中小企業経営者にとって、自分の次の代にどう会社を引き継いでいくかは、大きな悩みの1つだと思います。とりわけ、後継者不在の状態で、第三者承継を検討する場合には、会社と社員の未来が掛かっていることもあり、相談相手は限られてきます。
中小企業経営者にとって、自分の次の代にどう会社を引き継いでいくかは、大きな悩みの1つだと思います。とりわけ、後継者不在の状態で、第三者承継を検討する場合には、会社と社員の未来が掛かっていることもあり、相談相手は限られてきます。
「2017年度版中小企業白書」によれば、実際に相談相手として選ばれているのは、
1位 顧問税理士、会計士
2位 近しい親族、友人
3位 取引金融機関
とのこと。
正解がどれということはありませんが、第三者承継を考える場合なら、自社の財務内容を把握してくれている「顧問税理士、会計士」や「取引金融機関」といった専門家が、実務面での頼れる相談相手となりえます。
「顧問税理士、公認会計士」なら、事業承継についてまわる相続税や贈与税など税に関する相談がしやすいことがまず第一に挙げられます。他にも、資産の有効活用、納税資金の確保など、お金全般の相談ができるという面も選ばれている理由でしょう。
「取引金融機関」については、財務内容や経営計画を理解してくれている金融機関なら、自社の方向性に沿った道筋を示してくれる可能性が高まります。近年では事業承継問題に対応するための専任スタッフがいる金融機関も増えていることも相談しやすい理由に挙げられます。
「近しい親族、友人」については、気軽に相談できるという点では、圧倒な身近さがあります。事業を引き継ぐ意志がないと思っていた息子や娘、婿養子から後継者候補が見つかるケースもあるでしょう。一方で、仲の良い経営者仲間などは、選択肢になりうる反面、近すぎて相談しにくいというケースは珍しくありません。
ランキングに入らなかったものの、その他の相談相手に挙げられるのが、弁護士、行政書士、事業引継ぎ支援センター、M&A仲介会社などになります。
弁護士、行政書士は専門知識に加えて、関連する士業同士の横の繋がりもあることから、有力な相談相手になり得ます。
事業引継ぎ支援センターについては、全国47都道府県に設置されている、国が設置する公的相談窓口です。基本的にM&Aに関する手続きが無料、必要に応じて専門家を紹介してくれるのが特徴です。
M&A仲介会社は、売手企業と買手企業の間に中立的な立場で入り、M&Aを取りまとめることに特化した専門家になります。法務、税務、買手企業と売手企業のマッチング、成約までの調整までワンパッケージで対応してくれます。
事業承継自体、成約に至るまでに多くの人を介していく取り組みになるので、スタートの相談は、ある意味では、相談しやすく、身近で、親身になってくれる、専門知識を持った相手がベストチョイスだと言えます。
最後に1つ、事業承継を決意したら、経営者自ら最初のアクション(相談)をすることがとても重要です。理由は簡単で、そうしないと誰も進めてくれないからです。
自分が引退した後の会社をどうしていくのか、残された社員の雇用はどうするのか、そうしたことを考え始めたら、自ら引き際を決めて、準備を進めていくことが、円満な事業承継への第一歩になります。
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