吹田
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足立区
商品を輝かせるショーケースレンタルを中心に各種イベントを総合演出
株式会社ステップ
イベント総合演出企業が「社員のハッピー」と「利他の社風」を一番大切にする理由
経営理念
私たちは展示商品にときめく感動を与え、物心両面のhappyを追求し、世界をhappyにします。
【母体企業・株式会社イベント21の理念とコアバリュー】
■ グループ理念
you happy,we happy!
– you happy! (三方良しのhappy!)
– we happy! (物心両面のhappy!)
■ コアバリュー
- 「努」 なりたい自分になろう!
- 「感謝」 感謝の気持ちを伝えよう!
- 「恩送り」 次の世代にhappy!のバトンを繋ごう
- 「情熱」 パッションを持って人と人を繋げよう!
- 「主体性」 渦の中心を楽しもう!そして、結果の出せる実践者になろう!
- 「挑戦」 喜んで!挑戦します!
- 「大胆」 新しい驚きと感動を生み出す着想で、圧倒的にやろう!
- 「自由」と「責任」 本質を追求し、ビジョンとミッションを重ねて成し遂げよう
- 「行動」 ポジティブに捉え、考え、発言し、行動しよう!
- 「相手目線」 もっと便利に、もっと楽しく、もっとhappy!に
- 「多様性」 それぞれの個性を活かそう!
- 「本気本音」 オープンに、相手の為に想いを持って関わり合おう!
- 「一致団結」 同じ想いを持った家族(社員)たち
- 「成長」 一人ひとりの成長が、会社を成長させる!そして世界を拡げる
- 「感動」 感動させ、感動できる人になろう
代表者メッセージ
弊社は、ガラス施工会社として約70年前に創業後、ショーケースの製作・レンタル事業を30年以上行ってきました。ホテルやデパート、アンティークや美術品、高級ブランド店など、会場そのものの格式が高い催事での需要が高く、特に宝飾関連では高いシェアを誇っています。2018年にイベント用品レンタルやプロデュースを行う株式会社イベント21によるM&Aを経て子会社となり、当時、イベント21の東京支店長だった私が社長として就任しました。
ステップの理念は「私たちは展示商品にときめく感動を与え、物心両面のhappyを追求し、世界をhappyにします」というものです。もともとあったステップの理念と、イベント21の理念「you happy,we happy!」を組み合わせました。
ショーケースの存在意義は、展示する商品を輝かせることです。商品そのものが持っている価値に加えて、お客様一人ひとりの心に響くストーリーを与え、商品を手にする喜びを味わってもらう舞台を作るのが弊社・ステップの仕事です。その舞台を作り上げるキャストの一人がステップの社員であり、世の中に「感動とときめき」という光を投げかけることができる、価値ある人材です。
「you happy,we happy!」は、掲げているだけの理念ではありません。「you happy,we happy!」で溢れた地域を作るための社会貢献を行い、日本中にその輪を広げ、世界のあらゆる人々を誰一人取り残さずハッピーにしていくのが私が本気で取り組んでいる夢です。
私たちのこだわり
兄の理念に共鳴して決意の再入社がスタート
私は、イベント用品レンタルやプロデュースを行う「イベント21」という会社の創業者の次男として生まれました。創業後すぐにバブルがはじけ、苦労していた両親の姿を見ていたので、子供の頃は特に会社への思い入れはありませんでした。
父がガンで亡くなった後、兄がイベント21を継ぎました。兄には「Webを通じて物が売れていく時代になる」「イベント用品レンタルやイベント会場設営をWebで気軽に注文できる世の中にする」という明確なビジョンがあり、Webを利用した販路拡大を進めていました。
当時の私は「自分に何ができるのだろう」という無力感を味わっていた時期でした。それまでイベント21では時々アルバイトをしていて、1年間営業社員としても在籍したことがありましたが、先輩社員とうまくコミュニケーションが取れずに退社した経緯があったからです。その後、同じイベント関連会社を営む親戚に声をかけられ、時々手伝いをしながら過ごしていましたが孤独感と挫折感から不安でいっぱいでした。また、会社を継いだばかりの兄も、最初からうまくいっていたわけではなく、苦労している姿を見て心を痛めながらも「自分はなんてダメなんだ」という諦めに似た思いを抱えてくすぶっていました。
そんな折、兄から「イベント21をバングラディシュに橋を掛けたり、難民支援をしたりといった、大きな社会貢献ができる会社にするのが夢だ」という想いを打ち明けらました。バックパッカーとして世界中を旅した経験がある兄は、貧困地域やストリートチルドレンなどの社会問題を目の当たりにし、いつかその役に立つことがしたいという想いを抱えていたのです。「you happy,We happy!」というグループ理念の最終ゴールは、そこにあります。その真意を聞いた時「自分も、何か社会の役に立てることがあるかもしれない」という希望を感じ、イベント21へ再入社を決断しました。
東京支店の立ち上げで「利他の社風」を醸成
関西の小さなローカル企業だったイベント21ですが、Webを活用したことによる追い風も味方して10年で急成長し、全国展開する企業となりました。私は、その先陣とも言える東京支店の立ち上げを行いました。採用から顧客の開拓までたった一人でのスタートです。頼れる人もおらず、苦しい思いもしましたが、一番やりがいを感じた時期でした。
当時、心に決めていたのが「社員同士が思いやり、感謝の言葉であふれるような利他的な社風にする」というものです。「お客さんをハッピーにするためには、まず社員がハッピーでなければ」という思いがあったからです。
まず取り組んだのが、社員が頑張っている姿を目にするたびに、皆の前で発表するようにしたことです。そうすると、20代くらいの若い子が「そんなことまで見てくれていたなんて、嬉しいです」と涙するような場面が増えました。会議のたびに皆が褒め合い、認め合い、喜びや感動で目を潤ませている、そんな雰囲気が育まれていきました。続いて、皆が楽しんで仕事ができるように、社員からの提案にはどんどんゴーサインを出し、自ら挑戦し結果を出すという体験を積んでもらうように促しました。その結果、風通しが良く、自由で積極的に仕事に取り組める空気が醸成されていきました。
事業承継問題に直面して後継者になることを決意
東京支店の雰囲気を会社全体に広げていきたい、そう考えていた時のことです。同業種である株式会社ステップの前社長から声がかかりました。社員の高齢化や後継者問題を抱えていた前社長に「若い力で会社を伸ばして欲しい」との期待を背負う形で、2018年7月にステップの社長に就任しました。当初は、M&Aなんて映画やドラマの中だけの出来事で、自分の身近で起きるとは思ってもいませんでした。
しかし、良い商品と良いサービスがあるのに、後継者問題で苦労されている中小企業の経営者が実際にいることを目の当たりにしたことで、M&Aが自分ごとになりました。東京支店での成功体験を糧に「これからの中小企業を元気にしていくために、まず社員からハッピーにていきたい」という気持ちを胸に、就任を決意しました。
Web発信を最大限に利用して新規顧客を獲得
多くの中小企業の悩みは、いい商品やサービスがあるのに新規の顧客を獲得する術がないことです。営業電話をかけてアポイントを取って足を運んで頭を下げるという、昔ながらの営業手段に頼っているのが現状でしょう。イベント21グループの最大の強みはWebを活用した発信です。Webサイトという強力な「営業社員」が、新規顧客をどんどん集めてくれます。
ステップの社長に就任後、まず1年はイベント21のWebサイトを利用して商品販路を拡大する戦略を取りました。ステップは、ショーケースのクオリティとメンテナンスサービスには定評があり、ビジネスモデルはすでに出来がっていたので、Webと結びつければ結果を出せる自信がありました。結果的に売上は前年比115%を達成して、滑り出しは好調でした。
社員をハッピーにするために「安心と希望」を具体的に実現し、信頼を得る
私が考えるM&Aは「人と物とノウハウ」を引き継ぐものだと思っています。商品とサービスの素晴らしさを担保しているのは人なので、「自分が社長になったことで社員が辞めてしまったらどうしよう」という不安もありました。そこで、就任後、最初の挨拶では「安心と希望」をテーマにして、社員の前で話をしました。
イベント21の東京支店長の時は、社員の平均年齢は25歳。対してステップの平均年齢は50歳でした。私自身は30代なので、社員との年齢差によるアプローチの違いもありますが、私自身がステップの現場を知らないようでは、安心と希望を与えるどころか、腹を割って話せる関係も作れません。そこで、一番の得意先企業を自ら担当し、1年間は現場を経験しました。
自ら現場に出たことによるメリットは、労務面の改善ができたことにあります。創業から70年以上続いている会社だけあり、基本的な就業規則などは整っていたので、それをベースに現状に合わせた改善を行いました。
例えば、夏場の倉庫が非常に暑いことがわかったため、大型のスポットクーラーを導入して、喜ばれました。また、9時間を超えて業務した場合は、システム上1時間を休憩として引いていたものを、現場によっては休憩が取れないことを鑑みて、正確な実労働時間を計上できるようにシステムを変えました。社員のボーナスについては100万円近くアップしました。Webを活用したビジネスモデルを軌道に乗せ、利益を増やせたからこそできた改善だと言えます。就任時に掲げた「安心と希望」を具体的に実現していったことで、新社長としての信頼を得ることもできたと感じています。
コロナ対策商品で世の中に安心を与え、業績にも貢献
コロナ禍に突入した際は、ほとんどのイベントや展示会が中止となり、2020年4・5月の売上は9割減少という窮地に立たされました。それを救ったのが対面接客用の飛沫感染防止アクリルパネルです。
コロナ禍前に、輸送費削減のために、ガラス製ショーケースの代わりにアクリルパネルのショーケースを試作してみたことがありました。実用化には至らなかったのですが、コロナ禍で世の中が感染不安の渦中にあるとき、スーパーのレジや市役所のカウンターなどで接客している人たちを守るために、あのアクリルパネルが利用できるのではないかと早い段階で着想しました。弊社の技術者に相談したところ「180cm幅くらいで自立するアクリルパネルはどうでしょうか?」とすぐにアイデアを膨らませてくれて、企画制作が一気に進みました。当時、感染対策として大型のアクリルパネルを取り扱っている会社は少なく、Webをメインに受注が殺到しました。
Webに対して懐疑的だった社員たちも、実際の受注数を目の当たりにして「こんなに営業効果があるんだ」と見直してくれました。アクリルパネルが当たるという確信があったわけではないのですが「この商品で安心してくれる人がいるのであれば、世に出そう。失敗して捨てることになっても構わない」と決断できました。軽量のビニールフレームなども展開し、多くの人の安心に寄与することができました。
「どうすれば皆がハッピーになれるか?」と問い続ける
ステップの理念は「私たちは展示商品にときめく感動を与え、物心両面のhappyを追求し、世界をhappyにします」というものです。もともとあった理念と、イベント21の理念「you happy,we happy!」を組み合わせたものになります。「三方良し」で周りをハッピーにしたいという考えは、イベント21に入社した当初からずっと変わりませんが、その中でステップがどのように社会に役立っていけるのか、どのような言葉にすればもっと具体的になるかということを考えた結果、生まれました。
仕事をしていると、意見が対立することがあります。その時は「どうすれば皆がハッピーになれるだろうか?」という切り口を投げかけるようにしています。「どうしたらハッピーになれるかという理念を見よう」という発想で再度問題に向き合うと、話の広がりが違ってくるのです。対立が起こるたびに、否定せずに双方の話を聞き「では、どうすれば皆がハッピーになれるだろうか?」という問いを、根気強く投げかけ続けました。私にとって、弊社は初めて経営者になった会社になりますが、社長としての覚悟を持つということは「とことん話を聞きながら、想いを伝え続ける」ということだと教えられました。
展示商品を輝かせ、人々の心を動かし、世の中を変えていく
話を聞き、想いを伝える姿勢を見せ続けていったところ、私の想いを汲んでくれる社員が出てきました。トラックで商品を運ぶ作業をすることが多かった社員が、新商品のアイデアを打ち出してくれるようになったのです。今は、その社員の提案を元に、ショーケースにLEDパネルを埋め込んで動画を流すことができる商品を開発中です。動画の情報量は多いので、ブランドのエピソードやストーリーを表示させることができます。自分の意見で新しい商品が世に出て、人々の心を動かし、世の中を変えることができるという経験を、すべての社員に積んでほしいと考えています。
ショーケースに限らず、イベントや展示会などの企画運営などのプロデュースはもちろんのこと、ゼロから商品を企画して業界を変えるようなものを作ってみたいです。
地域への社会貢献を足がかりに、世界をハッピーにしたい
ステップの社長という与えられた立場で、これまではがむしゃらに邁進していました。イベント21での東京支店長時代と同様、覚悟や能力が備わってから取り組むというよりは、やりながら身につけていったようなものです。
ただ、今は10年先のビジョンがはっきりしています。まず売上を10億円に伸ばし、社員を倍の80名にし、6拠点くらいを構えたいと考えています。イベント21の数あるグループ企業の中で、中核であるステップが10億円、20億円の会社になれば、グループ全体として100億円の企業になります。それくらいの力をつけておかないと、本当に世の中を変えていくことはできません。
日本を、そして世界をハッピーにする足がかりとして、地元への社会貢献に取り組んでいます。現在は、子ども食堂や虐待防止の支援を行っているほか、大阪府の精神障害者訓練事業への登録や、奈良県のNPOを支援する資金分配団体への申請をしています。ゆくゆくはNPO法人や中間支援団体を立ち上げることができればと考えています。まだまだ夢の途上です。
兄の理念に共鳴して決意の再入社がスタート
私は、イベント用品レンタルやプロデュースを行う「イベント21」という会社の創業者の次男として生まれました。創業後すぐにバブルがはじけ、苦労していた両親の姿を見ていたので、子供の頃は特に会社への思い入れはありませんでした。
父がガンで亡くなった後、兄がイベント21を継ぎました。兄には「Webを通じて物が売れていく時代になる」「イベント用品レンタルやイベント会場設営をWebで気軽に注文できる世の中にする」という明確なビジョンがあり、Webを利用した販路拡大を進めていました。
当時の私は「自分に何ができるのだろう」という無力感を味わっていた時期でした。それまでイベント21では時々アルバイトをしていて、1年間営業社員としても在籍したことがありましたが、先輩社員とうまくコミュニケーションが取れずに退社した経緯があったからです。その後、同じイベント関連会社を営む親戚に声をかけられ、時々手伝いをしながら過ごしていましたが孤独感と挫折感から不安でいっぱいでした。また、会社を継いだばかりの兄も、最初からうまくいっていたわけではなく、苦労している姿を見て心を痛めながらも「自分はなんてダメなんだ」という諦めに似た思いを抱えてくすぶっていました。
そんな折、兄から「イベント21をバングラディシュに橋を掛けたり、難民支援をしたりといった、大きな社会貢献ができる会社にするのが夢だ」という想いを打ち明けらました。バックパッカーとして世界中を旅した経験がある兄は、貧困地域やストリートチルドレンなどの社会問題を目の当たりにし、いつかその役に立つことがしたいという想いを抱えていたのです。「you happy,We happy!」というグループ理念の最終ゴールは、そこにあります。その真意を聞いた時「自分も、何か社会の役に立てることがあるかもしれない」という希望を感じ、イベント21へ再入社を決断しました。
東京支店の立ち上げで「利他の社風」を醸成
関西の小さなローカル企業だったイベント21ですが、Webを活用したことによる追い風も味方して10年で急成長し、全国展開する企業となりました。私は、その先陣とも言える東京支店の立ち上げを行いました。採用から顧客の開拓までたった一人でのスタートです。頼れる人もおらず、苦しい思いもしましたが、一番やりがいを感じた時期でした。
当時、心に決めていたのが「社員同士が思いやり、感謝の言葉であふれるような利他的な社風にする」というものです。「お客さんをハッピーにするためには、まず社員がハッピーでなければ」という思いがあったからです。
まず取り組んだのが、社員が頑張っている姿を目にするたびに、皆の前で発表するようにしたことです。そうすると、20代くらいの若い子が「そんなことまで見てくれていたなんて、嬉しいです」と涙するような場面が増えました。会議のたびに皆が褒め合い、認め合い、喜びや感動で目を潤ませている、そんな雰囲気が育まれていきました。続いて、皆が楽しんで仕事ができるように、社員からの提案にはどんどんゴーサインを出し、自ら挑戦し結果を出すという体験を積んでもらうように促しました。その結果、風通しが良く、自由で積極的に仕事に取り組める空気が醸成されていきました。
事業承継問題に直面して後継者になることを決意
東京支店の雰囲気を会社全体に広げていきたい、そう考えていた時のことです。同業種である株式会社ステップの前社長から声がかかりました。社員の高齢化や後継者問題を抱えていた前社長に「若い力で会社を伸ばして欲しい」との期待を背負う形で、2018年7月にステップの社長に就任しました。当初は、M&Aなんて映画やドラマの中だけの出来事で、自分の身近で起きるとは思ってもいませんでした。
しかし、良い商品と良いサービスがあるのに、後継者問題で苦労されている中小企業の経営者が実際にいることを目の当たりにしたことで、M&Aが自分ごとになりました。東京支店での成功体験を糧に「これからの中小企業を元気にしていくために、まず社員からハッピーにていきたい」という気持ちを胸に、就任を決意しました。
Web発信を最大限に利用して新規顧客を獲得
多くの中小企業の悩みは、いい商品やサービスがあるのに新規の顧客を獲得する術がないことです。営業電話をかけてアポイントを取って足を運んで頭を下げるという、昔ながらの営業手段に頼っているのが現状でしょう。イベント21グループの最大の強みはWebを活用した発信です。Webサイトという強力な「営業社員」が、新規顧客をどんどん集めてくれます。
ステップの社長に就任後、まず1年はイベント21のWebサイトを利用して商品販路を拡大する戦略を取りました。ステップは、ショーケースのクオリティとメンテナンスサービスには定評があり、ビジネスモデルはすでに出来がっていたので、Webと結びつければ結果を出せる自信がありました。結果的に売上は前年比115%を達成して、滑り出しは好調でした。
社員をハッピーにするために「安心と希望」を具体的に実現し、信頼を得る
私が考えるM&Aは「人と物とノウハウ」を引き継ぐものだと思っています。商品とサービスの素晴らしさを担保しているのは人なので、「自分が社長になったことで社員が辞めてしまったらどうしよう」という不安もありました。そこで、就任後、最初の挨拶では「安心と希望」をテーマにして、社員の前で話をしました。
イベント21の東京支店長の時は、社員の平均年齢は25歳。対してステップの平均年齢は50歳でした。私自身は30代なので、社員との年齢差によるアプローチの違いもありますが、私自身がステップの現場を知らないようでは、安心と希望を与えるどころか、腹を割って話せる関係も作れません。そこで、一番の得意先企業を自ら担当し、1年間は現場を経験しました。
自ら現場に出たことによるメリットは、労務面の改善ができたことにあります。創業から70年以上続いている会社だけあり、基本的な就業規則などは整っていたので、それをベースに現状に合わせた改善を行いました。
例えば、夏場の倉庫が非常に暑いことがわかったため、大型のスポットクーラーを導入して、喜ばれました。また、9時間を超えて業務した場合は、システム上1時間を休憩として引いていたものを、現場によっては休憩が取れないことを鑑みて、正確な実労働時間を計上できるようにシステムを変えました。社員のボーナスについては100万円近くアップしました。Webを活用したビジネスモデルを軌道に乗せ、利益を増やせたからこそできた改善だと言えます。就任時に掲げた「安心と希望」を具体的に実現していったことで、新社長としての信頼を得ることもできたと感じています。
コロナ対策商品で世の中に安心を与え、業績にも貢献
コロナ禍に突入した際は、ほとんどのイベントや展示会が中止となり、2020年4・5月の売上は9割減少という窮地に立たされました。それを救ったのが対面接客用の飛沫感染防止アクリルパネルです。
コロナ禍前に、輸送費削減のために、ガラス製ショーケースの代わりにアクリルパネルのショーケースを試作してみたことがありました。実用化には至らなかったのですが、コロナ禍で世の中が感染不安の渦中にあるとき、スーパーのレジや市役所のカウンターなどで接客している人たちを守るために、あのアクリルパネルが利用できるのではないかと早い段階で着想しました。弊社の技術者に相談したところ「180cm幅くらいで自立するアクリルパネルはどうでしょうか?」とすぐにアイデアを膨らませてくれて、企画制作が一気に進みました。当時、感染対策として大型のアクリルパネルを取り扱っている会社は少なく、Webをメインに受注が殺到しました。
Webに対して懐疑的だった社員たちも、実際の受注数を目の当たりにして「こんなに営業効果があるんだ」と見直してくれました。アクリルパネルが当たるという確信があったわけではないのですが「この商品で安心してくれる人がいるのであれば、世に出そう。失敗して捨てることになっても構わない」と決断できました。軽量のビニールフレームなども展開し、多くの人の安心に寄与することができました。
「どうすれば皆がハッピーになれるか?」と問い続ける
ステップの理念は「私たちは展示商品にときめく感動を与え、物心両面のhappyを追求し、世界をhappyにします」というものです。もともとあった理念と、イベント21の理念「you happy,we happy!」を組み合わせたものになります。「三方良し」で周りをハッピーにしたいという考えは、イベント21に入社した当初からずっと変わりませんが、その中でステップがどのように社会に役立っていけるのか、どのような言葉にすればもっと具体的になるかということを考えた結果、生まれました。
仕事をしていると、意見が対立することがあります。その時は「どうすれば皆がハッピーになれるだろうか?」という切り口を投げかけるようにしています。「どうしたらハッピーになれるかという理念を見よう」という発想で再度問題に向き合うと、話の広がりが違ってくるのです。対立が起こるたびに、否定せずに双方の話を聞き「では、どうすれば皆がハッピーになれるだろうか?」という問いを、根気強く投げかけ続けました。私にとって、弊社は初めて経営者になった会社になりますが、社長としての覚悟を持つということは「とことん話を聞きながら、想いを伝え続ける」ということだと教えられました。
展示商品を輝かせ、人々の心を動かし、世の中を変えていく
話を聞き、想いを伝える姿勢を見せ続けていったところ、私の想いを汲んでくれる社員が出てきました。トラックで商品を運ぶ作業をすることが多かった社員が、新商品のアイデアを打ち出してくれるようになったのです。今は、その社員の提案を元に、ショーケースにLEDパネルを埋め込んで動画を流すことができる商品を開発中です。動画の情報量は多いので、ブランドのエピソードやストーリーを表示させることができます。自分の意見で新しい商品が世に出て、人々の心を動かし、世の中を変えることができるという経験を、すべての社員に積んでほしいと考えています。
ショーケースに限らず、イベントや展示会などの企画運営などのプロデュースはもちろんのこと、ゼロから商品を企画して業界を変えるようなものを作ってみたいです。
地域への社会貢献を足がかりに、世界をハッピーにしたい
ステップの社長という与えられた立場で、これまではがむしゃらに邁進していました。イベント21での東京支店長時代と同様、覚悟や能力が備わってから取り組むというよりは、やりながら身につけていったようなものです。
ただ、今は10年先のビジョンがはっきりしています。まず売上を10億円に伸ばし、社員を倍の80名にし、6拠点くらいを構えたいと考えています。イベント21の数あるグループ企業の中で、中核であるステップが10億円、20億円の会社になれば、グループ全体として100億円の企業になります。それくらいの力をつけておかないと、本当に世の中を変えていくことはできません。
日本を、そして世界をハッピーにする足がかりとして、地元への社会貢献に取り組んでいます。現在は、子ども食堂や虐待防止の支援を行っているほか、大阪府の精神障害者訓練事業への登録や、奈良県のNPOを支援する資金分配団体への申請をしています。ゆくゆくはNPO法人や中間支援団体を立ち上げることができればと考えています。まだまだ夢の途上です。
ツグナラコンサルタントによる紹介
「展示商品に感動を与え、物心両面のハッピーを追求し、世界をハッピーにする」を経営理念に、M&Aによる人財やノウハウの引継ぎを重視し社員の安心と希望を大切されている企業様です。現場経験による改善やコロナ禍での対面接客用アクリルパネルの開発など問題に対し柔軟に対応し成果を上げています。今後はLEDパネルを活用した商品開発や業界をリードする取り組みを進め売上拡大と社会への影響力の向上を目指されています。
会社概要
社名 | 株式会社ステップ |
創立年 | 1987年 |
代表者名 | 代表取締役社長 中野 聖二郎 |
資本金 | 1000万円 |
事業エリア |
東京営業所(営業課、商品管理課、配送課)
123-0873 東京都足立区扇1丁目55-24 |
配送センター
569-0062 ステップ大阪流通センター(店装部、商品管理課、配送課) 大阪府高槻市下田部町2丁目7-2 |
|
摂津倉庫
566-0052 大阪府摂津市鳥飼本町4丁目5-19 |
|
東京扇センター
123-0873 東京都足立区扇1丁目55-24 |
|
東京第2倉庫
121-0836 東京都足立区入谷7丁目17-2 |
|
本社住所 |
564-0044 大阪府吹田市南金田1丁目13-13 |
事業内容 | ショーケースを中心としたレンタル及び展示会会場設営 |
URL |
https://www.kk-step.jp/
|
会社沿革
1948年 | 株式会社マルホ板硝子店設立 事業内容は板硝子工事施工、鏡の販売 |
1977年 | 株式会社マルホに社名変更 現本社所在地である吹田市南金田に吹田営業所を開設 百貨店や催事場でのガラス工事、店舗什器、ガラスケースの販売のほかレンタル事業をスタート |
1987年 | 本店(大阪市北区曽根崎新地)を北区黒崎町に移転 株式会社マルホから分社・独立して株式会社ステップ設立 |
1992年 | 東京国際宝飾展(IJT)に参加 |
1994年 | TASAKI(旧田崎真珠)宝飾展の会場施工を全面的にサポート |
1996年 | 第一回神戸国際宝飾展(IJK)に参加 IJKでのレンタルシェア1位に |
2001年 | 百貨店の催事対応が本格化 |
2005年 | 東京都足立区扇にて東京営業所を開設 |
2015年 | 東京第二倉庫を東京都足立区入谷に開設 |
2018年 | 大阪流通センターを開設 M&Aによりイベント21グループの子会社となり、役員も一新 |
2022年 | 一般社団法人 日本次世代企業普及機構の「次世代に残すべき素晴らしい企業」としてホワイト企業2022に認定 |
株式会社ステップの経営資源引継ぎ募集情報
関連リンク
公開日:2022/12/14 (2023/07/07修正)
※本記事の内容および所属名称は2023年7月現在のものです。現在の情報とは異なる場合があります。