皆さんこんにちは、サクシードの水沼啓幸です。日ごろから、国家的な中小企業の課題になりつつある事業承継支援を中心に活動を行っております。ここでは毎回、事業承継にまつわるトピックスについて事例を交えてお送りいたします。
皆さんこんにちは、サクシードの水沼啓幸です。日ごろから、国家的な中小企業の課題になりつつある事業承継支援を中心に活動を行っております。ここでは毎回、事業承継にまつわるトピックスについて事例を交えてお送りいたします。
ここ数年「継いでくれる社員がいなくて困っています」「実はもう社長を辞めたいんです」事業の引継ぎに関する相談が増え続けております。通常、事業承継対策と言うと相続や株の評価などお金に対するアプローチが多いように見受けられます。しかし、現実は経営の承継など領域が多岐に渡り、課題が複雑で見えにくいがゆえに取り組みもなかなか進まないのが実情です。
では上手に事業を引き継ぐにはどうすればよいのか?これまで円滑に事業を引き継いだ会社を調査していくと、次の3つの視点を持って対応していることが見えてきます。
以上の3つに対して会社に適した対応策を立案することが近道になります。
まず、1つ目に挙げられる事業の魅力を高めていくというテーマに対しては、「継ぎたくなるような事業であるかどうか」がポイントになります。借金が多く、収益性の低い事業は幹部社員どころか親族であっても引き継ぎたいとは思いません。その為、計画的に事業の価値を向上させていくことが承継への近道です。具体的には自社独自の技術開発や新商品、サービス開発を継続的に行う、社員教育に力を入れ、次の世代に向けた人材育成を行うなどが挙げられます。また、事業の価値が高ければ、社内に後継者がいなくともM&Aを行うことで事業を譲渡することも比較的簡単に行える時代になっています。
2つ目は、後継経営者の資質が挙げられます。それぞれの業務分野における経験、新規事業の成功体験、社員からの信頼度向上など経営者として基礎力向上を図る取組です。これらは、一朝一夕には対応できないため、10年スパンで取り組む必要があります。事業を引き継ぐにあたり「新しい分野の事業を手掛けた」、「業績に貢献する成果を出す」など成功体験を経ていることが理想です。最近は、後継経営者に引き継いだが、上手くいかずに先代経営者と経営権を巡って争いになるケースも増えています。親族内であれば、相続争い別の問題が生じることも多いのでの役割分担など取り決めを行い、承継時に親族間で揉めるなど最悪のケースは避けたいところです。
3つ目には仕組化、税制や法的な対応策です。一般的な事業承継対策はこの3つ目に含まれる対策を指すことが多いです。まず、自社株の評価や相続対策、承継のスケジューリングなどオーナーとしての対応策が挙げられます。次に社内の運営体制の見える化、人脈の承継、従業員の理解、金融機関の理解などこれまで築き上げた信頼など目に見えない経営資源の承継なども含まれます。当然、事業の評価や法務的な対応策など含め専門家に相談が必要な事象も発生します。その為、信頼できる外部のアドバイザーと関係性を作っておくことも重要です。相談相手がいない場合には、国の機関として「事業承継引継ぎセンター」が各都道府県に設置されていますので相談してみても良いでしょう。
実際に3つの視点のうち、対策に時間がかかる1つ目、2つ目の対策を怠ってきたことにより、多くの企業は後継者不在、事業承継が困難な状況に陥っています。そういった事態を防ぐためにも、日々の経営計画の中で承継を見据え対応策を盛り込むことが重要です。その際には、これら3つの視点からそれぞれ自社に合致した対策を立てることで、複雑な課題が整理され前に進むケースが多いです。是非、参考にしていただければ幸いです。
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