2023年度補正予算では、これまで補助金の対象とならなかった規模の大きい企業「中堅企業」に対しての支援制度が新設されました。その名も「大規模成長投資補助金」です。
これまで「我が国経済の屋台骨」と位置付けられていた小規模・中小企業を支援するとしていたこれまでの制度とは異なる路線の補助金となっています。「大規模成長投資補助金」のご紹介を踏まえて、2023年度補正予算の中堅企業向けの補助金制度について解説します。
2023年度補正予算では、これまで補助金の対象とならなかった規模の大きい企業「中堅企業」に対しての支援制度が新設されました。その名も「大規模成長投資補助金」です。
これまで「我が国経済の屋台骨」と位置付けられていた小規模・中小企業を支援するとしていたこれまでの制度とは異なる路線の補助金となっています。「大規模成長投資補助金」のご紹介を踏まえて、2023年度補正予算の中堅企業向けの補助金制度について解説します。
中小企業向け「大規模成長投資補助金」がスタートします
経済産業省の2023年補正予算は、ガソリンをはじめとする物価の高騰に伴う持続的な賃上げ、GX(グリーントランスフォーメーション)の推進、半導体やAIなどの技術開発に伴う成長力強化・高度化を促進するための予算として、総額4.5兆円(国庫負担含め4.9兆円)が計上されました。その中に会社経営を支援する補助金制度の予算が含まれ、今回実施することが決定したのが、下記に列挙した補助金です。
(参考)2024年の補助金実施予定
わが国では、全国企業の99. 7%の中小企業、そのうち86.5%の小規模事業者を経済の屋台骨と称し、ものづくり補助金や小規模持続化補助金など、様々な公的支援制度を実施してきました。しかし、新型コロナウイルスのパンデミックに始まった「事業再構築補助金」の実施による業績回復や持続的な賃上げなどの効果が見られないとして、補助金制度の在り方が見直されることになりました。つまり、効果の薄い中小企業への支援から、より効果が期待される「中堅企業」への支援に方針転換しようというものです。この中堅企業向けを目玉に、今までの補助金も一部マイナーチェンジして実施されますが、これらから2023年度補正予算の企業支援のテーマは、「賃上げ」、「中堅企業」そして「省力化」と見ることができます
そこで今回新設されたのが「大規模成長投資補助金」です。
「大規模成長投資補助金」は、正式には「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」と言います。
タイトルからわかるように、中堅企業を対象にしつつも、中小企業にも門戸は広げられています。しかし、設備投資総額で『10億円以上』とあるように、小規模事業者ではなかなか手が出しにくい要件となっているため、現実的に中堅企業をはじめとする比較的規模の大きい中小企業が対象になると思われます。この中堅企業の要件としては従業員数2,000名以下となっています。
また、「賃上げ」の実現と「省力化」に伴う労働生産性の向上というのも申請要件になると予想され、大規模工場などの新設と共に、革新的な機械装置等の導入を行うことで、業務の高付加価値化と労働生産性の向上により賃上げの実現を推し進められる計画である、というのが大前提となっています。
この補助金の補助率は3分の1、補助上限額は50億円の補助金ですので、下限でも3.3億円の給付を受けることができます。この補助金に充てられている予算は国庫債務負担含め3,000億円ですので、1社5億円の補助金とした場合600社程度が採択される計算です。
では「大規模成長投資補助金」はいつから始まるのでしょうか?
先日(令和6年1月12日)に、この補助金の事務局が㈱博報堂とTOPPAN㈱のコンソーシアム形式で事務局運営することが決定しました。例年、特定の民間企業が事務局を行っていますが、事業再構築補助金の事務局があまりにもひどかった(個人の感想です、多分)ので、今回の決定にはまずはホッとしています。公募開始は本日(2月1日)時点で発表されておりませんが、これまでの補助金の例でみると、事務局が決定してから1,2か月で公募が発表されていることから、2月中又は3月中での発表が濃厚です。
今回の補助金予算テーマでもあり、補助金のタイトルにもなっている「賃上げ」、「中堅企業」、「省力化」をすべて網羅する計画を策定する必要があることから、計画概要だけではなく、数値的根拠を網羅した念入りな計画を詰めていく必要があります。
まさに今、新工場や新たな事業拠点の計画を進めている事業者様は、この補助金の申請を検討してみてはいかがでしょうか。
弊社では、「大規模成長投資補助金」をはじめ、既に公募が開始された「ものづくり補助金」やこれから実施される「事業再構築補助金」などについて、実際に相対してのご相談に対応しております。興味や補助金活用検討の余地がありましたら何なりとお問い合わせください。
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