M&Aなどの会社再編と並行して設備投資を実施する際は「事業再構築補助金」の活用を検討されてはいかがでしょうか。事業再構築補助金は、中小企業の思い切ったチャレンジに対して、国が投資経費の一部を補助し、事業拡大を後押しする制度です。本コラムでは、応募申請にあたってのポイントをご紹介します。
M&Aなどの会社再編と並行して設備投資を実施する際は「事業再構築補助金」の活用を検討されてはいかがでしょうか。事業再構築補助金は、中小企業の思い切ったチャレンジに対して、国が投資経費の一部を補助し、事業拡大を後押しする制度です。本コラムでは、応募申請にあたってのポイントをご紹介します。
事業再構築補助金は、その対象経費の幅広さから、活用をご検討される経営者様が多くいらっしゃいますが、M&Aなどの会社再編を同時に行う場合は、応募要件や申請のポイントなど事前に確認する点があります。
事業再構築補助金の類型は、全部で5つあります。
①「新事業展開型」
②「事業転換型」
③「業種転換型」
④「業態転換型」
そして今回ご紹介する ⑤「事業再編型」です。
①~④の類型は、それぞれ申請に必要な要件に合致する類型を1つ選択します。しかし、⑤の「事業再編型」は、「会社組織の再編要件」を満たしたうえで、①~④のいずれかひとつの要件を満たさなければなりません。二つの類型の要件を満たす事業計画書を作成しなければならないことから、よりハードルは高いといえます。
難易度が高いと受け止められる一方で、採択審査に有利となる可能性のあるアピールポイントが二つあります。
① 社会課題の解決に寄与する点
再構築補助金は、ポストコロナ・ウィズコロナ時代に向けた思い切った挑戦を後押しする制度です。その中でも事業再編型は、後継者不在などに伴う廃業・倒産が社会問題となっている昨今、M&A等で中小企業同士が結びつくことによって、技術や雇用の存続を目指す、社会課題の解決に寄与する取り組みであるといえます。この事業承継に関する国策への適合をアピールすることは、審査において高評価が得られる可能性があると考えられます。
② 事業の新規性が明確な点
再構築補助金の審査で重視されるポイントの一つに「事業の新規性」があります。自社単独で行う再構築計画の場合、審査にあたり「既存事業の拡大では?」と受け取られないように、事業内容を検討する必要があります。それに対し、譲渡会社と譲受会社の製品・市場が異なる会社再編の場合は、新たなチャレンジである点とシナジーを享受できる可能性をアピールしやすいことから、指針との整合性が認められやすいといえます。
補助金の目的に合致しやすいポイントがある一方で、留意する点もあります。
① 他類型の要件の理解
前述したとおり「事業再編型」は、事業再編要件に加えて他の4類型の一つを選択する必要があります。自社の事業計画はどの類型の要件を満たし得るか、認定支援機関など専門家に確認しながら計画を策定しましょう。
② 許認可スケジュールの確認
会社再編によって事業再構築を行う場合、新たに行政の許認可取得が必要なケースがあります。事業再構築補助金では、採択発表日から 14 か月後までに事業を完了しなければなりません。原則、事業の完了が期限を過ぎてしまった場合には、補助金を請求する権利を喪失してしまいますので、許認可にかかる期間を考慮した事業計画を策定する必要があります。
③ 事業再構築の該当性判断
「事業再編型」に応募する際は、事業計画書に「会社再編の種類」と「再編前後の事業内容」を明確に記載する必要があります。再編の種類によって事業再構築の該当性要件が変化するためです。詳しい内容は、事業再構築指針の手引きに記載されていますが、自社の事業計画が該当するか不明な場合は、専門家に確認しながら進めると良いでしょう。
ツグナラコンサルタントは、地域の事業承継問題の解決に向けた取り組みに加え、公的支援施策の活用もご支援しています。お困りの際はお気軽にご相談ください。
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