福島・いわき市
福島 ・ いわき市
安全な
株式会社福陽自動車教習所
命を守り未来への第一歩を応援するドライバー思いの指導力
経営理念
「真心三則」
- 一、お客様の信頼を厚くする
- 一、優れた専門知識を養う
- 一、節約と改善で豊な生活をめざす
「綱領」
- 一、丁寧に正確な指導をします
- 一、謙虚に思いやりの指導をします
- 一、明朗に楽しい指導をします
代表者メッセージ
当校は、開校以来、真心をこめた無事故無違反を目指す実践的な教習により、教習生の皆さまが自信を持って運転できるようサポートに努めてまいりました。
この勿来地区は、北茨城市に隣接し首都圏からのアクセスも良いため、茨城県北部からの通学生だけでなく、首都圏から短期合宿に訪れる方もいらっしゃいます。
当校では、中型自動車・大型自動車の免許取得プログラムにより「職業的価値の向上」や「人生の再設計」を後押しし、社会人としての新たな一歩を踏み出し、免許取得を通じてスキルアップを目指す方を応援しております。
高齢者講習にも力を入れ、免許更新にあたってご自身の運転を振り返るきっかけとなるよう、一人ひとりに合ったきめ細やかな指導を心がけております。
ハンドルと命を握る責任を講習を通して伝え、ドライバーの技能と未来を育む責務を全うするために、指導員、社員とともに今後も努力いたします。
グループ4社とともに、地域の皆さまの豊かで安全な暮らしを支え続けてまいります。
代表取締役 吉野 嘉晃
私たちのこだわり
指定自動車教習所の制度が施行された初期に設立
当校は、高度経済成長により一般家庭で保有する普通乗用車が急増し、法整備とともに全国で指定自動車教習所が立ち上がり始めた1963年に設立されました。先代が亡くなってしまい詳細な沿革はわかりませんが、3代前の経営者は建設業を立ち上げていわき南部で大きく成長させ、さらにさかのぼると呉服や旅館を営んでいたこともあったようです。
現在は、この福陽自動車教習所と、とらべるぱーくオリバー、ケアサポート慶(よろこび)、ニュートラル、のグループ4社の運営により、地域の皆さまが安心して豊かに暮らせるよう支え続けています。
材木屋の跡取りとして苦悩した学生時代
現在、福陽自動車教習所の社長を務めている私は、グループ3社の代表とハートフルなこその理事長を兼任しています。私の実家は長年材木屋を営んでおり、私はその材木屋を継ぐ予定でした。祖父から跡取りとしての期待を向けられて育ちました。祖父や周囲からの期待に対してプレッシャーや戸惑いがありました。
しかし同時に「いつか自分が経営者になる時が来るだろう」という意識も幼い頃から持っていたため、経営者や組織のトップに立つこと自体に対する抵抗はありませんでした。
その後、大学に進学しましたが在学中に社交不安症になり、人前に出られず電話も取れなくなってしまい、就職活動もほとんどできない状態になりました。追い打ちをかけるように、家業の材木屋が立ち行かなくなってしまいました。会社自体は不動産管理として存続するのみで、実質的に継ぐべき事業がなくなってしまったのです。私はそれまで「家業を継ぐ」というレールしか考えていませんでした。そのため、突然家業が廃業状態になったことで行き場を失い、人生そのものを諦めて、日陰暮らしをしていくしかないとあてもなく過ごしていました。
先代社長の急病により早まった第三者承継
そんな人生で最も苦しいときに声をかけてくれたのが先代です。私自身と先代との家系的なつながりはありませんが、私の父と先代は仲が良く、1997年にはもう一人の仲間とともに「社会福祉法人ハートフルなこそ」を立ち上げていました。初めは、後継者が不在だった社会福祉法人ハートフルなこその事務職として声をかけられました。その後、経営の勉強をさせたいという先代の意向で、2013年に株式会社ケアサポート慶の管理職に就きました。それまでは、先代も私も、私がグループ会社の後継者になるという考えはありませんでした。
しかし、働くうちに認めてもらい、しばらくしてグループ会社の後継者に指名されました。「あなたに任せたい」と言ってもらえたことで、代表の立場に就くなら精一杯頑張ろうと一念発起し、諦めた人生をもう一度取り戻すために社交不安症の治療に努めました。2017年には社交不安症を克服し、ケアサポート慶の代表に就任しました。
大きな転機となったのは、2019年に先代社長の病気が発覚したことでした。
先代の家族には会社を継ぐ方がいなかったため、後継者候補としてのステップを飛び越える形で、福陽自動車教習所と株式会社とらべるぱーくオリバーの代表を急遽兼任することになりました。その翌年に先代が亡くなり、2021年にはハートフルなこその理事長に就任しました。
代表としての役目を懸命にこなすうちに、あっという間に年月が経ちました。私自身はあまり野心的な方ではないため、これまで無事に経営を続けられているのは、先代の縁や父の徳によるものだと感じています。
一人ひとりへの丁寧な指導を徹底
自動車教習所としての歴史を振り返ると、創業当初は人口増の時代で、経済的な豊かさから免許を取得する人も増え続け、営業をせずとも業績は右肩上がりでした。サービスへの配慮も今ほどはなく、命を預かる重大な資格を受講者に与えるという責任の重さもありましたが、厳しい指導が当たり前の時代だったので、どの教習所も怖い指導員ばかりでした。
人口減と少子高齢が加速する現在は、受講者一人一人への丁寧な指導が標準的になってきており、当校も親切できめ細やかな教え方を徹底しています。
安定経営の理由はエリア独占と地元の学生が通いやすい立地
現在の当校の自己資本比率は92%です。引き継いだときにはすでに同程度の良好な財務状態であり、人件費や車両維持費などの固定費が増加し続けている現在も、経営状態は維持できています。
当校が安定的な経営を実現できている要因は3つあり、1つ目は、近くに同業がないため商圏を独占できていることです。競合他社が市内中部に位置するのに対し、当社は南部エリアを拠点としています。限られた顧客や需要をめぐって苛烈な価格競争となっていますが、幸いなことに当校の周辺には脅威となる同業がなく、自己資本率が高いのである程度自由に経営できています。
2つ目は、就職希望の学生が多い高校が当校の近くにあることです。教習所を選ぶときに学生や保護者がまずチェックするのは、自宅や学校から通いやすいかどうかです。少子高齢で学生数は減少しつつありますが、学生の普通自動車の免許取得は、今も昔も当校の収益を支えています。
3つ目は、首都圏からもアクセスしやすい立地です。当校は北茨城市に隣接しているので茨城北部からの通学生も多く、長期休暇を活用して首都圏から合宿に来る方もいます。
社会人としての第一歩を後押しする教習所のミッション
教習所は、免許を取るためだけに一時的に通う場所として一般的には思われているかもしれません。仕事や買い物など、暮らしを便利にするための手段として免許を捉えれば、確かにそれは一過性のものに見えるでしょう。しかし、私たちが教習所として果たすべき役割、そして地域へ提供できる価値には、4つの軸があると考えています。1つ目は交通災害を起こさないこと、2つ目は命の大切さを伝えること、3つ目は次のキャリアや未来につなげること、4つ目は物理的な移動距離や時間を短縮することです。
数ある免状や資格の中で、運転免許が決定的に違う点があります。それは、満18歳になって初めて自力で取得できる「一生ものの身分証明書」であるということです。免許を手にするということは、社会人としての責任を持って新しい世界へ踏み出す第一歩にほかなりません。だからこそ、この教習所という場所は、人生を次のステージにつなげる「キャリア形成の場」でもあると私は考えています。
普通免許から準中型、中型、大型自動車免許へとステップアップし上位免許を取得できれば、携われる仕事の範囲も広げられ、就職や能力給での賃金アップにもつながります。頑張って取得した免許そのものが、キャリアの橋渡しや経済的な保証としても機能するのです。
新たな展望として、当校を卒業した方々が社会に出て、実際に働く姿を校内の電子パネルなどで流せるようにしたいと考えています。
教習生が「自分もあんな風になりたい」と、最後まで意欲を持って通い続けられる場所にしたいと考えています。
私たちが地域に送り出す一人ひとりの卒業生は、この街の未来を作り、安全を守る存在になっていきます。卒業した方々の人生を次のステージへと繋ぐ架け橋として、当校は地域に根ざし、確かな価値を提供し続けています。
高齢者講習が利便性と命の責任について振り返る機会に
地方での生活は車が必須であり、70歳以上の高齢の方の数も年々増加しているので、現在はどの教習所でも高齢者講習の予約がとれない事が問題となっています。そのため、当校では受講を希望する方をより多く受け入れられるような体制を整え、担当指導員が一人ひとりの運転スキルに合わせた丁寧なアドバイスや指導をおこなっています。
2023年4月の改正道路交通法により、高齢者講習の手数料の設定が各教習所に委ねられるようになってからは、単価を思い切って倍に引き上げました。
高齢者講習の単価を上げた最大の理由は、講習の機会を、免許更新のための一過性の手段ではなく、ご自身の運転を振り返り、将来を選択するためのきっかけにしてほしいと思ったからです。
高齢者講習は、安全な運転を後押しするための制度であり、ふるい落とすための試験ではありません。そのため何度でも受け直すことができて、点数さえ満たせば免許は更新できてしまいます。しかし、高齢の方の実車指導を見ていると危ないと感じる場面が多々あり、教習所の外での運転を思うと悩ましい部分もあります。
高齢者講習の内容は、法基準に則り構成しているので踏み込めない部分もありますが、免許更新により維持できる利便性と、運転する方が負う命の責任やリスクを天秤にかけ、免許を更新すべきかを改めてよく考えていただきたいと思っています。
エリア内の適正価格の引き上げにも貢献
当校の高齢者講習の価格は、県内でも全国的にも高額の部類であり、値上げによってお客様が来なくなり経営が傾くリスクもありましたが、需要もあるため受け入れてもらえるだろうという確信がありました。単価を上げた当初は、同業の経営者から心配され、何度も「やめておきなさい」と言われました。しかし私には「命に関わる大切な免許更新に対して、これまでの価格は安すぎる。提供する体制に見合った、納得のいく金額をしっかりと受け取るべきだ」と確固たる信念がありました。
当校の値上げが成功してからは、同業も単価を上げるようになりました。自動車教習所業界の集まりでも「吉野君が先に単価を上げていてくれたおかげで、我々も上げやすくなった」と言ってもらえたので、エリア内の適正価格の引き上げにも陰ながら貢献できたのかもしれません。
車検の時のように「これだけのお金をかけてまで車に乗り続けるか、それとも運転を卒業するか」と、高齢者自身に一度立ち止まって考えてもらうための大きな「ハードル」にしたいという深い狙いがあるからです。そして単価を上げる分、私たちはより細やかで多様な教習を提供していく姿勢を大切にしていきたいと考えています。
車両のリース化で固定費や社員の負担を軽減
教習所運営していく上で、避けて通れないのが莫大な固定費や維持費の問題です。人件費はもちろんのこと、教習生が乗る普通車やトラックの購入、さらには広大なコースの修繕には、想像以上の費用がかかります。
なかでも、運転に不慣れな教習生が毎日繰り返し操作する「教習車」は、どうしても消耗や傷みが激しくなりがちです。 そのため、車両の法定耐用年数は3年とされていますが、丁寧なメンテナンスを行いながら、実際には10年近く稼働させているので現場のメンテナンス業務や管理は大きな重荷となっています。
これまでは、必要な車両をすべてその都度「購入」するという形をとってきました。しかしこれでは、購入の手続きだけでなく、日々の煩雑な車両管理がすべて社員心理的負担や物理的な負担となっていました。そのため、試験的にリースに切り替えたところです。リースならこれまで自社で行っていた車両管理の手間をリース会社に任せることで、社員の皆さんの負担を減らせます。また、社員には、本来の業務である指導や、営業活動に集中して取り組んでもらいたいと考えています。
また、自社で購入して資産化していたこれまでの方法では、購入時に多額の費用が計上されたり、減価償却によって年ごとの数字が変動したりと、経営状況が正確に見えにくいという問題がありました。リースへの切り替えによって、毎月の費用をきれいに平均化することが可能となり、経営の数字を見えやすくする目的もありますが、まだ「試験的」な試みです。まずは年度末に出る結果をしっかりと見極めた上で、これからの進むべき方針を冷静に判断したいと思っています。
社員同士の交流を生み出す営業活動と社員旅行
当校の社員は26名ほどで、指導員は15名です。高校や企業を指導員が直接訪問する営業活動が他校にない特徴で、指導員の顔が見えるため関係性を深めやすく、学生の保護者様や担当部署、経営者様にも安心してお任せいただいています。ネットワークを活かして免許取得を希望する方の情報を集め、先輩社員と新人がペアで訪問しているので、指導者同士の交流にもなってます。
社員全体の仲も良く、社員旅行は以前はたまに行く程度でしたが、現在は社員たちが計画を立て、毎年必ず行くようになっています。若手は社員同士の交流があまり得意ではない方が多く、はじめのうちは行きたくないと言っていましたが、研修旅行として北海道に行ってもらったところ「また来年、社長に行っていいと言ってもらえるように今年一年頑張ろう」と、前向きな気持ちになれたようです。旅行を通じて交流を深められたようで、嬉しく思います。
現在、当校やグループ全体での経営理念はまだ明文化しておらず、私が大事にしていることを仮として掲げています。私自身の考えや思いを社員に強制するのではなく、命を守り未来につなげる窓口としての教習所のあり方や役割を言語化し、いずれはそれを社員全員の軸として据えたいと考えています。
地域の活性化を促す人思いの社外活動
地域連携としては、障がいのある方の芸術活動を後押ししています。2026年4月に障がいのある方の作品を借り受けたのをきっかけとして、窓を額縁に見立てて絵を描くウインドアートでの作品発表を発案し、6月からは教習所の窓に絵を描いてもらっています。描かれる作品は季節ごとに変わる予定で、現在は教習所の窓いっぱいにヒマワリや海といった夏をイメージした絵が描かれています。
思いのこもった四季折々のウインドアートは、制作者である障がいのある方と、教習所に通う教習生が互いに楽しみながら間接的にふれ合えるいい機会になるだろうと感じています。
私個人も社外で活動していて、人前で話ができなくなってしまった、いわゆる極度のあがり症の方の克服講座の講師を務めています。社会不安症を克服した私の経験とインストラクターの資格が、苦しむ誰かの役に立てば嬉しい限りです。
まだ見ぬ可能性に向けて歩みを進める
少子高齢化、インフレ下での経営を考えると、新事業や異分野への挑戦も検討していく必要があると考えています。10年、15年後には収益の比率が大きく変わる、もしくは変えていく可能性も十分に考慮しながら今日の経営、明日の経営を行っています。
まだ方向性は定まっていませんが、同業を対象とした教習生の送迎ルートを簡単に設定できるソフトの開発販売や、資格領域を伸ばすなら建設車両やドローンなどへの拡張、教育領域を伸ばすなら学習塾など、いろいろと思案しているところです。
時代に合わせて柔軟に進化していき、社員が安心して長く働き続けられる未来と、新しいことへ挑戦し地域の方々にとって常にお役に立てられる企業であり続けていきます。
指定自動車教習所の制度が施行された初期に設立
当校は、高度経済成長により一般家庭で保有する普通乗用車が急増し、法整備とともに全国で指定自動車教習所が立ち上がり始めた1963年に設立されました。先代が亡くなってしまい詳細な沿革はわかりませんが、3代前の経営者は建設業を立ち上げていわき南部で大きく成長させ、さらにさかのぼると呉服や旅館を営んでいたこともあったようです。
現在は、この福陽自動車教習所と、とらべるぱーくオリバー、ケアサポート慶(よろこび)、ニュートラル、のグループ4社の運営により、地域の皆さまが安心して豊かに暮らせるよう支え続けています。
材木屋の跡取りとして苦悩した学生時代
現在、福陽自動車教習所の社長を務めている私は、グループ3社の代表とハートフルなこその理事長を兼任しています。私の実家は長年材木屋を営んでおり、私はその材木屋を継ぐ予定でした。祖父から跡取りとしての期待を向けられて育ちました。祖父や周囲からの期待に対してプレッシャーや戸惑いがありました。
しかし同時に「いつか自分が経営者になる時が来るだろう」という意識も幼い頃から持っていたため、経営者や組織のトップに立つこと自体に対する抵抗はありませんでした。
その後、大学に進学しましたが在学中に社交不安症になり、人前に出られず電話も取れなくなってしまい、就職活動もほとんどできない状態になりました。追い打ちをかけるように、家業の材木屋が立ち行かなくなってしまいました。会社自体は不動産管理として存続するのみで、実質的に継ぐべき事業がなくなってしまったのです。私はそれまで「家業を継ぐ」というレールしか考えていませんでした。そのため、突然家業が廃業状態になったことで行き場を失い、人生そのものを諦めて、日陰暮らしをしていくしかないとあてもなく過ごしていました。
先代社長の急病により早まった第三者承継
そんな人生で最も苦しいときに声をかけてくれたのが先代です。私自身と先代との家系的なつながりはありませんが、私の父と先代は仲が良く、1997年にはもう一人の仲間とともに「社会福祉法人ハートフルなこそ」を立ち上げていました。初めは、後継者が不在だった社会福祉法人ハートフルなこその事務職として声をかけられました。その後、経営の勉強をさせたいという先代の意向で、2013年に株式会社ケアサポート慶の管理職に就きました。それまでは、先代も私も、私がグループ会社の後継者になるという考えはありませんでした。
しかし、働くうちに認めてもらい、しばらくしてグループ会社の後継者に指名されました。「あなたに任せたい」と言ってもらえたことで、代表の立場に就くなら精一杯頑張ろうと一念発起し、諦めた人生をもう一度取り戻すために社交不安症の治療に努めました。2017年には社交不安症を克服し、ケアサポート慶の代表に就任しました。
大きな転機となったのは、2019年に先代社長の病気が発覚したことでした。
先代の家族には会社を継ぐ方がいなかったため、後継者候補としてのステップを飛び越える形で、福陽自動車教習所と株式会社とらべるぱーくオリバーの代表を急遽兼任することになりました。その翌年に先代が亡くなり、2021年にはハートフルなこその理事長に就任しました。
代表としての役目を懸命にこなすうちに、あっという間に年月が経ちました。私自身はあまり野心的な方ではないため、これまで無事に経営を続けられているのは、先代の縁や父の徳によるものだと感じています。
一人ひとりへの丁寧な指導を徹底
自動車教習所としての歴史を振り返ると、創業当初は人口増の時代で、経済的な豊かさから免許を取得する人も増え続け、営業をせずとも業績は右肩上がりでした。サービスへの配慮も今ほどはなく、命を預かる重大な資格を受講者に与えるという責任の重さもありましたが、厳しい指導が当たり前の時代だったので、どの教習所も怖い指導員ばかりでした。
人口減と少子高齢が加速する現在は、受講者一人一人への丁寧な指導が標準的になってきており、当校も親切できめ細やかな教え方を徹底しています。
安定経営の理由はエリア独占と地元の学生が通いやすい立地
現在の当校の自己資本比率は92%です。引き継いだときにはすでに同程度の良好な財務状態であり、人件費や車両維持費などの固定費が増加し続けている現在も、経営状態は維持できています。
当校が安定的な経営を実現できている要因は3つあり、1つ目は、近くに同業がないため商圏を独占できていることです。競合他社が市内中部に位置するのに対し、当社は南部エリアを拠点としています。限られた顧客や需要をめぐって苛烈な価格競争となっていますが、幸いなことに当校の周辺には脅威となる同業がなく、自己資本率が高いのである程度自由に経営できています。
2つ目は、就職希望の学生が多い高校が当校の近くにあることです。教習所を選ぶときに学生や保護者がまずチェックするのは、自宅や学校から通いやすいかどうかです。少子高齢で学生数は減少しつつありますが、学生の普通自動車の免許取得は、今も昔も当校の収益を支えています。
3つ目は、首都圏からもアクセスしやすい立地です。当校は北茨城市に隣接しているので茨城北部からの通学生も多く、長期休暇を活用して首都圏から合宿に来る方もいます。
社会人としての第一歩を後押しする教習所のミッション
教習所は、免許を取るためだけに一時的に通う場所として一般的には思われているかもしれません。仕事や買い物など、暮らしを便利にするための手段として免許を捉えれば、確かにそれは一過性のものに見えるでしょう。しかし、私たちが教習所として果たすべき役割、そして地域へ提供できる価値には、4つの軸があると考えています。1つ目は交通災害を起こさないこと、2つ目は命の大切さを伝えること、3つ目は次のキャリアや未来につなげること、4つ目は物理的な移動距離や時間を短縮することです。
数ある免状や資格の中で、運転免許が決定的に違う点があります。それは、満18歳になって初めて自力で取得できる「一生ものの身分証明書」であるということです。免許を手にするということは、社会人としての責任を持って新しい世界へ踏み出す第一歩にほかなりません。だからこそ、この教習所という場所は、人生を次のステージにつなげる「キャリア形成の場」でもあると私は考えています。
普通免許から準中型、中型、大型自動車免許へとステップアップし上位免許を取得できれば、携われる仕事の範囲も広げられ、就職や能力給での賃金アップにもつながります。頑張って取得した免許そのものが、キャリアの橋渡しや経済的な保証としても機能するのです。
新たな展望として、当校を卒業した方々が社会に出て、実際に働く姿を校内の電子パネルなどで流せるようにしたいと考えています。
教習生が「自分もあんな風になりたい」と、最後まで意欲を持って通い続けられる場所にしたいと考えています。
私たちが地域に送り出す一人ひとりの卒業生は、この街の未来を作り、安全を守る存在になっていきます。卒業した方々の人生を次のステージへと繋ぐ架け橋として、当校は地域に根ざし、確かな価値を提供し続けています。
高齢者講習が利便性と命の責任について振り返る機会に
地方での生活は車が必須であり、70歳以上の高齢の方の数も年々増加しているので、現在はどの教習所でも高齢者講習の予約がとれない事が問題となっています。そのため、当校では受講を希望する方をより多く受け入れられるような体制を整え、担当指導員が一人ひとりの運転スキルに合わせた丁寧なアドバイスや指導をおこなっています。
2023年4月の改正道路交通法により、高齢者講習の手数料の設定が各教習所に委ねられるようになってからは、単価を思い切って倍に引き上げました。
高齢者講習の単価を上げた最大の理由は、講習の機会を、免許更新のための一過性の手段ではなく、ご自身の運転を振り返り、将来を選択するためのきっかけにしてほしいと思ったからです。
高齢者講習は、安全な運転を後押しするための制度であり、ふるい落とすための試験ではありません。そのため何度でも受け直すことができて、点数さえ満たせば免許は更新できてしまいます。しかし、高齢の方の実車指導を見ていると危ないと感じる場面が多々あり、教習所の外での運転を思うと悩ましい部分もあります。
高齢者講習の内容は、法基準に則り構成しているので踏み込めない部分もありますが、免許更新により維持できる利便性と、運転する方が負う命の責任やリスクを天秤にかけ、免許を更新すべきかを改めてよく考えていただきたいと思っています。
エリア内の適正価格の引き上げにも貢献
当校の高齢者講習の価格は、県内でも全国的にも高額の部類であり、値上げによってお客様が来なくなり経営が傾くリスクもありましたが、需要もあるため受け入れてもらえるだろうという確信がありました。単価を上げた当初は、同業の経営者から心配され、何度も「やめておきなさい」と言われました。しかし私には「命に関わる大切な免許更新に対して、これまでの価格は安すぎる。提供する体制に見合った、納得のいく金額をしっかりと受け取るべきだ」と確固たる信念がありました。
当校の値上げが成功してからは、同業も単価を上げるようになりました。自動車教習所業界の集まりでも「吉野君が先に単価を上げていてくれたおかげで、我々も上げやすくなった」と言ってもらえたので、エリア内の適正価格の引き上げにも陰ながら貢献できたのかもしれません。
車検の時のように「これだけのお金をかけてまで車に乗り続けるか、それとも運転を卒業するか」と、高齢者自身に一度立ち止まって考えてもらうための大きな「ハードル」にしたいという深い狙いがあるからです。そして単価を上げる分、私たちはより細やかで多様な教習を提供していく姿勢を大切にしていきたいと考えています。
車両のリース化で固定費や社員の負担を軽減
教習所運営していく上で、避けて通れないのが莫大な固定費や維持費の問題です。人件費はもちろんのこと、教習生が乗る普通車やトラックの購入、さらには広大なコースの修繕には、想像以上の費用がかかります。
なかでも、運転に不慣れな教習生が毎日繰り返し操作する「教習車」は、どうしても消耗や傷みが激しくなりがちです。 そのため、車両の法定耐用年数は3年とされていますが、丁寧なメンテナンスを行いながら、実際には10年近く稼働させているので現場のメンテナンス業務や管理は大きな重荷となっています。
これまでは、必要な車両をすべてその都度「購入」するという形をとってきました。しかしこれでは、購入の手続きだけでなく、日々の煩雑な車両管理がすべて社員心理的負担や物理的な負担となっていました。そのため、試験的にリースに切り替えたところです。リースならこれまで自社で行っていた車両管理の手間をリース会社に任せることで、社員の皆さんの負担を減らせます。また、社員には、本来の業務である指導や、営業活動に集中して取り組んでもらいたいと考えています。
また、自社で購入して資産化していたこれまでの方法では、購入時に多額の費用が計上されたり、減価償却によって年ごとの数字が変動したりと、経営状況が正確に見えにくいという問題がありました。リースへの切り替えによって、毎月の費用をきれいに平均化することが可能となり、経営の数字を見えやすくする目的もありますが、まだ「試験的」な試みです。まずは年度末に出る結果をしっかりと見極めた上で、これからの進むべき方針を冷静に判断したいと思っています。
社員同士の交流を生み出す営業活動と社員旅行
当校の社員は26名ほどで、指導員は15名です。高校や企業を指導員が直接訪問する営業活動が他校にない特徴で、指導員の顔が見えるため関係性を深めやすく、学生の保護者様や担当部署、経営者様にも安心してお任せいただいています。ネットワークを活かして免許取得を希望する方の情報を集め、先輩社員と新人がペアで訪問しているので、指導者同士の交流にもなってます。
社員全体の仲も良く、社員旅行は以前はたまに行く程度でしたが、現在は社員たちが計画を立て、毎年必ず行くようになっています。若手は社員同士の交流があまり得意ではない方が多く、はじめのうちは行きたくないと言っていましたが、研修旅行として北海道に行ってもらったところ「また来年、社長に行っていいと言ってもらえるように今年一年頑張ろう」と、前向きな気持ちになれたようです。旅行を通じて交流を深められたようで、嬉しく思います。
現在、当校やグループ全体での経営理念はまだ明文化しておらず、私が大事にしていることを仮として掲げています。私自身の考えや思いを社員に強制するのではなく、命を守り未来につなげる窓口としての教習所のあり方や役割を言語化し、いずれはそれを社員全員の軸として据えたいと考えています。
地域の活性化を促す人思いの社外活動
地域連携としては、障がいのある方の芸術活動を後押ししています。2026年4月に障がいのある方の作品を借り受けたのをきっかけとして、窓を額縁に見立てて絵を描くウインドアートでの作品発表を発案し、6月からは教習所の窓に絵を描いてもらっています。描かれる作品は季節ごとに変わる予定で、現在は教習所の窓いっぱいにヒマワリや海といった夏をイメージした絵が描かれています。
思いのこもった四季折々のウインドアートは、制作者である障がいのある方と、教習所に通う教習生が互いに楽しみながら間接的にふれ合えるいい機会になるだろうと感じています。
私個人も社外で活動していて、人前で話ができなくなってしまった、いわゆる極度のあがり症の方の克服講座の講師を務めています。社会不安症を克服した私の経験とインストラクターの資格が、苦しむ誰かの役に立てば嬉しい限りです。
まだ見ぬ可能性に向けて歩みを進める
少子高齢化、インフレ下での経営を考えると、新事業や異分野への挑戦も検討していく必要があると考えています。10年、15年後には収益の比率が大きく変わる、もしくは変えていく可能性も十分に考慮しながら今日の経営、明日の経営を行っています。
まだ方向性は定まっていませんが、同業を対象とした教習生の送迎ルートを簡単に設定できるソフトの開発販売や、資格領域を伸ばすなら建設車両やドローンなどへの拡張、教育領域を伸ばすなら学習塾など、いろいろと思案しているところです。
時代に合わせて柔軟に進化していき、社員が安心して長く働き続けられる未来と、新しいことへ挑戦し地域の方々にとって常にお役に立てられる企業であり続けていきます。
会社概要
| 社名 | 株式会社福陽自動車教習所 |
| 創立年 | 1963年 |
| 代表者名 | 代表取締役 吉野 嘉晃 |
| 資本金 | 1,000万円 |
| URL |
https://fukuyo-ds.jp/
|
| 本社住所 |
〒974-8232 |
| 事業内容 | 各種自動車運転免許取得のための教習業務 |
| 関連会社 |
会社沿革
| 1963年 | 株式会社福陽自動車教習所を設立 |
公開日:2026/07/07
※本記事の内容および所属名称は2026年7月現在のものです。現在の情報とは異なる場合があります。
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