争いになるケースも増えています。親族内であれば、相続争い別の問題が生じることも多いのでの役割分担など取り決めを行い、承継時に親族間で揉めるなど最悪のケースは避けたいところです。

3つ目には仕組化、税制や法的な対応策です。一般的な事業承継対策はこの3つ目に含まれる対策を指すことが多いです。まず、自社株の評価や相続対策、承継のスケジューリングなどオーナーとしての対応策が挙げられます。次に社内の運営体制の見える化、人脈の承継、従業員の理解、金融機関の理解などこれまで築き上げた信頼など目に見えない経営資源の承継なども含まれます。当然、事業の評価や法務的な対応策など含め専門家に相談が必要な事象も発生します。その為、信頼できる外部のアドバイザーと関係性を作っておくことも重要です。相談相手がいない場合には、国の機関として「事業承継引継ぎセンター」が各都道府県に設置されていますので相談してみても良いでしょう。

実際に3つの視点のうち、対策に時間がかかる1つ目、2つ目の対策を怠ってきたことにより、多くの企業は後継者不在、事業承継が困難な状況に陥っています。そういった事態を防ぐためにも、日々の経営計画の中で承継を見据え対応策を盛り込むことが重要です。その際には、これら3つの視点からそれぞれ自社に合致した対策を立てることで、複雑な課題が整理され前に進むケースが多いです。是非、参考にしていただければ幸いです。

水沼 啓幸
Writer 水沼 啓幸
水沼 啓幸
Writer 水沼 啓幸 ()
代表取締役 
中小企業診断士  MBA(経営学修士)  JMAA認定M&Aアドバイザー
2000年3月に高崎経済大学経済学部経営学科を卒業し、同年4月株式会社栃木銀行へ入行。主に、融資、法人営業を経験し、事業承継、中小企業金融に精通している。また、大学院では中小企業において今後問題化すると予想される『後継者の育成方法の研究やその支援の在り方』について深く研究する。2010年4月に財務・金融、事業承継支援を専門とするコンサルティング会社 株式会社 サクシードを設立し代表取締役に就任。2014年より日本で一番の経営人財の養成機関を目指して「とちぎ経営人財塾」を開講、次世代経営者の育成をテーマに活動し、年間80社以上の経営計画策定支援業務を行っている。2020年1月より地域の成長意欲の高い企業を地域資源としての中小企業の引き継ぎ手として登録、PRする地域特化型M&Aプラットフォームサービス「ツグナラ」をローンチ、事業承継をテーマに地域課題の解決を図るべく活動を行っている。
現在、作新学院大学 客員教授、人を大切にする経営学会 事務局次長として全国のいい会社を訪問し次世代の企業経営の在り方について研究活動を行っている。
著書に「地域一番コンサルタントになる方法」出版(同文館出版)、「キャリアを活かす!地域一番コンサルタントの成長戦略」(同文館出版)「後継者の仕事」(PHP研究所)「さらば価格競争」(商業界)共著、「日本のいい会社」地域に生きる会社力(ミネルヴァ書房)共著、「いい経営理念が会社を変える」(ラグーナ出版)「ニッポン子育てしやすい会社~人を大切にする会社は社員の子どもの数が多い~(商業界)共著、「実践ポストコロナを生き抜く術!強い会社の人を大切にする経営」(PHP研究所) 、「事業承継 買い手も売り手もうまくいくリアルノウハウ」(ビジネス社)共著、その他帝国ニュース(帝国データバンク)近代セールス(近代セールス社)等連載執筆多数。

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