補助金は、国の政策目標に沿った取組みを行う企業を支援し、課題解決や経常利益向上に繋げる制度です。第1回となる今回は、基礎知識を中心に申請時の注意点やポイントなどを中心に解説します。
補助金は、国の政策目標に沿った取組みを行う企業を支援し、課題解決や経常利益向上に繋げる制度です。第1回となる今回は、基礎知識を中心に申請時の注意点やポイントなどを中心に解説します。
補助金は、国や自治体が掲げる政策目標(目指す姿)に沿った取り組みを実施している事業者を対象に、資金の一部を給付する支援策です。新規事業展開の取組み別に経常利益率の傾向を表したグラフによると、新市場開拓、多角化、新製品開発、事業展開など新たな取り組みを実施している企業は、何も行っていない企業に比べていずれも10%以上経常利益が高い傾向となっています。
一方、新事業展開を実施できていない企業は、必要な技術やノウハウ、人材の不足、販路開拓、ポストコロナなど様々な理由によって経営活動が滞っているケースも多く、補助金はそういった課題を解消して意欲のある企業の活性化に繋げる目的があります。
しかし補助金は国の支援策であり財源は税金です。予算の上限や実施時期、審査、事業実施状況の報告など多くの制約があり、申請した全企業が受給を受けられるものではないという点は注意が必要です。
補助金の申請から受給までの具体的なプロセスとしては、まず会社毎に紐づけられる「gBizID」の取得が必須となります。補助金申請の前にgBizIDを取得しておくことでその後の手続きがスムーズになるとともに「経営強化法」にある「経営力向上計画」など各種公的支援施策への申請が可能になります。
その上で
①電子化した書類をPDF形式で電子申請し
②採択された場合は事業の補助金額を確定する「交付申請」を提出
③設備導入などの計画を実行して支払いを済ませ
④改善後の想定値を報告
⑤報告が受理された後に補助金が受給される
という流れになります。
これらのうちハードルとなることは申請・採択・計画書策定時に必要な書類の準備、補助金受給後の報告義務、資金は一度全て立て替えをしなければいけないことです。
また補助金の支給額は申請した資金額のうち1/2〜2/3程度であり、それ以外は自己負担となることも予め考えに入れておく必要があります。つまり補助金は「借金に代わる資金調達の手段」であり、公的支援を得る以上は企業側も継続的な改善努力が必要ということになります。
補助金についてご相談をいただくお客様を段階別に分類すると、
①計画前
②願望段階
③具体化段階
④実行段階
の4段階に分けられます。
このうち補助金申請支援をスタートできるのは③の具体化段階からであり、それ以前の段階の①②は計画策定のサポートも必要となることから「経営戦略支援」での対応となります。
補助金の計画をする上では3つポイントがあります。
1つ目は、補助金は「手段」であり設備投資や新事業『目的』を明確にすること。SWOT(強み・弱み・機会・脅威)、5F(競合・売り手・買い手・新規参入・代替製品)を用いて、お客様にとって設備投資や事業化は本当に必要なのかを考え、一時的な支援に留まらず会社の未来がより良いものになるような計画をしていきます。
2つ目は客観的なサービス、ターゲティングです。「誰に」「何を」「どのように」というドメインにマーケティング決定手法として4P(商品、価格、流通、販促)を加えて他社と比較し、客観的な視点でメインターゲットを決定して展開方法を策定する事で事業の実現可能性を高めていきます。
3つ目は、DX・マーケティング手法の提案です。今後はDXの推進がますます必要となっていきます。株式会社サクシードでは、様々なIT利活用やマーケティング手法の提案も可能です。
補助金申請でのポイントは3点あります。
①申請した計画通りに進んでいない場合は返還義務があること
②事業計画を申請し採択された場合は事業の信頼度が高くなること
③事業計画策定により今後の事業の進め方が具体的に定まっていくこと
中でも③は補助金受給後の事業改善を進める上で一番重要になってくる事柄だと思います。
中小企業が利用できる補助金は多数あり、新規事業に挑戦したい場合は「事業再構築補助金」、生産能力を増強したい時には「ものづくり補助金」、事業承継・M&Aを計画または実施後新たな取り組みをしたい会社は「事業承継・引継ぎ補助金」、広告宣伝・販路拡大を目指す「小規模持続型補助金」、ITで業務を効率化したい際は「IT導入補助金」等々、自社事業にマッチする補助金を選択し申請することになります。
3補助金徹底活用コラムでは、これらのうち「事業再構築補助金」「ものづくり補助金」「事業承継・引継ぎ補助金」の3つを紹介していきます。
次回第2回は「事業再構築補助金」について詳しくお伝えします。
※本コラムの情報は、掲載当時のものとなります。
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