大田原
大田原市
技術の追求と全員経営でチャレンジし続けるスペシャリストを目指す
北條光学株式会社
お客様のご要望があるから成長できる光学レンズ製造工場
経営理念
我が社にしかできない加工技術No.1を目指して北條光学に携わる全ての人々が「幸せ」になれる会社を目指す。
北條光学株式会社は1953年(昭和28年)の創業以来、光学レンズ製造のスペシャリストとして光学業界に従事してまいりました。現在は、時代のニーズに伴い協力関係にある工場と連携し、カメラ用光学レンズ、医療機器用光学レンズ、放送機器用光学レンズ、映像機器用光学レンズなど幅広い分野に対応可能な会社に成長しております。
これからも高精度、高品質、短手番、加工技術ナンバー1を目指し、皆様の要望にさらに応えられるよう日々邁進します。
代表者メッセージ
事業承継のきっかけは
私が家業を継ぐことになったのは、学校の卒業を控えていた時に当時の専務からの連絡でした。事業承継はよく親子の関係とも言われていますが、仕事のことに関してはあまり会話もなかった部分もあり、会社の実情が厳しい部分もふくめ直接に知らせることが出来なかったのかと思います。戻ってみると直ぐに資金繰りの必要もあったので、即座に北條光学の一員として入社を決意しました。従事した際に一通りの現場を経験することもでき、しばらくしてから2代目社長でもあった父と母から事業承継に関して直接の話があり、引き受けました。当時27歳で、私が社長にならないと誰も承継するものもいないし、働く従業員のこと、その家族のことも考えると家督相続もふくめ3代目は私しかいないと覚悟をもって継ぎました。
ただ、経営を進めていく中で至る所に家族経営による甘さも見えてきて、公私混同と誤解されるような経費の使い方の見直しなど、従業員にしっかりと理解してもらえるようなマネジメントをおこなっていこうと気になる点から修正・改善をしていきました。
承継後の新米経営者として
承継後はひたすらに収益改善をおこなっていたので、休日はなく働いていました。当時は20代でもあり休日がないことも気にせずというか、気にしていられなかったというのが実状です。不自由なく進学させてくれた両親のおかげと北條光学の従業員のみなさんのおかげという気持ちがあったため邁進していました。
今は社長になって20年目を迎え、心に余裕ができた気がします。当初は目の前の利益を挙げる事ばかりで、経費削減と継続的な利益をどうやってクリアにできるかを試行錯誤して視野は狭かったかもしれません。徐々に経営が正常化してきたのがここ数年のことです。財務指標でいう資産と負債の合計で資産の方が大きくなってきてから、事業と向き合う姿勢が変わってきたように思います。
更なる自己啓発でマネジメントを
また、株式会社サクシード主催のとちぎ経営人財塾に参加したことも大きな転機でありました。利益優先で経営をせざるを得ない時期もあり、やっと労務環境の見直しを始めようと思ったときに株式会社大正光学の社長さまから誘いがあり一緒に入塾しました。講師の先生方は自分の業務の実体験、研究内容から話していただき説得力が高く共感できました。そこから働く場として環境づくりや計画的な従業員の教育・育成をおこなうようになり、従業員も全員経営に参加する形でモチベーションを高めていき、私たちに携わる方々全てが幸せになれる会社を目指すように今はマネジメントをおこなっています。
継続的な利益を出す仕組みを作らないといけない、企業の存続を前提に利益追求をしていた当時は、私の考えにはついて行けなく辞めていった人もいました。そう決断させてしまった方のことを考える時間、従業員との対話、コミュニケーションを増やすことが私の役目であり、一緒に働いてくれる仲間を大切に守っていくことが経営者として多くの失敗の中で一番学んだことかもしれません。
人を大事にするということはどういうことかとか考えるようになれたこと、心が一番成長したからこそ今は少し心にゆとりがあるのかもしれません。
私たちのこだわり
他社がやらないようなことも引き受ける北條光学のプライド
北條光学というか私のモットーは、技術の難易度であったり、お客様から求められる納期が短くもあったり、材料調達から加工までの全工程が長くかかってしまうであろうものまで可能な限り引き受けようという姿勢があります。
これらの対応を可能にしているのは、社内の管理体制と協力補助ができるパートナー様のおかげと言えます。
会社の指針・目標として、毎年の景況感や技術の進化、商品の変化に呼応するようにいくつかの傾向を出して社内に浸透させています。スキルや技術の習得だけでなく、計画実行の効率化であったり、研究開発に関しては、必要な資材となるものは全て調達する研究開発型の組織を私が3代目社長に就いて2~3年目あたりから定着させて継続しています。
事業へのこだわりと3代目社長の根底にある想い
技術難易度の高いもの、リードタイムが長くてもお客様がもとめるものを成し遂げることは社長になってから変わっていません。
社長となった時は最大で10億円近い債務もあり、収益ベースでどのように返済し利益をつくるのかという日々ではありました。もう手の施しようのなかった不採算部門を撤退し、極限までコストカットを断行しました。利益が出た部署で少しずつ事業の拡大と技術の習得を進めました。冒頭にあったお客様からの要望や要求を成し遂げるというのは最低限の対応だと思っていたのが今の北條光学の礎になっているのかもしれません。
プライシングで海外企業との競争は激しく、ここでも海外事業者が敬遠し引き受けがたいものに特化して黒字化していきました。
今後の光学レンズ業界の市場展望は
光学製品はたくさんありますが、カメラや放送機器は海外メーカーも質があがってきました。我々が得意とする小ロットも中国やアジア圏の事業者も受注するようになってきました。最近では、バングラディッシュ、ベトナムなど途上国と言われた地域も高い技術力を身につけてきています。
市場の成長は、我々にとっては望ましいことで社員の意識を常にアップデートさせ毎月の経営会議では市場状況も説明しながら危機意識も共有しています。技術力であったり生産性の効率化は職人・技術者の世界では追求し続けていくこと、チャレンジしていくことが大切なことだと思っています。
今までは光学製品(医療、測器、カメラ、眼鏡など)だけでしたが、他業種でも技術がいかせる部分には経営資源の投資やM&Aを利用して経営や事業だけでなく新たな技術の統合なども視野に入れています。
大きな取組みとしてはEQCD(環境にやさしく(Environment)・品質の良いものを(Quality)・商品を製造・提供するためのコストを抑える(Cost)・お客様への納期を短縮する(Delivery)の改善です。従業員のベクトルを同じ方向に導くマネジメントと常にリスクヘッジしながら前進していきたいと思っています。
組織を強化して経営人財を育成する
家族経営、一族経営の中で社長が全てマネジメントをするという風土がどうしても染みついてしまっています。これからは従業員全員が経営に参加していくこと、共通の目標と指針の中で主体性と自主性を尊重できる組織風土を作っていきたいと思っています。
今、取り組んでいることは従業員の満足度調査です。事例としてですが、会社の正月休みに会社のいいところ3つ、悪いところ3つを考えてきてもらい無記名で投稿してもらいます。当初は当たり障りない内容も多かったですが、最近は細かいところまで指摘をされ直せるところはすぐに直すようにしています。
従業員やその家族もふくめ「北條光学に携わる方がみな幸せになれる会社を目指しましょう」と今では強く意識しているところです。
オフな時は何をしていますか
休みなしで働いていた時と違って今では休み(オフ)は非常に大切にしています。その理由としては育児ですかね。今は、未就学児の3人(6歳と5歳の双子)で皆、女の子ですごく賑やかです。それと、もう一人大切な家族が7歳になる犬(パグ)と家族のことは溺愛しています。
他社がやらないようなことも引き受ける北條光学のプライド
北條光学というか私のモットーは、技術の難易度であったり、お客様から求められる納期が短くもあったり、材料調達から加工までの全工程が長くかかってしまうであろうものまで可能な限り引き受けようという姿勢があります。
これらの対応を可能にしているのは、社内の管理体制と協力補助ができるパートナー様のおかげと言えます。
会社の指針・目標として、毎年の景況感や技術の進化、商品の変化に呼応するようにいくつかの傾向を出して社内に浸透させています。スキルや技術の習得だけでなく、計画実行の効率化であったり、研究開発に関しては、必要な資材となるものは全て調達する研究開発型の組織を私が3代目社長に就いて2~3年目あたりから定着させて継続しています。
事業へのこだわりと3代目社長の根底にある想い
技術難易度の高いもの、リードタイムが長くてもお客様がもとめるものを成し遂げることは社長になってから変わっていません。
社長となった時は最大で10億円近い債務もあり、収益ベースでどのように返済し利益をつくるのかという日々ではありました。もう手の施しようのなかった不採算部門を撤退し、極限までコストカットを断行しました。利益が出た部署で少しずつ事業の拡大と技術の習得を進めました。冒頭にあったお客様からの要望や要求を成し遂げるというのは最低限の対応だと思っていたのが今の北條光学の礎になっているのかもしれません。
プライシングで海外企業との競争は激しく、ここでも海外事業者が敬遠し引き受けがたいものに特化して黒字化していきました。
今後の光学レンズ業界の市場展望は
光学製品はたくさんありますが、カメラや放送機器は海外メーカーも質があがってきました。我々が得意とする小ロットも中国やアジア圏の事業者も受注するようになってきました。最近では、バングラディッシュ、ベトナムなど途上国と言われた地域も高い技術力を身につけてきています。
市場の成長は、我々にとっては望ましいことで社員の意識を常にアップデートさせ毎月の経営会議では市場状況も説明しながら危機意識も共有しています。技術力であったり生産性の効率化は職人・技術者の世界では追求し続けていくこと、チャレンジしていくことが大切なことだと思っています。
今までは光学製品(医療、測器、カメラ、眼鏡など)だけでしたが、他業種でも技術がいかせる部分には経営資源の投資やM&Aを利用して経営や事業だけでなく新たな技術の統合なども視野に入れています。
大きな取組みとしてはEQCD(環境にやさしく(Environment)・品質の良いものを(Quality)・商品を製造・提供するためのコストを抑える(Cost)・お客様への納期を短縮する(Delivery)の改善です。従業員のベクトルを同じ方向に導くマネジメントと常にリスクヘッジしながら前進していきたいと思っています。
組織を強化して経営人財を育成する
家族経営、一族経営の中で社長が全てマネジメントをするという風土がどうしても染みついてしまっています。これからは従業員全員が経営に参加していくこと、共通の目標と指針の中で主体性と自主性を尊重できる組織風土を作っていきたいと思っています。
今、取り組んでいることは従業員の満足度調査です。事例としてですが、会社の正月休みに会社のいいところ3つ、悪いところ3つを考えてきてもらい無記名で投稿してもらいます。当初は当たり障りない内容も多かったですが、最近は細かいところまで指摘をされ直せるところはすぐに直すようにしています。
従業員やその家族もふくめ「北條光学に携わる方がみな幸せになれる会社を目指しましょう」と今では強く意識しているところです。
オフな時は何をしていますか
休みなしで働いていた時と違って今では休み(オフ)は非常に大切にしています。その理由としては育児ですかね。今は、未就学児の3人(6歳と5歳の双子)で皆、女の子ですごく賑やかです。それと、もう一人大切な家族が7歳になる犬(パグ)と家族のことは溺愛しています。
ツグナラコンサルタントによる紹介
事業を引き継いだ時期に苦労した分、一緒に働く社員への想いは強いものがあります。社員の主体性を大切にしているので、社長がそばにいても自分の意見を積極的に発言する社員さまが印象的な企業です。
インタビュアーのコメント
会社概要
社名 | 北條光学株式会社 |
創立年 | 1953年 |
代表者名 | 代表取締役 北條 元大 |
資本金 | 3800万円 |
本社住所 |
324-0004 栃木県大田原市富池22-1 |
事業内容 | 光学レンズ・光学部品の生産・販売 |
URL |
http://hojyo-opt.co.jp/
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公開日:2021/07/09 (2023/01/25修正)
※本記事の内容および所属名称は2023年1月現在のものです。現在の情報とは異なる場合があります。