さいたま市北
さいたま市
教育・福祉・介護など社員の技量と熱量を強みにした4事業を展開
株式会社ジェイド
役員からアルバイトまで、まったく同じ目線と熱量で仕事に取り組む
経営理念
地域のお客様の満足を通して社会に貢献し、全社員の幸せを追求する
私たちは、お客様のご要望以上の商品とサービスを提供し続けることをもっとも大事な価値観として持っています。
その上で「全社員の幸福を追求し、社会の発展と繁栄のために進化し続ける」ことを目指します。
また、会社を継続していくためには結果も必要ですが、
常に「最上質の過程」を突き詰めることが、「最高の結果」に結びつくと自覚して業務を行っています。
代表者メッセージ
株式会社ジェイドは、順風満帆にここまでたどりついたわけではありません。
その道のりは険しく、雪山を登るような困難とトラブルの連続でした。かすかに見える頂上へたどりつくことを心の支えに一歩一歩登ってきました。 創業の年には、自分の命を運命にゆだねる気持ちで、全てのエネルギーを注いだ記憶があります。
本当の「夢中」とは後々振り返った時に使える言葉です。大企業も中小企業も成功し、生き残っている企業は、 全てこういった「夢中」の時にエネルギーの全てを注いだ経験を経て今日を迎えていると思います。
一緒に働くことになるかもしれない未来の社員には、こういった弊社の歴史に想いをはせ、その上で挑戦し、 新たな歴史を作っていってほしいと願っております。
私の人生の目的は、「社員、社員の人生を守ること、生活を守ること、そしてやがては持つであろう社員の家族の生活を守ること」になります。
そのために会社を成功に導くような経営判断をし、 進むべき方向と見本となるような行動や意識を示していくことが現在の私の仕事です。
中小企業がビジネスの世界で生き残っていくのは簡単なことではありません。それゆえに「結果だけが評価される」といつも自分に言い聞かせて、「依存心」と「甘え」を取り除くように心がけています。 そして社員に対しても「結果主義」を「共有」しています。それが中小企業が生き残っていくためにとても大事なことだからです。
代表取締役会長 CEO 古島 裕
私たちのこだわり
自分自身の人生や家族を失う覚悟で起業を決意
弊社は埼玉県さいたま市北区に本部を置き、県内にて学習塾、介護デイサービス、放課後等デイサービス、障がい者就労継続支援B型事業所と4つの事業を展開しています。
私はもともと全国展開しているフランチャイズ店舗に対するスーパーバイザーの仕事をしていました。10年以上、オーナーがいかに売上を上げるかを考え、国内のあらゆる場所を飛び回り経営指導をしていました。
会社員時代は、オーナーである全国のさまざまな経営者の方からお話を伺ったことが良い経験になっています。売上が300億円規模の企業もあれば、初めて独立した方の場合もあり、業種も食品製造からIT関連まで、多岐にわたっています。
規模や業種を問わず、成功する企業の経営者には共通する部分がありました。人のせいにはせず、依存することなく、上手く組織を作っていることです。また、目の前のことにとらわれて視野が狭くなるということがなく、長期的な視点を持って、経営をしている方ばかりです。
前職で培ったことは複数ありますが、中でも大きな財産になっているのが、企業経営に関するノウハウと過信にも近い自信が得られたことです。ノウハウはもちろんですが、「過信に近い自信」は起業家に必要な感覚だと思います。
商売がうまくいくかどうかは商材や店舗の立地など様々な条件によりますが、運気という要素も少なくありません。運気を高めるためにも、自分に対して「過信に近い自信」を持つことは不可欠と考えています。
前職の仕事を通じてこうした自信を得られたので、自分もチャレンジしてみようと思い、起業を決意しました。すでに家族もいましたが、「商売に失敗したら仕事も妻と子どもを失う」という覚悟でした。会社員をしていると、経営者の良い部分ばかり見えますが、実際にはハイリスク・ハイリターンの世界です。サラリーマンで成功しないからと起業するというケースもありますが、より大きな覚悟が必要だと今でも思います。
命をかける覚悟で学習塾事業を起業
当時の私も相当な覚悟を持って創業し、個別指導学習塾「UP-STATION」をオープンしました。1か月が2~3日に感じられるくらい仕事に没頭しましたが、初月には1円も売上を立てられませんでした。それに対して、かかった経費は200万円です。
いきなり用意していたキャッシュが尽き、瀬戸際に立ちながらも「絶対に生き延びる」という思いを原動力に、なんとか少しずつ軌道に乗せていくことができました。
そこから多くのことを乗り越え、無事に創業21年を迎えることができました。日本では創業から20年続く企業が全体の0.5%と言われており、自分たちもそこに入れたことを嬉しく思います。
ここまで長く続けられたのは、社員のおかげです。創業直後、私のほかには15人のアルバイトスタッフがいました。そのうちの一人が、現在取締役社長を務めている上杉です。彼は当時、お客様の自宅に月謝を預かりに行くなど、泥臭い仕事にも一生懸命ついてきてくれました。辛い時期を一緒に乗り越えてくれたスタッフや、現在役員として働いてくれているメンバーは、私にとって家族より大切な存在です。
だからこそ、私は会社として組織を大切にしています。何かを始める時の決断は私がしますが、そこからは全員で取り組みます。失敗の責任はすべて私が引き受けますが、前に進む時には役員からパート、アルバイトまで一丸となって積極的に仕事に取り組みます。
一瞬も気を抜かず全力で業務に取り組む
弊社の特徴は、私も、役員も、社員も、パートやアルバイトのスタッフも、全員が「サービスを通してお客様に感動していただき、その対価としてお金をいただいて、自分たちが生活できる」という価値観を共有していることです。売上が上がらなければ給料は上がりませんし、最悪、会社が倒産して仕事を失います。
また、「すべては、瞬き一回の間」という考えも共有しています。瞬きをしている間に事故が起きることもあれば、その一瞬でお客様を感動させることもできます。のんびり別のことを考えていたり、ゆっくりお茶を飲んでいては、売上が10億円に満たない中小企業が20年以上も生き残れません。
また、創業時から変わらずに伝え続けている考えがあります。それが、「誰のせいでもなく、すべては自分のせい」というものです。売上が伸びない時や失敗した時、その要因を他人や環境のせいにしがちですが、そうではありません。お客様に喜んでいただけないのは自分の責任だと考え、行動を前向きに改めれば、お客様に感動を与えられ、それが売上にもつながります。一見厳しいと思われるかもしれませんが、会社として生き残っていくためには必要な考え方です。
価値観の共有に重きをおいた研修制度
社員全員にこういった考えを理解してもらえるよう、注力しているのが研修です。研修は創業した直後から実施してきており、一貫して伝えているのは「お客様あっての商売である」になります。
ほかにも経営者の目線や考え方、発想などを浸透させることで、社員全員が同じ目線と温度感を持つことができるよう研修で伝えています。会社とは何か、お客様とは何か、給与をもらうという意味を丁寧に教えていくことは、弊社にとって必要不可欠です。もちろん、これは私一人では難しいので、私の考えや価値観をよく理解する取締役の4人が、研修を通じて発信してくれています。
また、研修というと技術的なものにフォーカスを当てることが多いですが、弊社では最初の20~30分を使い、価値観について話す時間を大切にしています。具体的な内容ももちろんカバーしますが、その前にまずは役員がしっかり理念教育を行います。加えて、社員との1on1のミーティングを実施しています。さらにコロナ禍以前は、懇親会や忘年会を通じて思いを共有する機会もありました。
ここまで価値観の共有に重きを置いている理由は、弊社の事業がいずれも目に見えないサービスを扱っているからです。物を作って売るのであれば、機能やデザインの向上に注力します。しかし私たちは社員一人一人がお客様にサービスを提供するので、全員がどのような意識を持っているかに、サービスの質が左右されます。こういった徹底した研修が功を奏し、非常にレベルの高いサービスを提供できているという自負があります。
業界で活躍している200人を訪問してはじめた介護事業
弊社が4つの事業を展開した背景には、「家の理論」と名付けた独自の考えがあります。家は四隅に柱が4本あり、全体を支えています。仮に1本倒れても、3つあれば何とかなるものです。しかし最初から3つしかないと、1本倒れたときに全体が崩壊してしまいます。会社もこれと同じだと考え、創業時から、ゆくゆくは4事業立ち上げようと考えていました。
最初に始めた事業である学習塾は5~6年で急成長し、メディアでも話題になるほどでした。しかし6~7年目で、売上が停滞しはじめます。会社員時代の経験から、本格的に数字が落ちてから対策をとるのでは遅く、違和感があるうちから手を打たなければならないと思い、すぐに介護業界への進出を決めました。
経営者仲間からは、介護業界は利益が出ないからやめた方がいいと言われました。実際に他業界に比べて経費に占める人件費の割合が高く、施設利用者の上限数は法律で決められているため、売上がすぐ頭打ちになってしまいます。しかし私は、「儲けたい」というよりも、「この事業に取り組まなくてはいけない」という思いがありました。そこでまず介護についての本を44冊読み、介護業界で活躍している方200人にお会いして、たくさんの知識を得ました。
全国さまざまな施設に「介護ビジネスについて教えてほしい」と連絡したものの、電話1本で門前払いされたケースも多々あります。しかし中には助けてくれる方もいて、施設を見学させてもらったり、現在、弊社の役員をしている小林をスタッフとして受け入れてくれて、現場経験させてもらったりするというケースもありました。
一方で私は、埼玉県内で物件を探しました。介護施設は廊下の幅やトイレの広さなどが細かく決められており、許認可を取るのが簡単ではありません。なかなか見つからずに困っていたのですが、先述の200人のうちの一人が、不動産市場に出回らない物件を破格で紹介してくれました。この時、やはり人間関係を作ることが、ビジネスにおいて重要だと実感しました。
介護業界進出を決めてから3年で物件が用意でき、担当役員である小林の準備も整ったため、2011年に介護デイサービス「ひととひと」をオープン。小林の人柄とサービスのクオリティの高さから一気に人気が出て、利用者はどんどん増えました。そのころには学習塾の売上が下がっていたのですが、介護事業をはじめたことで下がった売上を補填することができました。
時流に乗りノウハウを活かして始まった放課後等デイサービス事業
ロケットスタートとなった介護事業も、数年経つと少しずつ売上が落ちてきました。そこで出会ったのが、放課後等デイサービス事業です。
当時、この事業を選んだ理由は2つあります。1つ目は、まだこの事業が世の中的に普及し始めたばかりだったということです。上り調子の業界で、時流に乗ることができました。2つ目が、弊社の強みを活かせることです。当時は学習指導型の放課後等デイサービスが出始めたころで、もともと学習塾事業から始まった私たちには活かせるノウハウがありました。
そこで担当役員である上杉に多数の事業所を経験してもらい、2015年に放課後等デイサービス「あすぽーと」をオープンしました。学習指導の経験と組織力を活用して、軌道にも乗ることができました。放課後等デイサービス事業は、4つの中で最も早く収支回収ラインにたどり着いています。2年目には初期投資分を回収し、利益を上げ始めました。
放課後等デイサービスを始めたころは、今ほど社会の発達障がいへの理解がありませんでした。そんな中でADHD(注意欠如多動症)やASD(自閉スペクトラム症)を抱える子どもたちに対応し、社内でチームを組み、教材の作り方や指導の仕方などを工夫しました。
就労継続支援B型事業で、心の病により就労できない方の人生を支える
2016年、2017年、2018年に、県内各地に「あすぽーと」をオープン。続いて、2019年には就労継続支援B型事業所「ミライズ」を始めました。こちらも事業を始めるにあたり、60人の業界関係者に話を聞いています。その中で、コンサルティングも受けました。
当事業を始めた背景にあるのが、障がいや心の病によって、一般就労をすることが難しい方が数多くいいるという昨今の状況です。特に心の病によって就労ができない方は、今後も増えていくと予測されます。そういった方たちが生き生きと自分らしく生活するために、私たちは一人ひとりに合った支援をご提供していきたいと考えるようになりました。学習塾からはじまり、介護、放課後等デイサービスと事業運営を拡大する中で、必然的な流れだったのかもしれません。
本事業を始めるにあたり多額の初期投資がかかりましたが、ようやく回収が始まってきました。これからは、もっと売上を伸ばし、利用者の皆さんに今よりも高額な工賃をお支払いできるように全力を尽くしたいです。
地域に根差して街で暮らすお客様に質の高いサービスを提供
地域については、弊社は埼玉県内で事業を営んでいますが、特に旧浦和市(北浦和)と旧大宮市に思い入れがあります。北浦和は創業の地であり、売上を上げるのに一番苦労した地域です。今でも、このエリアを通ると大変だった時のことを思い出します。一方で、旧大宮市は事業が上手くいってから根差した地域です。この街には、自分への自信と会社としての思い入れを感じます。
また、事業所を持つさいたま市、白岡市、蓮田市、川口市、戸田市なども重要な場所です。地域の子どもや高齢者の方、障がいを持ちながら働いている方に寄り添って、高いサービスを提供したいと思っています。私たちが事業を営むことで、地域のお客様にもっと喜んでいただきたいです。
会社を成長させるためお互いにメリットのあるM&Aを目指す
今後のビジョンとして、5年後、10年後には売上10億を達成したいです。そのために必要なことが、3つあります。
1つ目は、既存事業とITの組み合わせです。会社の規模は関係なく、これからの企業経営ではAIを含めたIT技術の活用が切り離せません。具体的にはこれからになりますが1つ、1つ進めていきます。
2つ目は、人財採用です。オンラインでの求人などを通じて、どのように上手く人財採用するかは重要なポイントとなります。また、学習塾事業の売上はピーク時に比べ半減しています。復活させたいという思いはありますが、今後状況が悪化していく場合には店舗を削減する選択肢も検討しています。ただ、雇用は守り続けるので、ITなどの新規事業で活躍してもらえる場を提供していきたいと考えています。長く働いてくれた人財は、会社との信頼関係が出来上がっています。そういった方と一緒に仕事をして、別の事業を盛り上げることで5年後、10年後も生き残りたいです。
3つ目が、放課後等デイサービスと就労継続支援B型事業所の多店舗展開です。ただ、放課後等デイサービスは要資格者が必要であるという問題があり、人財採用に難航しています。
就労継続支援B型事業所は、人的問題は特にありません。これからどうしようかと考えていた時、上杉から「新規事業として考えてはどうか」という提案がありました。本事業では心身に病を抱える方が社会の一員として働けるよう、企業として様々なお仕事を獲得し、利用者の方に業務をお願いしています。しかし一般的には製造業関係の仕事が多く、サービスを中心としてきた弊社とは相性が良いとは言えません。そこで、会社として新しい事業を始め、そこで生まれた作業を、就労継続支援B型事業所の利用者の方に担っていただくのはどうかという案が出ました。
とはいえ、弊社はサービスを提供してきた会社のため、製造業に関する技術と経験がありません。だからこそ、M&Aを通じてすでに製造業のノウハウを持っている企業と一緒にチャレンジしたいと思いました。
M&Aを通じて、私たちだけでなく引き継がせていただく企業にもメリットを生み出したいと思っています。弊社には社員同士がお互いを承認しあう風土が根付いています。全員が頑張りを認めて褒め合うので、そういった雰囲気の中で一緒にお仕事ができればと思います。
また、トップダウンで何かを命令するようなことはありません。人にはそれぞれ生きてきた中で培った技術やプライドがあるため、お互いに歩み寄っていきたいと考えています。お見合い結婚のようなイメージで、初めのうちは相手のことがよくわからないものの、相互理解を深めて良いご縁にしていきたいと考えています。
お客様への熱い思いを強みに、課題を抱える経営者に寄り添う
私たちの強みは、お客様に喜んでいただきたいという、本当に熱い思いを持っていることです。適当な気持ちで仕事をしている社員はいませんし、ただ自分たちが一方的に儲けさえすればよいとも思っていません。お客様に感動してもらうために、一生懸命仕事をしています。これは創業時から今に至るまで、ブレずに持ち続けていたことです。
だからこそ、事業が立ち行かないという課題を抱えていらっしゃる方や、後継者不足に困ってらっしゃる方に、お力添えできたらと思います。私たちの強みである徹底したお客様への思いを活かし、既存事業におけるサービスの質を改善して、お客様を増やすお手伝いができるかもしれません。ぜひ一緒に取り組めたらと思います。
自分自身の人生や家族を失う覚悟で起業を決意
弊社は埼玉県さいたま市北区に本部を置き、県内にて学習塾、介護デイサービス、放課後等デイサービス、障がい者就労継続支援B型事業所と4つの事業を展開しています。
私はもともと全国展開しているフランチャイズ店舗に対するスーパーバイザーの仕事をしていました。10年以上、オーナーがいかに売上を上げるかを考え、国内のあらゆる場所を飛び回り経営指導をしていました。
会社員時代は、オーナーである全国のさまざまな経営者の方からお話を伺ったことが良い経験になっています。売上が300億円規模の企業もあれば、初めて独立した方の場合もあり、業種も食品製造からIT関連まで、多岐にわたっています。
規模や業種を問わず、成功する企業の経営者には共通する部分がありました。人のせいにはせず、依存することなく、上手く組織を作っていることです。また、目の前のことにとらわれて視野が狭くなるということがなく、長期的な視点を持って、経営をしている方ばかりです。
前職で培ったことは複数ありますが、中でも大きな財産になっているのが、企業経営に関するノウハウと過信にも近い自信が得られたことです。ノウハウはもちろんですが、「過信に近い自信」は起業家に必要な感覚だと思います。
商売がうまくいくかどうかは商材や店舗の立地など様々な条件によりますが、運気という要素も少なくありません。運気を高めるためにも、自分に対して「過信に近い自信」を持つことは不可欠と考えています。
前職の仕事を通じてこうした自信を得られたので、自分もチャレンジしてみようと思い、起業を決意しました。すでに家族もいましたが、「商売に失敗したら仕事も妻と子どもを失う」という覚悟でした。会社員をしていると、経営者の良い部分ばかり見えますが、実際にはハイリスク・ハイリターンの世界です。サラリーマンで成功しないからと起業するというケースもありますが、より大きな覚悟が必要だと今でも思います。
命をかける覚悟で学習塾事業を起業
当時の私も相当な覚悟を持って創業し、個別指導学習塾「UP-STATION」をオープンしました。1か月が2~3日に感じられるくらい仕事に没頭しましたが、初月には1円も売上を立てられませんでした。それに対して、かかった経費は200万円です。
いきなり用意していたキャッシュが尽き、瀬戸際に立ちながらも「絶対に生き延びる」という思いを原動力に、なんとか少しずつ軌道に乗せていくことができました。
そこから多くのことを乗り越え、無事に創業21年を迎えることができました。日本では創業から20年続く企業が全体の0.5%と言われており、自分たちもそこに入れたことを嬉しく思います。
ここまで長く続けられたのは、社員のおかげです。創業直後、私のほかには15人のアルバイトスタッフがいました。そのうちの一人が、現在取締役社長を務めている上杉です。彼は当時、お客様の自宅に月謝を預かりに行くなど、泥臭い仕事にも一生懸命ついてきてくれました。辛い時期を一緒に乗り越えてくれたスタッフや、現在役員として働いてくれているメンバーは、私にとって家族より大切な存在です。
だからこそ、私は会社として組織を大切にしています。何かを始める時の決断は私がしますが、そこからは全員で取り組みます。失敗の責任はすべて私が引き受けますが、前に進む時には役員からパート、アルバイトまで一丸となって積極的に仕事に取り組みます。
一瞬も気を抜かず全力で業務に取り組む
弊社の特徴は、私も、役員も、社員も、パートやアルバイトのスタッフも、全員が「サービスを通してお客様に感動していただき、その対価としてお金をいただいて、自分たちが生活できる」という価値観を共有していることです。売上が上がらなければ給料は上がりませんし、最悪、会社が倒産して仕事を失います。
また、「すべては、瞬き一回の間」という考えも共有しています。瞬きをしている間に事故が起きることもあれば、その一瞬でお客様を感動させることもできます。のんびり別のことを考えていたり、ゆっくりお茶を飲んでいては、売上が10億円に満たない中小企業が20年以上も生き残れません。
また、創業時から変わらずに伝え続けている考えがあります。それが、「誰のせいでもなく、すべては自分のせい」というものです。売上が伸びない時や失敗した時、その要因を他人や環境のせいにしがちですが、そうではありません。お客様に喜んでいただけないのは自分の責任だと考え、行動を前向きに改めれば、お客様に感動を与えられ、それが売上にもつながります。一見厳しいと思われるかもしれませんが、会社として生き残っていくためには必要な考え方です。
価値観の共有に重きをおいた研修制度
社員全員にこういった考えを理解してもらえるよう、注力しているのが研修です。研修は創業した直後から実施してきており、一貫して伝えているのは「お客様あっての商売である」になります。
ほかにも経営者の目線や考え方、発想などを浸透させることで、社員全員が同じ目線と温度感を持つことができるよう研修で伝えています。会社とは何か、お客様とは何か、給与をもらうという意味を丁寧に教えていくことは、弊社にとって必要不可欠です。もちろん、これは私一人では難しいので、私の考えや価値観をよく理解する取締役の4人が、研修を通じて発信してくれています。
また、研修というと技術的なものにフォーカスを当てることが多いですが、弊社では最初の20~30分を使い、価値観について話す時間を大切にしています。具体的な内容ももちろんカバーしますが、その前にまずは役員がしっかり理念教育を行います。加えて、社員との1on1のミーティングを実施しています。さらにコロナ禍以前は、懇親会や忘年会を通じて思いを共有する機会もありました。
ここまで価値観の共有に重きを置いている理由は、弊社の事業がいずれも目に見えないサービスを扱っているからです。物を作って売るのであれば、機能やデザインの向上に注力します。しかし私たちは社員一人一人がお客様にサービスを提供するので、全員がどのような意識を持っているかに、サービスの質が左右されます。こういった徹底した研修が功を奏し、非常にレベルの高いサービスを提供できているという自負があります。
業界で活躍している200人を訪問してはじめた介護事業
弊社が4つの事業を展開した背景には、「家の理論」と名付けた独自の考えがあります。家は四隅に柱が4本あり、全体を支えています。仮に1本倒れても、3つあれば何とかなるものです。しかし最初から3つしかないと、1本倒れたときに全体が崩壊してしまいます。会社もこれと同じだと考え、創業時から、ゆくゆくは4事業立ち上げようと考えていました。
最初に始めた事業である学習塾は5~6年で急成長し、メディアでも話題になるほどでした。しかし6~7年目で、売上が停滞しはじめます。会社員時代の経験から、本格的に数字が落ちてから対策をとるのでは遅く、違和感があるうちから手を打たなければならないと思い、すぐに介護業界への進出を決めました。
経営者仲間からは、介護業界は利益が出ないからやめた方がいいと言われました。実際に他業界に比べて経費に占める人件費の割合が高く、施設利用者の上限数は法律で決められているため、売上がすぐ頭打ちになってしまいます。しかし私は、「儲けたい」というよりも、「この事業に取り組まなくてはいけない」という思いがありました。そこでまず介護についての本を44冊読み、介護業界で活躍している方200人にお会いして、たくさんの知識を得ました。
全国さまざまな施設に「介護ビジネスについて教えてほしい」と連絡したものの、電話1本で門前払いされたケースも多々あります。しかし中には助けてくれる方もいて、施設を見学させてもらったり、現在、弊社の役員をしている小林をスタッフとして受け入れてくれて、現場経験させてもらったりするというケースもありました。
一方で私は、埼玉県内で物件を探しました。介護施設は廊下の幅やトイレの広さなどが細かく決められており、許認可を取るのが簡単ではありません。なかなか見つからずに困っていたのですが、先述の200人のうちの一人が、不動産市場に出回らない物件を破格で紹介してくれました。この時、やはり人間関係を作ることが、ビジネスにおいて重要だと実感しました。
介護業界進出を決めてから3年で物件が用意でき、担当役員である小林の準備も整ったため、2011年に介護デイサービス「ひととひと」をオープン。小林の人柄とサービスのクオリティの高さから一気に人気が出て、利用者はどんどん増えました。そのころには学習塾の売上が下がっていたのですが、介護事業をはじめたことで下がった売上を補填することができました。
時流に乗りノウハウを活かして始まった放課後等デイサービス事業
ロケットスタートとなった介護事業も、数年経つと少しずつ売上が落ちてきました。そこで出会ったのが、放課後等デイサービス事業です。
当時、この事業を選んだ理由は2つあります。1つ目は、まだこの事業が世の中的に普及し始めたばかりだったということです。上り調子の業界で、時流に乗ることができました。2つ目が、弊社の強みを活かせることです。当時は学習指導型の放課後等デイサービスが出始めたころで、もともと学習塾事業から始まった私たちには活かせるノウハウがありました。
そこで担当役員である上杉に多数の事業所を経験してもらい、2015年に放課後等デイサービス「あすぽーと」をオープンしました。学習指導の経験と組織力を活用して、軌道にも乗ることができました。放課後等デイサービス事業は、4つの中で最も早く収支回収ラインにたどり着いています。2年目には初期投資分を回収し、利益を上げ始めました。
放課後等デイサービスを始めたころは、今ほど社会の発達障がいへの理解がありませんでした。そんな中でADHD(注意欠如多動症)やASD(自閉スペクトラム症)を抱える子どもたちに対応し、社内でチームを組み、教材の作り方や指導の仕方などを工夫しました。
就労継続支援B型事業で、心の病により就労できない方の人生を支える
2016年、2017年、2018年に、県内各地に「あすぽーと」をオープン。続いて、2019年には就労継続支援B型事業所「ミライズ」を始めました。こちらも事業を始めるにあたり、60人の業界関係者に話を聞いています。その中で、コンサルティングも受けました。
当事業を始めた背景にあるのが、障がいや心の病によって、一般就労をすることが難しい方が数多くいいるという昨今の状況です。特に心の病によって就労ができない方は、今後も増えていくと予測されます。そういった方たちが生き生きと自分らしく生活するために、私たちは一人ひとりに合った支援をご提供していきたいと考えるようになりました。学習塾からはじまり、介護、放課後等デイサービスと事業運営を拡大する中で、必然的な流れだったのかもしれません。
本事業を始めるにあたり多額の初期投資がかかりましたが、ようやく回収が始まってきました。これからは、もっと売上を伸ばし、利用者の皆さんに今よりも高額な工賃をお支払いできるように全力を尽くしたいです。
地域に根差して街で暮らすお客様に質の高いサービスを提供
地域については、弊社は埼玉県内で事業を営んでいますが、特に旧浦和市(北浦和)と旧大宮市に思い入れがあります。北浦和は創業の地であり、売上を上げるのに一番苦労した地域です。今でも、このエリアを通ると大変だった時のことを思い出します。一方で、旧大宮市は事業が上手くいってから根差した地域です。この街には、自分への自信と会社としての思い入れを感じます。
また、事業所を持つさいたま市、白岡市、蓮田市、川口市、戸田市なども重要な場所です。地域の子どもや高齢者の方、障がいを持ちながら働いている方に寄り添って、高いサービスを提供したいと思っています。私たちが事業を営むことで、地域のお客様にもっと喜んでいただきたいです。
会社を成長させるためお互いにメリットのあるM&Aを目指す
今後のビジョンとして、5年後、10年後には売上10億を達成したいです。そのために必要なことが、3つあります。
1つ目は、既存事業とITの組み合わせです。会社の規模は関係なく、これからの企業経営ではAIを含めたIT技術の活用が切り離せません。具体的にはこれからになりますが1つ、1つ進めていきます。
2つ目は、人財採用です。オンラインでの求人などを通じて、どのように上手く人財採用するかは重要なポイントとなります。また、学習塾事業の売上はピーク時に比べ半減しています。復活させたいという思いはありますが、今後状況が悪化していく場合には店舗を削減する選択肢も検討しています。ただ、雇用は守り続けるので、ITなどの新規事業で活躍してもらえる場を提供していきたいと考えています。長く働いてくれた人財は、会社との信頼関係が出来上がっています。そういった方と一緒に仕事をして、別の事業を盛り上げることで5年後、10年後も生き残りたいです。
3つ目が、放課後等デイサービスと就労継続支援B型事業所の多店舗展開です。ただ、放課後等デイサービスは要資格者が必要であるという問題があり、人財採用に難航しています。
就労継続支援B型事業所は、人的問題は特にありません。これからどうしようかと考えていた時、上杉から「新規事業として考えてはどうか」という提案がありました。本事業では心身に病を抱える方が社会の一員として働けるよう、企業として様々なお仕事を獲得し、利用者の方に業務をお願いしています。しかし一般的には製造業関係の仕事が多く、サービスを中心としてきた弊社とは相性が良いとは言えません。そこで、会社として新しい事業を始め、そこで生まれた作業を、就労継続支援B型事業所の利用者の方に担っていただくのはどうかという案が出ました。
とはいえ、弊社はサービスを提供してきた会社のため、製造業に関する技術と経験がありません。だからこそ、M&Aを通じてすでに製造業のノウハウを持っている企業と一緒にチャレンジしたいと思いました。
M&Aを通じて、私たちだけでなく引き継がせていただく企業にもメリットを生み出したいと思っています。弊社には社員同士がお互いを承認しあう風土が根付いています。全員が頑張りを認めて褒め合うので、そういった雰囲気の中で一緒にお仕事ができればと思います。
また、トップダウンで何かを命令するようなことはありません。人にはそれぞれ生きてきた中で培った技術やプライドがあるため、お互いに歩み寄っていきたいと考えています。お見合い結婚のようなイメージで、初めのうちは相手のことがよくわからないものの、相互理解を深めて良いご縁にしていきたいと考えています。
お客様への熱い思いを強みに、課題を抱える経営者に寄り添う
私たちの強みは、お客様に喜んでいただきたいという、本当に熱い思いを持っていることです。適当な気持ちで仕事をしている社員はいませんし、ただ自分たちが一方的に儲けさえすればよいとも思っていません。お客様に感動してもらうために、一生懸命仕事をしています。これは創業時から今に至るまで、ブレずに持ち続けていたことです。
だからこそ、事業が立ち行かないという課題を抱えていらっしゃる方や、後継者不足に困ってらっしゃる方に、お力添えできたらと思います。私たちの強みである徹底したお客様への思いを活かし、既存事業におけるサービスの質を改善して、お客様を増やすお手伝いができるかもしれません。ぜひ一緒に取り組めたらと思います。
会社概要
社名 | 株式会社ジェイド |
創立年 | 2003年 |
代表者名 | 代表取締役会長 CEO 古島 裕 取締役社長 COO 上杉 淳 |
資本金 | 1000万円 |
本社住所 |
331-0815 埼玉県さいたま市北区大成町4-125-1 |
事業内容 | 学習塾事業部 介護事業部 福祉事業部 就労支援事業部 |
URL |
https://jade-inc.com/
|
会社沿革
2003年 | アップステーション白岡校、蓮田校、戸田公園校、川口元郷校 開校 |
2011年 | 通所介護事業所(デイサービス)「ひととひと」開所 |
2015年 | 放課後等デイサービス「あすぽーと宮原教室」 開所 |
2016年 | あすぽーと鉄道博物館教室 開所 |
2017年 | あすぽーと東大宮教室 開所 あすぽーと指扇教室 開所 |
2019年 | 就労継続支援B型事業所 ミライズ 土呂 開所 |
株式会社ジェイドの経営資源引継ぎ募集情報
公開日:2023/05/11 (2023/05/30修正)
※本記事の内容および所属名称は2023年5月現在のものです。現在の情報とは異なる場合があります。