神奈川・川崎市麻生区
神奈川 ・ 川崎市
子どもたちの
株式会社バンビのピエノ
地域課題の解決をきっかけに誕生した学童&保育園が指向する未来
経営理念
子どもの自主性を最大限尊重する
- 子どもの意志を尊重する
- 子どものペースを尊重する
- 子どものできるを尊重する
代表者メッセージ
子供達の放課後の過ごし方はいろいろな形があってもいいのでは?と思い立ったのが「バンビのピエノ」の立ち上げのきっかけです。今、乳児と幼児の受け入れと支援は多様化し、ニーズにあった形を選ぶことができますが、小学校に上がった途端、放課後の受け皿となる学童保育にほとんどの地域では選択肢がありません。 20時過ぎまで預かる保育園と違い19時までの預かりなので、両親ともフルタイムで働く家庭では二重保育を頼まざるを得ないのが現状です。
幼稚園や保育園の庇護のもとで安心して生活してきた子どもたちにとって、小学校入学は大海原に放り出されたような不安な気持ちを抱えてのスタートになりがちです。親も子もしばらく緊張した生活が続きます。
お母さんが帰宅するまでの放課後の長い時間、子どもたちが家庭にいるように「ほっと」でき、落ち着いて安心を感じることができるよう、子どもの「今日は、疲れちゃったよ」「今日は、こんなことがあったよ」に寄り添い、向き合っていきたいと思っています。「バンビのピエノ」は、子どもたちが、楽しく有意義な放課後を過ごすことができるみんなの家です。
代表取締役 石村 真紀子
私たちのこだわり
地域の声に応えて始まった保育サービス
弊社・株式会社バンビのピエノは私の母・石村真紀子が、2016年に企業主導型の保育園を運営する会社として創業しました。神奈川県川崎市の新百合ヶ丘、登戸、の2か所で0~2歳までのお子さんを預かる少人数制で保育園「リトルピエノ保育園」を運営しています。株式会社の他に関連法人としてNPO法人「みんなのお家 バンビのピエノ」を運営しています。私は2018年からCFO(最高財務責任者)として、経営に携わるようになりました。将来的には母から弊社を事業承継していく予定です。
母は元々保育士として川崎市の宮前平にあった幼児教室で働いており、2008年にNPO法人「みんなのお家 バンビのピエノ」を設立し、学童保育をスタートしました。設立のきっかけは「19時以降預かってくれる学童保育がない」という保護者の声だったそうです。川崎市内では各小学校に全員が無料で利用できる公立の学童保育「わくわくプラザ」が設置されています。ただ、保育園は20時まで預かってくれるのに対し、「わくわくプラザ」が子どもを預かってくれるのは19時までです。保護者の中には子どもの小学校入学を期に働き方を見直したり、仕事を辞める方も少なくないと耳にします。
このように、小学校入学で仕事と子育ての両立が難しくなることを「小1の壁」といい、現在の多くの家庭が抱える問題となってきています。「バンビのピエノ」では他の学童保育ではできないサービスを提供することで、預かる子どもたちだけでなく保護者の支援も行いたいという母の想いのもと設立に至りました。
後継者は元水泳選手で税理士・保育士の顔を持つCFO
私はリトルピエノ保育園新百合ヶ丘roomが開園する前年の2018年から弊社に参画しました。母はNPO法人として学童保育を運営しながら、地域保育園の運営も担当していたのですが、当時の会社は、助成金などを受けられず、財務面は非常に苦しい状態でした。私は税理士資格を持っており、経営に携わりつつ経理を行っていきたいという想いがあったため、会社の財務の改善・強化を目的に入社しました。
現在はNPO法人の会長や保育園の園長は母が担い、会社の財務や経営実務は私が担当しています。今後、母が園長職を退くタイミングでCFOである私が代表となり、事業承継していくことを見据えています。
元々私は水泳の選手として国体やインカレなどの大会を中心に国内外で開催される大会に出場してきました。大学2年生の時には日本代表にも選ばれています。しかし、ヘルニアによる腰痛に悩まされていたこともあり、水泳選手としての活動は大学までと決断し、税理士資格の取得に向けての勉強に切り替えていきました。大学では経営や会計などについて学んでいましたし、計算が得意だったこともあり、税理士の資格を取得することにしました。資格取得までの間は、フリーの水泳インストラクターとして、オリンピック金メダリスト・北島康介さんが、水泳事業を立ち上げる際にお手伝いしていたこともあります。
税理士の資格取得前に、2年ほど中小企業で経理を経験した後に弊社に入社しました。入社後は、母の仕事を手伝うなかで保育という仕事が思った以上に魅力的だと気づき、保育士資格も取得しています。
また、資格取得後に川崎地域の税理士会に所属して以来、川崎市内の小学校に行き、お金や税金についての出張授業を行っています。この「租税教育」は私が税理士として地域の子どもたちのためにできることとして今でも力を入れている活動です。
CFOとしての仕事は、基本的にバックオフィスの仕事が主です。経営の立場から子どもたちのプラスになるよう新たなに取り組みを検討し、挑戦していくことしていくことにやりがいを感じています。
子どもの自主性や能力を広げる独自の取り組み
弊社および関連NPO法人が運営する保育園、学童保育の特徴は、子どもの自主性や能力を伸ばすことに主眼をおいている部分です。
学童保育「みんなのお家 バンビのピエノ」では、書道や将棋など伝統的な習い事からダンス、プログラミングまで10種類のお稽古をそろえています。お稽古の中には国語や算数、英語の科目もあるため、学童保育ではありながら、塾や習い事のように利用することも可能です。それぞれのジャンルに精通した講師がお稽古を行っていることが、子どもたちや保護者の皆様に選んでいただける理由の1つになっています。
さらに、季節ごとの行事やイベントを開催したり、子どもたちに提供するおやつや補食を手作りするなど、バンビのピエノで過ごす時間を楽しんでもらうためのオリジナルな取り組みも好評です。保護者の方が安心して子どもを預けることができ、子どもたちは自分の家のようにのびのびと過ごせる場所を目指しています。
保育園「リトルピエノ」については、全園でモンテッソーリ教育を軸にした保育を行っていることが特徴です。モンテッソーリ教育とは、1900年代に医師であり教育家であったマリア・モンテッソーリ博士が考案した教育法です。「子どもには、自分を育てる力が備わっている」という考え方に基づき、子どもが自分から成長・発達できるようにしています。そして「教具」と呼ばれるコップやはさみ、つみき、カードなどの道具を使って、日常生活の練習から五感を研ぎ澄ましてもらえるようにしていくことが目標です。
「教具」の一部は保育士の手作りで、子どもの発育に合わせたものを使用しています。この練習は「お仕事」と呼ばれており、子どもたちが自らやりたいお仕事を選んで考えながら体を動かすことが特徴です。1歳になる頃にはチャックの開け閉めや容器の蓋を外せるようになり、2歳になる頃には水差しでコップに水を注いだり、包丁でバナナを切れたりとできることが格段に増えていきます。こうした体験を積み重ねることで自ら靴を脱いで揃え、上着を脱ぐといった動作が自然にできるように育っていくのがモンテッソーリ教育なのです。
私たちは子どもたちの自主性を尊重することに重きを置いています。例えば、何種類かおもちゃを揃えて選択肢を用意すれば子ども自身がやりたいものを選べます。少人数だからこそ一人ひとりの個性に目を向けるという考え方です。もちろんご飯や昼寝など、時間通りに動ける力を身に着けることも大切ですが、子ども自身が小さな成功体験を積み上げていけるようなにしています。
いちご農園事業を通じて新たに取り組む地域とつながる保育
いちご農園「ピエノファーム」は2022年12月に開園しました。新型コロナウイルスに伴う外出制限によって、子どもたちのレクリエーションを実施できなくなったことがきっかけです。コロナ禍前は、お芋ほりや凧あげ、遠足やキャンプなど季節に合わせたレクリエーションを行っていました。しかし、コロナ禍による外出自粛により中止を余儀なくされ、子どもたちも自然との触れ合いや園外で学ぶ機会を失ってしまいました。
そうした中で、どうにか私たちだからできる付加価値を提供できないか考えた結果として、子どもたちが大好きな食べ物であるいちごを栽培するという考えに至った次第です。そこで、神奈川県の支援も受け横浜市に700平米ほどのビニールハウスを設置し、幼い子どもが食べても安心安全ないちごを栽培しています。開園まではいちごを栽培する農園へ何度も足を運び、おいしいいちごを作れるように勉強を重ねました。
収穫したいちごは保育園を利用するご家族だけでなく、地域の飲食店や地元住民の方々からも好評です。ちなみに「神奈川いちごの会」で開催された品評会では銅賞を獲得しています。
2023年2月には保育園でいちご狩りの体験会を初めて開催しました。いちご狩りを通じて親子のコミュニケーションはもとより、いちごの花や実がどのようなものなのか、成長過程を見てでき上がったいちごを実際に食べてみるという食育にも繋がっています。このように、子どもを保育園に預けるだけではなく、弊社だからこそできる付加価値をどんどん高めていければと考えているところです。
今はまだ保育園を対象にした取り組みですが、今後は学童保育の子どもたちと一緒に苗植えから手入れ、収穫を行うところまで経験してもらうことを考えています。食育や自然に触れ合う体験だけでなく、でき上がったいちごをケーキ屋さんに持っていくことで、農園のいちごでケーキを作ってもらうという、物々交換のような仕組みづくりも計画中です。税理士として子どもたちにお金や社会の仕組みを教えていた経験も生かしていきたいと思います。ゆくゆくは農園のいちごを地域のこども食堂に提供したり、児童養護施設の子どもたちに農園を無料開放して、いちご狩りを楽しんでもらったりできるようにしていきたいと考えているところです。地域社会全体を保育のフィールドとして活かすことで、地元に貢献できる園を目指していきます。
働き方の見直しで子どもたちの未来を支える
現在、保育の現場を取り巻く環境は大きく変化しており、保育士の労働環境を巡る問題はその1つです。一般的に保育士は時間外労働の多さに対しての給料の低さや、保育士同士だけでなく保護者との関係性づくりに悩み、離職するケースが問題視されてきました。現在では自治体の支援もあり、少しずつ改善されてきています。
そのような中、弊社では保育に対する考え方を一貫することで、同じ方向を向いて長く働き続けてくれる保育士が多く在籍しています。母は立ち上げた当初から、社員と同じ動きをしながら会社の先頭に立つ人でした。現場で働く保育士の目線を持ちながら、子どもの自主性を尊重する母の保育観が、今の会社のカルチャーを作りあげてきたのでしょう。
企業主導型保育園という仕組みは、弊社で働く社員のお子さんが入園しやすいシステムでもあるため、女性が多い保育士という職業でも子育てしやすい環境づくりをしています。保育の現場で問題視される人間関係についても、保育士同士で分からないことは聞き合える風通しの良い風土ができ上がっているため、皆で一丸となって働ける職場です。
私は次期後継者として会社に参画していますが、母のやり方を変えるのではなく弊社の良さとして残していきたいと思っています。一方で、今後はより効率的に働けるような仕組みを構築していきたいです。例えば、短時間正社員の働き方についてはもう少し工夫できるポイントがあると感じています。短時間正社員とは、学童保育のピーク時間である15時から20時前後に合わせて働いている社員のことです。勤務時間が5時間だけになると正社員として雇用するのは難しいですが、弊社では短時間正社員の仕組みを使うことで社員のライフスタイルに合った働き方を実現できます。それでも、お昼の休憩を取る時間が偏ったり、予定よりも早く子どもたちが全員帰った場合には時間の調整が必要です。代替わりに伴い、社員の年齢や体調を考えながら少しずつ変えていきたいと考えています。
また、数年前までは待機児童問題が社会でも大きく取り上げられていましたが、これからは人口減少や少子高齢化に伴い、保育施設は足りないものから余るものへ変化していくと考えています。子どもたちが減っていくことで、保護者はよりクオリティの高い保育を求めますし、他の園との差別化が図れないと生き残ることはできません。
0~6歳の子どもを預かれる保育園設立のためにM&Aも検討
現在、弊社の保育園では少人数制で0~2歳までの子どもたちのみを預かっています。その理由はきめ細かな保育を行うためでもありますが、設立時に0歳から6歳までの子どもを預かれるちょうどいい大きさの建物がなかったからです。学童保育は小学生以上が対象になるため、ちょうど中間である3~6歳の子どもたちは、現状他の園に行かなければなりません。0歳から6歳の子どもたちを預かれる大きさの施設はなかなか見つからないため大きな課題となっています。
今後も川崎に軸を置いて子どもたちの成長を見守り続けるためにも、M&Aは一つの選択肢だと考えています。例えば川崎市内で後継者がいない保育園などを運営する企業、とりわけ0~6歳の子どもを預かれる大きな園の運営をしている場合は、ぜひお声がけ頂きたいところです。子どもたちの未来を共に育んで行ける方々と一緒にシナジーを生み出していければと考えています。そしてこれからも子どもたちのためにできることを第一に考え、地域に貢献できるような保育事業者を目指していきます。
地域の声に応えて始まった保育サービス
弊社・株式会社バンビのピエノは私の母・石村真紀子が、2016年に企業主導型の保育園を運営する会社として創業しました。神奈川県川崎市の新百合ヶ丘、登戸、の2か所で0~2歳までのお子さんを預かる少人数制で保育園「リトルピエノ保育園」を運営しています。株式会社の他に関連法人としてNPO法人「みんなのお家 バンビのピエノ」を運営しています。私は2018年からCFO(最高財務責任者)として、経営に携わるようになりました。将来的には母から弊社を事業承継していく予定です。
母は元々保育士として川崎市の宮前平にあった幼児教室で働いており、2008年にNPO法人「みんなのお家 バンビのピエノ」を設立し、学童保育をスタートしました。設立のきっかけは「19時以降預かってくれる学童保育がない」という保護者の声だったそうです。川崎市内では各小学校に全員が無料で利用できる公立の学童保育「わくわくプラザ」が設置されています。ただ、保育園は20時まで預かってくれるのに対し、「わくわくプラザ」が子どもを預かってくれるのは19時までです。保護者の中には子どもの小学校入学を期に働き方を見直したり、仕事を辞める方も少なくないと耳にします。
このように、小学校入学で仕事と子育ての両立が難しくなることを「小1の壁」といい、現在の多くの家庭が抱える問題となってきています。「バンビのピエノ」では他の学童保育ではできないサービスを提供することで、預かる子どもたちだけでなく保護者の支援も行いたいという母の想いのもと設立に至りました。
後継者は元水泳選手で税理士・保育士の顔を持つCFO
私はリトルピエノ保育園新百合ヶ丘roomが開園する前年の2018年から弊社に参画しました。母はNPO法人として学童保育を運営しながら、地域保育園の運営も担当していたのですが、当時の会社は、助成金などを受けられず、財務面は非常に苦しい状態でした。私は税理士資格を持っており、経営に携わりつつ経理を行っていきたいという想いがあったため、会社の財務の改善・強化を目的に入社しました。
現在はNPO法人の会長や保育園の園長は母が担い、会社の財務や経営実務は私が担当しています。今後、母が園長職を退くタイミングでCFOである私が代表となり、事業承継していくことを見据えています。
元々私は水泳の選手として国体やインカレなどの大会を中心に国内外で開催される大会に出場してきました。大学2年生の時には日本代表にも選ばれています。しかし、ヘルニアによる腰痛に悩まされていたこともあり、水泳選手としての活動は大学までと決断し、税理士資格の取得に向けての勉強に切り替えていきました。大学では経営や会計などについて学んでいましたし、計算が得意だったこともあり、税理士の資格を取得することにしました。資格取得までの間は、フリーの水泳インストラクターとして、オリンピック金メダリスト・北島康介さんが、水泳事業を立ち上げる際にお手伝いしていたこともあります。
税理士の資格取得前に、2年ほど中小企業で経理を経験した後に弊社に入社しました。入社後は、母の仕事を手伝うなかで保育という仕事が思った以上に魅力的だと気づき、保育士資格も取得しています。
また、資格取得後に川崎地域の税理士会に所属して以来、川崎市内の小学校に行き、お金や税金についての出張授業を行っています。この「租税教育」は私が税理士として地域の子どもたちのためにできることとして今でも力を入れている活動です。
CFOとしての仕事は、基本的にバックオフィスの仕事が主です。経営の立場から子どもたちのプラスになるよう新たなに取り組みを検討し、挑戦していくことしていくことにやりがいを感じています。
子どもの自主性や能力を広げる独自の取り組み
弊社および関連NPO法人が運営する保育園、学童保育の特徴は、子どもの自主性や能力を伸ばすことに主眼をおいている部分です。
学童保育「みんなのお家 バンビのピエノ」では、書道や将棋など伝統的な習い事からダンス、プログラミングまで10種類のお稽古をそろえています。お稽古の中には国語や算数、英語の科目もあるため、学童保育ではありながら、塾や習い事のように利用することも可能です。それぞれのジャンルに精通した講師がお稽古を行っていることが、子どもたちや保護者の皆様に選んでいただける理由の1つになっています。
さらに、季節ごとの行事やイベントを開催したり、子どもたちに提供するおやつや補食を手作りするなど、バンビのピエノで過ごす時間を楽しんでもらうためのオリジナルな取り組みも好評です。保護者の方が安心して子どもを預けることができ、子どもたちは自分の家のようにのびのびと過ごせる場所を目指しています。
保育園「リトルピエノ」については、全園でモンテッソーリ教育を軸にした保育を行っていることが特徴です。モンテッソーリ教育とは、1900年代に医師であり教育家であったマリア・モンテッソーリ博士が考案した教育法です。「子どもには、自分を育てる力が備わっている」という考え方に基づき、子どもが自分から成長・発達できるようにしています。そして「教具」と呼ばれるコップやはさみ、つみき、カードなどの道具を使って、日常生活の練習から五感を研ぎ澄ましてもらえるようにしていくことが目標です。
「教具」の一部は保育士の手作りで、子どもの発育に合わせたものを使用しています。この練習は「お仕事」と呼ばれており、子どもたちが自らやりたいお仕事を選んで考えながら体を動かすことが特徴です。1歳になる頃にはチャックの開け閉めや容器の蓋を外せるようになり、2歳になる頃には水差しでコップに水を注いだり、包丁でバナナを切れたりとできることが格段に増えていきます。こうした体験を積み重ねることで自ら靴を脱いで揃え、上着を脱ぐといった動作が自然にできるように育っていくのがモンテッソーリ教育なのです。
私たちは子どもたちの自主性を尊重することに重きを置いています。例えば、何種類かおもちゃを揃えて選択肢を用意すれば子ども自身がやりたいものを選べます。少人数だからこそ一人ひとりの個性に目を向けるという考え方です。もちろんご飯や昼寝など、時間通りに動ける力を身に着けることも大切ですが、子ども自身が小さな成功体験を積み上げていけるようなにしています。
いちご農園事業を通じて新たに取り組む地域とつながる保育
いちご農園「ピエノファーム」は2022年12月に開園しました。新型コロナウイルスに伴う外出制限によって、子どもたちのレクリエーションを実施できなくなったことがきっかけです。コロナ禍前は、お芋ほりや凧あげ、遠足やキャンプなど季節に合わせたレクリエーションを行っていました。しかし、コロナ禍による外出自粛により中止を余儀なくされ、子どもたちも自然との触れ合いや園外で学ぶ機会を失ってしまいました。
そうした中で、どうにか私たちだからできる付加価値を提供できないか考えた結果として、子どもたちが大好きな食べ物であるいちごを栽培するという考えに至った次第です。そこで、神奈川県の支援も受け横浜市に700平米ほどのビニールハウスを設置し、幼い子どもが食べても安心安全ないちごを栽培しています。開園まではいちごを栽培する農園へ何度も足を運び、おいしいいちごを作れるように勉強を重ねました。
収穫したいちごは保育園を利用するご家族だけでなく、地域の飲食店や地元住民の方々からも好評です。ちなみに「神奈川いちごの会」で開催された品評会では銅賞を獲得しています。
2023年2月には保育園でいちご狩りの体験会を初めて開催しました。いちご狩りを通じて親子のコミュニケーションはもとより、いちごの花や実がどのようなものなのか、成長過程を見てでき上がったいちごを実際に食べてみるという食育にも繋がっています。このように、子どもを保育園に預けるだけではなく、弊社だからこそできる付加価値をどんどん高めていければと考えているところです。
今はまだ保育園を対象にした取り組みですが、今後は学童保育の子どもたちと一緒に苗植えから手入れ、収穫を行うところまで経験してもらうことを考えています。食育や自然に触れ合う体験だけでなく、でき上がったいちごをケーキ屋さんに持っていくことで、農園のいちごでケーキを作ってもらうという、物々交換のような仕組みづくりも計画中です。税理士として子どもたちにお金や社会の仕組みを教えていた経験も生かしていきたいと思います。ゆくゆくは農園のいちごを地域のこども食堂に提供したり、児童養護施設の子どもたちに農園を無料開放して、いちご狩りを楽しんでもらったりできるようにしていきたいと考えているところです。地域社会全体を保育のフィールドとして活かすことで、地元に貢献できる園を目指していきます。
働き方の見直しで子どもたちの未来を支える
現在、保育の現場を取り巻く環境は大きく変化しており、保育士の労働環境を巡る問題はその1つです。一般的に保育士は時間外労働の多さに対しての給料の低さや、保育士同士だけでなく保護者との関係性づくりに悩み、離職するケースが問題視されてきました。現在では自治体の支援もあり、少しずつ改善されてきています。
そのような中、弊社では保育に対する考え方を一貫することで、同じ方向を向いて長く働き続けてくれる保育士が多く在籍しています。母は立ち上げた当初から、社員と同じ動きをしながら会社の先頭に立つ人でした。現場で働く保育士の目線を持ちながら、子どもの自主性を尊重する母の保育観が、今の会社のカルチャーを作りあげてきたのでしょう。
企業主導型保育園という仕組みは、弊社で働く社員のお子さんが入園しやすいシステムでもあるため、女性が多い保育士という職業でも子育てしやすい環境づくりをしています。保育の現場で問題視される人間関係についても、保育士同士で分からないことは聞き合える風通しの良い風土ができ上がっているため、皆で一丸となって働ける職場です。
私は次期後継者として会社に参画していますが、母のやり方を変えるのではなく弊社の良さとして残していきたいと思っています。一方で、今後はより効率的に働けるような仕組みを構築していきたいです。例えば、短時間正社員の働き方についてはもう少し工夫できるポイントがあると感じています。短時間正社員とは、学童保育のピーク時間である15時から20時前後に合わせて働いている社員のことです。勤務時間が5時間だけになると正社員として雇用するのは難しいですが、弊社では短時間正社員の仕組みを使うことで社員のライフスタイルに合った働き方を実現できます。それでも、お昼の休憩を取る時間が偏ったり、予定よりも早く子どもたちが全員帰った場合には時間の調整が必要です。代替わりに伴い、社員の年齢や体調を考えながら少しずつ変えていきたいと考えています。
また、数年前までは待機児童問題が社会でも大きく取り上げられていましたが、これからは人口減少や少子高齢化に伴い、保育施設は足りないものから余るものへ変化していくと考えています。子どもたちが減っていくことで、保護者はよりクオリティの高い保育を求めますし、他の園との差別化が図れないと生き残ることはできません。
0~6歳の子どもを預かれる保育園設立のためにM&Aも検討
現在、弊社の保育園では少人数制で0~2歳までの子どもたちのみを預かっています。その理由はきめ細かな保育を行うためでもありますが、設立時に0歳から6歳までの子どもを預かれるちょうどいい大きさの建物がなかったからです。学童保育は小学生以上が対象になるため、ちょうど中間である3~6歳の子どもたちは、現状他の園に行かなければなりません。0歳から6歳の子どもたちを預かれる大きさの施設はなかなか見つからないため大きな課題となっています。
今後も川崎に軸を置いて子どもたちの成長を見守り続けるためにも、M&Aは一つの選択肢だと考えています。例えば川崎市内で後継者がいない保育園などを運営する企業、とりわけ0~6歳の子どもを預かれる大きな園の運営をしている場合は、ぜひお声がけ頂きたいところです。子どもたちの未来を共に育んで行ける方々と一緒にシナジーを生み出していければと考えています。そしてこれからも子どもたちのためにできることを第一に考え、地域に貢献できるような保育事業者を目指していきます。
ツグナラ専門家による紹介
担当専門家:株式会社サクシード 株式会社サクシードの詳細
保育に対する考え方が同じ保育士さんたちが集まる園を運営されています。人口の減少による保育需要の逓減も既に予想されており、付加価値の高い保育サービスを提供することで、「選ばれる園」となり、他との差別化を図っています。
会社概要
社名 | 株式会社バンビのピエノ |
創立年 | 2016年 |
代表者名 | 代表取締役社長 石村 真紀子 / 最高財務責任者 石村 元 |
資本金 | 500万円 |
URL |
https://banbinopieno.com/
|
本社住所 |
〒215-0021 044-281-567 |
事業内容 | 保育所、学童保育 |
事業エリア |
NPO法人 「みんなのおうちバンビのピエノ」(学童保育) 〒215-0021 |
リトルピエノ-新百合ヶ丘ROOM-(保育園) 〒215-0021 |
|
リトルピエノ-登戸ROOM-(保育園) 〒214-0014 |
|
リトルピエノ-上麻生ROOM-(保育園) 〒215-0021 |
会社沿革
2016年 | 設立 |
株式会社バンビのピエノの経営資源引継ぎ募集情報
公開日:2023/05/23
※本記事の内容および所属名称は2023年5月現在のものです。現在の情報とは異なる場合があります。
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