-M&Aについては以前からご関心があったと聞きました。
今後の事業成長戦略を考えた時に、M&Aという選択肢が有効であることは、ずっと考えていました。金融機関やM&A仲介会社へ案件紹介の依頼も考えましたが、より自社のことを知るサクシードの方が自社にマッチングする案件の提案を受けられると思いました。そして可能であれば栃木県内のM&A案件に挑戦したいという気持ちがあり、地域に特化したこの「ツグナラ」に登録しました。
-異業種参入になりますが、なぜこの業界に?
実は自社の既存事業の業界以外に、ずっと挑戦したいと思っていた業界がありました。実際に事業承継案件のご相談をお受けした時に、その挑戦したい業界の事業承継案件だったので、案件紹介後すぐに先方様にお会いしたいとお伝えさせていただきました。
初めて先方様と直接お話をするトップ面談ではとても緊張しましたが、お考えを聞かせていただくこと、そして私の考えを聞いていただくことへのワクワク感も感じていました。
-トップ面談ではどのようなお話をされたのでしょうか?
"想い"です。私についてはお相手企業の社長から見れば異業種ですし、年齢もうんと年下です。私よりも先方様が私について、そして弊社についていろいろ不安があったと思います。ですので、先方様が築き上げられてきた会社について、どんな思いで事業されてきたのかをじっくり聞き、そして私も先方様に私の仕事観や自身の人柄についてお話させていただいたんです。
先方様は「できれば同一地域内の会社に引き継ぎたい、そして今までお世話になった金融機関や協力会社との関係性はそのまま引き継いでもらいたい」とのお考えをお持ちでした。地域で発展してきた中小企業は、地域でのコミュニケーションを大切にしており、その価値は算定できない大切な価値になっていると感じ、先方様のまっすぐなお気持ちに心打たれました。
弊社は「社会に幸せを届けられる組織づくり」をモットーとしています。地域社会に貢献できる会社であり続けたいと思っていますので、地域やステークホルダーを大切にしたいとのお考えをお持ちの先方様との親和性は高いと感じました。そして、私からもそのような地域との結びつきについての考えをお話し、最終的にはしっかり意思疎通ができたトップ面談だったように思います。
-初めてのM&Aはどうでしたか?
私自身、以前からM&Aという手法を活用した成長戦略は考えとして持っていたものの、今回初めての経験だったので案件としてフェーズが進んでいく度にまた一つ、また一つと不安な部分が正直出てきました。しかし、「ツグナラ」を運営しているサクシードのコンサルタントの方にM&Aアドバイザーを依頼しておりましたので、不安点や確認すべきことなど適時相談することが出来ました。"M&Aで争点になるのは譲渡価格"というイメージを多くの人がお持ちだと思います。私もその一人でした。ただ、今回は売り手企業となる先方様、「ツグナラ」を運営するサクシードのアドバイザー、そして私の3者が争点としたのは"社員や地域にとって喜ばしい事業承継の形とは何か"でした。3者それぞれ違った立場ですが、地域社会の大切な資源をどうやったら未来にいい状態で繋げていけるのかという目線合わせは常に確認しながらの進捗でした。もちろん価格も必要な交渉条件にはなりますが、争点という認識にはならなかったですね。
実際私がアドバイザーに入念に相談したのはM&Aが実行できた場合の新組織体制についてでした。現状の役員の方には相談役や顧問として残っていただくなど社員にとってM&A後も不安がなく希望が持てる会社になるように、私だけではなく、先方企業様、M&Aアドバイザー、金融機関で具体的に考えていただけたことは本当に心強かったです。
-今後の展望をお聞かせください。
私がこのM&Aで成し遂げたいことは、関わる社員や協力会社、地域にとってよかったと言ってもらえるようになることです。そのようになるためには、まずは社員全員の幸せを実現することを第一に考え、全社員で協力し合いながら、少しずついい会社にしていこうと思います。
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