茨城・下妻市
アイデアをカタチに、
株式会社KOUMEI
人の想いとつながりを大切に「あったらいいな」を企画・製造・具現化
経営理念
社員と共に学び、仕事と共に歓び、社会と共に発展していく。人々の想いを誠実に「カタチ」にしてゆく。
代表者メッセージ
KOUMEIは1996年の創業以来プラスチック成形を主業とした会社です。小規模な会社ではありますが、多品種小ロット生産の中、所有する金型は2,000個にもなります。様々な業種の取引先と「細く長く」をモットーにお付き合いしながら、試作品製造にも積極的にトライしています。
時代の変化と共に、樹脂の種類や加工方法も多種多様になりました。「社員と共に学び、仕事と共に歓び、社会と共に発展していく。人々の想いを誠実にカタチにしていく」を経営理念として掲げ、日本と中国のネットワークを使いお客様に喜んで頂けるモノ作りを追求しております。
おもてなしの精神でお互いに心地よく楽しく仕事が出来るよう努めております。皆さまとの一期一会の出会いを大切にこれからも全力で事業に取り組んでまいります。どうぞよろしくお願い致します。
代表取締役 神郡 一純
私たちのこだわり
脱サラし起業、「宏明技研有限会社」設立へ
弊社の創業は1996年です。創業者の父は元々プラスチック成形の商社に勤務しておりました。その会社から将来を考えて独立したことが弊社創業の直接的なきっかけです。1990年代はバブル経済の崩壊やその打撃から多くの企業が経営難に陥っていたと聞いています。そのような環境下で父はサラリーマンとして働くよりも、起業して自らの力でお金を稼ぐ方が賢明だと考えたのではないかと思います。創業時のビジネスモデルとしては、人員が父一人ということもあり、前職で身に付けたノウハウを活かし、プラスチック成形のニーズをキャッチアップする営業を自身で行い、お客様を獲得したら前職の会社に成形を依頼するというものでした。
創業から約3年が経った頃、父が前職で一緒に働いていた当時の仲間が新しく仲間入りし、そのタイミングで法人化しました。実はこの時に仲間入りしたのは、現在代表を務めている神郡です。父としては昔から気心の知れた神郡が入社してくれたことは心強かったことでしょう。父は営業、神郡は現場業務と、役割を明確化することで事業が少しずつ軌道に乗るようになりました。お客様との信頼関係が構築されていく中で、成形業務を外部発注するのではなく、内製化し、よりスピード感をもってどんな要望にも応えられる柔軟な経営体制にすることを2人で目指していたと聞いています。中古の機械を1台購入したことをきっかけに、その頃から自社でのプラスチック成形が可能となり、現在のビジネスモデルに繋がっています。
創業から20年以上が経ちました。法人化し当初2名だった人員も現在では30名まで増え、様々な業種業態のお客様のご要望に多品種小ロット生産の体制でお応え出来ることが弊社の強みとなっています。
先代(父)と偶然の再会で弊社に入社
私は大学卒業後サービス業の会社に入社し、サラリーマンとして約8年務めました。中堅社員として若手社員と管理職のかけ橋のような役割を担うようになったころ、その当時の社長から新規事業立ち上げのメンバーにと声をかけていただき、本社に移動になりました。新事業の立ち上げは社を挙げてのプロジェクトだったため、プレッシャーを感じることも多くありましたが、実務を通じて事業領域や具体的なアイデアの発掘、事業化した際の市場への効果予測など、経営にまつわるノウハウを机上ではなく体験として学ぶことができ、人生において貴重な経験となりました。
両親が離婚をし母と生活をしていたので、経営者として働く父の姿を間近で見る機会は数える程度にしかありませんでしたが、子どもの頃、父が口癖のようによく言っていた「欲しいものがあったら自分で稼ぐしかない」という言葉が心に残っていました。いつか自分も新しいビジネスを立ち上げ、自分の力でお金を稼いでみたいとの願望は、父の存在があったから生まれたのだと思います。30歳くらいで独立しようと人生計画をしておりましたので、前職にて新規事業立ち上げに携われたことは運命的なことでした。
その後33歳の時、飲食店を始めようと脱サラしました。当時、妻と1歳の子どもと3人で生活していました。初めての子育てに四苦八苦しながらも懸命に頑張る妻の姿を見て、世の中のお母さんやお父さんがゆっくりとした空間で、ストレスなく安心して食事ができるような場を提供できないかと、保育士付きのカジュアルなカフェレストランの開業を目指し、準備を始めました。
その頃つくば市は、国家プロジェクト「筑波研究学園都市」として研究機関や学校が増え、子育て世代や若者の流入も見込まれたことから、自身としては勝ち筋の見えるビジネスモデルだと思っていました。しかし、街の発展性を見込んだ他の事業者も集まるようになり、条件の良いテナント獲得の寸前で別事業者に先を越されてしまいました。条件にマッチしたテナントが出てくるのを待ちながら、開業資金を貯め、家族を養うために建設現場や塗装現場で働き日銭を稼いでいました。
そんな暮らしが2年近く経った頃、地元のショッピングセンターのフードコートで偶然にも父と出会いました。両親の離婚後はたまに会う程度でしたし、それまで仕事の話はしてこなかったのですが、なぜかその時は互いの仕事について近況を話し合いました。父は弊社の主事業で培ったプラスチック成形のノウハウを活かし、オリジナル商品を一般ユーザー向けに製造販売する新規事業の立ち上げを計画している最中でした。父からは「前職での経験を活かし、新規事業を手伝ってほしい」とその場で打診され、この偶然の再会をきっかけに弊社に入社することとなりました。それが3、4年前のことですが、当時の双方の約束事として「会社を継ぐことありきでの入社はしない、後継を強制しないこと」としていました。
創業者の急逝により承継の覚悟を決める
弊社には平社員として入社し、人生ではじめて営業を経験しました。以前はサービス業だったので、朝店を開けばお客様が来店し、夜閉店すれば店舗には一日の売上として現金があるということが当たり前の環境だったので、営業業務を通してお客様から対価を頂くことの有難さを改めて感じる日々でした。コネクションのない状態からビジネスを創出することの大変さを思い知ると同時に、ここまで弊社をサポートしてくれた社員、そしてお取引いただいている関係先に対しては感謝の念に堪えません。
創業者である父は2020年に急逝し、最も長く傍で父の仕事を見てきた神郡が代表を務めることとなりました。結局、父の仕事はあまり見られないままでしたが、神郡の営業はいつも見せてもらっています。
「継がない」ことが私の入社の条件であり、父が亡くなるまでは1、2年で会社を去るつもりでした。しかし、弊社で働く従業員のためにも「会社を継続させていかねば」という想いを抱くようになり、経営者として会社を引き継いでいこうと覚悟を決めました。現在は、父が残した会社を神郡とともに2人で環境を整え、大きくしていこうと努めています。
強みは「細く、長く」のお付き合いとトライの精神
弊社は住宅・車・釣り具・パチンコメーカー・化粧品・芸能関連など様々な業種の取引先と「細く長く」をモットーにお付き合いをしています。金額の大小はありますが取引先の数は50社以上になります。そのためリーマンショックや震災などの災害、そして昨今のコロナ禍など外部環境に左右されにくい経営体制を実現しています。この業界は基本的には下請けである構図を変えることはできないと思っていますが、取引先一社に対する依存率を下げ、発注先の業績悪化による影響を回避できるようにしています。
また、成形屋として「何かあった時の宏明技研」として地域企業に認識してもらえるように、お客様のお困りごとには前例がないものでも積極的に取り組んでいます。この実績が企業イメージとして定着しており、弊社の強みにもなっています。
プラスチックの素材となる樹脂は毎年新素材が開発されており、近年は環境への意識の高まりとともに生分解性の原料を使った成形の相談も多くなりました。前例のない新素材での試作や試運転は、設備が壊れる可能性もあり、成形業者は避けがちですが、弊社では喜んで引き受けさせていただいています。おかげ様でプラスチック成形の駆け込み寺のようなポジションを確立しつつあります。
成形に必要となる金型は、同業他社では多くとも100個ほどで、1つの金型を機械に乗せたら1~2カ月は製造し続けるのが一般的です。弊社は町工場の規模ながら2,000個以上の金型を保持しており、多品種を小ロットで成形できることから、多くのお客様のニーズを満たせるようになりました。現在では、大手樹脂業者のお客様が試作品を作る際に弊社を活用いただくようになり、樹脂業者のお客様の取引先である大手メーカーへの橋渡しをしていただけるまでになりました。日々の業務の積み重ねが信頼に繋がっているのを実感しています。
宏明技研のクオリティと技術に惚れ込んだ中国会社との協業
中国にも事業所があり、アルミ系部品の切削のほか、芸能関連グッズ製作やアパレル事業を行っています。中国事業所のスタッフは、創業者である父と神郡が工場機能を拡充するため、中国の工場を巡っていた時に出会ったそうです。中国の工場には弊社で作った製品を持参し「同程度の製品を作ってほしい」と交渉をしましたが「そのような高品質の製品は作れない」と断られるばかりでした。100社ほどを巡るうち、1社の社長が弊社製品のクオリティと技術に惚れ込み「うちではできないが、やってみたい」と申し出て、父と神郡がノウハウや理念を共有しました。弊社に協業を申し出たその当時の社長が現在の中国事業所の社長となっています。クオリティに関しては日本と同レベルかそれ以上の厳しい目を持っており、互いに信頼できるパートナーとして協力しています。
より理解を深められる体系的な社員教育を目指す
弊社では「社員と共に学び、仕事と共に歓び、社会と共に発展していく」という経営理念を掲げています。父1人で出発した弊社は、神郡が加わって法人化し、現在は社員30人となっています。神郡は現場にも出ているので、社長や社員同士の距離も近く、私自身も毎日、社員一人一人と話せるように努めています。
今までは現場でのOJTを中心とした社員教育を行っていましたが、現在はマニュアル化も進め、誰でも作業できるような仕組みづくりを始めたところです。先輩社員の仕事とマニュアルの両方を見られるようにすることで、仕事を体系的に把握し、より理解を深めることができます。従業員とのコミュニケーションや教育は、会社として精度の高い仕事をしていくための大事な取り組みにもなっています。
「あったらいいな」を企画・製造・具現化。アイデアを現実に
HPにある「みなさんのアイデア募集」は、創業者である父が入社前の私に「手伝ってほしい」と話していた新規事業です。アイデア商品を開発した方がサンプルを形にしたいと思った時に、気軽に弊社を利用してもらえるようにとこのページを設けました。弊社には3Dプリンターもあり、サンプルを元に金型を作れば量産も可能なので、個人の方が相談するハードルは下がったと思っています。
これまで、弊社も私個人もBtoC(対個人)の実績がなかったので、事業の間口を広げ一般の方の声を直接受けられるようにすることで事業としての可能性も広がると考えました。
またオリジナルのノベルティも製作し、ビジネスのきっかけづくりとして活用しました。成形会社としてできることを形にしてお客様にお渡しすることで、弊社の事業にも興味を持っていただくことができるようになり、実際にお客様から相談を受けることも多くなりました。現在、弊社で請負っている芸能関連グッズ製作は、ノベルティで生まれた縁から始まりました。
創業以来、対企業を柱としてビジネスを行ってきましたが、これからは対ユーザー目線での商品開発も力を入れて、この2本柱でビジネスを構築していきたいと思っています。
予期せぬ代替わりからの再スタート
弊社に入社し、新規事業に携わることになったのは偶然ではありましたが、親子という縁があったからこそ今この会社にいられるのだと思っています。
父は突然亡くなったので、承継についても全く準備しておらず、海外事業所への送金方法すらわからない状態から2年かけて経営環境を立て直し、現在ようやくスタートに立ったところです。
今後5年から10年は、取扱い品種を増やしながらお客様に提供できるサービスを追求し、10年から20年後には、成形事業のほか芸能グッズ関連事業を柱として工場機能を拡充し、雇用も生み出せる会社へと成長していきたい考えです。現在は会社としても経営者としても準備期間であり、長らくお付き合いいただいているお客様と従業員を大事にしながら、新たな分野へも意欲的に挑戦していきます。
脱サラし起業、「宏明技研有限会社」設立へ
弊社の創業は1996年です。創業者の父は元々プラスチック成形の商社に勤務しておりました。その会社から将来を考えて独立したことが弊社創業の直接的なきっかけです。1990年代はバブル経済の崩壊やその打撃から多くの企業が経営難に陥っていたと聞いています。そのような環境下で父はサラリーマンとして働くよりも、起業して自らの力でお金を稼ぐ方が賢明だと考えたのではないかと思います。創業時のビジネスモデルとしては、人員が父一人ということもあり、前職で身に付けたノウハウを活かし、プラスチック成形のニーズをキャッチアップする営業を自身で行い、お客様を獲得したら前職の会社に成形を依頼するというものでした。
創業から約3年が経った頃、父が前職で一緒に働いていた当時の仲間が新しく仲間入りし、そのタイミングで法人化しました。実はこの時に仲間入りしたのは、現在代表を務めている神郡です。父としては昔から気心の知れた神郡が入社してくれたことは心強かったことでしょう。父は営業、神郡は現場業務と、役割を明確化することで事業が少しずつ軌道に乗るようになりました。お客様との信頼関係が構築されていく中で、成形業務を外部発注するのではなく、内製化し、よりスピード感をもってどんな要望にも応えられる柔軟な経営体制にすることを2人で目指していたと聞いています。中古の機械を1台購入したことをきっかけに、その頃から自社でのプラスチック成形が可能となり、現在のビジネスモデルに繋がっています。
創業から20年以上が経ちました。法人化し当初2名だった人員も現在では30名まで増え、様々な業種業態のお客様のご要望に多品種小ロット生産の体制でお応え出来ることが弊社の強みとなっています。
先代(父)と偶然の再会で弊社に入社
私は大学卒業後サービス業の会社に入社し、サラリーマンとして約8年務めました。中堅社員として若手社員と管理職のかけ橋のような役割を担うようになったころ、その当時の社長から新規事業立ち上げのメンバーにと声をかけていただき、本社に移動になりました。新事業の立ち上げは社を挙げてのプロジェクトだったため、プレッシャーを感じることも多くありましたが、実務を通じて事業領域や具体的なアイデアの発掘、事業化した際の市場への効果予測など、経営にまつわるノウハウを机上ではなく体験として学ぶことができ、人生において貴重な経験となりました。
両親が離婚をし母と生活をしていたので、経営者として働く父の姿を間近で見る機会は数える程度にしかありませんでしたが、子どもの頃、父が口癖のようによく言っていた「欲しいものがあったら自分で稼ぐしかない」という言葉が心に残っていました。いつか自分も新しいビジネスを立ち上げ、自分の力でお金を稼いでみたいとの願望は、父の存在があったから生まれたのだと思います。30歳くらいで独立しようと人生計画をしておりましたので、前職にて新規事業立ち上げに携われたことは運命的なことでした。
その後33歳の時、飲食店を始めようと脱サラしました。当時、妻と1歳の子どもと3人で生活していました。初めての子育てに四苦八苦しながらも懸命に頑張る妻の姿を見て、世の中のお母さんやお父さんがゆっくりとした空間で、ストレスなく安心して食事ができるような場を提供できないかと、保育士付きのカジュアルなカフェレストランの開業を目指し、準備を始めました。
その頃つくば市は、国家プロジェクト「筑波研究学園都市」として研究機関や学校が増え、子育て世代や若者の流入も見込まれたことから、自身としては勝ち筋の見えるビジネスモデルだと思っていました。しかし、街の発展性を見込んだ他の事業者も集まるようになり、条件の良いテナント獲得の寸前で別事業者に先を越されてしまいました。条件にマッチしたテナントが出てくるのを待ちながら、開業資金を貯め、家族を養うために建設現場や塗装現場で働き日銭を稼いでいました。
そんな暮らしが2年近く経った頃、地元のショッピングセンターのフードコートで偶然にも父と出会いました。両親の離婚後はたまに会う程度でしたし、それまで仕事の話はしてこなかったのですが、なぜかその時は互いの仕事について近況を話し合いました。父は弊社の主事業で培ったプラスチック成形のノウハウを活かし、オリジナル商品を一般ユーザー向けに製造販売する新規事業の立ち上げを計画している最中でした。父からは「前職での経験を活かし、新規事業を手伝ってほしい」とその場で打診され、この偶然の再会をきっかけに弊社に入社することとなりました。それが3、4年前のことですが、当時の双方の約束事として「会社を継ぐことありきでの入社はしない、後継を強制しないこと」としていました。
創業者の急逝により承継の覚悟を決める
弊社には平社員として入社し、人生ではじめて営業を経験しました。以前はサービス業だったので、朝店を開けばお客様が来店し、夜閉店すれば店舗には一日の売上として現金があるということが当たり前の環境だったので、営業業務を通してお客様から対価を頂くことの有難さを改めて感じる日々でした。コネクションのない状態からビジネスを創出することの大変さを思い知ると同時に、ここまで弊社をサポートしてくれた社員、そしてお取引いただいている関係先に対しては感謝の念に堪えません。
創業者である父は2020年に急逝し、最も長く傍で父の仕事を見てきた神郡が代表を務めることとなりました。結局、父の仕事はあまり見られないままでしたが、神郡の営業はいつも見せてもらっています。
「継がない」ことが私の入社の条件であり、父が亡くなるまでは1、2年で会社を去るつもりでした。しかし、弊社で働く従業員のためにも「会社を継続させていかねば」という想いを抱くようになり、経営者として会社を引き継いでいこうと覚悟を決めました。現在は、父が残した会社を神郡とともに2人で環境を整え、大きくしていこうと努めています。
強みは「細く、長く」のお付き合いとトライの精神
弊社は住宅・車・釣り具・パチンコメーカー・化粧品・芸能関連など様々な業種の取引先と「細く長く」をモットーにお付き合いをしています。金額の大小はありますが取引先の数は50社以上になります。そのためリーマンショックや震災などの災害、そして昨今のコロナ禍など外部環境に左右されにくい経営体制を実現しています。この業界は基本的には下請けである構図を変えることはできないと思っていますが、取引先一社に対する依存率を下げ、発注先の業績悪化による影響を回避できるようにしています。
また、成形屋として「何かあった時の宏明技研」として地域企業に認識してもらえるように、お客様のお困りごとには前例がないものでも積極的に取り組んでいます。この実績が企業イメージとして定着しており、弊社の強みにもなっています。
プラスチックの素材となる樹脂は毎年新素材が開発されており、近年は環境への意識の高まりとともに生分解性の原料を使った成形の相談も多くなりました。前例のない新素材での試作や試運転は、設備が壊れる可能性もあり、成形業者は避けがちですが、弊社では喜んで引き受けさせていただいています。おかげ様でプラスチック成形の駆け込み寺のようなポジションを確立しつつあります。
成形に必要となる金型は、同業他社では多くとも100個ほどで、1つの金型を機械に乗せたら1~2カ月は製造し続けるのが一般的です。弊社は町工場の規模ながら2,000個以上の金型を保持しており、多品種を小ロットで成形できることから、多くのお客様のニーズを満たせるようになりました。現在では、大手樹脂業者のお客様が試作品を作る際に弊社を活用いただくようになり、樹脂業者のお客様の取引先である大手メーカーへの橋渡しをしていただけるまでになりました。日々の業務の積み重ねが信頼に繋がっているのを実感しています。
宏明技研のクオリティと技術に惚れ込んだ中国会社との協業
中国にも事業所があり、アルミ系部品の切削のほか、芸能関連グッズ製作やアパレル事業を行っています。中国事業所のスタッフは、創業者である父と神郡が工場機能を拡充するため、中国の工場を巡っていた時に出会ったそうです。中国の工場には弊社で作った製品を持参し「同程度の製品を作ってほしい」と交渉をしましたが「そのような高品質の製品は作れない」と断られるばかりでした。100社ほどを巡るうち、1社の社長が弊社製品のクオリティと技術に惚れ込み「うちではできないが、やってみたい」と申し出て、父と神郡がノウハウや理念を共有しました。弊社に協業を申し出たその当時の社長が現在の中国事業所の社長となっています。クオリティに関しては日本と同レベルかそれ以上の厳しい目を持っており、互いに信頼できるパートナーとして協力しています。
より理解を深められる体系的な社員教育を目指す
弊社では「社員と共に学び、仕事と共に歓び、社会と共に発展していく」という経営理念を掲げています。父1人で出発した弊社は、神郡が加わって法人化し、現在は社員30人となっています。神郡は現場にも出ているので、社長や社員同士の距離も近く、私自身も毎日、社員一人一人と話せるように努めています。
今までは現場でのOJTを中心とした社員教育を行っていましたが、現在はマニュアル化も進め、誰でも作業できるような仕組みづくりを始めたところです。先輩社員の仕事とマニュアルの両方を見られるようにすることで、仕事を体系的に把握し、より理解を深めることができます。従業員とのコミュニケーションや教育は、会社として精度の高い仕事をしていくための大事な取り組みにもなっています。
「あったらいいな」を企画・製造・具現化。アイデアを現実に
HPにある「みなさんのアイデア募集」は、創業者である父が入社前の私に「手伝ってほしい」と話していた新規事業です。アイデア商品を開発した方がサンプルを形にしたいと思った時に、気軽に弊社を利用してもらえるようにとこのページを設けました。弊社には3Dプリンターもあり、サンプルを元に金型を作れば量産も可能なので、個人の方が相談するハードルは下がったと思っています。
これまで、弊社も私個人もBtoC(対個人)の実績がなかったので、事業の間口を広げ一般の方の声を直接受けられるようにすることで事業としての可能性も広がると考えました。
またオリジナルのノベルティも製作し、ビジネスのきっかけづくりとして活用しました。成形会社としてできることを形にしてお客様にお渡しすることで、弊社の事業にも興味を持っていただくことができるようになり、実際にお客様から相談を受けることも多くなりました。現在、弊社で請負っている芸能関連グッズ製作は、ノベルティで生まれた縁から始まりました。
創業以来、対企業を柱としてビジネスを行ってきましたが、これからは対ユーザー目線での商品開発も力を入れて、この2本柱でビジネスを構築していきたいと思っています。
予期せぬ代替わりからの再スタート
弊社に入社し、新規事業に携わることになったのは偶然ではありましたが、親子という縁があったからこそ今この会社にいられるのだと思っています。
父は突然亡くなったので、承継についても全く準備しておらず、海外事業所への送金方法すらわからない状態から2年かけて経営環境を立て直し、現在ようやくスタートに立ったところです。
今後5年から10年は、取扱い品種を増やしながらお客様に提供できるサービスを追求し、10年から20年後には、成形事業のほか芸能グッズ関連事業を柱として工場機能を拡充し、雇用も生み出せる会社へと成長していきたい考えです。現在は会社としても経営者としても準備期間であり、長らくお付き合いいただいているお客様と従業員を大事にしながら、新たな分野へも意欲的に挑戦していきます。
ツグナラ専門家による紹介
担当専門家:エンコネクト株式会社 エンコネクト株式会社の詳細
茨城県、中国、香港を拠点として多機能ライトやポリ袋等のプラスチック製品の製造を行う企業様です。様々な業種の取引先と「細く長く」をモットーにお付き合いしながら、試作品製造にも積極的にトライするなど、常に「あったらいいな」を追求する姿勢でいらっしゃいます。今後は対ユーザー目線での商品開発も力を入れていきたいとお考えです。
会社概要
社名 | 株式会社KOUMEI |
創立年 | 1996年 |
代表者名 | 代表取締役 神郡 一純 |
資本金 | 300万円 |
URL |
https://koumei-dream.jp/
|
本社住所 |
〒304-0023 |
事業内容 | 3D設計 製品開発 金属3Dプリンター 試作 注型成形 射出成形 圧縮成形 金型製作 印刷 組立て ノベルティグッズ製造・販売 |
事業エリア |
中国広東省 恵州事業所 Zhonh Kai NoHuizhou City GuangDong,China |
香港 宏科技研有限公司 (HONG-KE) 62-70 TEXACO ROAD TSEUN WAN N.T, HONG KONG |
会社沿革
1996年 | 創業 |
1998年 | 会社設立:宏明技研有限会社 |
2000年 | 中国現地法人設立・香港現地法人設立 |
2020年 | 本社・工場移転 |
2023年 | 宏明技研有限会社から株式会社KOUMEIへ商号変更 |
株式会社KOUMEIの経営資源引継ぎ募集情報
公開日:2023/10/12
※本記事の内容および所属名称は2023年10月現在のものです。現在の情報とは異なる場合があります。
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