10年に1度大きな経済危機が起きていると言われています。今回のコロナウイルスによる影響は経済活動だけでなく生活様式にも大きく変化をもたらしました。コロナ禍による影響を受け、資金繰りに悩む中小企業経営者の方へ、お役立ち情報として中小企業への施策などをお伝えいたします。
10年に1度大きな経済危機が起きていると言われています。今回のコロナウイルスによる影響は経済活動だけでなく生活様式にも大きく変化をもたらしました。コロナ禍による影響を受け、資金繰りに悩む中小企業経営者の方へ、お役立ち情報として中小企業への施策などをお伝えいたします。
第1回:コロナ禍における国の支援策・中小企業活性化パッケージとははこちら
第3回:ポストコロナを見据えた中小企業の資金調達と財務のポイント
中小企業活性化パッケージのご紹介:【中小企業の収益力改善・事業再生・再チャレンジの総合支援】
さて前回は中小企業活性化パッケージの五つ目の柱である「コロナ資金繰り支援の継続」についてその要点をご説明いたしました。今回は二つ目の柱である「中小企業の収益力改善・事業再生・再チャレンジの総合支援」についてご紹介いたします。
経営状態が苦しい状況が続くと、当然ながら新たな投資(ヒトやモノ)が困難となり現状から打破することが出来ず負のスパイラルに陥ってしまいます。そこでこの「中小企業の収益力改善・事業再生・再チャレンジの総合支援」では事業者のフェーズを3段階(収益力改善フェーズ・事業再生フェーズ・再チャレンジフェーズ)に区分し、各フェーズに応じたきめ細やかな支援を措置するとしています。
まず各フェーズの事業者の状況としては以下の通りです。
<収益力改善フェーズ>
<事業再生フェーズ>
<再チャレンジフェーズ>
この各フェーズは中小企業活性化協議会という公的機関で対応しています。
では、次に各フェーズにてどんな内容になっているのかご紹介します。
<収益力改善フェーズ>
認定経営革新等支援機関による計画策定支援に加え、計画実行までの伴走支援(フォローアップや助言等)を強化します。経営の早めの健康相談と考え、気を付ける点を知り、改善したい習慣等の見直しに役立てます。
中小企業再生支援協議会(4月1日に「中小企業活性化協議会」に改組)がコロナ禍で緊急的に実施している特例リスケジュール支援について、4月1日以降はポストコロナを見据えて収益力改善支援にシフトします。1年間から3年間の収益力改善に向けた計画策定が必須になります。
<事業再生フェーズ>
増大する債務に苦しむ中小企業の円滑な事業再生等を一層支援するため、関係者間の共通認識 を醸成し、一体となって取組を進めるべく、「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」を策定します(4月15日適用開始)。ガイドラインでは、①関係者の事業再生等に関する基本的な考え方、②中小企業版私的整理手続を整理します。2001年から運用されている「私的整理ガイドライン」と比較して今回のガイドラインは条件が緩和されています。
中小企業再生ファンドは、債務超過に陥った企業の既往債務の買取、ハンズオン支援等の再生支援を実施するため、地域金融機関等とともに(独)中小企業基盤整備機構(中小機構)が出資して組成されるファンドです。コロナ禍で行った中小機構の最大出資比率の引き上げ(50%→80%)に加え、補正予算(300億円)も活用し、コロナの影響が大きい宿泊、飲食等の業種を重点支援するファンドの組成やファンド空白地域の解消を促進します。
生に取り組む事業者の収益力改善を促すため、事業再構築補助金において、通常枠よりも補助率を引き上げた「回復・再生応援枠」(補助率3/4(中堅2/3))を創設します。
ものづくり補助金においても再生事業者の①補助金の引き上げ(2/3)、②審査員の加点も実施します。
<再チャレンジフェーズ>
中小企業の廃業時における経営者の個人破産回避に向け、「経営者保証ガイドライン」に基づく保証債務整理の申出を受けた場合には、金融機関が誠実に対応する、との考え方を明確化します。
経営者の再チャレンジに向けて、中小機構の人材支援事業を廃業後の経営者まで拡大します。また、中小機構において、廃業後の再チャレンジに向けた専門家支援を展開します。また、日本政策金融公庫の融資において、創業に再挑戦する方への支援措置(廃業歴等のある方が新たに事業を始める場合等の設備資金、運転資金)を拡充(運転資金の返済期間を「7年以内」から「15年以内」へと延長)します。
全国47都道府県に設置されている中小企業再生支援協議会を関連機関(経営改善支援センター)と統合し、収益力改善・事業再生・再チャレンジを一元的に支援する組織として「中小企業活性化協議会」を設置します。新組織では、再生支援協議会がコロナ禍で実施してきた増員体制(280名→380名)を継続するとともに、地域金融機関から100名規模のトレーニーも受け入れ、地域の支援専門家の育成も実施します。
以上が「中小企業活性化パッケージ」の要点になります。次回は前回、そして今回を通したまとめになります。
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