ニーズへの感度の高さが強み

弊社の一番の強みは、ニーズのキャッチアップの強さです。中古車市場は、震災・国の財政政策など、外部環境に非常に左右されやすいという特徴があります。例えば、大きな震災が起きれば、津波の影響を受けた水没車の買い取りが増え、震災支援のためのショベルカーやトラクターの需要が大幅に高まります。また、大きな高速道路を建設するという国の施策があれば、地域全体がインフラ建設で盛り上がりますので、その分建設機械の需要が増えるわけです。このように、常に世相を追いかけるように、お客様のニーズを先取りして車両を仕入れる必要があります。中古車オークションは、一週間で2万台程の出品があるといわれています。それを一台一台リストアップし、これまでの実績や世相から、適切なものを仕入れています。これは、長年身に着けた勘のようなものが大きいですが、従業員にこの勘所を共有し個々のスキルアップにつなげています。

取扱台数も県内では一番だと思います。弊社では年間の取り扱い台数が700台ほどあります。その中の400～500台は新規顧客です。弊社のホームページなどを見て、全国各地からお問い合わせが来ます。

モットーとして、お客様から頼まれたものを仕入れるということはしていません。お客様のニーズを先取りして、お客様が商品を見るときにはすでに弊社の在庫として仕入れてある状況を作るようにしています。そのため、常に幅広い在庫を持つようにしています。そうすると、お客様の探してる要望とうまくマッチングするんです。お客様からも、「よく探したね」と驚かれることも多々あります。そのためか、嬉しいことに既存顧客のリピーター率も高いです。

圧倒的な知識量でサービスに付加価値をつける

加えて、お客様に聞かれたことには、受け身ではなくしっかりアドバイスできる知識量を持つことで、サービス自体に他社には負けない付加価値をつけています。整備士の資格があることが知識量に直結しているというのはもちろんですが、それ以上に、知識を増やすことは日々の業務の一部となっています。資金的には大手の会社に勝つことはできませんが、知識や販売力は負けたくないと思い常に勉強しています。お客様よりも豊富な知識を身に着けることによって、どんなことにも答えることができ、お客様の満足度向上に繋がっているのだと感じています。

本を読んで知識を得るというよりは、より実践的な部分から身に着けるような感覚で、日々勉強しています。例えば、自分の苦手な分野について聞かれたときは、実際に現場の人に聞くようにしています。同業者に聞いても、車の買い方は分かりますが、使い方まで精通している人は多くありません。使い方を一番知っているのは、現場のお客様です。また、知識を仕入れたら、実践して身につけるように意識しています。実際やるのと口で伝えるのは違います。自分で知識を使えるようになって初めて人に伝えることができると考えています。

業界では私の年齢で経営者というのはかなり珍しいことです。年が若くて知識もあると、それだけお客様に信頼していただけると肌で感じています。

「中古商用車は壊れやすい」というイメージを払拭したい

弊社で一番大事にしていることは、お客様にとことん寄り添った販売をするということです。中古商用車業界の課題として大きいのが、「中古商用車は買った時点で壊れるもの」というイメージがあることです。故障した乗用車を修理するには、数万円で済むことが多いですが、トラックなどの大型自動車や建設機械の修理には、50万円～100万円ほどの資金が必要です。そのため、お客様に故障している部分を明確にせずに販売している業者が多く、業界内の課題だと感じています。また、構造が複雑な分、お客様自身も買った時点では壊れていることに気づきにくいんです。業界の標準としてそのような認識が定着してしまっています。

弊社の場合、車の外見はもちろんのこと、中身までよく診断して、なるべく長く使ってもらえるような車をお出しするというのが一番意識している部分です。利益を出すというよりも、「壊れない車を売る」というのが弊社にとって重要な部分です。お客様からも壊れないという部分で高い評価を受けています。

人間と同じで、機械は原因もなく壊れるということはありません。必ず何か原因があり、その原因を考えることが昔から好きなんです。車や機械が好きだからこそ、お客様にはより長く車を使ってほしいです。しっかりと一つ一つの原因を突き止め、長く使っていただける状態に仕上げてから販売する。これこそが中古車販売店のありかただと考えています。

M&Aで地域課題を解決し、シナジーを生み出したい

弊社では、商用車を修理して販売しているため、自動車整備工場の協力が必要です。しかし、自動車整備工場の経営者は年配の方が多いというのが実情です。そのような後継ぎのいない会社を引き継いでいくための手段として、M&Aを行いたいと考えています。せっかく良い理念を持った会社で、若い人材も残っているのに、後継経営者がいないという問題はよく聞きます。大型トラックの整備工場や、板金工場を特に引き継ぎたいと考えています。そうすることで、会社として新たなシナジーを生み出していきたいです。将来的には、整備工場や板金工場と連携し、グループ会社としてパッケージング販売をすることも構想しています。販売も修理もできる会社に成長することによって、お客様にトータル・ソリューションをお届けすることできると考えています。これによってさらなるお客様の助け船になれるよう前進するのが、弊社の夢です。また、海外輸出にも興味があります。

ツグナラを見た方へのメッセージ

中古商用車業界は、車を売りっぱなしにしてしまう会社が多い中で、弊社はできるだけ長く使っていただけるよう整備し、アフターフォローも欠かしません。業界全体の底上げに挑戦し続けるためには、自動車整備工場の協力が必要です。ぜひ、弊社の理念に共感していただける会社があれば、一緒に仕事をしていきたいです。