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財務と事業承継4 経営改善を手助けする国の支援制度「早期経営改善計画」とは?
2022.08.24 | 事業承継

財務と事業承継4 経営改善を手助けする国の支援制度「早期経営改善計画」とは?

事業承継において、「この会社であれば引継ぎたい」と思ってもらうためには、自社の財務の磨き上げが重要です。本コラムでは、経営改善に活用できる国の施策「早期経営改善計画」の活用方法と利用手順をご紹介いたします。

事業承継において、「この会社であれば引継ぎたい」と思ってもらうためには、自社の財務の磨き上げが重要です。本コラムでは、経営改善に活用できる国の施策「早期経営改善計画」の活用方法と利用手順をご紹介いたします。

前回のコラムでは、「この会社であれば引き継ぎたい」と思ってもらうための、財務の磨き上げの重要性をお伝えしました。しかしながら、財務状況の改善は、一朝一夕には実現できません。会社の問題点を把握し、経営改善のための計画を立て、実行していく必要があります。
しかしながら、日々の業務に忙しい中小企業経営者が自分自身の力だけで計画立案と実行を行うのは非常に困難です。経営コンサルティング会社や中小企業診断士等の専門家に協力を依頼することも可能ですが、数十万円という費用がネックとなります。

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そのような場合に活用できるのが「早期経営改善計画策定支援事業」です。
早期経営改善計画とは、中小企業経営者を支援するための国の制度です。経営状況の把握や資金繰り等、経営改善に取り組む中小企業者等が、国が認定した専門家の支援を受けて経営改善計画を策定する際に、費用の3分2(上限25万円)の補助を受けることができます。

早期経営改善計画では、
①ビジネスモデル俯瞰図
②アクションプラン
③業績及び資金計画表

を作成します。

①ビジネスモデル俯瞰図では、自社商品やサービス、顧客や取引先との関係を視覚的に把握できます。
②アクションプランでは、自社の抱える課題と解決策を整理することで、経営を改善するために、いつ、だれが、何をすべきなのかを明確にします。
③業績計画では月単位と年単位の損益計算書を作成します。売上や経費を予測することで適切な人員配置や原材料の在庫管理が可能となります。また、計画値に対して実績値を定期的に振り返ることで、目標に対しての到達度を確認することができます。さらに、資金計画を作成することで、事業の継続に必要な資金を把握することが可能です。

早期経営改善計画を利用するまでの手順は次の通りです。

1. 事前相談と利用申請

早期経営改善計画の策定に際して、取引金融機関に事前相談を行います。さらに、計画書策定を依頼したい認定支援機関を選定します。認定支援機関は中小企業庁の認定経営革新等支援機関検索システムで調べることが可能です。認定支援機関と連名にて早期経営改善計画策定支援事業利用申請書を中小企業活性化協議会に提出します。

2.早期経営改善計画の策定

認定支援機関と早期経営改善計画を作成します。作成する書類は
①ビジネスモデル俯瞰図
②アクションプラン
③業績及び資金計画表

です。その後、取引金融機関に計画書を提出します。

3.支払申請

中小企業活性化協議会に支払申請書を提出し、認定支援機関に支払う費用の補助を受けます。計画策定支援にかかる費用の3分2(上限25万円)が補助されます。

4.モニタリング

認定支援機関は、計画策定後1年を経過した最初の決算時に、策定した早期改善計画の進捗状況についてモニタリングを実施し、取引金融機関と中小企業活性化協議会に報告します。

「この会社であれば引継ぎたい」と思ってもらうためには、事業承継に向けた十分な準備が必要です。以前のコラムでもご紹介させていただきましたが、中小企業庁の事業承継ガイドライン(公式サイト:https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/download/shoukei_guideline.pdf)では、円滑な事業承継に向けての5つのステップが紹介されています。

ステップ1.  事業承継に向けた準備の必要性の認識

ステップ2.  経営状況・経営課題等の把握(見える化)

ステップ3.  事業承継に向けた経営改善(磨き上げ)

ステップ4-1. (親族内・従業員承継の場合)事業承継計画の策定

ステップ4-2. (社外への引継ぎの場合)M&A等のマッチング実施

ステップ5.  事業承継・M&Aの実行

 早期経営改善計画の策定は、ステップ2 経営状況・経営課題等の把握(見える化)に該当します。さらに、計画を実行することで、ステップ3事業承継に向けた経営改善(磨き上げ)が実現できます。早期経営改善計画策定を皮切りに、円滑な事業承継への準備を進めましょう。
当社でも認定支援機関として早期改善計画策定支援を行っております。お気軽にご相談ください。

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