栃木・真岡市
栃木 ・ 真岡市
金属旋盤加工を
有限会社田村工機
「町工場から世界へ」という目標を掲げ、海外展開にもチャレンジ
経営理念
『正しく知り正しく生きる』
商売については利益よりも信用を重んじています。
私たちは、お客様や地域社会との信頼関係を大切にし、共に成長していくことを目指しています。
代表者メッセージ
弊社は1973年に創業し、栃木県真岡市で金属旋盤加工を行ってきました。品質の高みを目指し、常に加工品質を意識して、生産機械の安定維持とさらなる精密加工技術の熟達に努めております。
また、お客様とのコミュニケーションを通して信頼関係を築くことを何より大切にしております。
近年、これまで培ってきた切削加工の技術を活かして、積極的に商品開発に取り組んでいます。2022年には、新たにアウトドア調理器具「L.T Cooker」の製造・販売も開始しました。大ヒットを記録し地域内外からの注目を集めたことで、アウトドアブランド「TMRindustries」を立ち上げ、五徳、1人用鍋など20点ほどの商品を展開しています。
これからも新たな取り組みをすすめ、地域の発展に寄与できればと思っております。
今後ともご指導ご鞭撻の程、宜しくお願いいたします。
専務取締役 戸頃 智浩
私たちのこだわり
小ロット多品種の精密加工に特化
私は創業者の孫であり、現在、有限会社田村工機の専務取締役を務めています。祖父は都内で事業を営んでいましたが、栃木に帰郷し、中古の旋盤を譲り受けたことがきっかけで1973年に弊社を創業します。創業以来、コネクタ部品をはじめとした金属旋盤加工に特化した町工場として事業を営んできました。小ロット多品種が得意であり、顧客のニーズに対応した商品を提供しつづけています。
近年はオリジナル商品の開発にも注力しています。2022年にはアウトドア調理器具のクッカー「L.T Cooker」を自社で開発・販売し大ヒットを記録、アウトドアブランド「TMRindustries」の展開をはじめました。
バーテンダーを経て入社、社内改革に取り組む
物心ついたころから工場は自宅のような存在であり、ものづくりをして遊ぶこともありました。会社は祖父から娘婿である父に受け継がれたため、社名は田村工機ですが私と父の姓は戸頃です。
当初は会社を継ぐつもりはなく、高校卒業後は、静岡県で建設現場の作業員とバーテンダーの仕事を経験しました。バーテンダーとして働く中では、幅広い背景を持つお客様との出会いで視野を大きく広げることができました。のちに、組織内で多様性を尊重し、リーダーシップを発揮するための土台となったように思います。
一流のバーテンダーを目指して働いていましたが、母の体調不良と、父から「会社を手伝ってほしい」と頼まれたことをきっかけに帰郷を決意し、22歳の時に田村工機に入社しました。
当時、弊社の社員は4名で、両親、ベテラン社員1名と私でした。あたたかい人間関係や取引先との長い信頼関係などの「古き良き」がある一方、価格面で元請けの言いなりになるなど、「古き悪しき」もありました。体制を立て直そうと決意し、職人として経験を積みながら営業や経営について学んでいきました。ITも導入し、事務作業などの効率化を進めました。
アウトドア調理器具が大ヒット
2022年には「L.T Cooker」というアウトドア調理器具の製造・販売も始めました。
商品開発のきっかけは、私の趣味である登山です。雪山でお湯が沸かせなかった経験から、「弊社の切削加工の技術を活かして、悪天候でもお湯を沸かせる器具を作れないか。」と考えたのです。当初社内にある機械だけでは無理がありましたが、ものづくり補助金で5軸複加工機を導入したことで、実現可能になりました。
高校からの友人で卓越した切削技術を持つ相棒に加え、工学系大学院出身の優秀なパート社員が入社したこともあり、彼らの協力を得ながら何度も試作を繰り返し、完成にこぎつけました。
特に力を入れたのが、軽量化と熱効率の向上です。アウトドア用品であるため鍋の厚みをできるだけ薄くし、一方で底にらせん状の突起をつくりました。いずれも弊社の技術があるからこそできる、誰も真似できない商品です。固形燃料一つで350㎖の水を1分35秒で沸かせることができるため、ファンから「爆速沸騰」と呼ばれるほどの、画期的な早さです。熱伝導の高いアルミニウムの使用や独特の形状で完全燃焼するため、一酸化炭素の発生を抑えるうえ、燃料の節約にもなります。燃料にエタノールを使えば、一酸化炭素はいっさい出ません。
インスタグラムに広告を出したところ、アウトドアブームもあり、年間1000個を売り上げる大ヒット商品になりました。
トヨタ自動車の高級車ブランド・レクサスのノベルティや真岡市のふるさと納税返礼品に採用されたことで、地域内外でも、より注目度を高めることになりました。
2023年にはアウトドアブランド「TMRindustries」を立ち上げ、五徳、1人用鍋など20点ほどの商品展開をしています。
年間売り上げも、アウトドア商品の販売以前と比較して1.6倍に伸びています。
大ヒットで課題解決、貧困国の子どもにも届けたい
アウトドア調理器具の大ヒットにより、入社以来、感じていた課題も解決しました。収益の柱ができたことで従来からの仕事も単価の高い仕事に絞り、製品に見合った適正価格で取引ができるようになりました。社長である父からも徐々に信頼されるようになり、2024年には専務取締役に就任しました。
また、ゆくゆくは弊社の商品を貧困国の子どもに使ってもらうという目標も掲げています。以前テレビ番組で貧しい国で暮らす子どもたちが、汚染された川の水を飲んでいる様子を見て衝撃を受けました。劣悪な環境で育つため寿命も短いのです。そのような辛い思いをしている子どもたちを救いたいと思うようになりました。
こうした子どもたちに弊社のL.T Cookerをいつか必ず届けます。煮沸した安全な飲料水を確保するともに、「なぜ早くお湯が沸くのか」と考えることで子どもたちの「考える力」を生み出すことができればと考えています。
学歴・障がいの有無を問わない採用
現在、弊社には8名の社員がいます。近年は、学歴不問の採用や障がい者雇用に力を入れています。これまでに、中卒者1名と、中卒かつ障がい者採用1名の計2名が入社しました。この2人に共通している長所が、非常に素直であることです。素直さは、職人として最大の強みです。
今後、2人を一人前の職人に育成し、「学歴がなくても、一人前になれる」と世間に示していきたいと考えています。それによって勉強が苦手な若者に対する見方を変えることができたらとも思っています。
工場カフェをオープン、身近な人と幸せを分かち合いたい
2024年6月には、新たに工場併設のカフェ「Slowly Lily(スローリーリリー)」をオープンしました。
通常、町工場は関係者以外が訪れることのない場所です。そこに誰もが来やすいカフェを併設することで、工場と関わりのない方たちに弊社のことを知ってもらうという狙いがあります。カフェの内装は私を中心に社員と協力してDIYしたこだわりの空間になっています。弊社の製品を展示するショールームも兼ねており、弊社を知ってもらうことで、人財確保に繋げたい思いもあります。
さらに、カフェ運営を通じて地域活性化にも貢献したいと思っています。弊社が50年以上、事業展開してこられたのは、地域の支えがあったからです。ご恩返しとして雇用創出をはじめ、まずはこのカフェを身近な人たちに幸せになってもらうための場所として作り上げていきたいです。工場カフェを起点に少しずつ幸せの範囲を広げ、地域全体の活性化に繋げていければと思っています。
栃木から世界へ!
弊社は、「町工場から世界へ」という目標を掲げています。今後は、海外に拠点展開する予定です。海外進出を見据えて機械の増設や第2工場の建設も予定しています。アウトドア調理器具を製造する国内企業で、海外拠点を持っているところはありません。「日本初」のチャレンジを成功させるべく、着実に準備を進めていくつもりです。社員たちも私の夢を理解し、それぞれが海外進出に向けてモチベーションを高めています。
もう一つ今後の展開として、町工場向けのセミナーの講師といったことも考えています。弊社の経験をもとに成功するためのアイデアを町工場同士で共有し、広めることで、町工場や小さな企業の発展に微力ながら貢献したいと思いがあります。
また、セミナーを開催することで、新たな業界ネットワークを構築し、ビジネスマッチングの機会を作ることができると思います。
弊社は、地域を問わず、同じような思いを持つ製造業の方とのマッチングも希望しています。ご関心のある方にお声がけいただければ幸いです。お互いの技術やノウハウを共有することで、相乗効果を発揮しながら、新たなビジネスを展開できればと思います。
小ロット多品種の精密加工に特化
私は創業者の孫であり、現在、有限会社田村工機の専務取締役を務めています。祖父は都内で事業を営んでいましたが、栃木に帰郷し、中古の旋盤を譲り受けたことがきっかけで1973年に弊社を創業します。創業以来、コネクタ部品をはじめとした金属旋盤加工に特化した町工場として事業を営んできました。小ロット多品種が得意であり、顧客のニーズに対応した商品を提供しつづけています。
近年はオリジナル商品の開発にも注力しています。2022年にはアウトドア調理器具のクッカー「L.T Cooker」を自社で開発・販売し大ヒットを記録、アウトドアブランド「TMRindustries」の展開をはじめました。
バーテンダーを経て入社、社内改革に取り組む
物心ついたころから工場は自宅のような存在であり、ものづくりをして遊ぶこともありました。会社は祖父から娘婿である父に受け継がれたため、社名は田村工機ですが私と父の姓は戸頃です。
当初は会社を継ぐつもりはなく、高校卒業後は、静岡県で建設現場の作業員とバーテンダーの仕事を経験しました。バーテンダーとして働く中では、幅広い背景を持つお客様との出会いで視野を大きく広げることができました。のちに、組織内で多様性を尊重し、リーダーシップを発揮するための土台となったように思います。
一流のバーテンダーを目指して働いていましたが、母の体調不良と、父から「会社を手伝ってほしい」と頼まれたことをきっかけに帰郷を決意し、22歳の時に田村工機に入社しました。
当時、弊社の社員は4名で、両親、ベテラン社員1名と私でした。あたたかい人間関係や取引先との長い信頼関係などの「古き良き」がある一方、価格面で元請けの言いなりになるなど、「古き悪しき」もありました。体制を立て直そうと決意し、職人として経験を積みながら営業や経営について学んでいきました。ITも導入し、事務作業などの効率化を進めました。
アウトドア調理器具が大ヒット
2022年には「L.T Cooker」というアウトドア調理器具の製造・販売も始めました。
商品開発のきっかけは、私の趣味である登山です。雪山でお湯が沸かせなかった経験から、「弊社の切削加工の技術を活かして、悪天候でもお湯を沸かせる器具を作れないか。」と考えたのです。当初社内にある機械だけでは無理がありましたが、ものづくり補助金で5軸複加工機を導入したことで、実現可能になりました。
高校からの友人で卓越した切削技術を持つ相棒に加え、工学系大学院出身の優秀なパート社員が入社したこともあり、彼らの協力を得ながら何度も試作を繰り返し、完成にこぎつけました。
特に力を入れたのが、軽量化と熱効率の向上です。アウトドア用品であるため鍋の厚みをできるだけ薄くし、一方で底にらせん状の突起をつくりました。いずれも弊社の技術があるからこそできる、誰も真似できない商品です。固形燃料一つで350㎖の水を1分35秒で沸かせることができるため、ファンから「爆速沸騰」と呼ばれるほどの、画期的な早さです。熱伝導の高いアルミニウムの使用や独特の形状で完全燃焼するため、一酸化炭素の発生を抑えるうえ、燃料の節約にもなります。燃料にエタノールを使えば、一酸化炭素はいっさい出ません。
インスタグラムに広告を出したところ、アウトドアブームもあり、年間1000個を売り上げる大ヒット商品になりました。
トヨタ自動車の高級車ブランド・レクサスのノベルティや真岡市のふるさと納税返礼品に採用されたことで、地域内外でも、より注目度を高めることになりました。
2023年にはアウトドアブランド「TMRindustries」を立ち上げ、五徳、1人用鍋など20点ほどの商品展開をしています。
年間売り上げも、アウトドア商品の販売以前と比較して1.6倍に伸びています。
大ヒットで課題解決、貧困国の子どもにも届けたい
アウトドア調理器具の大ヒットにより、入社以来、感じていた課題も解決しました。収益の柱ができたことで従来からの仕事も単価の高い仕事に絞り、製品に見合った適正価格で取引ができるようになりました。社長である父からも徐々に信頼されるようになり、2024年には専務取締役に就任しました。
また、ゆくゆくは弊社の商品を貧困国の子どもに使ってもらうという目標も掲げています。以前テレビ番組で貧しい国で暮らす子どもたちが、汚染された川の水を飲んでいる様子を見て衝撃を受けました。劣悪な環境で育つため寿命も短いのです。そのような辛い思いをしている子どもたちを救いたいと思うようになりました。
こうした子どもたちに弊社のL.T Cookerをいつか必ず届けます。煮沸した安全な飲料水を確保するともに、「なぜ早くお湯が沸くのか」と考えることで子どもたちの「考える力」を生み出すことができればと考えています。
学歴・障がいの有無を問わない採用
現在、弊社には8名の社員がいます。近年は、学歴不問の採用や障がい者雇用に力を入れています。これまでに、中卒者1名と、中卒かつ障がい者採用1名の計2名が入社しました。この2人に共通している長所が、非常に素直であることです。素直さは、職人として最大の強みです。
今後、2人を一人前の職人に育成し、「学歴がなくても、一人前になれる」と世間に示していきたいと考えています。それによって勉強が苦手な若者に対する見方を変えることができたらとも思っています。
工場カフェをオープン、身近な人と幸せを分かち合いたい
2024年6月には、新たに工場併設のカフェ「Slowly Lily(スローリーリリー)」をオープンしました。
通常、町工場は関係者以外が訪れることのない場所です。そこに誰もが来やすいカフェを併設することで、工場と関わりのない方たちに弊社のことを知ってもらうという狙いがあります。カフェの内装は私を中心に社員と協力してDIYしたこだわりの空間になっています。弊社の製品を展示するショールームも兼ねており、弊社を知ってもらうことで、人財確保に繋げたい思いもあります。
さらに、カフェ運営を通じて地域活性化にも貢献したいと思っています。弊社が50年以上、事業展開してこられたのは、地域の支えがあったからです。ご恩返しとして雇用創出をはじめ、まずはこのカフェを身近な人たちに幸せになってもらうための場所として作り上げていきたいです。工場カフェを起点に少しずつ幸せの範囲を広げ、地域全体の活性化に繋げていければと思っています。
栃木から世界へ!
弊社は、「町工場から世界へ」という目標を掲げています。今後は、海外に拠点展開する予定です。海外進出を見据えて機械の増設や第2工場の建設も予定しています。アウトドア調理器具を製造する国内企業で、海外拠点を持っているところはありません。「日本初」のチャレンジを成功させるべく、着実に準備を進めていくつもりです。社員たちも私の夢を理解し、それぞれが海外進出に向けてモチベーションを高めています。
もう一つ今後の展開として、町工場向けのセミナーの講師といったことも考えています。弊社の経験をもとに成功するためのアイデアを町工場同士で共有し、広めることで、町工場や小さな企業の発展に微力ながら貢献したいと思いがあります。
また、セミナーを開催することで、新たな業界ネットワークを構築し、ビジネスマッチングの機会を作ることができると思います。
弊社は、地域を問わず、同じような思いを持つ製造業の方とのマッチングも希望しています。ご関心のある方にお声がけいただければ幸いです。お互いの技術やノウハウを共有することで、相乗効果を発揮しながら、新たなビジネスを展開できればと思います。
ツグナラ専門家による紹介
担当専門家:株式会社サクシード 株式会社サクシードの詳細
創業から旋盤加工を専門に行う切削加工業で、俗に言う「町工場」です。これまでほぼ1社下請けの取り引きでしたが、規模の大きな設備投資をきっかけに自社商品の開発に着手しました。今ではこの新商品と関連商品の売上は既存売上に迫る勢いで、下請けからの脱却を実現しました。若手職人の育成の思いも強く、中小企業の在り方を体現している、これからに期待される企業様です。
会社概要
社名 | 有限会社田村工機 |
創立年 | 1973年 |
代表者名 | 専務取締役 戸頃 智浩 |
URL |
https://tmr.co.jp/
|
本社住所 |
〒321-4507 |
事業内容 | 金属加工(切削加工専門)、アウトドアギア研究・製作・販売 |
会社沿革
1973年 | 創業 |
有限会社田村工機の経営資源引継ぎ募集情報
人的資本引継ぎ
茨城県
栃木県
「栃木から世界へ」を目指す企業が人財を募集
公開日:2024/07/23 (2024/08/27修正)
※本記事の内容および所属名称は2024年8月現在のものです。現在の情報とは異なる場合があります。
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