寿司職人を根絶やさない 憧れる職業を目指して日々、技を披露し続ける

株式会社奴寿司

職人の慣習を変えながら、職人が握った寿司で魅了する寿司屋

経営理念

私たちは真心を器に乗せて、お客様の喜びに感謝いたします
・全員が一丸となって、お客様に誠心誠意のおもてなしをし、サービスの提供をする
・お客様に喜んでいただくことが、私たちの最大の喜びである
・食文化を通じて、地域に貢献し、豊かな社会づくりに参加する

社長メッセージ

事業承継の経緯

先代が2017年12月に他界し、2018年初頭に社長を引き継ぎました。引き継いでからもう4年も経過していることに驚きはあります、無我夢中であっという間でした。この4年間の出来事は、10年ぐらい経過しているくらい経営者というものは如何に大変なのか先代の苦悩を体感した瞬間でした。周囲の環境もだいぶ変わり、一番は経営者としての意思決定の判断は慎重に且つ大胆にしなければならないことです。先代がいた時は、それなりのポストに就いていましたが無責任だったと感じます。

今は最終決定は古参社員や家族に相談していますが、やるのかやらないのかで迷ったら絶対にやらないを選択します。責任の度合いもありますが、会社の顔として私の意思決定で全て責任を背負う気持ちと従業員へ不安を与えないようにしています。

それと、健康に気をつかうようになりました。身体が資本と言いますが、身体によくない物を食べないようにしています。経営者として健康でいる必要があるので食事についてはプロから学ぶようになりました。生活習慣にも配慮してなるべく早くに就寝するようにしています。ただ少なからず重圧は感じていて寝付けず、晩酌をすることもしばしばあります。ただ、職業の向き不向きでいえば私は合っていたと感じています。私は次男坊でしたが料理が好きで、調理場に行ってよく手伝をしていました。長男は料理というか生き物をさばくのが性に合わなく私は、生きた魚をさばいてお客様が喜んでいる姿が一番幸せと感じていました。そのため、先代の仕事は幼いころから見てきました。

生活習慣を変えたきっかけ

私の家系は、癌で早世でもありました。先代は52歳、祖父が58歳、曾祖父が55歳で亡くなっており、会社を承継した時に真っ先に会社の存続を考えて気をつけるようにしています。料理人でもあるので舌が鈍らないようにタバコは吸わないようにもしています。
ただ、お酒は色々なストレスから解放されるため嗜む程度は呑んでいます。若いころは付き合いもあって潰れるまで呑んでいました。今はほとんど晩酌のみで、水割り2杯程度に留めています。

事業承継をした後に変えたビジネスモデル

ビジネスモデルは変わっておらずで、社内の体制を変えました。以前と異なり組織化を進めました。トップダウンで事業を進めていましたが、経営陣の間に幹部を挟み意思決定を迅速にすることで効率化は図れるようになりました。良い面もあれば悪い面もあります。ただ、経営陣が敷いた枠組みの中で成長は出来ないと思っています。従業員がそれぞれに課題意識をもって考えて起案してもらうこと、意見があって当然のことでもあります。

社長と店長の間の幹部は、SV(スーパーバイザー)営業部長・技術部長・事務局長・総務長を置いて経営の健全化を図っています。店舗については、事務局員を選出して監視しています。事務局の役割は、必要書類や帳簿の管理になります。店長が売上管理や帳簿などの雑用をやったりもしますが、そんなところに店長が気を遣うのは非効率でもあり、書類関係は次世代幹部候補の若手の事務局員にやらせています。ルール化してオペレーション化したものは、誰でも出来るようにする仕組化を進めています。ただ、不測の事態は店長に対応してもらいます。その店長が信頼できるパートナーでもある事務局員を指名させています。店長は店舗に集中し、業務を軽減する反面で売上拡大に注力できています。昔は店長が店舗責任者として、多大な業務負荷があったので社長に就任してからすぐ制度を変えました。このような役割分担は、他の会社では普通のことなんだと思っています。昔は従業員が自分の判断で実行することがご法度でもありました。それでは、幹部も従業員も育たなくなります。その時代にあったリーダーが組織を作る必要があると思っています。そのため、私の次の次世代経営者にはその時代のやり方をやらせたいと思っています。

私たちのこだわり

飲食業界への想い、古くからの慣習について

板前は長い年月の修行をしなくてはなりません。そうでないと一人前として認められないからです。ただ、技術は見て盗め、修行しろという風習は、怒られてなんぼの世界でもあり今はこの慣習を取り入れていません。その分で先輩社員がしっかりと教えています。鮮魚の管理など技術の進歩もあり、理解力の高い若い子には習得の時間を短縮し修練できる時間を与えています。厳しく指導することは、悪い意味で昔の教えを脚色してしまうこともあります。厳しく接することは鍛錬になりますが仕事を楽しむとは真逆です。客商売でもあるのでお客様に美味しかったと呼ばれるように職人も険しい顔をするのではなく笑顔で、聞きやすい環境を作るのが一番と思っています。ただ、成果に関してはしっかりと競争の意識は持ってもらうようにしています。収入を得たければ、先輩社員の一挙手一投足をしっかりと理解し反復すること、板前も技術を継承しなければ職人がドンドン衰退していきます。成功している飲食店は、調理師学校を出ている人が多かったりします。組織として大きくなるために採用基準も重要ですし、マニュアル化出来れば理想です。誰でもできるようにすることで、多店舗展開してお客様を第一優先にして喜んでもらえるように従業員を育成していきたいと思っています。

次世代へ引き継ぐ地域への想い

社会貢献は地域へのボランティアや寄付もありますが、次世代に重要な人の育成こそが、雇用創出にも繋がり重要なことだと思っています。人がいて町が作られます。人の育成、町を形成していくこと、それが次世代の未来作りに繋がると思っています。これらを連動し、未来の理想像に近づけさせ、町があってコミュニティが形成され、そこにいる人が豊かになることが重要です。何もないところに種を撒いても水も肥料もなければ育つことはできません。私たち事業者が地域未来を考えて人を育成し町を育んでいければ良いと思います。弊社では、朝礼の時間にゴミ拾いをしています。これは先代から続いています。地域清掃ではありますが、このような習慣が従業員を通じて継承されていけばいいと思っています。

経営理念、クレド、ビジョンは先代からどのように浸透させていますか

シンプルにまごころが理念です。これは先代から発信して20年以上に受け継がれています。朝礼の時に唱和し、入社や社内研修の時にもしっかりと理解してもらえるようにおこなっています。それは社員手帳に書いて渡してもいます。筆記試験も実施し、文字で覚えて書いて理解させます。難しいことではなく、しっかりと理解してもらいます。この試験は、月1回おこない筆記試験は抜き打ちではなく、合格した社員でも毎月全社員に実施しています
その理念継承があるので、事業方針や目標は必然的に達成するように肝に銘じてもらっています。特に飲食業は、食品廃棄や店舗売上に合わせた人員配置もあるので利益目標の数値を共有しています。

店舗発のサービス・商品の誕生について

毎年色々なサービスや商品は提示してもらっていますがなかなかに厳しいものはあります。お客様を喜ぶ企画や新商品開発などアイディアは次から次へと生まれますが、逆に起案が多すぎてしまってこれも創業来の弊社の強みかもしれません。お客様を喜ぶことに重点を置いたことで回転寿司でもあり立ち食い寿司という業態でお客様から認知と知名をもらえたのだと思っています。
スタッフに常に言っていることは、「仲良くしてくれ」ということです。店舗も会社も一つのチームではあります。チームビルディングとして、人間力を磨く上で人間関係は非常に重要です。お笑い芸人も仲の良いコンビやトリオはプライベートまで想像が出来ますが、仲の悪いコンビやトリオを見るとビジネス笑いと捉えてしまいます。仲が良いことには、来店したお客様にも必ず伝わります。お客様はプライベートで来るケースが多く、その仲の良さは重要と感じています。挨拶も然り、間違ったこと、ミスをした時に即座に謝ること。些細な事ではありますが常日頃からチェックしています。お客様に関しても新型コロナウィルスの感染が続く中で、当初は来店が難しいので配達を検討しましたが、店の雰囲気が分かるようにテイクアウトを基本にし持って帰っていただき、家でも美味しさの感動が伝わって欲しいと配達は止めました。

企業や事業を存続する上で心掛けていること

寿司職人は人情とまごころがあっての職業でもあり、絶対に絶やしてはいけないと思っています。回転すしのチェーン店では機械が握っているところもありますが、弊社は手で握ることにこだわっています。寿司職人になりたい若い子が減っている現状では業界は衰退していきます。一方で、魅力がありかっこいい職業にしていくように、奴寿司が次世代の若手に発信し続けなければいけないと思っています。

寿司屋は時代錯誤な部分もあり、敷居が高い店があったり私語厳禁や職人の拘りをお客様に押し付けてしまっている店もまだあります。白衣を着ているが店が汚かったり、板前も常連や寿司通の人にしか話さないような店は廃れていくと思っています。エンターテイメントまではいかないですが、寿司職人の技術を見て、どんどん質問して、美味しい食べ方を聞いてもらう、そんな店作りが理想です。

子ども達に見られている意識は強く感じています。店舗や屋号のロゴを商標登録していて、仲間にも無償提供しています。少しでも次の世代を担う若手の採用に繋がればというのと、一番は女性の職人を増やしたいと考えています。

SDGsやダイバーシティは日本は世界に対して遅れています。寿司業界も15年前の話になりますが、女性の職人の前に座りたくない人もいました。私たちは、女性も数多く雇用しています。女性は、やはり気が利くことと接客も丁寧で聞き上手だと思います。行きやすい店であり、誰でも来店しやすい雰囲気、また訪れたくなる接客など尽きない課題に対し、今は仲間と一緒に懸命に解を見出している最中です。

飲食業界への想い、古くからの慣習について

板前は長い年月の修行をしなくてはなりません。そうでないと一人前として認められないからです。ただ、技術は見て盗め、修行しろという風習は、怒られてなんぼの世界でもあり今はこの慣習を取り入れていません。その分で先輩社員がしっかりと教えています。鮮魚の管理など技術の進歩もあり、理解力の高い若い子には習得の時間を短縮し修練できる時間を与えています。厳しく指導することは、悪い意味で昔の教えを脚色してしまうこともあります。厳しく接することは鍛錬になりますが仕事を楽しむとは真逆です。客商売でもあるのでお客様に美味しかったと呼ばれるように職人も険しい顔をするのではなく笑顔で、聞きやすい環境を作るのが一番と思っています。ただ、成果に関してはしっかりと競争の意識は持ってもらうようにしています。収入を得たければ、先輩社員の一挙手一投足をしっかりと理解し反復すること、板前も技術を継承しなければ職人がドンドン衰退していきます。成功している飲食店は、調理師学校を出ている人が多かったりします。組織として大きくなるために採用基準も重要ですし、マニュアル化出来れば理想です。誰でもできるようにすることで、多店舗展開してお客様を第一優先にして喜んでもらえるように従業員を育成していきたいと思っています。

次世代へ引き継ぐ地域への想い

社会貢献は地域へのボランティアや寄付もありますが、次世代に重要な人の育成こそが、雇用創出にも繋がり重要なことだと思っています。人がいて町が作られます。人の育成、町を形成していくこと、それが次世代の未来作りに繋がると思っています。これらを連動し、未来の理想像に近づけさせ、町があってコミュニティが形成され、そこにいる人が豊かになることが重要です。何もないところに種を撒いても水も肥料もなければ育つことはできません。私たち事業者が地域未来を考えて人を育成し町を育んでいければ良いと思います。弊社では、朝礼の時間にゴミ拾いをしています。これは先代から続いています。地域清掃ではありますが、このような習慣が従業員を通じて継承されていけばいいと思っています。

経営理念、クレド、ビジョンは先代からどのように浸透させていますか

シンプルにまごころが理念です。これは先代から発信して20年以上に受け継がれています。朝礼の時に唱和し、入社や社内研修の時にもしっかりと理解してもらえるようにおこなっています。それは社員手帳に書いて渡してもいます。筆記試験も実施し、文字で覚えて書いて理解させます。難しいことではなく、しっかりと理解してもらいます。この試験は、月1回おこない筆記試験は抜き打ちではなく、合格した社員でも毎月全社員に実施しています
その理念継承があるので、事業方針や目標は必然的に達成するように肝に銘じてもらっています。特に飲食業は、食品廃棄や店舗売上に合わせた人員配置もあるので利益目標の数値を共有しています。

店舗発のサービス・商品の誕生について

毎年色々なサービスや商品は提示してもらっていますがなかなかに厳しいものはあります。お客様を喜ぶ企画や新商品開発などアイディアは次から次へと生まれますが、逆に起案が多すぎてしまってこれも創業来の弊社の強みかもしれません。お客様を喜ぶことに重点を置いたことで回転寿司でもあり立ち食い寿司という業態でお客様から認知と知名をもらえたのだと思っています。
スタッフに常に言っていることは、「仲良くしてくれ」ということです。店舗も会社も一つのチームではあります。チームビルディングとして、人間力を磨く上で人間関係は非常に重要です。お笑い芸人も仲の良いコンビやトリオはプライベートまで想像が出来ますが、仲の悪いコンビやトリオを見るとビジネス笑いと捉えてしまいます。仲が良いことには、来店したお客様にも必ず伝わります。お客様はプライベートで来るケースが多く、その仲の良さは重要と感じています。挨拶も然り、間違ったこと、ミスをした時に即座に謝ること。些細な事ではありますが常日頃からチェックしています。お客様に関しても新型コロナウィルスの感染が続く中で、当初は来店が難しいので配達を検討しましたが、店の雰囲気が分かるようにテイクアウトを基本にし持って帰っていただき、家でも美味しさの感動が伝わって欲しいと配達は止めました。

企業や事業を存続する上で心掛けていること

寿司職人は人情とまごころがあっての職業でもあり、絶対に絶やしてはいけないと思っています。回転すしのチェーン店では機械が握っているところもありますが、弊社は手で握ることにこだわっています。寿司職人になりたい若い子が減っている現状では業界は衰退していきます。一方で、魅力がありかっこいい職業にしていくように、奴寿司が次世代の若手に発信し続けなければいけないと思っています。

寿司屋は時代錯誤な部分もあり、敷居が高い店があったり私語厳禁や職人の拘りをお客様に押し付けてしまっている店もまだあります。白衣を着ているが店が汚かったり、板前も常連や寿司通の人にしか話さないような店は廃れていくと思っています。エンターテイメントまではいかないですが、寿司職人の技術を見て、どんどん質問して、美味しい食べ方を聞いてもらう、そんな店作りが理想です。

子ども達に見られている意識は強く感じています。店舗や屋号のロゴを商標登録していて、仲間にも無償提供しています。少しでも次の世代を担う若手の採用に繋がればというのと、一番は女性の職人を増やしたいと考えています。

SDGsやダイバーシティは日本は世界に対して遅れています。寿司業界も15年前の話になりますが、女性の職人の前に座りたくない人もいました。私たちは、女性も数多く雇用しています。女性は、やはり気が利くことと接客も丁寧で聞き上手だと思います。行きやすい店であり、誰でも来店しやすい雰囲気、また訪れたくなる接客など尽きない課題に対し、今は仲間と一緒に懸命に解を見出している最中です。

ツグナラコンサルタント

ツグナラコンサルタントによる紹介

ツグナラコンサルタント

創業以来、寿司屋の慣習に縛られない経営を貫かれています。慣習の打破が目的ではなく「お客様の要望」を聴いて、解決して、喜んでいただくというダイレクトマーケティングによる非価格経営を実現し継続されている、地域発展の原動力となる企業です。

インタビュアーのコメント

奴寿司さんは私の母も大ファンです。美味しさはもちろん「店員さんが親切で気持ち良い」と言います。今回のインタビューでそのための取組みを伺えて納得。経営理念と社員さんのベクトルが一致した企業は強いとあらためて認識しました。

会社概要

社名 株式会社奴寿司
創立年 1970年
代表者名 代表取締役 藤咲 幸生
従業員数 200名
事業エリア 栃木県(宇都宮市・日光市・下野市)
本社住所 320-0053
栃木県宇都宮市戸祭町3027-1
事業内容 すし店・回転すし店の経営・ケータリングサービス・催事販売・飲食業コンサルティング等
URL
http://www.yacco.asia/

会社沿革

1962年 「奴寿司」鬼怒川温泉にて店を構える
1970年 有限会社奴寿司設立
1972年 「奴寿司 鹿沼店」設立
1978年 「奴寿司 今市店」設立
1989年 「奴寿司 いせや鹿沼サウスト店」
先代社長 忠治逝く
1990年 有限会社「桃山」鬼怒川あさや テナント出店
1991年 「奴寿司 いせやサウスト店」 撤退
2000年 「すし華亭 長岡店」 オープン
2001年 あさやホテルより「桃山」 撤退
2004年 「すし華亭 簗瀬店」 オープン
商号変更により株式会社奴寿司となる
2005年 鹿沼店を有限会社奴充に独立
2006年 「奴寿司 華月」 OPEN
2008年 奴寿司鬼怒川店・今市店を移転統合し同年8月9日に「奴寿司 日光店」オープン
2009年 「すし華亭 西川田店」 オープン
2010年 「奴寿司 法人サービス」 スタート
2011年 法人部設立(PB・コンサル・HR等のB to Bビジネス開始)
2012年 奴寿司法人サービスを「すし屋台忠治」に業態転換
2014年 「INDIGO85」開店
2015年 「すし華亭 自治医大店」開店
2017年 JR宇都宮駅ビルパセオ内「寿司屋台 忠治」開店
セントラルキッチン 移動

公開日:2021/07/27 (2021/07/31修正)

※本記事の内容および所属名称は2021年5月取材当時のものです。現在の情報とは異なる場合があります。