株式会社Zenn

弊社の概要

弊社は、2014年に創業しました。ハウスクリーニング業で事業を開始しましたが、お客様のニーズに応える形で運送業や建物管理業にも事業を展開し、ハウスクリーニング業に付随した形でリフォーム業や不動産業も手掛けています。

弊社では地域のお客様のご要望に出来る限り応えることを大切にし、他社が断るようなご相談ごとにも全力で耳を傾けています。地域のお困りごとを解決していく姿勢を貫いた結果、自然と事業領域が拡大し、成長することが出来ました。「お客様を想っての行動は、たとえ今売り上げに直結しなくても無駄なことはない」このような精神を大切にしている会社です。

大手運送会社で全国No.1のドライバーから弊社創業まで

私は埼玉県で生まれ育ち、高校卒業後は大学に進学しました。大学時代、量販店で荷物の受け渡しのアルバイトをしていて、その際に大手運送会社のドライバーと親しくなりました。同年代でも責任感を持って懸命に働く彼の姿を「かっこいい」と感じ、自分の将来を真剣に考えるようになりました。運送業界の仕事内容や好待遇にも興味が沸き、「大学で学び続けるよりも早く社会に出て自立したい、自分の力を試したい」と強く思うようになり、20歳の時に大学を中退し、大手運送会社に入社しました。

入社してすぐの新人研修は、運転技術などの業務に必要なスキルを学び、厳しい試験を受けるものでしたが、私は、新入社員76人中で1位の成績を取ることができました。その点を評価いただきながら、セールスドライバーとして勤務を開始します。
ドライバーとして荷物をお届けするだけでなく、営業活動にも力を入れました。お客様との対話を重視し、潜在的なニーズを満たすようなサービス提案を心がけました。法人のお客様には、他社から切り替えていただくことも多くありました。お客様想いの提案力が培われ、大きな自信にも繋がったように思います。

そのような取り組みは成果にも現れます。ドライバーとしての評価基準は、担当コースの売上の前年比が大きく反映されますが、私は、入社2ヶ月目から継続して前年比を超え続けることができました。最後の年には全営業所でのNo.1ドライバーにもなり、管理職にも昇進しました。
今自身を振り返ると、子どもの頃から大きな目標を持ったり、何かを成し遂げることを楽しんだりしてこなかったように思います。しかし、大手運送会社での勤務を通じて働くことの意味を考えたり、お客様のお役に立てる喜びを感じたり、やりがいを持てる仕事に出会えたことで「何かのために夢中になること」そのものが自分の追い求めていた自身の将来像なのかなと思えるきっかけになりました。このきっかけを次のステージで形にしたいと考え、あえて運送業以外の事業での起業をしました。それが現在の弊社です。

敢えて異業種のハウスクリーニング事業に挑戦！！

あえて運送業以外での起業を選択したのは、先々の事業の多角化を考えていたからです。当時、私が深く精通しているのはもちろん運送業ですが、そこからスタートしてしまうと運送業一本で会社を大きくすることを考えてしまうと思いました。ネームバリューや待遇など恵まれた大手企業に勤めていたからこそ、その環境下で育った自分が同業種で起業すると、ある種のおごりが出てしまうのではないかと危惧していました。起業自体は誰でも容易にできますが、経営存続・反映を考えると中小企業を取り巻く外部環境の厳しさはすさまじく、そこに対峙していくに足りる強い覚悟や挑戦心が必要だと考えていました。起業後、おそらく多角化や異分野への展開が必要になるだろうと想像し、であればスタート時に経験したことのない業種領域で始めることで先々に必要となる成長戦力の知見を習得しておこうと思ったのです。

経験したことのない業種ではあるが、自分の強みを活かしつつ、その強みが人助けになるもの、そんな風に考えて、たどり着いたのがハウスクリーニング業でした。自分が思っている以上に「私は人よりも綺麗好き」だと気づきました。自分の新たな強みに気づいたものの、商売にしていく知見がないので、まず業界のノウハウを学ぶために、ハウスクリーニング業者である「おそうじ本舗」の近隣店舗に片っ端から連絡を取りました。そこで半年間働きながら経験を積み、2014年に弊社を創業しました。

創業当初したことは営業です。名刺を大量に作成し、まずは地域の方に知っていただくことから開始します。6000枚の名刺を2ヶ月で配布し、徐々に仕事を得られるようになります。
徐々に軌道に乗って行く中で、アパートを管理するお客様から、「退去時の修繕も依頼出来ると良いのだけど」とご相談いただき、部屋のクロスや畳の張り替え、ペンキ塗り替えなどリフォーム業へと多角化していきました。
ワンストップでのサービス提供が可能になり、「痒い所に手が届く」対応が評価されるようになります。その後もニーズに応える形で建物管理業務など事業を広げていきました。

顧客の要望に全力で応える

弊社の経営理念は、「私たちを必要としてくれる人がいるならば全力で応え、常に己を高め、己の出来る最大級のパフォーマンスを継続します。常に夢を持ち続け、愛される企業になる為、一生経験・一生成長　無駄な経験など存在しない事を常に認識し、新しい事に挑戦し続けます。」と掲げています。私が考え、幹部・管理職社員と再考・手直しして策定しました。
現在、社員は13名おり、理念や思いを共有するために日々のコミュニケーションはグループLINEを活用しています。定期的に理念を掲示したり、お客様からいただいた感謝の言葉を共有したりすることで、企業としての姿勢や価値観を伝えるよう努めています。

信頼を守る姿勢を重視

弊社の強みは、信頼を守る姿勢です。難しい仕事であってもなるべく断らずに対応することで、お客様からの信頼を構築してきました。
2017年には運送業にも事業を拡大しました。懇意にしていただいている管理先のアパートのオーナーからの相談がきっかけでした。
そのオーナーは運送会社の顧問税理士をされている方でしたが、顧問先がドライバーの人手不足で困っていると相談をいただきました。知り合いの何人かに声をかけてもドライバーは集まりませんでしたが、理念の通り、「必要としてくれるならば全力で応えたい」と考え、空き時間を使って、私自身で運送業を行うようになりました。

ドライバー経験を活かして働いた結果、すぐに信頼を得て取引はさらに拡大します。現在ではその取引先様だけで19ものルート配送コースを担当しており、年間売上は約1億円に達しています。ルート配送でも、一度も欠員を出したことがありません。現在では、運送業のお客様がハウスクリーニング事業も利用していただくなど、事業間でのシナジー効果を発揮しています。
私たちを必要としてくださっている方に対して全力で応えていただけですが、結果として事業拡大、売上向上に繋がってきたように感じています。

今後の展望について

創業から10年が経過しましたが、今後は、スピード感を持って組織としての成長を図りたいと考えています。そのために、社員数を現在の13名から2～3年後には50名規模に増員する予定です。
現在、売上の比率は約70%が運送業、残りの約30％がハウスクリーニング事業です。運送業は待ったなしの業務であるため、リソースを割く際にどうしてもウエイトが重くなってしまいます。

今後は、売上のバランスを半々にすることを目指しています。運送事業の代表となる人財育成に注力し、私はハウスクリーニング事業に専念することを計画中です。また、将来的には事業をさらに多角化していきたいと考えています。さまざまな業種に興味がありますが、最終的には、弊社をホールディングスとし、各社員が経営者となり分社化することが目標です。社員それぞれが得意分野を活かし、独立した事業を展開していくのです。地域に経営人財を増やすことを通じて街づくりに貢献し、地域を活性化したいという思いもあります。
具体的な取り組みとして、年に一度、社員と個別にヒアリングを行い、やりたいことやアイデアを共有しています。実際に、元音楽関係の社員が企業向けテーマソングを作成する仕事を受注するなど、少しずつ形になってきています。

事業拡大のため、M&Aを検討中

事業を拡大するうえで、M&Aも検討中です。希望する業種は、運送業、産業廃棄物の収集業、倉庫業などです。産業廃棄物の収集業は、弊社のクリーニング事業や運送業との親和性が高いのではないかと思います。
倉庫業とのM&Aも、物流プロセスの効率化など大きなシナジー効果を発揮できるのではないかという期待があります。
M&Aは、単なる弊社の成長戦略に留まらず、社会全体に対しても雇用面や地域資源の保持・成長など貢献を果たすことができる重要な手段です。地域経済にもいい影響を与えることができると思うので、積極的に取り組んでいきたいです。