宇都宮
宇都宮市
いきいきと働ける職場づくりから未来を見据えて一歩づつ新分野を開拓
亀田産業株式会社
ものづくり50年の経験と品質をベースに、デザイン性の高い商品・サービスを提供し続けます
経営理念
特徴ある会社を作り、その繁栄と安定を通じて、皆で幸せになろう。
亀田産業全従業員は、航空機の製造に寄与し、そして快適居住空間の創造に努める事によって、日々社会の役に立っている。この自信と誇りを忘れずに、更に多くの社会的貢献を成し遂げる為に基本的考え方を基本スローガンとして定め、基本目標および行動指針として確実に実行して行くべきであると考える。そして、繁栄という対価と安定という信用を社会から得ることを目標とするものである。
代表者メッセージ
当社は1968年に航空機部品製造業および家具小売業として創業し、50年ものづくりに関わってきました。
最先端の航空事業領域を中心とした「エンジニアリング事業」と、創業より地域で愛されてきた家具販売・内装工事業を基本とした「ライフスタイル事業」として、2つの柱で次なる成長を志向しています。これら2つの領域は一見全く異なる事業に見えますが、BtoBであれBtoCであれ常に「カスタマーファースト」、すなわちお客様の役に立つために仕事をしている、という大前提や、一般的にQCDと言われるQuality(品質)・Cost(価格)・Delivery(納期)を守ることを仕事の基本中の基本として約束を守るという考え方は、いずれの事業にも共通するポリシーとして、全従業員の行動・判断の基本となっています。
2つの領域の異なる事業を柱に
最近はライフスタイル事業をメディアや新聞でも取り上げていただく機会が多くなりましたので、当社はBtoCの「亀田屋」のイメージが強いかもしれませんが、実は栃木県において航空事業は地域を挙げて推進している中核的な産業になっており、当社は創業以来ずっとこの分野で経験とノウハウを積み上げております。
そのエンジニアリング事業を代表する当社の強みは「ハニカムコア」の加工であり、グローバル含めた航空機業界では「ハニカムコア加工といえば、亀田(KAMEDA)」が定着しております。「ハニカムコア」というのは、蜂の巣のように六角形を隙間なく並べた構造体のことで、元々航空機用の材料として開発されたものが、軽量ながら強度が高いこと、加工がしやすいこと、吸音性、遮音性、断熱性などが注目され、今では他の一般産業でも幅広く用いられ、あらゆる場所で役立てられています。ハニカムコアは扱いが難しく、これだけ機械化が進んでいる世の中においても機械加工が難しい領域ですが、当社はこの加工技術に約30年の実績があり、世界品質を自負しております。今後は航空機を基本に、住宅や家具など異業種のニーズに合わせた製造や開発のお手伝いを通して、新たな価値の創出に活かせたらと考えております。
次に、ライフスタイル事業につきまして、創業以来家具店を営みながら、1970年代には内装工事業の免許を取得し、一般家庭・オフィスの家具納品から内装工事まで一貫した対応で地域のお客様に愛されてまいりました。しかし時代とともに、リーズナブルな家具の量販店が勢力を伸ばし、古くは慣習化されていた「婚礼家具セット」「新築家具セット」のような文化も廃れ、ただ家具店を運営しているだけでは厳しい時代となってまいりました。
そこで2018年、ただの家具店ではなく、お客様のライフスタイル全般をサポートする地域の拠点として、それまで使用していた「亀田家具」という屋号を改め、「自然と家具とワインを。亀田屋」としてリブランディングを始めました。当店で扱う家具は量販店の家具とは異なり、お客様の人生とともに、家族とともに成長してゆける、永く使える天然無垢材の家具です。天然木は家具になっても呼吸をするため「室内の空気が綺麗になる」という良さがあり、健康で豊かな日々を送りたいお客様には必要不可欠なアイテムです。ここ最近は、亀田屋の噂を聞きつけたBtoBのお客様から、オフィス家具や什器、壁や床の内装工事、ひいてはインテリアコーディネート一式のご相談をご依頼いただけることが増えてまいりました。ただモノを納めるだけでなく、そこに住まう方、そこで働く方のライフスタイル・企業文化全般を考慮しながら、栃木の誇る木材や石材を活した空間設計や家具提案を行うことは、地元宇都宮に店舗を構える亀田屋にしか出来ない強みとして、これからも強化してまいります。
私たちのこだわり
デザインを経営や事業に取り込む
「亀田家具」を「自然と家具とワインを。亀田屋」にリニューアルしたタイミングは、当社の設立50周年を迎えたタイミングでもあり、これを機にBtoC領域だけでなく、当社を取り巻くブランドデザイン全般をリニューアルしました。
オンラインショップを本格的に運用し始めたのもこの頃です。デザインというと一般的には目に見える3Dの造形物や2Dのポスターのような制作物を想像すると思いますが、ここでいうデザインはもっと広い概念で、事業構造から働き方、考え方まで、企業を取り巻くあらゆる接点やファクトの創り方を指しています。当社のような同族企業は、ともすると創業から伝承された企業経営の「秘伝のタレ」のようなものが脈々と受け継がれ、ご先祖様の言う通りにやっていればうまくいく!ような錯覚に陥りがちです。しかし今の時代は多様性の時代であり、時代に合わせて柔軟に対応する力が求められます。創業以来の伝統と、時代に合わせた革新。目に見えるアウトプットと目に見えない仕組み。この辺のバランスをとる力が「デザイン力」だと考え、当社の武器の一つとして伸ばしてゆきたいと考えています。
次世代経営チームと事業承継
私は2015年に大手通信会社を辞めて東京から地元の栃木へUターンしてきましたが、正直サラリーマン時代は、自分の家でどのような事業を展開しているかさえ、良く理解していませんでした(田舎の家具屋だと思ってました)。
Uターンの経緯としては、まだ前職の時代に、実家から社外取締役への就任を要請されたことに始まります。所属する会社の許可をもらって社外取締役になってから、家業の事業報告書や決算書が送られてくるようになり、え?こんなことをやっていたの、と驚いたのを今でも覚えています。家業の決算書を見ているうちに、家業が高い技術を持ち、地元で必要とされている企業であることや、両親の年齢を考えると、このまま自分が帰らなければ、お客様や従業員の皆さんに迷惑をかけるのでは?と思うようになり、最終的に家族の了承を得てUターンを決めました。ちょうど子供が小学校に上がるタイミングだったというのも、ある意味運命だったかもしれません。
実際に帰ってきてから、経営に携わっていくことになるわけですが、先代の社長は30代から38年間社長を務めてきたため、過去の経緯含めすべて把握している強みがある一方、ワンマン経営となるリスクも抱えているように見えました。当方は、家業で航空機部品製造を担っていることを知らなかったぐらいその領域では素人ですから、先代の社長と同じスタイルでの経営は難しいと考え、まずは現場を仕切れる仲間と一緒に、私は現場を、仲間は経営のことを、お互いに学び合う場(通称「アラフォーミーティング」)を作りました。
幸い、この時点での課長メンバーが私とほぼ同世代で、大変スムーズに相互理解を図ることができ、私が代表に就任した今でも、主力メンバーとして現場を切り盛りしてくれています。Uターンした当初は、業界のことがわからないことだらけで、異業種で働いてきた16年間、無駄な時間を過ごしてしまったか?という思いもよぎりましたが、大企業内で揉まれまくった精神力や交渉力、チームマネジメント力が今の会社経営や組織構築、ルール作りに大きく貢献しているし、異業種でできた人脈が今、続々と新分野へトライするアイデアの源泉やコラボパートナーになっていることから考えると、「人生に無駄な経験はない」ということを改めてひしひしと感じざるを得ないわけです。
今後の展開
Uターンしてからの5年間、自分自身の勉強、組織力の強化、全事業の黒字化、リブランィング、新分野への進出という順番で企業価値を高めてまいりました。組織力がどの程度高まったのかを測るのは難しいので、ライフスタイル事業の「お客様反応の変化」という点で見ると、来店数は当方がUターンした当時と比較して約5倍となり、売上も約5倍へと成長しています。当然ですが、売上が増えれば雇用を増やすことができ、新たなスキルを持った素晴らしい人材と出会う機会も増えます。そして、良い人材の採用、育成ができれば更にお客様や当店のファンが増え、更に売上が増えるという好循環が創れます。
当社は元々製造業の売上や人員比率が多く、そのためか意見をあまり言わず淡々とものづくりをする質実剛健な雰囲気が(家具領域を含め)全社的に漂っていましたが、ライフスタイル領域の売上が上がり、フレッシュな人材(特に女性)が加わることで、社内に笑顔や笑い声が増え、逆に製造領域を含め明るい雰囲気が社内を支配するよう変化が起きています。
今後の展開として、社内的にはエンジニアリング事業とライフスタイル事業のコラボレーションで新商品を開発することを検討してまいります。社外的には当社と同等かそれ以上の情熱を持つ地元企業とコラボレーションして新商品や新サービスを産み出すなど、当社内に起きた好循環を、地域全般に波及させるべく活動していくことを計画しています。2021年の春に始めた「KAMEDA-YA AOZORA MARKET」のような活動ですね。
また、好循環を起こす起点として誰もが気軽に集まって、コーヒーやお酒を飲みながら気軽にアイデアブレストができる「KAMEDA-YA coffee&wine」を2021年の6月にオープンしました。あくまで当社の基幹事業はエンジニアリング・ライフスタイル2本の柱ですが、その2本柱にあらゆるリソースを掛け合わせて事業領域を更に広げてゆきたいですね。事業領域が広がれば、よりたくさんの人材を採用できるようになり、一人でも多くの仲間に好循環の輪に加わっていただくことができますからね。また、多様なスキルを持つ、幅広い年齢層の方が採用できれば、世代交代に伴う技術伝承も今よりスムーズに進むかもしれません。
とにかく既存の従業員、新たに加入する従業員、お互いがお互いの経験を尊重し合って、相互に高め合うことが、全社的な成長と、永く続く企業の礎を築いていくと考えています。
経営理念である「みんなで幸せになろう」は、一見どの会社でも言える普遍的なスローガンのようにも見えますが、この理念があるおかげで、私は堂々と「明るく楽しく働こう。暗い職場に幸せは訪れないぞ!」「家族も含めてみんなで幸せになろう。良い仕事は良い家庭から!」などと言い切れるわけです。事業領域が広がり、タスクや従業員が増えると苦労も増えますが、それを補って余りある楽しみやアイデアも増えます。当社の従業員は皆人柄がいいんです。今いる従業員と、新たな仲間探しをしながら、従業員のご家族含めた「みんなで」2つの事業を更に伸ばしていきたいです。
デザインを経営や事業に取り込む
「亀田家具」を「自然と家具とワインを。亀田屋」にリニューアルしたタイミングは、当社の設立50周年を迎えたタイミングでもあり、これを機にBtoC領域だけでなく、当社を取り巻くブランドデザイン全般をリニューアルしました。
オンラインショップを本格的に運用し始めたのもこの頃です。デザインというと一般的には目に見える3Dの造形物や2Dのポスターのような制作物を想像すると思いますが、ここでいうデザインはもっと広い概念で、事業構造から働き方、考え方まで、企業を取り巻くあらゆる接点やファクトの創り方を指しています。当社のような同族企業は、ともすると創業から伝承された企業経営の「秘伝のタレ」のようなものが脈々と受け継がれ、ご先祖様の言う通りにやっていればうまくいく!ような錯覚に陥りがちです。しかし今の時代は多様性の時代であり、時代に合わせて柔軟に対応する力が求められます。創業以来の伝統と、時代に合わせた革新。目に見えるアウトプットと目に見えない仕組み。この辺のバランスをとる力が「デザイン力」だと考え、当社の武器の一つとして伸ばしてゆきたいと考えています。
次世代経営チームと事業承継
私は2015年に大手通信会社を辞めて東京から地元の栃木へUターンしてきましたが、正直サラリーマン時代は、自分の家でどのような事業を展開しているかさえ、良く理解していませんでした(田舎の家具屋だと思ってました)。
Uターンの経緯としては、まだ前職の時代に、実家から社外取締役への就任を要請されたことに始まります。所属する会社の許可をもらって社外取締役になってから、家業の事業報告書や決算書が送られてくるようになり、え?こんなことをやっていたの、と驚いたのを今でも覚えています。家業の決算書を見ているうちに、家業が高い技術を持ち、地元で必要とされている企業であることや、両親の年齢を考えると、このまま自分が帰らなければ、お客様や従業員の皆さんに迷惑をかけるのでは?と思うようになり、最終的に家族の了承を得てUターンを決めました。ちょうど子供が小学校に上がるタイミングだったというのも、ある意味運命だったかもしれません。
実際に帰ってきてから、経営に携わっていくことになるわけですが、先代の社長は30代から38年間社長を務めてきたため、過去の経緯含めすべて把握している強みがある一方、ワンマン経営となるリスクも抱えているように見えました。当方は、家業で航空機部品製造を担っていることを知らなかったぐらいその領域では素人ですから、先代の社長と同じスタイルでの経営は難しいと考え、まずは現場を仕切れる仲間と一緒に、私は現場を、仲間は経営のことを、お互いに学び合う場(通称「アラフォーミーティング」)を作りました。
幸い、この時点での課長メンバーが私とほぼ同世代で、大変スムーズに相互理解を図ることができ、私が代表に就任した今でも、主力メンバーとして現場を切り盛りしてくれています。Uターンした当初は、業界のことがわからないことだらけで、異業種で働いてきた16年間、無駄な時間を過ごしてしまったか?という思いもよぎりましたが、大企業内で揉まれまくった精神力や交渉力、チームマネジメント力が今の会社経営や組織構築、ルール作りに大きく貢献しているし、異業種でできた人脈が今、続々と新分野へトライするアイデアの源泉やコラボパートナーになっていることから考えると、「人生に無駄な経験はない」ということを改めてひしひしと感じざるを得ないわけです。
今後の展開
Uターンしてからの5年間、自分自身の勉強、組織力の強化、全事業の黒字化、リブランィング、新分野への進出という順番で企業価値を高めてまいりました。組織力がどの程度高まったのかを測るのは難しいので、ライフスタイル事業の「お客様反応の変化」という点で見ると、来店数は当方がUターンした当時と比較して約5倍となり、売上も約5倍へと成長しています。当然ですが、売上が増えれば雇用を増やすことができ、新たなスキルを持った素晴らしい人材と出会う機会も増えます。そして、良い人材の採用、育成ができれば更にお客様や当店のファンが増え、更に売上が増えるという好循環が創れます。
当社は元々製造業の売上や人員比率が多く、そのためか意見をあまり言わず淡々とものづくりをする質実剛健な雰囲気が(家具領域を含め)全社的に漂っていましたが、ライフスタイル領域の売上が上がり、フレッシュな人材(特に女性)が加わることで、社内に笑顔や笑い声が増え、逆に製造領域を含め明るい雰囲気が社内を支配するよう変化が起きています。
今後の展開として、社内的にはエンジニアリング事業とライフスタイル事業のコラボレーションで新商品を開発することを検討してまいります。社外的には当社と同等かそれ以上の情熱を持つ地元企業とコラボレーションして新商品や新サービスを産み出すなど、当社内に起きた好循環を、地域全般に波及させるべく活動していくことを計画しています。2021年の春に始めた「KAMEDA-YA AOZORA MARKET」のような活動ですね。
また、好循環を起こす起点として誰もが気軽に集まって、コーヒーやお酒を飲みながら気軽にアイデアブレストができる「KAMEDA-YA coffee&wine」を2021年の6月にオープンしました。あくまで当社の基幹事業はエンジニアリング・ライフスタイル2本の柱ですが、その2本柱にあらゆるリソースを掛け合わせて事業領域を更に広げてゆきたいですね。事業領域が広がれば、よりたくさんの人材を採用できるようになり、一人でも多くの仲間に好循環の輪に加わっていただくことができますからね。また、多様なスキルを持つ、幅広い年齢層の方が採用できれば、世代交代に伴う技術伝承も今よりスムーズに進むかもしれません。
とにかく既存の従業員、新たに加入する従業員、お互いがお互いの経験を尊重し合って、相互に高め合うことが、全社的な成長と、永く続く企業の礎を築いていくと考えています。
経営理念である「みんなで幸せになろう」は、一見どの会社でも言える普遍的なスローガンのようにも見えますが、この理念があるおかげで、私は堂々と「明るく楽しく働こう。暗い職場に幸せは訪れないぞ!」「家族も含めてみんなで幸せになろう。良い仕事は良い家庭から!」などと言い切れるわけです。事業領域が広がり、タスクや従業員が増えると苦労も増えますが、それを補って余りある楽しみやアイデアも増えます。当社の従業員は皆人柄がいいんです。今いる従業員と、新たな仲間探しをしながら、従業員のご家族含めた「みんなで」2つの事業を更に伸ばしていきたいです。
ツグナラコンサルタントによる紹介
亀田社長が専務だった頃からお付き合いさせていただいておりますが、事業承継した会社でのブランド戦略にはいつも驚かされます。創業時の事業を大切に承継しつつ、3代目のエッセンスが入り、これから新たな展開を見せる当社は、後継者の皆様必見です。
インタビュアーのコメント
会社概要
社名 | 亀田産業株式会社 |
創立年 | 1968年 |
代表者名 | 代表取締役社長 亀田 寛 |
本社住所 |
321-0111 栃木県宇都宮市川田町432 |
事業内容 | 航空機部品加工・製作、家具販売・修理、酒類販売 |
URL |
https://www.kamedasangyo.co.jp/
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亀田産業株式会社の経営資源引継ぎ募集情報
公開日:2021/10/04 (2023/01/25修正)
※本記事の内容および所属名称は2023年1月現在のものです。現在の情報とは異なる場合があります。