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日本で
新生酪農株式会社
おいしく栄養も優れた「パスチャライズド牛乳」を作る乳業会社
経営理念
「おいしくて新鮮で安心な私たちの牛乳を守る」
弊社は、生産者と提携し、飼料や飼育環境に配慮して健康に育てられた乳牛から絞られた生乳を使用するとともに、製品の素性を明らかにして情報を公開することを基本理念として生産しています。
また日本の酪農を守る視点から、酪農生産者とお互いが見える関係づくりを大切にしています。
今後もこうした理念に基づく安心・安全な牛乳及び乳製品を提供していきます。
代表者メッセージ
国内で食のグローバル化が進展するにつれて、牛乳を含む飲料についても市場の多様化が進み、他の飲料との競合が激化していることから、乳業業界や酪農業界を取り巻く環境は近年厳しさを増しています。だからこそ我々は、「牛乳をもって飲料市場をけん引し、乳業業界や酪農業界をより発展させ、人々の暮らしに安心と健康を提供したい」と考えています。
生産者の方々が丹精込めて育てた牛から搾った乳の一滴一滴に感謝をしながら、安心安全な製品を作り、生活クラブの組合員や地域の皆様に喜んでもらえる製品づくりを目指していきます。
栃木工場 工場長 臼井 美智夫
私たちのこだわり
生活クラブ(生協)と酪農家が提携して設立した日本初の牛乳工場
私は現在、新生酪農株式会社の栃木工場で工場長を務めています。私の家は、栃木の小規模な酪農家で、その影響もあり高校・大学と農業系の学校に進学して酪農や畜産について学びました。ただ実家は両親だけで人手が足りているくらいの小規模な酪農家だったため、将来的には後を継ぐにしても、当面は別の企業に就職し、そちらで働きながら家業を手伝おうと考えていました。ちょうど私が大学を卒業するころに栃木新生酪農株式会社(現・新生酪農株式会社栃木工場)が設立されました。地元から近かったこと、何より酪農・畜産についてこれまで学んだことを活かせるのではないかと考えて入社を決意しました。
弊社は、1978年に生活クラブ事業連合生活協同組合連合会(以下、生活クラブ)と生産者が提携して設立された牛乳工場です。生活クラブとは、日本全国で約550ある生協組織のうちの1つで、生協の中でも特に安心・安全にこだわった食品を提供する組織として知られています。
弊社は、日本で初めて生活クラブが出資して建設した牛乳工場です。さらに、日本で初めて生協が生産者と提携して建設した牛乳工場でもあります。1988年には牛乳本来の栄養や味わいを損なわない熱処理方法を採用した「パスチャライズド牛乳」の販売を開始しました。また牛乳以外にもアイスやバター、ヨーグルトなどの乳製品も取り扱っています。
1社3工場体制が成立した経緯
新生酪農株式会社栃木工場は1987年に栃木新生酪農株式会社という別の会社組織として設立され、1996年に新生酪農株式会社と合併し新生酪農株式会社栃木工場となりました。また2012年には株式会社横内新生ミルクも合併して新生酪農株式会社安曇野工場となり、千葉工場と合わせて1社3工場体制という現在の体制が確立されました。
合併の目的としては、経営効率の改善や生産体制の拡充といった狙いがありました。会社の名前は変わりましたが、職場が変わったわけではなく、技術交流など人の行き来は合併前からあったため、合併への抵抗感や合併後の違和感などは全くなかったと記憶しています。
入社直後にバブル崩壊、さらに少子高齢化という逆境に直面
入社した当時はバブル経済期で、食の西洋化が進んだり冷蔵品の輸送技術が向上したりしており、牛乳の飲用量も右肩上がりに増えていました。1986年には426万キロリットルだった飲用牛乳類の国内生産量も1991年には497万キロリットルまで増え、弊社の製造量も伸び続ける中、忙しい日々を送っていました。しかしその後、バブルが崩壊して世の中の雰囲気が一変し、あの好景気が当たり前ではなかったことを実感しました。また、この頃には結婚して家族を守らなければならない立場になっていました。入社当初は、ただ目の前の業務に懸命に取り組むだけで精一杯でしたが、守る存在ができたことで視野を広げる必要を感じ、会社の状況や世の中の流れにも目を向けるようになっていました。
特に、戦後から徐々に進展している少子高齢化は、乳業業界に非常に深刻な影響を及ぼす問題です。学校給食用牛乳は飲用牛乳の大きな割合を占めますし、年齢別で見ても一番多く摂取しているのは7~14歳です。子供の数が減少するとともに牛乳の飲用量も年々減少傾向を強めていました。その一方で生産者の側では高齢化が進み、後継者不在で廃業する酪農家が増えていました。私の家も両親が体調を崩し廃業を余儀なくされた酪農家の1つで、今後ますます牛乳の生産者が減り続けてしまうのではないかという懸念があります。
そうした厳しい状況に対応するため、弊社ではパスチャライズド牛乳を筆頭とした「飲む」牛乳だけではなく、ヨーグルトやアイス、チーズやバターなど「食べる」牛乳ともいえる乳製品の開発・改良に力を入れるとともに、地元酪農家としっかり連携することで、酪農家を守り、高品質な製品を安定して供給できるように日々取り組んでいます。
牛乳本来の栄養分や風味を損なわない「パスチャライズド牛乳」
牛乳は食品衛生法により、決められた方法で加熱殺菌することが義務付けられています。一般的に流通している牛乳の大半は、120~150℃で1~3秒間加熱殺菌する超高温殺菌(UHT)処理が施されています。
一方、弊社が製造する「パスチャライズド牛乳」は、72℃で15秒間殺菌する「パスチャライゼーション」と呼ばれる加熱処理方法を採用しています。従来の超高温殺菌ではタンパク質やカルシウムが熱変性し、牛乳に必要以上のダメージを与えてしまいます。一方「パスチャライゼーション」処理は、生乳の豊かな栄養と風味を損なわない殺菌方法です。そのため栄養成分の変性を最小限に抑えることができ、免疫グロブリンなどの栄養素も多く含まれています。このように「パスチャライズド牛乳」は牛乳本来のおいしさを残しつつ、安全で栄養価の高い製品となっています。
また弊社では、牛乳の容器に「リターナブル瓶」を採用しています。一般的に使用される紙パックは、コストが安く、軽いので輸送しやすいというメリットがあります。一方で、冷蔵庫内の他の食品や紙パックそのものの臭いが牛乳に移りやすくなるというデメリットがあります。弊社で使用している「リターナブル瓶」では、臭いが移りにくいため、牛乳本来のおいしさを味わえます。また、リユース・リサイクルが可能なので環境にも優しく、SDGsの実現にも寄与する製品です。
「飲む」だけではなく「食べる」乳業へ
弊社と直接契約している生産者をはじめ日本の酪農家は、その85%が赤字経営と言われるほど厳しい状態になっています。その要因は少子化や食の多様化による牛乳の消費量の減少、コロナ禍のような外部環境の変化による余乳問題、そして飼料価格高騰などですが、もはや一酪農家の力だけではどうしようもできません。弊社は生産者あってこそ成り立っている会社です。彼らを取り巻く環境が変わることを期待するのではなく、弊社が本業を通じてその環境を変える一助となりたいと考えています。
今後、弊社としては、牛乳を「飲む」だけではなく「食べる」方向でも幅広く活用することに取り組んでいく予定です。そうすることで、生活クラブの組合員を始めとした消費者の要望に応えるとともに、国内酪農の振興にも貢献していけると考えています。具体的な取組のひとつとして、栃木工場では、2021年にチーズ工場を新設しました。栃木工場はチーズ作りに適した気候の那須高原にあり、かつ原料乳の確保に必要な提携生産者にも恵まれていることから、チーズ事業の重要な拠点として選ばれました。
私自身も実家が酪農家だったので、様々な事情で生乳を廃棄処分せざるを得なくなった時の生産者の気持ちは痛いほどよくわかります。今後は、「飲む」だけでなく「食べる」方向でも牛乳を活用することで、生産者が搾った牛乳の一滴一滴を大切するという前提で、安心安全な製品を提供していくことが自分たちの使命だと考えています。
生活クラブ(生協)と酪農家が提携して設立した日本初の牛乳工場
私は現在、新生酪農株式会社の栃木工場で工場長を務めています。私の家は、栃木の小規模な酪農家で、その影響もあり高校・大学と農業系の学校に進学して酪農や畜産について学びました。ただ実家は両親だけで人手が足りているくらいの小規模な酪農家だったため、将来的には後を継ぐにしても、当面は別の企業に就職し、そちらで働きながら家業を手伝おうと考えていました。ちょうど私が大学を卒業するころに栃木新生酪農株式会社(現・新生酪農株式会社栃木工場)が設立されました。地元から近かったこと、何より酪農・畜産についてこれまで学んだことを活かせるのではないかと考えて入社を決意しました。
弊社は、1978年に生活クラブ事業連合生活協同組合連合会(以下、生活クラブ)と生産者が提携して設立された牛乳工場です。生活クラブとは、日本全国で約550ある生協組織のうちの1つで、生協の中でも特に安心・安全にこだわった食品を提供する組織として知られています。
弊社は、日本で初めて生活クラブが出資して建設した牛乳工場です。さらに、日本で初めて生協が生産者と提携して建設した牛乳工場でもあります。1988年には牛乳本来の栄養や味わいを損なわない熱処理方法を採用した「パスチャライズド牛乳」の販売を開始しました。また牛乳以外にもアイスやバター、ヨーグルトなどの乳製品も取り扱っています。
1社3工場体制が成立した経緯
新生酪農株式会社栃木工場は1987年に栃木新生酪農株式会社という別の会社組織として設立され、1996年に新生酪農株式会社と合併し新生酪農株式会社栃木工場となりました。また2012年には株式会社横内新生ミルクも合併して新生酪農株式会社安曇野工場となり、千葉工場と合わせて1社3工場体制という現在の体制が確立されました。
合併の目的としては、経営効率の改善や生産体制の拡充といった狙いがありました。会社の名前は変わりましたが、職場が変わったわけではなく、技術交流など人の行き来は合併前からあったため、合併への抵抗感や合併後の違和感などは全くなかったと記憶しています。
入社直後にバブル崩壊、さらに少子高齢化という逆境に直面
入社した当時はバブル経済期で、食の西洋化が進んだり冷蔵品の輸送技術が向上したりしており、牛乳の飲用量も右肩上がりに増えていました。1986年には426万キロリットルだった飲用牛乳類の国内生産量も1991年には497万キロリットルまで増え、弊社の製造量も伸び続ける中、忙しい日々を送っていました。しかしその後、バブルが崩壊して世の中の雰囲気が一変し、あの好景気が当たり前ではなかったことを実感しました。また、この頃には結婚して家族を守らなければならない立場になっていました。入社当初は、ただ目の前の業務に懸命に取り組むだけで精一杯でしたが、守る存在ができたことで視野を広げる必要を感じ、会社の状況や世の中の流れにも目を向けるようになっていました。
特に、戦後から徐々に進展している少子高齢化は、乳業業界に非常に深刻な影響を及ぼす問題です。学校給食用牛乳は飲用牛乳の大きな割合を占めますし、年齢別で見ても一番多く摂取しているのは7~14歳です。子供の数が減少するとともに牛乳の飲用量も年々減少傾向を強めていました。その一方で生産者の側では高齢化が進み、後継者不在で廃業する酪農家が増えていました。私の家も両親が体調を崩し廃業を余儀なくされた酪農家の1つで、今後ますます牛乳の生産者が減り続けてしまうのではないかという懸念があります。
そうした厳しい状況に対応するため、弊社ではパスチャライズド牛乳を筆頭とした「飲む」牛乳だけではなく、ヨーグルトやアイス、チーズやバターなど「食べる」牛乳ともいえる乳製品の開発・改良に力を入れるとともに、地元酪農家としっかり連携することで、酪農家を守り、高品質な製品を安定して供給できるように日々取り組んでいます。
牛乳本来の栄養分や風味を損なわない「パスチャライズド牛乳」
牛乳は食品衛生法により、決められた方法で加熱殺菌することが義務付けられています。一般的に流通している牛乳の大半は、120~150℃で1~3秒間加熱殺菌する超高温殺菌(UHT)処理が施されています。
一方、弊社が製造する「パスチャライズド牛乳」は、72℃で15秒間殺菌する「パスチャライゼーション」と呼ばれる加熱処理方法を採用しています。従来の超高温殺菌ではタンパク質やカルシウムが熱変性し、牛乳に必要以上のダメージを与えてしまいます。一方「パスチャライゼーション」処理は、生乳の豊かな栄養と風味を損なわない殺菌方法です。そのため栄養成分の変性を最小限に抑えることができ、免疫グロブリンなどの栄養素も多く含まれています。このように「パスチャライズド牛乳」は牛乳本来のおいしさを残しつつ、安全で栄養価の高い製品となっています。
また弊社では、牛乳の容器に「リターナブル瓶」を採用しています。一般的に使用される紙パックは、コストが安く、軽いので輸送しやすいというメリットがあります。一方で、冷蔵庫内の他の食品や紙パックそのものの臭いが牛乳に移りやすくなるというデメリットがあります。弊社で使用している「リターナブル瓶」では、臭いが移りにくいため、牛乳本来のおいしさを味わえます。また、リユース・リサイクルが可能なので環境にも優しく、SDGsの実現にも寄与する製品です。
「飲む」だけではなく「食べる」乳業へ
弊社と直接契約している生産者をはじめ日本の酪農家は、その85%が赤字経営と言われるほど厳しい状態になっています。その要因は少子化や食の多様化による牛乳の消費量の減少、コロナ禍のような外部環境の変化による余乳問題、そして飼料価格高騰などですが、もはや一酪農家の力だけではどうしようもできません。弊社は生産者あってこそ成り立っている会社です。彼らを取り巻く環境が変わることを期待するのではなく、弊社が本業を通じてその環境を変える一助となりたいと考えています。
今後、弊社としては、牛乳を「飲む」だけではなく「食べる」方向でも幅広く活用することに取り組んでいく予定です。そうすることで、生活クラブの組合員を始めとした消費者の要望に応えるとともに、国内酪農の振興にも貢献していけると考えています。具体的な取組のひとつとして、栃木工場では、2021年にチーズ工場を新設しました。栃木工場はチーズ作りに適した気候の那須高原にあり、かつ原料乳の確保に必要な提携生産者にも恵まれていることから、チーズ事業の重要な拠点として選ばれました。
私自身も実家が酪農家だったので、様々な事情で生乳を廃棄処分せざるを得なくなった時の生産者の気持ちは痛いほどよくわかります。今後は、「飲む」だけでなく「食べる」方向でも牛乳を活用することで、生産者が搾った牛乳の一滴一滴を大切するという前提で、安心安全な製品を提供していくことが自分たちの使命だと考えています。
ツグナラ専門家による紹介
担当専門家:株式会社サクシード 株式会社サクシードの詳細
生産者との信頼関係を築き上げることで、消費者の健康に寄与する高品質な牛乳・乳製品を製造されています。すっきりとした味わいの栄養価が高い牛乳は学校給食に採用されました。生産者への感謝やリスペクトを持って働かれている社員様の姿が印象的でした。
会社概要
社名 | 新生酪農株式会社 |
創立年 | 1978年 |
代表者名 | 代表取締役 加藤 貴弘 |
資本金 | 9,000万円 |
URL |
http://www.sinsei-rakunou.com/index.html
|
本社住所 |
〒299-4403 0475-44-0099 |
事業内容 | ・72℃15秒間殺菌成分無調整牛乳(パスチャライズド牛乳)の製造販売 ・ヨーグルト・アイスクリーム・乳飲料・チーズ等の乳製品の製造販売 |
関連会社 |
会社沿革
1978年 | 千葉県長生郡睦沢町に本社設立 |
1979年 | 同地に本社工場設立 牛乳の製造を開始 |
1986年 | 乳製品工場竣工 アイスクリーム、ヨーグルトの製造開始 |
1987年 | 栃木新生酪農(株)設立 牛乳の製造を開始 |
1988年 | 牛乳の殺菌温度を72℃15秒間に変更 |
1990年 | 千葉工場にチーズ工場竣工 チ-ズの製造を開始 |
1996年 | 栃木新生酪農(株)と合併し、栃木工場としてスタート |
2000年 | 栃木工場に牛乳ビン装ラインを設置(900ml超軽量ガラスビン容器で牛乳の製造を開始) |
2001年 | 千葉工場のヨ-グルト製造ラインを改装し容器をカップタイプへ変更 |
2003年 | 千葉工場に牛乳ビン装ラインを設置(900ml超軽量ガラスビン容器で牛乳の製造を開始) |
2006年 | 千葉工場200mlビン牛乳ライン稼動 茂原市、睦沢町、長柄町へ学校給食牛乳供給開始 |
2012年 | (株)横内新生ミルクと合併し、安曇野工場としてスタート |
2013年 | 安曇野工場でパスチャライズド牛乳500ml紙パック、乳飲料500ml紙パックの供給開始 |
2020年 | パスチャライズド牛乳が東京都青梅市と多摩市、稲城市の学校給食に採用 |
2021年 | 栃木工場にチーズ工場を新設 |
2022年 | 栃木工場で200mlビン牛乳ライン稼働 東京都青梅市と多摩市、稲城市で学校給食牛乳の供給開始 |
新生酪農株式会社の経営資源引継ぎ募集情報
人的資本引継ぎ
栃木県
地域に誇れる商品!酪農と共に歩む乳業メーカーで働きませんか
公開日:2024/01/22
※本記事の内容および所属名称は2024年1月現在のものです。現在の情報とは異なる場合があります。
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