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心理的安全性が高い1on1ミーティングを定着させる3つのポイント
2023.06.08 | 人財育成

心理的安全性が高い1on1ミーティングを定着させる3つのポイント

社員のやる気を引き出し、成長を促すために1on1ミーティングを導入する企業が増えています。一方で導入はしたものの、定着しなかった例も多く聞かれます。1on1ミーティングの定着でカギになるのが心理的安全性の高さです。本記事では、1on1ミーティングの基本を改めて押さえつつ、心理的安全性が高い1on1ミーティングを定着させるために意識すべき3つのポイントを解説していきます。

社員のやる気を引き出し、成長を促すために1on1ミーティングを導入する企業が増えています。一方で導入はしたものの、定着しなかった例も多く聞かれます。1on1ミーティングの定着でカギになるのが心理的安全性の高さです。本記事では、1on1ミーティングの基本を改めて押さえつつ、心理的安全性が高い1on1ミーティングを定着させるために意識すべき3つのポイントを解説していきます。

1on1ミーティングが注目されはじめたきっかけ

1on1ミーティングに大きな注目が集まったのは、2017年に発売された『ヤフーの1on1』という書籍のヒットがきっかけと言われています。ヤフー株式会社では、「目の前の部下に関心を持ち、対話によりやる気を引き出し、成長をうながし、ひいては仕事の成果に繋げていこう」という目的のもと2012年より1on1ミーティングを導入しています。そして現在に至るまで、様々な工夫を重ねながら1on1ミーティングはヤフーに根付いているそうです。

ヤフーをはじめとした成功事例に刺激を受けた企業が続々と導入を進めた結果、現在のブームのような状況が出来上がっていきました。

1on1ミーティングの目的とは?

そもそも1on1ミーティングは、部下と上司の対話により、部下のやる気を引き出すことが第一の目的です。やる気を引き出した結果として、組織に成果をもたらすことが第二の目的です。この2つの大きな目的を実現するためには、近場のゴールといえるより細かな目的を明確にしていくことが重要です。

●1on1ミーティングを導入した企業が最初に据える目的例
・部下との信頼関係を構築する場にする
・部下の経験学習を促進する場にする
・部下からのホウレンソウ(報告・連絡・相談)の場とする
・部下がフィードバックを受け取り学ぶ場とする
・部下のモチベーションを高める場とする
・組織としてより結束力を高めていくための情報を得る場にする

例えば、「部下との信頼関係を構築する場にする」という目的は、1on1ミーティングを始める時に最初に目指すべきゴールであり、将来にわたり継続的に深めていく必要がある重要な要素です。上司と部下の間に信頼関係がなければ、部下のやる気や本音を引き出すことはできないからです。このように目的を細分化して明確にしていくことで、継続する意味が補強され、社内の1on1ミーティングに対するモチベーションを保ちやすくなるでしょう。

なお、1on1ミーティングには、ルールや決まった形はないので、上記以外の目的にしても構いません。大切なのは、明確な目的をもって取り組んでいるかどうかです。

どうすれば1on1ミーティングを定着させられるか?

いざ1on1ミーティングを導入しても、実際に継続していくのは簡単ではありません。大きな壁になるのは、社内からの「時間がない」「忙しい」という声です。そうした声が上がってくる場合は、「良い1on1ミーティング」になっていない可能性があります。

実際、1on1ミーティングを実施しているいずれの企業も忙しいことは変わりません。それでも継続できている企業には共通点があります。1on1ミーティングの心理的安全性の高さです。心理的安全性が高いことで、参加する部下と上司は密度の濃いやり取りができるようになり、その結果、「続けたい」と思える有意義な意見交換の場となり、取り組みの継続性に繋がっていきます。

では、心理的安全性の高い1on1ミーティングを実施するには何に注意するべきなのでしょうか。3つのポイントに分けて見ていきます。

ポイント1 1on1ミーティングは部下のための時間である

まず1つ目のポイントは、上司が「1on1ミーティングは部下のための時間である」と自覚することです。もしそれを忘れて「ダメ出し」や「詰問」の場になれば、1on1ミーティングは部下にとって苦痛な時間になってしまいます。結果として、部下は心を閉ざしてしまい、やる気や本音を引き出すという1on1ミーティングの意義は失われてしまいます。

そこで重要になるのが、自分の考えや気持ちを安心して発言できる状態を指す「心理的安全性」を担保することです。なお、部下の話を丁寧に聞こうとするあまり、「なぜ?」を繰り返してしまう癖がある方は、部下からすると詰問されているように感じられ、心理的安全性を損なう可能性があるので要注意です。上司はあくまでも聞き役であり、部下の主体的な学びや気付きを引き出していく役目に徹しましょう。

ポイント2 一定の頻度で必ず定期的に行う

2つ目のポイントは、週1回など、ある程度頻度を高めに定期的に実施していくことです。その代わり、1回当たりの時間は10分でも、15分でも構いません。時間の長短よりも、定期的に部下が上司に話せる場を用意するということが重要です。多くの中小企業では、管理職が忙し過ぎるあまり、部下が遠慮をして相談がしにくいという状況が起きているケースが多々あります。毎週決まった時間に1対1で話せる場があるということは、部下からすれば大きな安心感が得られますし、上司としても部下の仕事の状況をより把握しやすくなるメリットがあります。

ポイント3 部下を評価する場にしない

そして3つ目が、「評価をする場にしない」です。1on1ミーティングにおける上司の立ち位置は、監視者や評価者ではなく、明確な答えがない世界で、より確からしいものを共に探求するパートナーと言えます。上意下達のコミュニケーションでなく、信頼関係をベースにした双方向のコミュニケーションにしていくためにも、マインドセットを変えていく必要があります。


この3つの注意点を踏まえるだけでも、心理的安全性が高い1on1ミーティングに近付き、部下と上司にとって有意義な時間として継続していくことができるでしょう。

心理的安全性が高い1on1ミーティングが持つ可能性

1on1ミーティングの効果は短期的に現れるものではありませんが、継続していくことで様々な効果を実感できるようになるでしょう。下記は実際に導入した企業の声です。

●1on1ミーティングがもたらす効果
・信頼関係が深まることで情報伝達の風通しが良くなる(忖度や悪いニュースの隠蔽を防げる)
・振り返りが習慣化して部下の自発的な成長をうながせる
・本音の対話を重ねる中で部下の隠れた意欲や強みを引き出せる
・部下の業務に当事者意識が高まり、主体性が増す
・トップダウン型からボトムアップ型の組織体質になる

上記の様な効果が出ることで、組織としての生産性が高まり、人財が定着しやすくなるなど、主体的な組織へと近づきます。

ポストコロナの中小企業経営では、今まで以上に社員の力を最大化していく必要があるため、心理的安全性確保した上で行う1on1ミーティングは大きな役割を果たしてくれるでしょう。

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