真岡
真岡市
時代に沿って柔軟に変化をしながら日々技術を探求する町工場
株式会社宮田精機
宮田精機の屋号を継承しながら進化を続ける板金・金属加工業
経営理念
自社についての沿革と事業概要について
創業して38年目になります。3年前に法人格に改組しましたが、それまで個人事業として展開をしておりました。私は2代目になりますが2008年(13年前)に事業承継をしています。事業内容や取組みなどは先代から変わっていますが、会社名は残したかったので屋号継承という認識です。事業内容は、大きなくくりでいえば金属加工業ですが先代の時と事業内容は異なります。先代では、旋盤など工作機械を使ってオリジナルの一品ものを機械加工では難しい部品の製作をしていました。私が引き継いでからは、汎用機ではなく生産効率をあげた自動化できる機械であったり、受注依頼の高い商品や創意工夫で誰でも効率よくできるような方法を模索しています。先代を間近で見ていて、取引先に依存するような受注でもあり共倒れリスクを感じたことから、同じやり方では企業の存続は厳しいと感じていました。事業を承継するにあたって、製缶(缶の製造で、タンク、水槽、橋梁、鉄骨、船舶、鋼板、形鋼などを加工する作業も含まれます)の分野のほうが、間違いなく手作業工程が活かされると判断し事業転換しました。2018年に法人格になって売上はあまり大きな乱高下もなく横ばいですが、これ以上の売上を見込むと設備を増強したり、改良の必要があるためコロナ禍でもあり今ある受注で事業運営をしています。
代表者メッセージ
宮田精機の屋号を継いだ経緯
私は次男坊で、25歳の時に結婚しました。長男は家業を継がないと決めていたので順番で私になったような経緯です。妻は、結婚する前は次男でもあるし家に入る必要はないと思っていました。お金を稼ぎたくて独立という選択肢もありましたが、結果的に妻を実家に残したくはないと思い私が家業を手伝うことが自然だという形で継ぎました。あと家業を手伝う理由は、先代の借金もありました。町工場でもあり今のままでは返済できないと思い一念発起し跡継ぎを決意しました。
家業に就く際には、当時修行をさせてもらっていた会社で高い技術力で業務をおこなっていたことで退職の話をした際に私の技術が競合他社へ流出しないように、以前勤めていた会社の社長と専務から打診もありのれん分けという形で事業を始めました。家業を継いだというより宮田精機という屋号を継承した独立開業に近いものです。
独立した際にメインにしていた業務が製缶・精密板金事業になります。製缶とはプラントを構築する仕事で、機械装置の架台(設備機器などの重量物を設置する架構(足場))を作ります。自動車で例えるのであれば車体、ボディ部分になります。先代の時は、どちらかと言えばエンジンに近いところを作っていました。金属加工でくくると一緒ではありますが、工程ふくめ大きく異なります。そのような経緯もあり、仕事は回してもらう反面、同業者の仕事は受けない中で運営していました。のれん分けでもあり、受注も親会社の言い値の半請負となっていました。ただ、親会社には非常によくしていただきました。ただその時の仕事と報酬はあまりにも好待遇と感じており職人としてもう少し見合いに沿ったものにしたい親会社に進言し調整してもらいました。先代の借金もあり返済にあてられるとも思いましたが、非常に良い待遇の中で作業をしていると自分自身に奢りや錯覚を起こすと思い、注文書に対して言い値の金額を決めるのではなく、自分の作業工賃費で請求するやり方に変えました。
親会社から信頼があってのことですが、ただ親会社も時には難しい案件や予算が厳しい案件などもあり私の実力を知っている方から半分の納期を言い渡された時には激しく反発をしました。独立してから1度だけですが、独立間もない頃のことで良いものを作らなくてはと作業に時間を費やしていたこともあり当時のことは猛省しました。
私たちのこだわり
新規事業や設備投資について
ただ、のれん分けの独立開業では、仕事を回してもらっていたとしても限界がありました。自分一人の技量ではなく、技術指導であったり教育・育成をして人を雇っていけるほどの仕事ではなかったです。そこで、従業員を一人増やしたいという条件で借入をしました。その資金で採用をおこなったことで、規模の拡大を進めました。独立してからは、親会社からの仕事もあってそこまで苦労はなかったです。今、帳簿付けもしていますが月次の推移表と自分が思っている数字に誤差もあり、会社の規模にあわせ財務もおざなりに出来ないと感じています。
7~8年前にレーザー彫刻機を購入しましたが、当初は本業の方でレーザー加工機を検討していました。レーザー加工機は当時でも1億円ぐらいする高価な機械で、方やレーザー彫刻機は3~400万円程度で購入ができます。安直な発想ではありましたが、レーザー彫刻機もレーザー加工機もプログラムの仕組みは似たものだろうと思い、将来のための投資に購入しました。今は、新型コロナウィルスの影響もあり、インターネットで物販できないかと思いレーザー彫刻機を生かした新規事業を細々と始めました。
独立する前に勤めていた会社では、全ての工程を手作業でおこなっていました。通常は、部品の形状になった金型が支給され、それを溶接して部品を完成させるという作業です。手作業だと1週間くらい時間を掛けていたものが3日程度で出来てしまいます。自ずと仕事の単価も下がるため、倍以上の仕事をこなさなければいけなくなりました。そうした経緯もあり、後工程の仕事だけを受けていたら受注が減っていくことはひしひしと感じており、最先端の技術を手に入れて前工程から請負えるように考えました。金属加工の業界も目覚ましいスピードで変化していくとはあまり想像していませんでした。溶接は技術力の差が出る仕事ですが、その技術力と併せ前工程も扱えるようになることが必要に感じました。レーザー加工は、プログラムの理解は必要ですが、あまり技術の差が出にくい作業です。宮田精機だからできるという難しい仕事ばかりでは対応できる社員も限られてきてしまうので、最新機器と融合した前工程も増やしていっています。
宮田精機の技術的な強みとは
弊社の社員に言えることは、全員が高い技術力を持っている、ということです。社員全員が同じ技術を持っているわけではなく、分野ごとに専門性の高い技術があります。ただ、その技術に合わせた仕事を受注してくるのは難しく、皆が受注を拒否する難しい仕事ばかりでも作業者が限られたり、溶接加工だけではなく前工程の仕事も含めとってくるので、業務オペレーションは複雑にはなってきます。ただ、難しい工程作業も、将来的には機械技術でカバーされてくると思うので準備は必要かと思っています。
現在4名いる社員は、1名はハローワークですが他の社員は人づてに紹介してもらったり、私から誘って入社してもらいました。技術力を活かして幅広い仕事に対応できるように、採用の際には今有しない技術を持った人を条件にしています。年齢も私と同年代の社員と1人若い社員がいます。このメンバーであれば、個々に技能があるため例え自分が抜けても、個々で仕事も取れていければという思いで技術力は日々磨いていっております。
ステンレス加工は、納品物で良し悪しが分かる加工技術でもあり、溶接の仕上がりでお客様には満足して頂けるように心掛けているのと。短納期となるように工程に工夫を加えています。やはりお客様の評価としては短い納期に感謝されることが多いです。仕様の途中変更も、柔軟に対応するようにしています。あとは、修理についてもメーカーへの依頼の場合は、高額で且つ時間が掛かりますが、弊社では安く、早くの対応をするためにお客様から喜ばれています。
それと今の会社でも実践していることとして、先代の時の工場は、ゴミひとつなく整理が行き届いていました。機械も先代自らメンテナンスして、その部分は今でも受け継いでいます。特に初めて取引する方が来訪した際に、綺麗な工場を見れば良い製品を作ってくれると思ってくれたことが、実際に何度か言われたこともありました。今は人も増え、設備機器も増えたことで管理が行き届かなくなっている部分もあり改善していきたいと思っています。今は、SNSなどで自社PRをしている会社も多く見られている感覚は養っていかなければいけないことと、SNSを通じて他社工場を見るとどの工場も綺麗に整理整頓されているので弊社も見習っていきたいと思っています。
新規事業や設備投資について
ただ、のれん分けの独立開業では、仕事を回してもらっていたとしても限界がありました。自分一人の技量ではなく、技術指導であったり教育・育成をして人を雇っていけるほどの仕事ではなかったです。そこで、従業員を一人増やしたいという条件で借入をしました。その資金で採用をおこなったことで、規模の拡大を進めました。独立してからは、親会社からの仕事もあってそこまで苦労はなかったです。今、帳簿付けもしていますが月次の推移表と自分が思っている数字に誤差もあり、会社の規模にあわせ財務もおざなりに出来ないと感じています。
7~8年前にレーザー彫刻機を購入しましたが、当初は本業の方でレーザー加工機を検討していました。レーザー加工機は当時でも1億円ぐらいする高価な機械で、方やレーザー彫刻機は3~400万円程度で購入ができます。安直な発想ではありましたが、レーザー彫刻機もレーザー加工機もプログラムの仕組みは似たものだろうと思い、将来のための投資に購入しました。今は、新型コロナウィルスの影響もあり、インターネットで物販できないかと思いレーザー彫刻機を生かした新規事業を細々と始めました。
独立する前に勤めていた会社では、全ての工程を手作業でおこなっていました。通常は、部品の形状になった金型が支給され、それを溶接して部品を完成させるという作業です。手作業だと1週間くらい時間を掛けていたものが3日程度で出来てしまいます。自ずと仕事の単価も下がるため、倍以上の仕事をこなさなければいけなくなりました。そうした経緯もあり、後工程の仕事だけを受けていたら受注が減っていくことはひしひしと感じており、最先端の技術を手に入れて前工程から請負えるように考えました。金属加工の業界も目覚ましいスピードで変化していくとはあまり想像していませんでした。溶接は技術力の差が出る仕事ですが、その技術力と併せ前工程も扱えるようになることが必要に感じました。レーザー加工は、プログラムの理解は必要ですが、あまり技術の差が出にくい作業です。宮田精機だからできるという難しい仕事ばかりでは対応できる社員も限られてきてしまうので、最新機器と融合した前工程も増やしていっています。
宮田精機の技術的な強みとは
弊社の社員に言えることは、全員が高い技術力を持っている、ということです。社員全員が同じ技術を持っているわけではなく、分野ごとに専門性の高い技術があります。ただ、その技術に合わせた仕事を受注してくるのは難しく、皆が受注を拒否する難しい仕事ばかりでも作業者が限られたり、溶接加工だけではなく前工程の仕事も含めとってくるので、業務オペレーションは複雑にはなってきます。ただ、難しい工程作業も、将来的には機械技術でカバーされてくると思うので準備は必要かと思っています。
現在4名いる社員は、1名はハローワークですが他の社員は人づてに紹介してもらったり、私から誘って入社してもらいました。技術力を活かして幅広い仕事に対応できるように、採用の際には今有しない技術を持った人を条件にしています。年齢も私と同年代の社員と1人若い社員がいます。このメンバーであれば、個々に技能があるため例え自分が抜けても、個々で仕事も取れていければという思いで技術力は日々磨いていっております。
ステンレス加工は、納品物で良し悪しが分かる加工技術でもあり、溶接の仕上がりでお客様には満足して頂けるように心掛けているのと。短納期となるように工程に工夫を加えています。やはりお客様の評価としては短い納期に感謝されることが多いです。仕様の途中変更も、柔軟に対応するようにしています。あとは、修理についてもメーカーへの依頼の場合は、高額で且つ時間が掛かりますが、弊社では安く、早くの対応をするためにお客様から喜ばれています。
それと今の会社でも実践していることとして、先代の時の工場は、ゴミひとつなく整理が行き届いていました。機械も先代自らメンテナンスして、その部分は今でも受け継いでいます。特に初めて取引する方が来訪した際に、綺麗な工場を見れば良い製品を作ってくれると思ってくれたことが、実際に何度か言われたこともありました。今は人も増え、設備機器も増えたことで管理が行き届かなくなっている部分もあり改善していきたいと思っています。今は、SNSなどで自社PRをしている会社も多く見られている感覚は養っていかなければいけないことと、SNSを通じて他社工場を見るとどの工場も綺麗に整理整頓されているので弊社も見習っていきたいと思っています。
ツグナラコンサルタントによる紹介
宮田精機様はコロナ禍において自社のリソースを活かした新規事業に積極的に取り組んでいます。自社商品開発をきっかけに、主力事業の規模も今後拡大していくことが期待されます。自社にないものを積極的に取り入れていく社長の採用方針は、これから発展していく小規模事業者の事例だと言えます。
インタビュアーのコメント
会社概要
社名 | 株式会社宮田精機 |
創立年 | 1983年 |
代表者名 | 代表取締役 宮田 勇 |
資本金 | 500万円 |
本社住所 |
321-4521 栃木県真岡市久下田162-6 |
事業内容 | 製缶板金/精密板金/機械加工/各種金属の溶接加工/レーザー彫刻/UV印刷/アイアン家具製造 |
URL |
https://miyataseiki.com/
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公開日:2021/07/12 (2023/01/25修正)
※本記事の内容および所属名称は2023年1月現在のものです。現在の情報とは異なる場合があります。