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経営者が意識すべき人材育成のポイント/人財教育と事業承継(5)
2022.09.29 | 人財育成

経営者が意識すべき人材育成のポイント/人財教育と事業承継(5)

前5月から連載してきた本コラムにおいて、これまで「なぜ」人財育成が重要で、「事例」の紹介を通して、「どのように」行っていくべきか、について解説してきました。
5回目となる本コラムでは、「人財育成にお困りの経営者」の方に向けて、人財育成で心がけておきたい3つのポイントについて解説していきます。

前5月から連載してきた本コラムにおいて、これまで「なぜ」人財育成が重要で、「事例」の紹介を通して、「どのように」行っていくべきか、について解説してきました。
5回目となる本コラムでは、「人財育成にお困りの経営者」の方に向けて、人財育成で心がけておきたい3つのポイントについて解説していきます。

●連載「人財教育と事業承継」
※本記事は全5回の連載記事となります。

第1回 なぜ企業と経営者は人材育成に注力すべきなのか?

第2回 事業承継を見据えた企業の後継者育成事例

第3回 社内教育(OJT)の進め方とポイント

第4回 社外教育(Off-JT)の効果的な活用法

第5回 【本記事】

人財育成で経営者が心がけておくべき3つのポイント

結論から申し上げますと、人財育成で経営者が心がけておくべき3つのポイントとは、「誰に」「何のスキルや考え方を」「どうなって欲しいと期待して」育成するか、ということです。

この3つのポイントをはっきりさせないまま人財育成を進めていくと、
「とりあえず社員を研修に行かせてみたけどあんまり結果が出ていない」

「研修会社に任せているけどなんだか行き当たりばったりの研修になっている感じがする」
「管理職社員の動きが期待に届いておらず、なんだか物足りない」
といった、違和感が現場と経営者の間で発生してしまい、「期待していた社員が辞めてしまった」ということが起きてしまいます。

こうならないためにも、ぜひ本コラムを通じてポイントを抑えていただければ幸いです。

「誰に」研修を行うか?

1つ目のポイントは、言い換えれば「どの階層に」研修を行うかということです。
弊社の人財育成における考え方では、社員を4つの階層に分けて考えています。

例えば、

入社1年目~3年目であれば、新入・若手社員
入社3年目~10年目であれば、中堅社員
新任管理者であれば、管理職社員
課長や部長、執行役員等の役職者であれば、経営幹部

というように、「誰に」研修を行うべきかを「階層」という切り口に分けて考えましょう。

ここをはっきりさせない限り、誰が新入・若手社員で、誰が中堅社員なのか、どうしたら上の階層に上がることができるのか、について考えることは非常に困難です。

まずは、「誰に(=どの階層に)」研修を行うかを明確にしましょう。

「何のスキルや考え方を」身につけてもらうか?

2つ目のポイントは、言い換えれば「各階層の社員にどのような動きを期待して」研修を行うかということです。

先程お伝えした階層を上げる、という考えを補強するためには、「各階層の社員にどのような動きを期待するのか」を考えることが不可欠です。例えば、新入社員であれば、「基礎的なビジネスマナー」を身につけて欲しいですし、若手社員になれば「主体的に挑戦する」ようになって欲しいと思いますよね。加えて、業務内容によっては「基礎的なITスキル」や「マネジメントスキル」を身に着けて欲しいと思います。

このように、「各階層の社員にどのような動きをしてほしいのか」を明確にすれば、そこに対して求められるものが明確になります。

ここが明確でない場合は、各階層の社員にどうしてほしいのか、現状はその状態を満たしているのか否かがわからなくなってしまいます。「各階層の社員にどのような動きを期待して」研修を行うかを明確にしましょう。

「どうなって欲しいと期待して」育成するか?

3つ目のポイントは、「どのような行動変容を期待しているか」ということです。

これまでの流れで「どの階層に」「どのような動きを期待して」研修を行うかを定義してきました。最後に考えるべきことは、「各階層の社員が、研修を通してどのように行動が変わるか」を定義するということです。

例えば、
若手社員であれば、「失敗を恐れずに何にでも挑戦するようになって欲しい」
経営幹部であれば、「自社の目標や今後の計画を見据えて業務を推進して欲しい」
など、階層ごとに、この行動が出来るようになって欲しい、というものを明確にします。

このポイントを考えるコツは「理想の状態と現状のギャップを明らかにすること」です。理想と現実のギャップが明らかになれば、「どう変わって欲しいのか」が明確になります。

いかがでしたか?


今回は人財育成で経営者が心がけたい3つのポイントとして、「誰に」「何のスキルや考え方を」「どうなって欲しいと期待して」を抑えましょう、ということを解説させていただきました。


これらのことを踏まえた上で、自社ではどう人財育成を進めるか、ぜひ一度ご検討いただけたら幸いです。社員育成の専門家としてご相談をお受けすることも出来ますので、ぜひツグナラコンサルタントまでお問い合わせ下さい。最後までご覧いただきありがとうございました。

次回コラムはこちら(2022年9月末公開予定)

千葉 和輝
Writer 千葉 和輝
千葉 和輝
Writer 千葉 和輝
人財育成チーム ディレクター
公認心理師 小・中学校教諭 社会教育主事有資格者 人を大切にする経営学会 団体会員
1977年岩手県盛岡市生まれ。宇都宮大学教育学部卒業後、小学校教諭、及びコンサルティング会社にて人づくりの営業及び研修講師、組織の仕組みづくりを中心に経験を積み、2021年独立。100社以上の人づくり、組織づくりのディレクション及び実務に係る。2022年4月より株式会社サクシード 人財育成チームディレクターに就任。

この著者によるコラム

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