Webサイトが中小企業のマーケティングにおいて主導的な役割を果たすようになって久しいですが、きちんと集客・売上に繋げるツールとして有効活用できている企業の数は決して多くないのが実情です。
単なる看板のようなwebサイトではお客様は振り向いてくれません。お客様のニーズを分析し、お客様が見たいこと・知りたいことを解決できるようなコンテンツを増やし、見込み客を集めること、また、更新・運用を小まめに行い、会社が日々活動しているという「人気(ひとけ)」が感じられるようにすること、その結果として、会社への「信頼感」を醸成すること、そしてその活動を絶えず続けることが求められます。
今回は、この困難なミッションに長期的な視点で挑み、徐々に、しかし着実に成果につなげてきた企業をご紹介します。
Webサイトが中小企業のマーケティングにおいて主導的な役割を果たすようになって久しいですが、きちんと集客・売上に繋げるツールとして有効活用できている企業の数は決して多くないのが実情です。
単なる看板のようなwebサイトではお客様は振り向いてくれません。お客様のニーズを分析し、お客様が見たいこと・知りたいことを解決できるようなコンテンツを増やし、見込み客を集めること、また、更新・運用を小まめに行い、会社が日々活動しているという「人気(ひとけ)」が感じられるようにすること、その結果として、会社への「信頼感」を醸成すること、そしてその活動を絶えず続けることが求められます。
今回は、この困難なミッションに長期的な視点で挑み、徐々に、しかし着実に成果につなげてきた企業をご紹介します。
Webサイトが中小企業のマーケティングにおいて主導的な役割を果たすようになって久しいですが、きちんと集客・売上に繋げるツールとして有効活用できている企業の数は決して多くないのが実情です。
単なる看板のようなwebサイトではお客様は振り向いてくれません。お客様のニーズを分析し、お客様が見たいこと・知りたいことを解決できるようなコンテンツを増やし、見込み客を集めること、また、更新・運用を小まめに行い、会社が日々活動しているという「人気(ひとけ)」が感じられるようにすること、その結果として、会社への「信頼感」を醸成すること、そしてその活動を絶えず続けることが求められます。
今回は、この困難なミッションに長期的な視点で挑み、徐々に、しかし着実に成果につなげてきた企業をご紹介します。
A社は、今年で創業四半世紀を迎える、外構・エクステリア設計施工に特化した建設会社です。当初は近隣の工業団地に居を構える大手企業の下請け業務を主体としていましたが、徐々に業容をB2Cへとシフトし、大手建材メーカーからエリアNo.1企業として表彰されるなど、本社の所在する北関東エリアでも屈指のエクステリア業者として現在に至っています。
代表のA氏は創業当初よりICT活用に積極的で、インターネットのビジネス活用がまだ活発ではなかった1990年代後半からwebサイトを開設。99年からは自社ドメインも取得し、手探りの自社運用ではあったものの、コンテンツの強化と自社運用ならではの小まめな更新により高いSEO適性を発揮し、常に関連キーワードでの検索順位は上位をキープし、集客の柱としての役割を担うようになっていました。
そんなA社でしたが、webサイト開設より10年以上が経過し、規模の大小を問わず同業他社も続々とwebサイトを開設・運用を行うようになり、先行者利益が徐々に損なわれる状況に直面しました。
また、時を同じくして、自社のwebサイトも場当たり的な拡張を重ねた結果として、
・UI/UXがページによってバラバラになってしまい、閲覧性が低下
・似たような内容のページが複数存在し、ユーザーが迷う
・手動管理のためリンク管理の難易度が高く、リンク切れが度々発生
等、まるで迷路のようなwebサイトになってしまい、閲覧するユーザにとっても、運用を担当するスタッフにとっても目的を達成することが難しいwebサイトになってしまっていました。
そこで当時近隣エリアで活動していた筆者にお声がけいただき、2012年よりITコンサルタントとしてwebサイトの制作・運用のお手伝いをすることになりました。
喫緊の課題として、①ユーザビリティの改善②集客の目玉になるコンテンツの確立③運用にかかる人的コストの削減の3つを掲げ、最初のリニューアルを実施しました。
CMSとして当時すでにデファクトスタンダードの地位を確立していたwordpressを導入し、フルスクラッチでテーマを作成し、UIの統一と同時に今後のページ追加を簡易に行える仕組みを構築しました。これまでPCインストール型の編集ソフトを使っていたために専担者ひとりにのしかかっていた更新業務をスタッフ全員が行えるように簡易化し、更新頻度の向上を図りました。
スタッフが更新するコンテンツというと、よくあるのが「スタッフブログ」ですが、多くの企業でスタート当初は頑張って更新していても、面倒さやネタ切れなどを理由に更新頻度の低下あるいは完全に停止してしまうという結果になることが多いように思います。
これを防ぐために行ったのが、日々の業務を毎日現場から写真1枚+1行程度のテキストでアップするという企画です。ひとつの現場を工事開始から完工まで追いかけて更新することで、一連の記事をアーカイブしたものが徐々に蓄積され、「実際にどんな工程で工事が進められるのか」「実際にどれぐらいの期間がかかるのか」などといった、お客様が知りたいけれどもなかなか知ることができない情報を見える化することができ、A社を選ぶ要因の一つにまで育ちました。また、この取り組みにより、A社が開かれた会社であるというイメージ、また、日々仕事が詰まっている忙しい会社であるというイメージを閲覧者に対して与えることにも成功したように思います。
しかも、このコンテンツを作るのにかかる時間は1日あたり数分で済むというのが大きなメリットです。結果としてスタッフ全体がチームとして更新に取り組む体制が確立され、メイン担当者の負荷も大幅に減らすことができました。
もう1点、お客様がA社を選ぶ決め手となっているのが「施工事例」です。事例自体はどこの同業者サイトでも掲載はしていますが、その量・質双方でA社に比肩するところは全国を見てもあまりないのではないでしょうか。リニューアル当初より、単に事例を掲載するだけではなく、施工主、そして担当者からもヒアリングを行い、双方の声を同時に掲載することでお客様のニーズに対してA社がどのように対応したのかまでを見える化しました。
現在では公開されているものだけでも300件近くの事例を、様々な分類軸でよりユーザーのニーズに近い事例を絞り込んで見ることができるようになっており、ほとんどのお客様がA社を選んだ要因としてこの施工事例を挙げるまでになっています。
システム化することが目的ではなく、自社の強みを正確に見込み客に届け、実際にお客様になっていただくことが「目的」であり、そのためには、どんな情報をどんな切り口で見せるかという「手段」をどう用意するかが我々の腕の見せ所でもあり、「webを有効活用し、成果に繋げる」ための必須条件でもあると考えています。
これまで比較的順調にアクセスを増やしてきたA社ですが、今でも試行錯誤を続けているのがUI/UXの部分です。ナビゲーションメニューの数や配置、言葉のチョイスからデザインの変更まで、毎月のようにマイナーチェンジを行いながら、アクセス解析等を活用して実施した施策が有効であったか否かを検証しながらまた直すの繰り返しを行なっています。
特に、表示領域が狭いスマートフォンでの閲覧時のUX向上は継続的に取り組みを行なっているテーマのひとつです。
図 1 A社のデバイス別アクセス比率
A社では2015年中頃にPCとスマートフォンのアクセスが逆転しましたが、その兆候が見え始めた2014年末にwebサイト全体のレスポンシブ化を実施し、その後もほぼ年1回のペースで最新のトレンドを踏まえたリニューアルを行なっています。最近実施した最新のリニューアルでは、メニューを近年のスマートフォンアプリの傾向に合わせてフッタ側に固定表示するという変更を実施し、今のところ直帰率の減少、セッションあたりPVの向上などの目に見える効果が表れています。
これらのwebサイトを活用した施策の成功により、A社では数年前からそれまでは月1回〜2ヶ月に1回のペースで実施していた折込チラシの配布を止め、web広告に広告費用を集中投下し、さらなる成果を挙げています。今後は、よりコンバージョンを高めるための広告内容とページコンテンツの連動性の一層の強化を検討しているところです。
人口減少局面に突入した日本において、住宅着工件数の増加は見込みにくい状況となるのが目に見えています。こうした課題に対し、中長期的な取り組みとして、数を追うのではなくより品質を高め、満足度を高めることによる着工単価を向上させるブランディングに取り組んでいます。実際にその成果として、弊社がお手伝いを始めた頃とは受注単価の桁が変わるような状況になりつつあります。今後も、A社としても我々としてもこの方向性を推し進め、地域No.1としてのブランド化を図っていきたいと考えています。
今回紹介させていただいたA社の事例では、経営者のITリテラシーが高かった故に経営者自らが旗振り役となって会社を牽引していったことが大きな成功の要因であると考えています。ただ、A社も最初から成功を手にしたわけではなく、長い時間をかけて積み重ねてきた取り組みが徐々に結実してきた、その結果に過ぎません。
まだまだ多くの経営者・担当者がICTに対するアレルギーが強いように感じていますが、地域の中小企業においてもICTの利活用は必須のものとなってきています。
一人でも多くの方が、一日でも早く、一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。
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