
神奈川・横浜市保土ヶ谷区
神奈川 ・ 横浜市
引継ぎ実績あり
教育現場の
グランコーヨー株式会社
国境を越え社会の架け橋となる「学びの場」のトータルサポート
経営理念
全従業員の物・心両面の幸福を追求し、同時に教育・子育て・福祉市場を中心にありとあらゆるサービスを提供することによって、より良い学習・生活環境の構築に貢献する。
代表者メッセージ

グランコーヨー株式会社はおかげさまで創業50年。
新時代に向けた新たな挑戦が始まります。
社会における「価値観の多様性」は、時代と共にものすごいスピードで進化しています。
今後は教育現場においても、グローバルな視点と、パーソナライズされた学習システムや指導システム、AIの活用を含めたデジタルコンテンツなど、これまで想像もつかなかったニーズが高まるものと思われます。
しかし、時代が進化しても変わらないものもあるはずです。
それは、人と人がつながり社会の基盤となる、教育の現場です。
未来を担う子どもたちがより良い学びを得るため、そのためにこそ私たちは常に『たくさんの可能性』を提供することに尽力しています。
新時代の「教育現場」で必要とされているのは、子どもたちのためのものだけでなく、
指導される先生方の「負担軽減」も大切なキーワードとして捉えています。
すべての児童・生徒、そして先生方が安心してポテンシャルを最大限に発揮できるよう、質の高いサービスをスピーディーに、そしてタイムリーに提供するプラットフォ-マーとして機能をさらに強化するためにも『コドモズームホールディングス株式会社』を新たに立ち上げ、教育・子育て・福祉の「現場」のサポートに尽力して参ります。
コ : こどもたちの未来を創ります。
ド : どんなときも先生を応援します。
モ : もっともっと教育現場のお役に立ちます。
ズー : ずーっと地域の皆さまとともに歩みます。
ム : 無二のビジネスパートナーを目指します。
代表取締役 大庭 公善

私たちのこだわり
商店街の文房具店から、教育を軸に未来を描く総合商社へ
グランコーヨー株式会社は、私の父が創業し今年で51年を迎える、教育現場のトータルサポートの会社です。現在は、横浜・川崎市内の小中学校、幼稚園、保育園を中心に、学校教材や事務用品、パソコン、複合機など幅広い商品を教育現場にお届けしています。施設の改修工事やイベントの企画・運営にも対応し、学びの環境を支え続けています。
創業者の父には学生時代から起業の夢があり、いつか自分の力で成し遂げたい――その想いを胸に、大手文房具メーカーに新卒で入社しました。父が入社した文房具メーカーは、当時まだ東証一部上場前でしたが、高度経済成長にともない、子どもの教育や学用品への投資額が増えてきていたことから、急成長中の企業でした。父が教育の周辺事業である文房具メーカーを志したのは、横浜市内の中学校校長まで務め上げ、教育に生涯をささげた祖父の影響もあったのかもしれません。
父は文房具メーカーに10年間勤務して、組織の仕組みや商売の基礎を学び、30歳半ばで独立を決意し、1974年から学校向けの事務用品販売を始めました。1979年には商店街に本社事業部を新築し、小売店で学用品の販売をスタートしました。
商店街の変貌にともない、店舗販売から営業へと重心を移す
私は商店街の文房具屋の息子として育ちました。1階が店舗、2階が住居という生活で、中学を卒業する頃までは、店頭でレジ打ちの手伝いをすることもありました。当時の文房具は定価販売が一般的で、ネット通販などもまだ普及しておらず安定した商売であり、営業より店舗販売の比率の方が多かったように思います。
ところが、時代とともに商店街の様相は変わり、私が中学に入る頃には、近隣に大型スーパーが開業したことで馴染みの肉屋や八百屋、花屋が次々と姿を消していきました。その影響は家業をも直撃しました。父は「店頭で待つ」商売から「営業して売りに行く」スタイルに重心を移し、学校への営業活動を本格化させていきました。
1994年には本社ビルも建設し、社名もグランコーヨー株式会社に変更されました。自宅と事務所が切り離されたことで、家庭的な雰囲気から会社らしい体裁となり、社員を採用し弊社の組織化が進んだのもこの頃です。当時、私は高校生だったので経営についてはあまり理解していませんでしたが、両親が大変な時も前向きに働く姿を見せてくれていたので、大学を卒業し社会勉強をしたら家業を継ごうという気持ちがすでにありました。
大学は経済学部経営学科に進学し、大学卒業後には父と同じ文房具メーカーに入社し、新社会人向けのビジネス研修制度を利用して経験を積みました。研修生は12、3人ほどいて、私のほかにも家業を継ぐために研修を受けに来ていた方がいましたが、バブル崩壊により景気が悪くなっていったことで、研修期間が終わらないうちに家から呼び戻された方や、中には廃業することになってしまったという方もいました。私を心配し「戻ってもきっと大変なだけだから、このまま残っては」と勧めてくださる方もいましたが、継ぐと決めた家業を放ってはおけず、2000年には予定通り3年で退職して弊社に入社しました。
2代目として、もがきながら経営の軸を探る
入社当時の弊社は10名規模で、私は創設されたばかりのグループ会社、獅子王株式会社を担当することになりました。「お前が一番稼がなかったら誰も言うことを聞いてくれないぞ」という父の言葉を受け、猛烈に奮起したことを今でも覚えています。私の任務は「会社がまだ挑戦したことのない分野でプラスアルファの部分を伸ばすこと」であり、もがきながらも経験を積んでいきました。
丁度10年経った頃に、何と父が幼稚園事業を新たに起業することになり、社長のポストが空くことになったタイミングで私に経営のバトンが渡され、2008年に社長に就任することとなりました。
先代の時代には、会社方針や考えを可視化する理念のようなものはなく、2代目として経営する上では、揺るがない軸をもつ会社を手本としていきたいと思うようになり、経営の神様と呼ばれる稲盛和夫の盛和塾に学ぶことにしました。まだ経営経験が浅い30代の頃は、稲盛塾長の本をそのまま社内で輪読してもらうことで、目指すべき方向性や価値観を共有しようとしていましたが、他者から借りた言葉をそのまま押しつけるだけでは人は動かないことを学びました。
2代目としての方針がなかなか定まらず、社員には負担をかけることもあったと思いますが、学び続ける姿勢を社員に見せられたことは良かったと、今になり思えるようになりました。
「学び」の現場へのサービス提供と地域企業としての意識を可視化
自社のあり方や、方針を的確に表現するための試行錯誤は、社長就任から約20年を経た現在も続いています。51期目からは『コドモズーム』というタグラインを打ち出し、それをそのまま新会社コドモズームホールディングス設立にも繋げ、教育や子育てを応援する商品・サービスをイラストや言葉での可視化を試みました。これまではポリシーなどの表現にばらつきがありましたが、社員やステークホルダーとも共通認識を持てるように工夫しています。
朝礼での週1回の理念の唱和も継続しています。年1回の経営方針発表会では、粗利の推移や目標値などの数字を共有して、働く時間を減らしながら成果を上げることがワークライフバランスや健康経営にもつながることから、時間当たり採算の進捗も伝えています。
また、地域に根ざした企業としての役割を果たすために、地域貢献企業認定やCSR認定制度にも積極的に応募しています。現在は「横浜型地域貢献企業」「よこはまグッドバランス企業」「横浜健康経営認証」「横浜市SDGs認証制度“Y-SDGs”」といった認定・認証制度、地域志向CSR認定制度を取得しています。さらに、これら4つの認定・認証制度を取得したとして、2023年に「横浜グランドスラム企業表彰」の企業として認証されました。外部評価を社内にフィードバックすることで、会社の強みや改善点を客観的に把握し、より良い企業へ進化する指針としています。
地域社会を意識した取り組みは社員の働きがいにもつながっており、これからも会社全体で「会社をどう良くしていくか」を考える文化を育んでいきたいと思っています。
製品発掘により教育現場とプライベートの両面をサポート
現在のメインの取引先は、神奈川県庁や横浜市役所をはじめとする自治体や公立の小・中学校です。民間の幼稚園、保育園などと合わせて約2,000件との取引をおこなっています。
弊社の強みは、ルートセールスにより築き上げられた取引先との関係性と、教育現場の声を直接聞くことができる総合商社的な立ち位置です。弊社の営業は、打ち合わせや納品のために幼稚園・保育園、学校などの教育機関に日参し、必要な消耗品や教材などを受注して、教室の内装工事まで請け負っています。教育の現場ではデジタル教材やICT化の導入が進んでいますが、対応が追いついていないと感じています。現場のニーズに役立つ教材や製品を提案できるようサポートすることで、教職員の皆様の負担を少しでも軽減していけたらと考えています。
そしてここ1年ほどは、教職員の方のライフスタイル充実のための製品発掘とご提案が他社との差別化となってきています。現在ニーズがあるのは、高級ドライヤーやストレートヘアアイロン、EMS腹筋ベルトなどのトレーニングアイテムなどです。学校へのルートセールスで教材や備品を納品する際にチラシやパンフレットをお渡しし、チラシを持っている方だけが特別価格で購入できる仕組みです。製品は、ブランド品質保証や横流し防止のため自宅に直接送付されるシステムであり、忙しい教職員の皆様にはご満足いただき、弊社としても営業の負担や在庫を抱えることがないので助かっています。
ルートセールスの売上にさらにプラスになることも利点です。教育機関での支出区分は、税金によりまかなわれる“公費”と、保護者が負担する“私費”に分かれており、年間を通じておおよその行事や予算が決まっているため、数字の見通しは立ちやすいかもしれませんが、予算以上の収益はなかなか見込めません。一方で、プライベート向けの製品は教職員の皆様が個人で購入するため、必要とされる製品を見つけることができれば、その分の利益が得られることとなります。今後も教職員の方々のニーズを掘り起こし、教育現場とプライベートの両面から支えることで、笑顔ある充実した学びの場を創出していきたい考えです。
教育現場のスケジュールに合わせた提案への努力
営業にはそれぞれ担当エリアがあり、移動式スーパーマーケットのように、自分で提案する商品を選び提案することとなります。教育機関には年間スケジュールがあり、1年間の行事を1度体験しただけでは理解しきれない部分があります。例えば、入学式関係の受発注を再び体験できるのは1年後です。そのため社員教育としては、教育機関との伴走とOJTにより経験を蓄積させていくしかないと思っています。
さらに弊社では、教育現場に必要な備品や教材に加え、現在の差別化となっている教職員向け製品への理解力と提案力も必要となっています。大変だとは思いますが、社員たちの頑張りによって業績がじわじわと伸びており、担当先のために努力し続ける姿勢を嬉しく思っています。お客様の担当として当事者意識を持ち、商品とサービス力での信用性は今後も大事にしてもらうことで、活躍してもらいたいと思っています。
地域社会を支えるソーシャルグッドな企業でありたい
この横浜は人口が多く企業数もあり、生産から消費まで地域の中ですべて完結してしまうため、流動性がなく危機感が薄いのが、長所でもあり短所だと感じています。そのため、企業として成長を目指すならば、視座を上げ独自性を磨き続ける努力が必要となります。
この地域の中で存在感を示していくには、商品力やサービスの優位性だけでなく、「企業の姿勢」も信頼性を得るための鍵となるだろうと考えています。弊社では利益追求だけでなく、健康経営やSDGsへの取り組みの強化といった社会的価値の創出を経営の軸に据え、ワークライフバランスや働き方改革を推進しています。社員が安心して働ける環境づくりに注力することが、結果として独自性やブランディングにもつながると考えています。
地域の中での連携としては、教育コンサルのような形でのサービス提供も視野に入れています。近年は運送業でのドライバーが不足し、子育て世代にも活躍してもらえるように保育所設置を手伝ってほしいという運送会社から声をかけられる機会がありました。今後子どもが減っていけば、企業の保育所運営を手伝いたいという幼稚園・保育園も出て来るかもしれません。そういった保育や教育で課題を抱える企業の橋渡しや仲間づくりのために、事業承継M&Aにも挑戦できたらと考えています。
今後はモノだけでなく、サービスなどのソフト面の価値がより重要視されてくるでしょう。価値のあるサービスを提供できれば、物販にもつながります。まずは新しいビジネスモデルを模索し、実現に向けて行動を起こすことが大切だと考えています。
グループ全体での差別化、海外進出や異業種との連携で新たな展開を探り続ける
行政取引では、1社につき登録できる品目数に制限があり、自治体によって異なるローカルルールがあるため、以前は複数のグループ会社を持つことで入札や指名の機会を増やしていきましたが、税務面では大変非効率でした。また以前はオリジナル商品やサービスを「作る」という選択肢がありましたが、現代はモノが飽和しているのでオリジナル商品の需要はさほど見込めず、倉庫に在庫を抱えるのもあまり適切ではないと考えています。
そのため、ソフトバンクの孫正義氏がiPhoneを日本に持ち込んだように、グループ各社がマーケットの中で「新しい価値を発掘する存在」となれるように、総合商社としての独自性を磨き、サービスを発信する拠点となっていけたらと考えています。
国内では、今後も継続的に目新しい商品を探し続けるために、今後も様々な展示会等を巡りつつ人脈を広げ、革新的な製品やサービスを見つけることに力を入れたい考えです。
もうひとつのビジョンは、成長が見込まれる国での事業展開です。日本は今後、少子化と人口減により教材などの取扱い数が減少し、マーケットも縮小していくといわれています。自社の安定化を図りつつ、引き続き日本国内の教育の現場を支え続けるには、外貨を稼ぐ必要があるという選択肢も持つべきとの考えに至りました。
私の弟は、以前からベトナムで幼稚園を経営しており、軌道に乗りつつあります。すでに基盤のあるベトナムに日本の優れた教材とサービスを輸出し、幼稚園事業を推し進めていけば、さらに信用力も上がり現地の保護者や地域社会とのつながりも生まれるはずです。人づてに評判が広まれば、幼稚園の教職員の雇用だけでなく、ほかの事業を拡大する際の採用にもつながり、海外進出を計画している企業の橋渡しもできるだろうと考えています。そして日本式の教育を介して子どもたちが育っていけば、日本に親しみを持ち、日本で暮らしたいと思うベトナムの方もあらわれるかもしれません。
そのため現在は、教育という切り口で視察ツアーを企画し、動きだしたところです。新たな販路を開拓し、異業種の事業運営を支援することで相乗効果を生み出していきたいと思っています。事業承継M&Aも、仲間づくりをする上での選択肢の一つです。異業種連携や共同開発などの多様な成長の道を探り、国境を越え充実した「学び」を届けられるよう努めていきます。
商店街の文房具店から、教育を軸に未来を描く総合商社へ
グランコーヨー株式会社は、私の父が創業し今年で51年を迎える、教育現場のトータルサポートの会社です。現在は、横浜・川崎市内の小中学校、幼稚園、保育園を中心に、学校教材や事務用品、パソコン、複合機など幅広い商品を教育現場にお届けしています。施設の改修工事やイベントの企画・運営にも対応し、学びの環境を支え続けています。
創業者の父には学生時代から起業の夢があり、いつか自分の力で成し遂げたい――その想いを胸に、大手文房具メーカーに新卒で入社しました。父が入社した文房具メーカーは、当時まだ東証一部上場前でしたが、高度経済成長にともない、子どもの教育や学用品への投資額が増えてきていたことから、急成長中の企業でした。父が教育の周辺事業である文房具メーカーを志したのは、横浜市内の中学校校長まで務め上げ、教育に生涯をささげた祖父の影響もあったのかもしれません。
父は文房具メーカーに10年間勤務して、組織の仕組みや商売の基礎を学び、30歳半ばで独立を決意し、1974年から学校向けの事務用品販売を始めました。1979年には商店街に本社事業部を新築し、小売店で学用品の販売をスタートしました。
商店街の変貌にともない、店舗販売から営業へと重心を移す
私は商店街の文房具屋の息子として育ちました。1階が店舗、2階が住居という生活で、中学を卒業する頃までは、店頭でレジ打ちの手伝いをすることもありました。当時の文房具は定価販売が一般的で、ネット通販などもまだ普及しておらず安定した商売であり、営業より店舗販売の比率の方が多かったように思います。
ところが、時代とともに商店街の様相は変わり、私が中学に入る頃には、近隣に大型スーパーが開業したことで馴染みの肉屋や八百屋、花屋が次々と姿を消していきました。その影響は家業をも直撃しました。父は「店頭で待つ」商売から「営業して売りに行く」スタイルに重心を移し、学校への営業活動を本格化させていきました。
1994年には本社ビルも建設し、社名もグランコーヨー株式会社に変更されました。自宅と事務所が切り離されたことで、家庭的な雰囲気から会社らしい体裁となり、社員を採用し弊社の組織化が進んだのもこの頃です。当時、私は高校生だったので経営についてはあまり理解していませんでしたが、両親が大変な時も前向きに働く姿を見せてくれていたので、大学を卒業し社会勉強をしたら家業を継ごうという気持ちがすでにありました。
大学は経済学部経営学科に進学し、大学卒業後には父と同じ文房具メーカーに入社し、新社会人向けのビジネス研修制度を利用して経験を積みました。研修生は12、3人ほどいて、私のほかにも家業を継ぐために研修を受けに来ていた方がいましたが、バブル崩壊により景気が悪くなっていったことで、研修期間が終わらないうちに家から呼び戻された方や、中には廃業することになってしまったという方もいました。私を心配し「戻ってもきっと大変なだけだから、このまま残っては」と勧めてくださる方もいましたが、継ぐと決めた家業を放ってはおけず、2000年には予定通り3年で退職して弊社に入社しました。
2代目として、もがきながら経営の軸を探る
入社当時の弊社は10名規模で、私は創設されたばかりのグループ会社、獅子王株式会社を担当することになりました。「お前が一番稼がなかったら誰も言うことを聞いてくれないぞ」という父の言葉を受け、猛烈に奮起したことを今でも覚えています。私の任務は「会社がまだ挑戦したことのない分野でプラスアルファの部分を伸ばすこと」であり、もがきながらも経験を積んでいきました。
丁度10年経った頃に、何と父が幼稚園事業を新たに起業することになり、社長のポストが空くことになったタイミングで私に経営のバトンが渡され、2008年に社長に就任することとなりました。
先代の時代には、会社方針や考えを可視化する理念のようなものはなく、2代目として経営する上では、揺るがない軸をもつ会社を手本としていきたいと思うようになり、経営の神様と呼ばれる稲盛和夫の盛和塾に学ぶことにしました。まだ経営経験が浅い30代の頃は、稲盛塾長の本をそのまま社内で輪読してもらうことで、目指すべき方向性や価値観を共有しようとしていましたが、他者から借りた言葉をそのまま押しつけるだけでは人は動かないことを学びました。
2代目としての方針がなかなか定まらず、社員には負担をかけることもあったと思いますが、学び続ける姿勢を社員に見せられたことは良かったと、今になり思えるようになりました。
「学び」の現場へのサービス提供と地域企業としての意識を可視化
自社のあり方や、方針を的確に表現するための試行錯誤は、社長就任から約20年を経た現在も続いています。51期目からは『コドモズーム』というタグラインを打ち出し、それをそのまま新会社コドモズームホールディングス設立にも繋げ、教育や子育てを応援する商品・サービスをイラストや言葉での可視化を試みました。これまではポリシーなどの表現にばらつきがありましたが、社員やステークホルダーとも共通認識を持てるように工夫しています。
朝礼での週1回の理念の唱和も継続しています。年1回の経営方針発表会では、粗利の推移や目標値などの数字を共有して、働く時間を減らしながら成果を上げることがワークライフバランスや健康経営にもつながることから、時間当たり採算の進捗も伝えています。
また、地域に根ざした企業としての役割を果たすために、地域貢献企業認定やCSR認定制度にも積極的に応募しています。現在は「横浜型地域貢献企業」「よこはまグッドバランス企業」「横浜健康経営認証」「横浜市SDGs認証制度“Y-SDGs”」といった認定・認証制度、地域志向CSR認定制度を取得しています。さらに、これら4つの認定・認証制度を取得したとして、2023年に「横浜グランドスラム企業表彰」の企業として認証されました。外部評価を社内にフィードバックすることで、会社の強みや改善点を客観的に把握し、より良い企業へ進化する指針としています。
地域社会を意識した取り組みは社員の働きがいにもつながっており、これからも会社全体で「会社をどう良くしていくか」を考える文化を育んでいきたいと思っています。
製品発掘により教育現場とプライベートの両面をサポート
現在のメインの取引先は、神奈川県庁や横浜市役所をはじめとする自治体や公立の小・中学校です。民間の幼稚園、保育園などと合わせて約2,000件との取引をおこなっています。
弊社の強みは、ルートセールスにより築き上げられた取引先との関係性と、教育現場の声を直接聞くことができる総合商社的な立ち位置です。弊社の営業は、打ち合わせや納品のために幼稚園・保育園、学校などの教育機関に日参し、必要な消耗品や教材などを受注して、教室の内装工事まで請け負っています。教育の現場ではデジタル教材やICT化の導入が進んでいますが、対応が追いついていないと感じています。現場のニーズに役立つ教材や製品を提案できるようサポートすることで、教職員の皆様の負担を少しでも軽減していけたらと考えています。
そしてここ1年ほどは、教職員の方のライフスタイル充実のための製品発掘とご提案が他社との差別化となってきています。現在ニーズがあるのは、高級ドライヤーやストレートヘアアイロン、EMS腹筋ベルトなどのトレーニングアイテムなどです。学校へのルートセールスで教材や備品を納品する際にチラシやパンフレットをお渡しし、チラシを持っている方だけが特別価格で購入できる仕組みです。製品は、ブランド品質保証や横流し防止のため自宅に直接送付されるシステムであり、忙しい教職員の皆様にはご満足いただき、弊社としても営業の負担や在庫を抱えることがないので助かっています。
ルートセールスの売上にさらにプラスになることも利点です。教育機関での支出区分は、税金によりまかなわれる“公費”と、保護者が負担する“私費”に分かれており、年間を通じておおよその行事や予算が決まっているため、数字の見通しは立ちやすいかもしれませんが、予算以上の収益はなかなか見込めません。一方で、プライベート向けの製品は教職員の皆様が個人で購入するため、必要とされる製品を見つけることができれば、その分の利益が得られることとなります。今後も教職員の方々のニーズを掘り起こし、教育現場とプライベートの両面から支えることで、笑顔ある充実した学びの場を創出していきたい考えです。
教育現場のスケジュールに合わせた提案への努力
営業にはそれぞれ担当エリアがあり、移動式スーパーマーケットのように、自分で提案する商品を選び提案することとなります。教育機関には年間スケジュールがあり、1年間の行事を1度体験しただけでは理解しきれない部分があります。例えば、入学式関係の受発注を再び体験できるのは1年後です。そのため社員教育としては、教育機関との伴走とOJTにより経験を蓄積させていくしかないと思っています。
さらに弊社では、教育現場に必要な備品や教材に加え、現在の差別化となっている教職員向け製品への理解力と提案力も必要となっています。大変だとは思いますが、社員たちの頑張りによって業績がじわじわと伸びており、担当先のために努力し続ける姿勢を嬉しく思っています。お客様の担当として当事者意識を持ち、商品とサービス力での信用性は今後も大事にしてもらうことで、活躍してもらいたいと思っています。
地域社会を支えるソーシャルグッドな企業でありたい
この横浜は人口が多く企業数もあり、生産から消費まで地域の中ですべて完結してしまうため、流動性がなく危機感が薄いのが、長所でもあり短所だと感じています。そのため、企業として成長を目指すならば、視座を上げ独自性を磨き続ける努力が必要となります。
この地域の中で存在感を示していくには、商品力やサービスの優位性だけでなく、「企業の姿勢」も信頼性を得るための鍵となるだろうと考えています。弊社では利益追求だけでなく、健康経営やSDGsへの取り組みの強化といった社会的価値の創出を経営の軸に据え、ワークライフバランスや働き方改革を推進しています。社員が安心して働ける環境づくりに注力することが、結果として独自性やブランディングにもつながると考えています。
地域の中での連携としては、教育コンサルのような形でのサービス提供も視野に入れています。近年は運送業でのドライバーが不足し、子育て世代にも活躍してもらえるように保育所設置を手伝ってほしいという運送会社から声をかけられる機会がありました。今後子どもが減っていけば、企業の保育所運営を手伝いたいという幼稚園・保育園も出て来るかもしれません。そういった保育や教育で課題を抱える企業の橋渡しや仲間づくりのために、事業承継M&Aにも挑戦できたらと考えています。
今後はモノだけでなく、サービスなどのソフト面の価値がより重要視されてくるでしょう。価値のあるサービスを提供できれば、物販にもつながります。まずは新しいビジネスモデルを模索し、実現に向けて行動を起こすことが大切だと考えています。
グループ全体での差別化、海外進出や異業種との連携で新たな展開を探り続ける
行政取引では、1社につき登録できる品目数に制限があり、自治体によって異なるローカルルールがあるため、以前は複数のグループ会社を持つことで入札や指名の機会を増やしていきましたが、税務面では大変非効率でした。また以前はオリジナル商品やサービスを「作る」という選択肢がありましたが、現代はモノが飽和しているのでオリジナル商品の需要はさほど見込めず、倉庫に在庫を抱えるのもあまり適切ではないと考えています。
そのため、ソフトバンクの孫正義氏がiPhoneを日本に持ち込んだように、グループ各社がマーケットの中で「新しい価値を発掘する存在」となれるように、総合商社としての独自性を磨き、サービスを発信する拠点となっていけたらと考えています。
国内では、今後も継続的に目新しい商品を探し続けるために、今後も様々な展示会等を巡りつつ人脈を広げ、革新的な製品やサービスを見つけることに力を入れたい考えです。
もうひとつのビジョンは、成長が見込まれる国での事業展開です。日本は今後、少子化と人口減により教材などの取扱い数が減少し、マーケットも縮小していくといわれています。自社の安定化を図りつつ、引き続き日本国内の教育の現場を支え続けるには、外貨を稼ぐ必要があるという選択肢も持つべきとの考えに至りました。
私の弟は、以前からベトナムで幼稚園を経営しており、軌道に乗りつつあります。すでに基盤のあるベトナムに日本の優れた教材とサービスを輸出し、幼稚園事業を推し進めていけば、さらに信用力も上がり現地の保護者や地域社会とのつながりも生まれるはずです。人づてに評判が広まれば、幼稚園の教職員の雇用だけでなく、ほかの事業を拡大する際の採用にもつながり、海外進出を計画している企業の橋渡しもできるだろうと考えています。そして日本式の教育を介して子どもたちが育っていけば、日本に親しみを持ち、日本で暮らしたいと思うベトナムの方もあらわれるかもしれません。
そのため現在は、教育という切り口で視察ツアーを企画し、動きだしたところです。新たな販路を開拓し、異業種の事業運営を支援することで相乗効果を生み出していきたいと思っています。事業承継M&Aも、仲間づくりをする上での選択肢の一つです。異業種連携や共同開発などの多様な成長の道を探り、国境を越え充実した「学び」を届けられるよう努めていきます。
会社概要
社名 | グランコーヨー株式会社 |
創立年 | 1974年 |
代表者名 | 代表取締役 大庭 公善 |
資本金 | 2,000万円 |
URL |
https://www.grankoyo.co.jp/
|
本社住所 |
〒240-0036 045-351-5411 |
事業内容 | 学校教材・OA機器・事務用品の提供 保育・知育教材・絵本・教育玩具・園庭遊具の販売・施工・取付 高度医療器・保健・福祉器具の販売・リース オフィス家具・什器の販売・施工・内装工事の施工 不用品買取 建設業許可番号 神奈川県知事 許可(般-4)第84647号 内装工事業 有料職業紹介事業 許可番号14-ユ-301520 |
関連会社 |
|

会社沿革
1974年 | 横浜市中区根岸旭台にて(有)コーヨー商会を設立登記 |
1979年 | 横浜市保土ヶ谷区今井町に本社事業部(小売店舗併設)を新築 |
1984年 | 本社事務所及び売場面積を倍増 資本金500万円 |
1987年 | 大庭公洋 代表取締役就任 |
1993年 | 資本金1,000万円 |
1994年 | 本社社屋落成・移転 社名を「グランコーヨー株式会社」に変更 |
2006年 | 大庭由紀子 代表取締役就任 |
2008年 | 大庭公善 代表取締役就任 |
2017年 | 一般建設業許可取得 内装仕上工事業 |
2019年 | 有料職業紹介事業 許可番号14-ユ-301520 |
2021年 | 資本金2,000万円に増資 |
2023年 | 横浜グランドスラム企業表彰 認定 |
グランコーヨー株式会社の経営資源引継ぎ募集情報
人的資本引継ぎ
神奈川県
学びの「場」と「人」を支援するルート営業を募集
事業引継ぎ
埼玉県
千葉県
東京都
神奈川県
「学び」に関わるサービス充実のため協業・M&A先を希望
公開日:2025/03/31
※本記事の内容および所属名称は2025年3月現在のものです。現在の情報とは異なる場合があります。
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