法人税の軽減効果を得ながら、各地域の取り組みに貢献できる「企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)」を、3回にわたり解説していきます。今回は連載第1回目として、自治体のプロジェクトに企業が寄付をする「企業版ふるさと納税」の概要やメリット、寄付する際の注意点についてお伝えします。
法人税の軽減効果を得ながら、各地域の取り組みに貢献できる「企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)」を、3回にわたり解説していきます。今回は連載第1回目として、自治体のプロジェクトに企業が寄付をする「企業版ふるさと納税」の概要やメリット、寄付する際の注意点についてお伝えします。
地域を応援しながら企業のイメージアップを図れる「企業版ふるさと納税」は、国の特例措置により令和6年度(2025年3月末)まで延長となりました。寄付額のうち実質負担1割で挑戦できる今が「企業版ふるさと納税」参画のベストタイミングです。
●連載:企業版ふるさと納税
企業版ふるさと納税①
【本記事】実質負担1割の寄付で地域に貢献できる「企業版ふるさと納税」
企業版ふるさと納税②
社員が派遣先の自治体で活躍する「企業版ふるさと納税(人材派遣型)」
企業版ふるさと納税③
企業版ふるさと納税に寄付した企業が受給できる「地域雇用開発助成金」
企業版ふるさと納税(正式名称:地方創生応援税制)は、地方創生を目的に、自治体と企業の協働を促進する国の税制支援策です。
企業は、各自治体が策定する地方創生の取り組みに寄付を行うことで、税制上の優遇措置を受けることができます。
個人向けのふるさと納税との違いは、以下の表のとおりです。
企業版ふるさと納税は2016年に制定され、企業の寄付額のうち、損金算入3割と税額控除3割を合わせた計6割が、法人税からの税額控除となっていました。
2020年には、国が地方創生を促進させる目的で行った税制の見直により、税額控除が3割から6割に引き上げられ、控除額が最大9割にまで拡充されました。
寄付企業の実質負担が最小1割となるこの特別措置は、税制改正時から令和6年度(2025年3月末)まで延長されています。
1,000万円を寄付した場合は、最大900万円の法人関係税が軽減されることとなっています。
なお、寄付額の下限は1回につき10万円以上と比較的低めに設定されており、少額でも参画しやすくなっています。
下記リンク先に寄付予定金額と所得金額を入力すると、企業版ふるさと納税の税額控除を試算することができます。
企業版ふるさと納税 税額控除シミュレーター
※サクシードが提携している企業版ふるさと納税ポータルサイト「river」へ遷移します
企業版ふるさと納税の制度開始から8年が経った、令和6年8月30日の寄付企業数は7,680社となり、寄付を活用している自治体は1,536団体にまで増加しています。
令和2年度の税制改正以降は、寄付額や寄付件数が一気に増加しました。
令和5年度の実績と比較すると、寄付額は約10倍の約341億円まで伸び、寄付件数は約6倍の8,390件となっています。
企業版ふるさと納税の対象となるプロジェクトや事業は、各自治体が地域再生計画として申請し、国から認定を受けた事業です。
自治体の寄付金の使い道としては、しごとづくり、子育て・ひとづくり、移住・交流支援、まちづくり、農林水産業、観光・その他の事業分野になっています。
しごとづくり:地域産業振興、観光振興、農林水産振興、ローカルイノベーション、人材の育成・確保等
地方への人の流れ:移住・定住の促進等
働き方改革:少子化対策、働き方改革等
まちづくり:小規模な拠点、コンパクトシティ
参考:地方創生事例の紹介(内閣官房・内閣府総合サイト「地方創生」)
https://www.chisou.go.jp/sousei/case/index.html
https://www.chisou.go.jp/sousei/pdf/chihousousei_jireisyu.pdf
企業版ふるさと納税を活用するメリットは、以下の3つです。
企業版ふるさと納税の全体の流れは、次の通りです。
自治体による寄付活用事案の起案や企画の段階から、企業が参画できるケースもあります。
地方公共団体への企業の寄付の流れは、次の通りです。
もっと詳しく企業版ふるさと納税を知りたい方や、面倒な手続きを代行してほしいという経営者様は、弊社サクシードが連携している、企業版ふるさと納税活用支援サービス「river」(株式会社カルティブ運営)をぜひご活用ください。
企業版ふるさと納税活用支援サービス「river」
https://cpriver.jp/
どのような地域支援のニーズがあるか確認したい、寄付予定の地方公共団体が企業版ふるさと納税をどのように活用しているか調べてほしい、同時に複数の自治体に寄付したいので調整してほしいなどのご要望も、併せてご相談いただけます。
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