神奈川・川崎市中原区
神奈川 ・ 川崎市
引継ぎ実績あり
グローバルニッチの
三和クリエーション株式会社
サブミクロンレベルの超精密微細加工技術で新たな価値を創造する
経営理念
経営理念
ものづくりの技術と情熱で
世界に幸せと豊かさをお届けします
MANUFACTURING FOR HAPPINESS
私たち三和クリエーションはものづくりを通じて、
社会、お客様、社員の幸せと豊かさに貢献できる会社を目指してまいります。
行動指針
一人一人の幸福感UP
社員と会社が共に成長し幸せになる会社
チャレンジ・スピリッツ
自ら考え自ら行動し、失敗を恐れず変革にチャレンジしていく
一流の商品を提供する
本物を追求し、新しい価値を生み出し高め続ける
現場主義と前向きな懐疑心
「現場」「現物」「現実」を大切にし、本質に迫る
地球環境に優しい行動
気候変動や温暖化から地球環境を守る行動
未来像
超精密・微細加工技術でグローバルニッチTOP企業を目指す
代表者メッセージ
弊社は、1999年の会社設立以来、超硬合金、ファインセラミックス、ダイヤモンド、チタンなどの硬質素材・難削素材を超精密・微細加工する技術を基軸として歩んでまいりました。
光通信、情報端末、半導体、電子部品、自動車、測定機器、医療機器などの先端技術分野における超小型化・超精密化の要求にお応えしていく中、ミクロンからサブミクロン、そしてナノレベルの精度実現に取り組んでおります。
これからの時代は、微細化と環境対応の要求がますます加速すると予想されますが、単に技術向上だけでなく、「何のために」「どんなストーリーを」「どんな喜びがあるか」という本質をとらえ、製品開発していくことが大切だと考えます。
産業構造の変化を新たなビジネスチャンスととらえ、従来のビジネスフィールドにとらわれることなく、「何が求められているのか」「何を提案できるのか」を常に考え、新しい価値を創造してまいります。
さらなる企業の発展と社会への貢献に努めてまいりますので、相変わらぬご支援とご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
代表取締役社長 手塚 健一郎
私たちのこだわり
金融業界から畑違いの製造業で起業するまで
私は大学を卒業後に新卒で大手生命保険会社に入社しました。当初は定年まで勤めるつもりでしたが、「フィールドを広げて、もっと自由に、自分の力でやっていきたい」という思いが次第に強まっていきました。そして8年半ほど働いた会社を辞めて、従業員5名の製造業の会社に入社しました。金融業界から製造業界への転職で、周囲からはとても驚かれましたが、私自身は、扱う商品が違っても、やるべきことのベースは変わらないと思っていたので、異業種で働くことへの不安は全くありませんでした。
製造業界について2年間学んだら独立するつもりだったので、入社後は一通りの仕事を全部やりました。機械加工から既存営業・新規開拓営業に加え、就業規則の策定や採用まで、本当に色々やりました。
そして当初の予定通り2年で独立して、新しい会社を設立しました。さらにその後、前身の会社の引き継ぎの話をもらい、会社の全てを引き継ぎました。その出来事を契機に社名を変え、1999年12月に「三和クリエーション株式会社」を設立しました。弊社は私が設立した会社ですが、社内承継で引き継いだ会社という側面もある会社といえます。
光ファイバー用の部品受注を転機に高精度加工へ
弊社の前身といえる三和超硬は「工具ブランク」と呼ばれる製品を作る会社でした。工具ブランクというのは金属の細い棒のことを指します。そしてブランクの先端を削って掘削機能を付け、穴を開けるときに使うものを「ドリル」といい、側面にも掘削機能(外周刃)を付け、多様な加工に使えるものを「エンドミル」といいます。創業時は、その工具ブランクを作る技術力を高めることに注力していました。
そんな折、フェルール(光ファイバー用のコネクタ)を作る大手メーカーから、フェルールを測定するためのピンゲージの製造を受注したことが大きな転機になりました。
ピンゲージはフェルールに限らず、穴や内径を測定する際に必要となる測定工具の一種です。ある程度の内径があればレーザーなどの非接触でも測れますが、内径が小さ過ぎると光が入っていかないため、ピンゲージが通るか、通らないかで測定します。フェルールはただでさえ細い光ファイバーをジョイントするためのパーツなので、1mm~2mmの小さな穴を高精度で加工する必要があります。それを測定するためのピンゲージ製作は、当時の弊社では直ちに実現できない高度な技術でした。それまでは5ミクロン(0.005 mm)や10ミクロン(0.01mm)が一番高い精度だったところに、1ミクロン(0.001mm)やサブミクロン(0.0001mm)レベルの精度を要求されることになったからです。それでもメーカーからアドバイスをもらないがら、製造技術や測定環境を整え、2年半ほどかけてオーダーに応えられるようになりました。この仕事をきっかけにして飛躍的に技術が向上したことで高精度路線に舵を切ることを決意しました。現在では極小径かつ高精度のピンゲージは弊社の技術力を象徴する製品の一つであり、主力商品となっています。
海外展開やハイブランド製品など新たな販路拡大へ向けた取り組み
弊社は中長期目標として「海外マーケット比率を高める」ことを掲げています。その実現に向け、「GrindTec(グラインドテック)」というドイツで隔年開催されている研削技術の世界的な展示会に数年前から出展してきました。並行して国内の展示会、例えばGrindTecから派生した日本版展示会「グラインディング テクノロジージャパン」や「微細加工展」など、年4~5回の頻度で展示会に出展しています。
高精度路線のもう一つのきっかけと言えるのが高級腕時計を作る、大手時計メーカーとのお取引きです。弊社は高級腕時計を作るための微細ツールになるピンを20年以上納めています。
いずれは高級時計のムーブメント部分の製造も手掛けたいと考えているため、「超精密マシニングセンタ」という、医療用品や高級時計のムーブメントなどの微細加工に使われる設備を導入しました。新たな技術や販路開拓の努力を続けつつ、ヨーロッパの中でも特に高級時計の本場といえるドイツやスイスをターゲットに、弊社の高精度な加工品を輸出できる道を探っているところです。
また海外市場だけではなく、これまであまり目を向けてこなかったハイブランド製品にもチャンスがあると考えています。近年弊社では円筒形のピン・シャフトに加え、異形な特殊形状の製品も高精度かつ独自工法で作れることをPRしています。
その甲斐あってか、宝飾品の製造、販売を行うハイブランドのジュエリーメーカーをご紹介していただき、真珠に穴を空ける工具を一年ほど前から納入しています。
ピン・シャフトは様々な用途で使われますが、高速で回転して使う工具なのでいかに軸がぶれないかが重要です。これを業界的には「振れ」や「曲がり」「円筒度」などと言いますが、この精度をどれくらいまで高めるかで求められる技術力が変わってきます。弊社はシングルミクロン(1/1000mm)、サブミクロン(1/10000mm)レベルの精度で加工が可能なので、真珠に穴をあけた時の穴振れが非常に少ないと高い評価を受けています。
会社設立から10年を経て近くなった川崎市との関係
弊社の取引先は全国各地のメーカーや韓国や台湾などの海外が相手で、地元の企業との業務上の繋がりは全くと言っていいほどありませんでした。しかし弊社が川崎ものづくりブランドを取得した2010年前後から、知的財産交流会に参加したり地域の工業団体に加入したことで、川崎市の行政や経営者の皆さんと親密な繋がりできました。特に川崎市の行政の方々が惜しみないサポートをしてくれるため、大変な恩義を感じています。
例えば技術開発や測定精度のレベルを上げたい時に、昔は全国のメーカーや専門的な組織を探してお願いするしか選択肢がありませんでした。それが川崎市の行政に相談できるようになったことで、「こんな人材がいるよ」、「こんな専門家がいるよ」と近隣のエキスパートを紹介してもらえるようになりました。また、人材育成、採用、組織化、事業承継など、多岐に渡る経営課題があった時にも、相談すると解決策や考えるヒントをもらえるので、とても助かっています。
さらには「こんな会社が、こんな事例で活躍しているよ」と、弊社の取り組みを川崎市からアナウンスしてもらえるので、企業の価値やブランド力を高められています。
また、弊社は従業員の8割が川崎市在住です。今後の採用・雇用に関してもやはり地元・川崎が主になってくるので、これからも川崎市は特別な意味を持つ土地といえます。多くの恩恵を享受させてもらったので、他の工業団体のメンバーにも共有したり、仕組み化することで、恩返ししていきたいと考えるようになりました。現在は、工業団体の理事長を務めて、交流を深めたりしつつ、地域に貢献するために色々取り組んでいます。
人と技術を引継ぎ大切にしていきます
弊社の事業承継については、私の考えでは10年以内を目途に承継をしたいとは思っていますが、現時点では明確な選択肢はありません。他の会社で働いている子供たちの意思は尊重したいと思っています。弊社の事業に興味はあるようですが、まだ可能性の段階かなと思っています。事業価値を高めつつ、親族内承継、社内承継、M&Aという三つの選択肢それぞれの可能性を探っていきたいと考えています。
受け入れる側としては、以前ダイヤモンドのロウ付けを行っていた企業を承継したことがあります。3名ぐらいの小さな会社でしたが、その時に移管した技術は現在でも社内に継承され、使われています。そういった形で弊社が外注していて、内製化したいと考えている部分に関して事業承継で引き継ぐことはもちろん選択肢にあります。
例えば設計やデザインといった弊社が今後の課題だと考えている分野ももちろんですが、NC旋盤やマシニングセンタのような高精度切削の経験値がある人財もまだまだ足りません。社内でも研修をしていますが、かなり経験値が必要になる部分なので、既存業務を抱えながら進めるとなると難しい面があります。もし引継ぎさせて頂く場合には、そうした弊社だけでは、まだまだ経験値が足りていない分野の技術をお持ちの企業とご一緒させて頂ければと思っています。
自発的なチャレンジと失敗を受け入れる企業風土
採用に関しては、「若手を中長期的にしっかり育てていきたい」と考えており、経営理念や方向性に共感して、しっかりと弊社に根付いてくれる方も求めています。経験・キャリアは評価のうえ優遇しますが、製造スタッフに関しては未経験の方も大歓迎です。我々と一緒に働きたいと思ってくれるか、こちらも一緒に働きたいと思えるかが、すべてだと思っています。
社員の育成についてはかなり力を入れています。色々な機会を与えていくことが成長に繋がると思っていますので、積極的に学ぶ機会をつくっています。同時に外部で行われる研修や語学の勉強なども社員が自発的に受講したいということであれば、会社として惜しみなく支援しています。
その甲斐もあり、数年前に比べると中間のリーダー層は育ってきた実感があります。人財も積極的に採用をしていることもあり、リーダーになったり、班長になったり、役職につく人財が自然と増えてきました。組織が大きくなる中で、それぞれの職責を自主的に広げてくれるようになればと期待しています。
弊社の課題は、トップリーダーになりうる幹部の育成です。社内人財から幹部候補を育てていくことは事業承継に繋がる部分なので今後の課題です。
会社の雰囲気については、あくまで私の目線から見た意見ではありますが、風通しの良いアットホームな職場だと思っています。勤続年数が長い社員が多く、品質管理部門で10年ほど勤めた女性社員が、「製造がやりたい」と自ら手を挙げて異動したケースもあり、自由な空気もあります。そうした自発的な発言や行動はもっと増えていくような雰囲気作りはしていきたいところです。
今の世の中では、会社は常に新陳代謝を繰り返し成長していく必要があります。そのためにも常に新しいものにチャレンジしていくこと、自ら考えて自ら行動を起こすことが求められ、自分なりの視点を持つことが重要になってきます。社員が自分たちの考えを出しやすい雰囲気の会社にしていかなければいけないと感じています。
そうした思いがあるので「失敗してもしょぼくれるな」「まずはやってみるという姿勢が大事だ」と伝えています。準備万端になるまで待つ必要はなく、60%、70%の準備でもまず動いてみようということを常々言っています。ただし、もちろんものづくり企業なので、製品作りに関しては別です。そこはこれからも高精度を追求していきます。
労働生産性の向上が社員一人ひとりの幸福感アップにつながる
先行した設備投資と技術開発が出発点であるのは、どの製造企業でも同じだと思います。それによりイノベーションサイクルを回していくことが付加価値の向上に繋がります。付加価値とは、顧客要求に対し既存の技術レベルをさらに上回るものを提供し、顧客満足を実現していくこととも言えます。それがやがて労働生産性の向上にも繋がり、従業員一人ひとりの賃金向上にもなり、働くモチベーションアップにも繋がると思います。このサイクルを回して、労働生産性を高められる会社になろうという事は全体会議でも必ず従業員に共有しています。
中小企業白書が出しているデータを見ると、日本の中小企業はもう数十年前から労働生産性が全く伸びていません。ただそうした状況下で弊社は、大手にはまだ少し届かないものの、中小企業の平均と比べると2倍から2.5倍の水準に達しています。そこをさらに高めていければ、従業員一人ひとりの人生の幸福感に繋げていくことができます。そこが社員に一番理解してもらいたいところです。
働くことを通して、給料だけではなく、実現したい人生やライフステージに応じた幸せがあると思います。それは「家を買いたい」や「子供との時間を増やしたい」かもしれませんし、それ以外にも色々あるかもしれません。そのためにも生産性の向上や付加価値の創出が重要になってきます。弊社の経営理念には「MANUFACTURING FOR HAPPINESS」という言葉を掲げています。そこには付加価値が高いものを提供していくことで、お客様や社員一人ひとりの幸福を実現していこうという意味が込められています。
金融業界から畑違いの製造業で起業するまで
私は大学を卒業後に新卒で大手生命保険会社に入社しました。当初は定年まで勤めるつもりでしたが、「フィールドを広げて、もっと自由に、自分の力でやっていきたい」という思いが次第に強まっていきました。そして8年半ほど働いた会社を辞めて、従業員5名の製造業の会社に入社しました。金融業界から製造業界への転職で、周囲からはとても驚かれましたが、私自身は、扱う商品が違っても、やるべきことのベースは変わらないと思っていたので、異業種で働くことへの不安は全くありませんでした。
製造業界について2年間学んだら独立するつもりだったので、入社後は一通りの仕事を全部やりました。機械加工から既存営業・新規開拓営業に加え、就業規則の策定や採用まで、本当に色々やりました。
そして当初の予定通り2年で独立して、新しい会社を設立しました。さらにその後、前身の会社の引き継ぎの話をもらい、会社の全てを引き継ぎました。その出来事を契機に社名を変え、1999年12月に「三和クリエーション株式会社」を設立しました。弊社は私が設立した会社ですが、社内承継で引き継いだ会社という側面もある会社といえます。
光ファイバー用の部品受注を転機に高精度加工へ
弊社の前身といえる三和超硬は「工具ブランク」と呼ばれる製品を作る会社でした。工具ブランクというのは金属の細い棒のことを指します。そしてブランクの先端を削って掘削機能を付け、穴を開けるときに使うものを「ドリル」といい、側面にも掘削機能(外周刃)を付け、多様な加工に使えるものを「エンドミル」といいます。創業時は、その工具ブランクを作る技術力を高めることに注力していました。
そんな折、フェルール(光ファイバー用のコネクタ)を作る大手メーカーから、フェルールを測定するためのピンゲージの製造を受注したことが大きな転機になりました。
ピンゲージはフェルールに限らず、穴や内径を測定する際に必要となる測定工具の一種です。ある程度の内径があればレーザーなどの非接触でも測れますが、内径が小さ過ぎると光が入っていかないため、ピンゲージが通るか、通らないかで測定します。フェルールはただでさえ細い光ファイバーをジョイントするためのパーツなので、1mm~2mmの小さな穴を高精度で加工する必要があります。それを測定するためのピンゲージ製作は、当時の弊社では直ちに実現できない高度な技術でした。それまでは5ミクロン(0.005 mm)や10ミクロン(0.01mm)が一番高い精度だったところに、1ミクロン(0.001mm)やサブミクロン(0.0001mm)レベルの精度を要求されることになったからです。それでもメーカーからアドバイスをもらないがら、製造技術や測定環境を整え、2年半ほどかけてオーダーに応えられるようになりました。この仕事をきっかけにして飛躍的に技術が向上したことで高精度路線に舵を切ることを決意しました。現在では極小径かつ高精度のピンゲージは弊社の技術力を象徴する製品の一つであり、主力商品となっています。
海外展開やハイブランド製品など新たな販路拡大へ向けた取り組み
弊社は中長期目標として「海外マーケット比率を高める」ことを掲げています。その実現に向け、「GrindTec(グラインドテック)」というドイツで隔年開催されている研削技術の世界的な展示会に数年前から出展してきました。並行して国内の展示会、例えばGrindTecから派生した日本版展示会「グラインディング テクノロジージャパン」や「微細加工展」など、年4~5回の頻度で展示会に出展しています。
高精度路線のもう一つのきっかけと言えるのが高級腕時計を作る、大手時計メーカーとのお取引きです。弊社は高級腕時計を作るための微細ツールになるピンを20年以上納めています。
いずれは高級時計のムーブメント部分の製造も手掛けたいと考えているため、「超精密マシニングセンタ」という、医療用品や高級時計のムーブメントなどの微細加工に使われる設備を導入しました。新たな技術や販路開拓の努力を続けつつ、ヨーロッパの中でも特に高級時計の本場といえるドイツやスイスをターゲットに、弊社の高精度な加工品を輸出できる道を探っているところです。
また海外市場だけではなく、これまであまり目を向けてこなかったハイブランド製品にもチャンスがあると考えています。近年弊社では円筒形のピン・シャフトに加え、異形な特殊形状の製品も高精度かつ独自工法で作れることをPRしています。
その甲斐あってか、宝飾品の製造、販売を行うハイブランドのジュエリーメーカーをご紹介していただき、真珠に穴を空ける工具を一年ほど前から納入しています。
ピン・シャフトは様々な用途で使われますが、高速で回転して使う工具なのでいかに軸がぶれないかが重要です。これを業界的には「振れ」や「曲がり」「円筒度」などと言いますが、この精度をどれくらいまで高めるかで求められる技術力が変わってきます。弊社はシングルミクロン(1/1000mm)、サブミクロン(1/10000mm)レベルの精度で加工が可能なので、真珠に穴をあけた時の穴振れが非常に少ないと高い評価を受けています。
会社設立から10年を経て近くなった川崎市との関係
弊社の取引先は全国各地のメーカーや韓国や台湾などの海外が相手で、地元の企業との業務上の繋がりは全くと言っていいほどありませんでした。しかし弊社が川崎ものづくりブランドを取得した2010年前後から、知的財産交流会に参加したり地域の工業団体に加入したことで、川崎市の行政や経営者の皆さんと親密な繋がりできました。特に川崎市の行政の方々が惜しみないサポートをしてくれるため、大変な恩義を感じています。
例えば技術開発や測定精度のレベルを上げたい時に、昔は全国のメーカーや専門的な組織を探してお願いするしか選択肢がありませんでした。それが川崎市の行政に相談できるようになったことで、「こんな人材がいるよ」、「こんな専門家がいるよ」と近隣のエキスパートを紹介してもらえるようになりました。また、人材育成、採用、組織化、事業承継など、多岐に渡る経営課題があった時にも、相談すると解決策や考えるヒントをもらえるので、とても助かっています。
さらには「こんな会社が、こんな事例で活躍しているよ」と、弊社の取り組みを川崎市からアナウンスしてもらえるので、企業の価値やブランド力を高められています。
また、弊社は従業員の8割が川崎市在住です。今後の採用・雇用に関してもやはり地元・川崎が主になってくるので、これからも川崎市は特別な意味を持つ土地といえます。多くの恩恵を享受させてもらったので、他の工業団体のメンバーにも共有したり、仕組み化することで、恩返ししていきたいと考えるようになりました。現在は、工業団体の理事長を務めて、交流を深めたりしつつ、地域に貢献するために色々取り組んでいます。
人と技術を引継ぎ大切にしていきます
弊社の事業承継については、私の考えでは10年以内を目途に承継をしたいとは思っていますが、現時点では明確な選択肢はありません。他の会社で働いている子供たちの意思は尊重したいと思っています。弊社の事業に興味はあるようですが、まだ可能性の段階かなと思っています。事業価値を高めつつ、親族内承継、社内承継、M&Aという三つの選択肢それぞれの可能性を探っていきたいと考えています。
受け入れる側としては、以前ダイヤモンドのロウ付けを行っていた企業を承継したことがあります。3名ぐらいの小さな会社でしたが、その時に移管した技術は現在でも社内に継承され、使われています。そういった形で弊社が外注していて、内製化したいと考えている部分に関して事業承継で引き継ぐことはもちろん選択肢にあります。
例えば設計やデザインといった弊社が今後の課題だと考えている分野ももちろんですが、NC旋盤やマシニングセンタのような高精度切削の経験値がある人財もまだまだ足りません。社内でも研修をしていますが、かなり経験値が必要になる部分なので、既存業務を抱えながら進めるとなると難しい面があります。もし引継ぎさせて頂く場合には、そうした弊社だけでは、まだまだ経験値が足りていない分野の技術をお持ちの企業とご一緒させて頂ければと思っています。
自発的なチャレンジと失敗を受け入れる企業風土
採用に関しては、「若手を中長期的にしっかり育てていきたい」と考えており、経営理念や方向性に共感して、しっかりと弊社に根付いてくれる方も求めています。経験・キャリアは評価のうえ優遇しますが、製造スタッフに関しては未経験の方も大歓迎です。我々と一緒に働きたいと思ってくれるか、こちらも一緒に働きたいと思えるかが、すべてだと思っています。
社員の育成についてはかなり力を入れています。色々な機会を与えていくことが成長に繋がると思っていますので、積極的に学ぶ機会をつくっています。同時に外部で行われる研修や語学の勉強なども社員が自発的に受講したいということであれば、会社として惜しみなく支援しています。
その甲斐もあり、数年前に比べると中間のリーダー層は育ってきた実感があります。人財も積極的に採用をしていることもあり、リーダーになったり、班長になったり、役職につく人財が自然と増えてきました。組織が大きくなる中で、それぞれの職責を自主的に広げてくれるようになればと期待しています。
弊社の課題は、トップリーダーになりうる幹部の育成です。社内人財から幹部候補を育てていくことは事業承継に繋がる部分なので今後の課題です。
会社の雰囲気については、あくまで私の目線から見た意見ではありますが、風通しの良いアットホームな職場だと思っています。勤続年数が長い社員が多く、品質管理部門で10年ほど勤めた女性社員が、「製造がやりたい」と自ら手を挙げて異動したケースもあり、自由な空気もあります。そうした自発的な発言や行動はもっと増えていくような雰囲気作りはしていきたいところです。
今の世の中では、会社は常に新陳代謝を繰り返し成長していく必要があります。そのためにも常に新しいものにチャレンジしていくこと、自ら考えて自ら行動を起こすことが求められ、自分なりの視点を持つことが重要になってきます。社員が自分たちの考えを出しやすい雰囲気の会社にしていかなければいけないと感じています。
そうした思いがあるので「失敗してもしょぼくれるな」「まずはやってみるという姿勢が大事だ」と伝えています。準備万端になるまで待つ必要はなく、60%、70%の準備でもまず動いてみようということを常々言っています。ただし、もちろんものづくり企業なので、製品作りに関しては別です。そこはこれからも高精度を追求していきます。
労働生産性の向上が社員一人ひとりの幸福感アップにつながる
先行した設備投資と技術開発が出発点であるのは、どの製造企業でも同じだと思います。それによりイノベーションサイクルを回していくことが付加価値の向上に繋がります。付加価値とは、顧客要求に対し既存の技術レベルをさらに上回るものを提供し、顧客満足を実現していくこととも言えます。それがやがて労働生産性の向上にも繋がり、従業員一人ひとりの賃金向上にもなり、働くモチベーションアップにも繋がると思います。このサイクルを回して、労働生産性を高められる会社になろうという事は全体会議でも必ず従業員に共有しています。
中小企業白書が出しているデータを見ると、日本の中小企業はもう数十年前から労働生産性が全く伸びていません。ただそうした状況下で弊社は、大手にはまだ少し届かないものの、中小企業の平均と比べると2倍から2.5倍の水準に達しています。そこをさらに高めていければ、従業員一人ひとりの人生の幸福感に繋げていくことができます。そこが社員に一番理解してもらいたいところです。
働くことを通して、給料だけではなく、実現したい人生やライフステージに応じた幸せがあると思います。それは「家を買いたい」や「子供との時間を増やしたい」かもしれませんし、それ以外にも色々あるかもしれません。そのためにも生産性の向上や付加価値の創出が重要になってきます。弊社の経営理念には「MANUFACTURING FOR HAPPINESS」という言葉を掲げています。そこには付加価値が高いものを提供していくことで、お客様や社員一人ひとりの幸福を実現していこうという意味が込められています。
会社概要
社名 | 三和クリエーション株式会社 |
創立年 | 1999年 |
代表者名 | 代表取締役社長 手塚 健一郎 |
資本金 | 1,000万円 |
URL |
https://www.sanwa-creation.co.jp/
|
本社住所 |
〒211-0051 044-740-6800 |
事業内容 | 高精度ピン・シャフト 精密金型部品 工業用刃物 ダイヤモンド製治具・部品 その他精密部品の製造・販売 |
関連会社 |
会社沿革
1999年 | 会社設立(川崎市高津区下野毛) 超硬合金を使った工具ブランクの製造開始 |
2001年 | 事業拡張のため工場移転(川崎市高津区北見方) |
2002年 | 光通信用フェルールの内径測定用「高精度ピンゲージ」の製造開始 |
2007年 | PCD(人造多結晶ダイヤモンド)を活用したダイヤモンド製耐摩耗製品の製造開始 |
2008年 | 積層セラミックチップコンデンサ(MLCC)向け、切断刃物「グリーンシートカッター」の販売開始 「川崎元気企業」に選定 |
2010年 | 燃料噴射装置(コモンレールシステム)向け「超硬細線・ミクロンピン」の製造開始 LED基板向け「微細穴ノズル」の製造開始 |
2011年 | 本社工場を川崎市中原区宮内へ移転 |
2012年 | 弊社の微細・精密加工技術が「川崎ものづくりブランド」に認定 |
2014年 | 経済産業省「がんばる中小企業300社」に選定 |
2016年 | 業界初となる「極小径ピンゲージ(直径0.01mm~)」の開発・製造開始 |
2018年 | 「神奈川県優良工場」に選定 |
2021年 | 「かわさきSDGsゴールドパートナー」に認定 |
三和クリエーション株式会社の経営資源引継ぎ募集情報
人的資本引継ぎ
埼玉県
東京都
神奈川県
未経験者も大歓迎。自発的な挑戦と失敗を受け入れる社風です
事業引継ぎ
関東
貴社が大切にされてきた人と技術を引継ぎ、次世代へと繋げます
公開日:2023/01/18 (2023/02/08修正)
※本記事の内容および所属名称は2023年2月現在のものです。現在の情報とは異なる場合があります。
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