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後継経営者の役割
2021.06.09 | 事業承継

後継経営者の役割

「後継者問題に関する栃木県内企業の実態調査(2017年)」帝国データバンク宇都宮支店によると栃木県内事業所の61・8%において後継者が決まっていません。結果からはもはや後継経営者と呼ばれる人材が半分以下になってしまっている現実が読み取れます。ますます後継経営者は地域にとって必要な人材になっていきます。そんな同世代の後継経営者の方からよく「今のうちに何をやっていけばよいでしょうか」「経営において心掛ける点はなんでしょうか」という質問をよくいただきます。今回は後継経営者の3つの役割について述べていきたいと思います。

「後継者問題に関する栃木県内企業の実態調査(2017年)」帝国データバンク宇都宮支店によると栃木県内事業所の61・8%において後継者が決まっていません。結果からはもはや後継経営者と呼ばれる人材が半分以下になってしまっている現実が読み取れます。ますます後継経営者は地域にとって必要な人材になっていきます。そんな同世代の後継経営者の方からよく「今のうちに何をやっていけばよいでしょうか」「経営において心掛ける点はなんでしょうか」という質問をよくいただきます。今回は後継経営者の3つの役割について述べていきたいと思います。

引き継ぐ前の準備

まずは、引き継ぐ前にやっておきたいことについて触れておきます。まずは、優れた社外の勉強会や研修の機会には積極的に後継経営者の時代に参加しましょう。現場が忙しいのは当然ですが、経営者になったらもっと時間が取れなくなります。周りの理解もいただきながら学びの時間を確保しましょう。できれば1年~2年は継続して経営について体系的な勉強をしておくことが望ましいです。多くの経営者は後継者の時にもっと経営について学んでいればよかったと経営者になってから気が付きます。

次に、人脈をいかに引き継ぐかです。案外先代の人脈を承継の計画に入れていないケースが多いです。お客様ではないため優先順位が低くなりがちです、会社の発展に影に日向に貢献してくれた方々と疎遠になってはいけません。できれば早い段階で面識を持って定期的に接点を持ちましょう。

そして、代表になる前には、部門の責任者の経験があるほうがスムーズな承継が可能になります。後継経営者であるうちに会社の経営計画や計数についても自分で立案できるようにしておきましょう。

それと「代表者になるには何歳が望ましいか」という質問も多いのでお答えします。老舗企業を見てみると、代表者になるには35歳から40歳過ぎ遅くとも45歳までには事業引継ぎを行っています。そして、事業承継後の業績パフォーマンスを見てみると55歳~65歳の間に経営者としての円熟期を迎え最高の実績を上げる傾向にあります。

では次に後継経営者としての役割についてです。これはまとめると主に3つあります。

  • 事業構造を転換させる
  • 社員の力を結集させる
  • 会社を次の世代に引き継ぐ

守るものと変えるものを決める

最初の役割として事業を引き継ぐにあたり、会社の置かれている状況を鑑みて、自社の「守るべきもの変えるべきもの」を峻別する必要があります。経営理念を改めて時代に合わせることもよいでしょう。そして、事業構造を転換させるにあたっては2つに分けて考えることが重要です。まず1つは事業自体の見直しです。これは、自社の製品、商品ラインナップなどを含め時代に合わせて変えていく必要があるからです。2つ目は社内システムです。社内システムとは人事システムや会計システム、生産方法や販売方法などです。これらを2つを新しい視点で改革することが自分の代で新たな成長カーブを描く基盤になってきます。

社員の話や意見に耳を傾ける

次に、創業者や先代のカリスマ性のある経営者から経営を引き継いで最初からリーダシップを発揮するなどまず無理です。いきなり、改革を推し進めて反発を食って改革がとん挫してしまっては本末転倒です。そのためにも、社員の話や意見に耳を傾け現場を重視した取り組みを行っていくことが重要です。どんなに優秀な後継経営者でも一人の力は限られています。制度の導入などもトップダウンで進めるよりも社員と一緒に進めていくことが望ましいです。経営力も財務力も営業力もそれぞれ社員の方が長けていることが多々あります。最初は支えてもらうことが基盤づくりが重要です。定期的な面談やヒアリング、プロジェクトチームの立ち上げなど社員の力を結集させることをまずは念頭に置きましょう。

人材を育成する

最後に3つ目は「次の世代に引き継ぐ準備?」と言いたくなることですが社長の仕事で最も大切ものは人材を育成することです。その中でも自分の後継者育成は引き継いだ時から意識して取り組まないといけません。これからの時代は子供や親族が継ぐ確率はどの業種でもさらに少なくなってくるでしょう。したがって、経営者は常に自分の後進を育成することを念頭において経営していく覚悟が必要です。私の経験上親族以外の社員を後継者として育成するには10年~15年、基礎教育から経営知識の習得、人脈の引継ぎなどを含めかかります。長期的な視点で計画を立てて人の育成に力を入れていきましょう。是非後継経営者の皆様は参考にしていただき平成31年も前に前に進んでいきましょう。

水沼 啓幸
Writer 水沼 啓幸
水沼 啓幸
Writer 水沼 啓幸 ()
代表取締役 
中小企業診断士  MBA(経営学修士)  JMAA認定M&Aアドバイザー
2000年3月に高崎経済大学経済学部経営学科を卒業し、同年4月株式会社栃木銀行へ入行。主に、融資、法人営業を経験し、事業承継、中小企業金融に精通している。また、大学院では中小企業において今後問題化すると予想される『後継者の育成方法の研究やその支援の在り方』について深く研究する。2010年4月に財務・金融、事業承継支援を専門とするコンサルティング会社 株式会社 サクシードを設立し代表取締役に就任。2014年より日本で一番の経営人財の養成機関を目指して「とちぎ経営人財塾」を開講、次世代経営者の育成をテーマに活動し、年間80社以上の経営計画策定支援業務を行っている。2020年1月より地域の成長意欲の高い企業を地域資源としての中小企業の引き継ぎ手として登録、PRする地域特化型M&Aプラットフォームサービス「ツグナラ」をローンチ、事業承継をテーマに地域課題の解決を図るべく活動を行っている。
現在、作新学院大学 客員教授、人を大切にする経営学会 事務局次長として全国のいい会社を訪問し次世代の企業経営の在り方について研究活動を行っている。
著書に「地域一番コンサルタントになる方法」出版(同文館出版)、「キャリアを活かす!地域一番コンサルタントの成長戦略」(同文館出版)「後継者の仕事」(PHP研究所)「さらば価格競争」(商業界)共著、「日本のいい会社」地域に生きる会社力(ミネルヴァ書房)共著、「いい経営理念が会社を変える」(ラグーナ出版)「ニッポン子育てしやすい会社~人を大切にする会社は社員の子どもの数が多い~(商業界)共著、「実践ポストコロナを生き抜く術!強い会社の人を大切にする経営」(PHP研究所) 、「事業承継 買い手も売り手もうまくいくリアルノウハウ」(ビジネス社)共著、その他帝国ニュース(帝国データバンク)近代セールス(近代セールス社)等連載執筆多数。

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