川崎市中原
川崎市
雇用と新事業で新たな製造業の形態を目指す川崎のものづくり企業
焼結合金加工株式会社
次世代の若者たちと子育てママの登用で川崎のものづくりを盛り上げる
経営理念
フィロソフィー
「“もの”創りにおけるJAPANFIRSTを支える企業であれ」
我々は「物・者・情報」をものづくりの3要素としてとらえ、
その3つを取り巻くすべてのストーリーを創造しながら、
ものづくりに専念します。
また、中小企業であるからこそできる事を常に考え、
世界に誇る日本ブランドの下支えができる企業であり続けないといけないと考えています。
代表者メッセージ
ものづくりの大切な想いを紡いでいく事が我々のミッションです。
弊社は50年以上に渡り、「焼結合金」という特殊材を通して、日本の産業を支える自動車業界に携わってきました。 旋盤加工を中心とした切削加工を主事業にしており、単品加工から量産加工まで幅広いニーズに応えるべく、 「高精度・高品質・納期厳守」を掲げ、スタッフ一同日々ものづくりに全力を注いでいます。
「ものづくり」とひと言で言えば簡単な様に聞こえますが、
実は非常に奥が深い世界だと考えております。
ものづくりの世界では「こだわり」「感性」「繊細さ」「心遣い」「厳しさ」など、いくつもの要素が複雑に混ざり合うことで、素晴らしい 製品ができ上がっていくものだと日々実感しております。
その要素を紡いでいくのは「人」であり、「ものづくり」=「人づくり」という考えを我々は大切にしております。
今後もスタッフ一同ものづくりと真摯に向き合い、「JAPAN QUALITY(ジャパン・クオリティ)」を掲げて、日本のものづくり産業に貢献できる様に更なる企業の発展と社会貢献に努めます。
代表取締役 高柳 昌睦
私たちのこだわり
父の病をきっかけに、畑違いの転職を決意
弊社は汎用旋盤機を使用した光学関係の部品を個人で製造していた私の母方の祖父が、1966年に会社組織として法人化したのがスタートです。その後、商社や大手メーカーを取引先として自動車部品の製造を中心に事業を広げた後、私の父が3代目社長に就任しました。
私が弊社と係わりを持つようになったのは、30歳になった2014年のことです。それまでは弊社を継ぐという意識がなく、高校卒業後は配送ドライバーや内装工事の職人を経て、産業廃棄物の会社でドライバーや営業、工場の運営などに13年ほど携わっていました。
私が弊社のことを考えるようになったのは、私の父が3代目社長に就任して間もない時期です。当時、社長に就任したばかりの父が身体を壊した事がキッカケでした。母から連絡を受けて「会社を手伝ってもらえないか」と打診された私は、初めて家業の承継を意識しました。弊社に転職する決意をし、ほどなく勤めていた産業廃棄物の会社を退職しました。前職は、私を強く引き止めてくれましたが、父の助けになりたいという思いが勝り、業種としては未経験の弊社に飛び込む決意をしました。まずは経験を積むために、旋盤を使うものづくり企業で1年間働きました。その後弊社に入社して現在に至ります。
製造業、とりわけ旋盤を使う業界に飛び込んで、まず驚いたのが数値感の違いです。髪の毛よりも細い「ミクロン」単位まで突き詰めなくてはいけない世界に圧倒され、しばらくの間、その微細な感覚を掴むのに苦労しました。
また、職場の雰囲気やコミュニケーションスタイルの違いにも戸惑いました。元々自分がいたドライバーや内装工事の職人の世界は、いわゆる「肉体労働系」で言いたいことはオープンに言い合う、率直なコミュニケーションが主流でした。しかし、旋盤の職人たちは繊細で控えめな人が多く、真逆のコミュニケーションを求められたからです。会社によってもちろん文化が違いますので社内の雰囲気の差があるのは当然ですが、当時は非常に驚かされた事を覚えております。
高品質な量産加工を主軸にイノベーティブ事業も展開
現在の弊社は、旋盤加工機を主体にした「焼結合金材」という素材の切削加工を行っていて、自動車部品の製造が90%ほどを占めています。具体的にはエンジン機関やブレーキ、減速機に使われる部品の製造がメインで、最近では介護用品や電動自転車、発電関係の部品の製造も行っています。
焼結合金材を扱う同業他社は全国に約120社程と聞いておりますが、自動車部品の量産製造における弊社の強みは、工程管理や品質管理において競合と比べて高水準であることです。量産製造においては、個性を出したりはできませんが、当たり前のことを当たり前にやり続けていくことで信頼を積み重ねることができました。
一方で、大量の部品を、決められた図面通りに加工してお届けするという「量産加工」の一軸で事業を続けていくことには、以前から課題を感じています。そこで顧客からの受注を待つだけでなく、ゼロからものづくりが行えるような体制を整えつつ、高付加価値の製品を生み出していくための新事業を2つ立ち上げました。
1つ目は、製品試作開発事業です。幸いにも弊社は大手商社様との付き合いがあり、サプライチェーンの中では上流にあります。メーカーの研究開発チームのニーズを拾いながら、弊社が設計から試作品開発、加工まで全てを担う事業です。
2つ目は、他社と連携したハイブリッドなものづくりをするためのアライアンス事業です。弊社の技術で試作開発をはじめたり、基盤などの精密検査用の照明機器製品の販売を担ったりするなど、新たな挑戦をはじめています。
現状ではまだ受け身型のビジネスモデルが主体ですが、将来的には自ら仕掛けていけるような製品やサービスを増やし、やがては強みにしていければと考えています。
行政のバックアップを得ながら経営や組織改革を進め、早期に事業承継
こうした新事業立ち上げのきっかけになったのが、川崎市が主催した後継者塾への参加です。川崎市は中小企業へのバックアップが手厚い街で、その取り組みの1つが後継者塾になります。経営という正解が見えない業務に日々向き合う中で、行政の担当者や先輩経営者からたくさんのヒントをもらえる場で、新事業や組織改革など、頭の中で漠然と考えていたものを形にするきっかけになりました。組織改革については、今期から新たな人事評価制度を導入します。スムーズに社員のスキルアップができ、公平で納得できる給与体系にするために、細かく内容を検討しました。5か年計画で組織化を進め、今後についても新たな事業に着手できる体制にしていく考えです。
また、父から事業を承継したことも後継者塾への参加が大きく影響しています。さまざまな業種の若い経営者が「事業承継をいつ行えばいいのか」という悩みを抱えていると知り、私自身も事業承継について考えるようになりました。父に面と向かって切り出してみたところ、具体的に話が進み、2022年6月に4代目として会社を事業承継しました。
ただ、いろいろと父と意見がぶつかることもあります。父が3代目に就任したばかりの弊社の財務状況はあまり良くなく、経営面で非常に苦労をしたようで、私が賞与の支給に踏み切ったり、有料求人媒体を多く使ったりした際にはすごく心配していたのも覚えております。当時苦労をした父は、何が正解か分からなくても自分を信じて行動するタイプの私を見て、気が気ではなかったのかもしれません。あの時の苦言は、ダメ出しではなく、経営者の先輩として心配してくれたからこその言葉だったと理解できるようになりました。
地域で子育て中の母親を中心にした人材採用と育成
現在、注力しているのが人財の採用です。女性、とりわけ地域で子育て中のお母さん方に働いてもらいたいと考えるようになりました。まず、世のお母さん方はパワフルで明るく、コミュニケーション能力の高い人が多いと感じていたからです。そして精密部品の製作に欠かせない「変化に気づく能力」も女性の方が長けている人が多い気がしています。さらに弊社で働く子育て中のお母さん方は残業がしにくい代わりに、短時間で高い集中力を発揮してもらえる方達が多く、非常に助かっていました。又、将来的に子供の手がかからなくなった頃には、社員として働くという選択肢も用意していきたいと考えています。
現在は子育て世代の女性の人財に支えられている弊社ですが、最初から子育て中のお母さん世代に注目したわけではありません。私が入社後3年ほどしてから、会社の雰囲気を明るくしたい一心で、これまでは対象にしていなかった新卒社員と女性社員の採用に踏み切り、上記の傾向があることに気付いたことがきっかけです。
今では近隣で働きたい、短時間でも働きたいというお母さん方のニーズをつかむことに成功し、人数はどんどん増えています。社員39名のうち6割が女性で、さらに女性社員の9割は、子供のいるお母さんです。元気で明るい女性が増えたことで、以前と比べて社内が元気で明るい雰囲気になり、今ではその明るさが社風になりつつあります。
また、男女関係なく弊社の社員に共通するのが真面目さと向上心の高さです。弊社の製造する部品は、他社が次の工程を引き受けるものも多く、次の工程に携わる人が困らないように配慮できるのも、社員の真面目さと向上心が高いゆえの付加価値になっています。
人財育成という面では、資格取得への補助や研修制度などを整え、キャリアアップを積極的に応援する体制を構築しました。誰がどのような夢を持っているか、普段からのコミュニケーションを密にしながら、一人ひとりと向き合った対話を実践するよう心がけています。コロナ禍後は、家族ぐるみのイベントや小旅行などもどんどん増やしていき、社員同士の結束も強めていく考えです。
「創り手の思いを乗せたものづくり」を一人ひとりに浸透させる
経営理念については、私が4代目を承継する1年ほど前に、父と私と経営陣で意見を出し合い刷新しました。まず、ものづくりの「つくる」とは、作業的な「作る」ではなく創造して「創る」ことだと定義しました。特に創り手の思いを乗せたものづくりへの意識は、父の考えを継承したものになります。こうして作り上げた経営理念をしっかりと浸透させるため、新たな人事評価制度では経営理念を覚えているかどうかも組み込んでいこうと考えているところです。
また、社長である私の話に耳を傾けてくれる関係性づくりの重要性も実感しています。実は少し前に社員から「社長、社員のこと何も見ていないですね」と、とても辛い指摘を受けたことがありました。当時は事業承継をして間もなくで、赤字体質だった会社の軌道修正に奮闘している頃でしたので、社員に対する対応が少し疎かになっていたのです。そこで、社員といい関係性を築いている他社先輩経営者に腹を割って相談し、社員一人ひとりと対話するとはどういうことなのかを学びました。その点は今も実践している最中です。私だけではなく、管理職にも、仕事以外でも社員と関わる時間を短時間でもいいので作るようにお願いしています。
ものづくりの街・川崎で異業種とのM&Aも積極的に行いたい
現在、M&Aには非常に高い関心を寄せています。その理由の1つが、年配の社員が長く働けるような新たな事業を作りたいと考えており、その最短ルートの1つの選択肢として、M&Aを検討しております。お客様より頂くご要望にかなえる為にも、既存事業に関わる製造業を初め、多岐にわたるものづくりに関わる企業様とのつながりが持てればと考えております。現在、最年長の社員は52歳です。精密性が求められる弊社の業務は、視力などの問題から歳を重ねるごとに現場作業が難しくなってきます。その新事業候補として検討しているのが飲食業であり、特にベーカリーに興味を持っています。パンが焼き上がった時の、あの温かい香りには、人を幸せな気持ちにする力があると考えており、弊社の「思いを乗せたものづくり」の新たな形となるでしょう。
そして相手企業に対して求めるのは、弊社と同じ熱意を持った会社であるかどうかです。「要らないから売る」というスマートな考え方ではなく、事業自体を “想い”と捉え、大切な事業と社員を弊社になら任せたいというご意思のある会社様からのお話であれば、ぜひ同業でも異業種でも積極的に検討していきたいと考えています。
弊社が拠点を構える川崎市はさまざまな製造業が集結しているものづくりの街です。今後の弊社は、地域の雇用の受け皿であり続けたいと考えており、現在、地元出身の新卒社員を積極的に採用しています。これからの地域を担う若い経営者とのネットワークづくりや支援にも参加していきながら、ものづくり大国として急成長していた時代の勢いを日本の製造業に取り戻したいと考えています。
父の病をきっかけに、畑違いの転職を決意
弊社は汎用旋盤機を使用した光学関係の部品を個人で製造していた私の母方の祖父が、1966年に会社組織として法人化したのがスタートです。その後、商社や大手メーカーを取引先として自動車部品の製造を中心に事業を広げた後、私の父が3代目社長に就任しました。
私が弊社と係わりを持つようになったのは、30歳になった2014年のことです。それまでは弊社を継ぐという意識がなく、高校卒業後は配送ドライバーや内装工事の職人を経て、産業廃棄物の会社でドライバーや営業、工場の運営などに13年ほど携わっていました。
私が弊社のことを考えるようになったのは、私の父が3代目社長に就任して間もない時期です。当時、社長に就任したばかりの父が身体を壊した事がキッカケでした。母から連絡を受けて「会社を手伝ってもらえないか」と打診された私は、初めて家業の承継を意識しました。弊社に転職する決意をし、ほどなく勤めていた産業廃棄物の会社を退職しました。前職は、私を強く引き止めてくれましたが、父の助けになりたいという思いが勝り、業種としては未経験の弊社に飛び込む決意をしました。まずは経験を積むために、旋盤を使うものづくり企業で1年間働きました。その後弊社に入社して現在に至ります。
製造業、とりわけ旋盤を使う業界に飛び込んで、まず驚いたのが数値感の違いです。髪の毛よりも細い「ミクロン」単位まで突き詰めなくてはいけない世界に圧倒され、しばらくの間、その微細な感覚を掴むのに苦労しました。
また、職場の雰囲気やコミュニケーションスタイルの違いにも戸惑いました。元々自分がいたドライバーや内装工事の職人の世界は、いわゆる「肉体労働系」で言いたいことはオープンに言い合う、率直なコミュニケーションが主流でした。しかし、旋盤の職人たちは繊細で控えめな人が多く、真逆のコミュニケーションを求められたからです。会社によってもちろん文化が違いますので社内の雰囲気の差があるのは当然ですが、当時は非常に驚かされた事を覚えております。
高品質な量産加工を主軸にイノベーティブ事業も展開
現在の弊社は、旋盤加工機を主体にした「焼結合金材」という素材の切削加工を行っていて、自動車部品の製造が90%ほどを占めています。具体的にはエンジン機関やブレーキ、減速機に使われる部品の製造がメインで、最近では介護用品や電動自転車、発電関係の部品の製造も行っています。
焼結合金材を扱う同業他社は全国に約120社程と聞いておりますが、自動車部品の量産製造における弊社の強みは、工程管理や品質管理において競合と比べて高水準であることです。量産製造においては、個性を出したりはできませんが、当たり前のことを当たり前にやり続けていくことで信頼を積み重ねることができました。
一方で、大量の部品を、決められた図面通りに加工してお届けするという「量産加工」の一軸で事業を続けていくことには、以前から課題を感じています。そこで顧客からの受注を待つだけでなく、ゼロからものづくりが行えるような体制を整えつつ、高付加価値の製品を生み出していくための新事業を2つ立ち上げました。
1つ目は、製品試作開発事業です。幸いにも弊社は大手商社様との付き合いがあり、サプライチェーンの中では上流にあります。メーカーの研究開発チームのニーズを拾いながら、弊社が設計から試作品開発、加工まで全てを担う事業です。
2つ目は、他社と連携したハイブリッドなものづくりをするためのアライアンス事業です。弊社の技術で試作開発をはじめたり、基盤などの精密検査用の照明機器製品の販売を担ったりするなど、新たな挑戦をはじめています。
現状ではまだ受け身型のビジネスモデルが主体ですが、将来的には自ら仕掛けていけるような製品やサービスを増やし、やがては強みにしていければと考えています。
行政のバックアップを得ながら経営や組織改革を進め、早期に事業承継
こうした新事業立ち上げのきっかけになったのが、川崎市が主催した後継者塾への参加です。川崎市は中小企業へのバックアップが手厚い街で、その取り組みの1つが後継者塾になります。経営という正解が見えない業務に日々向き合う中で、行政の担当者や先輩経営者からたくさんのヒントをもらえる場で、新事業や組織改革など、頭の中で漠然と考えていたものを形にするきっかけになりました。組織改革については、今期から新たな人事評価制度を導入します。スムーズに社員のスキルアップができ、公平で納得できる給与体系にするために、細かく内容を検討しました。5か年計画で組織化を進め、今後についても新たな事業に着手できる体制にしていく考えです。
また、父から事業を承継したことも後継者塾への参加が大きく影響しています。さまざまな業種の若い経営者が「事業承継をいつ行えばいいのか」という悩みを抱えていると知り、私自身も事業承継について考えるようになりました。父に面と向かって切り出してみたところ、具体的に話が進み、2022年6月に4代目として会社を事業承継しました。
ただ、いろいろと父と意見がぶつかることもあります。父が3代目に就任したばかりの弊社の財務状況はあまり良くなく、経営面で非常に苦労をしたようで、私が賞与の支給に踏み切ったり、有料求人媒体を多く使ったりした際にはすごく心配していたのも覚えております。当時苦労をした父は、何が正解か分からなくても自分を信じて行動するタイプの私を見て、気が気ではなかったのかもしれません。あの時の苦言は、ダメ出しではなく、経営者の先輩として心配してくれたからこその言葉だったと理解できるようになりました。
地域で子育て中の母親を中心にした人材採用と育成
現在、注力しているのが人財の採用です。女性、とりわけ地域で子育て中のお母さん方に働いてもらいたいと考えるようになりました。まず、世のお母さん方はパワフルで明るく、コミュニケーション能力の高い人が多いと感じていたからです。そして精密部品の製作に欠かせない「変化に気づく能力」も女性の方が長けている人が多い気がしています。さらに弊社で働く子育て中のお母さん方は残業がしにくい代わりに、短時間で高い集中力を発揮してもらえる方達が多く、非常に助かっていました。又、将来的に子供の手がかからなくなった頃には、社員として働くという選択肢も用意していきたいと考えています。
現在は子育て世代の女性の人財に支えられている弊社ですが、最初から子育て中のお母さん世代に注目したわけではありません。私が入社後3年ほどしてから、会社の雰囲気を明るくしたい一心で、これまでは対象にしていなかった新卒社員と女性社員の採用に踏み切り、上記の傾向があることに気付いたことがきっかけです。
今では近隣で働きたい、短時間でも働きたいというお母さん方のニーズをつかむことに成功し、人数はどんどん増えています。社員39名のうち6割が女性で、さらに女性社員の9割は、子供のいるお母さんです。元気で明るい女性が増えたことで、以前と比べて社内が元気で明るい雰囲気になり、今ではその明るさが社風になりつつあります。
また、男女関係なく弊社の社員に共通するのが真面目さと向上心の高さです。弊社の製造する部品は、他社が次の工程を引き受けるものも多く、次の工程に携わる人が困らないように配慮できるのも、社員の真面目さと向上心が高いゆえの付加価値になっています。
人財育成という面では、資格取得への補助や研修制度などを整え、キャリアアップを積極的に応援する体制を構築しました。誰がどのような夢を持っているか、普段からのコミュニケーションを密にしながら、一人ひとりと向き合った対話を実践するよう心がけています。コロナ禍後は、家族ぐるみのイベントや小旅行などもどんどん増やしていき、社員同士の結束も強めていく考えです。
「創り手の思いを乗せたものづくり」を一人ひとりに浸透させる
経営理念については、私が4代目を承継する1年ほど前に、父と私と経営陣で意見を出し合い刷新しました。まず、ものづくりの「つくる」とは、作業的な「作る」ではなく創造して「創る」ことだと定義しました。特に創り手の思いを乗せたものづくりへの意識は、父の考えを継承したものになります。こうして作り上げた経営理念をしっかりと浸透させるため、新たな人事評価制度では経営理念を覚えているかどうかも組み込んでいこうと考えているところです。
また、社長である私の話に耳を傾けてくれる関係性づくりの重要性も実感しています。実は少し前に社員から「社長、社員のこと何も見ていないですね」と、とても辛い指摘を受けたことがありました。当時は事業承継をして間もなくで、赤字体質だった会社の軌道修正に奮闘している頃でしたので、社員に対する対応が少し疎かになっていたのです。そこで、社員といい関係性を築いている他社先輩経営者に腹を割って相談し、社員一人ひとりと対話するとはどういうことなのかを学びました。その点は今も実践している最中です。私だけではなく、管理職にも、仕事以外でも社員と関わる時間を短時間でもいいので作るようにお願いしています。
ものづくりの街・川崎で異業種とのM&Aも積極的に行いたい
現在、M&Aには非常に高い関心を寄せています。その理由の1つが、年配の社員が長く働けるような新たな事業を作りたいと考えており、その最短ルートの1つの選択肢として、M&Aを検討しております。お客様より頂くご要望にかなえる為にも、既存事業に関わる製造業を初め、多岐にわたるものづくりに関わる企業様とのつながりが持てればと考えております。現在、最年長の社員は52歳です。精密性が求められる弊社の業務は、視力などの問題から歳を重ねるごとに現場作業が難しくなってきます。その新事業候補として検討しているのが飲食業であり、特にベーカリーに興味を持っています。パンが焼き上がった時の、あの温かい香りには、人を幸せな気持ちにする力があると考えており、弊社の「思いを乗せたものづくり」の新たな形となるでしょう。
そして相手企業に対して求めるのは、弊社と同じ熱意を持った会社であるかどうかです。「要らないから売る」というスマートな考え方ではなく、事業自体を “想い”と捉え、大切な事業と社員を弊社になら任せたいというご意思のある会社様からのお話であれば、ぜひ同業でも異業種でも積極的に検討していきたいと考えています。
弊社が拠点を構える川崎市はさまざまな製造業が集結しているものづくりの街です。今後の弊社は、地域の雇用の受け皿であり続けたいと考えており、現在、地元出身の新卒社員を積極的に採用しています。これからの地域を担う若い経営者とのネットワークづくりや支援にも参加していきながら、ものづくり大国として急成長していた時代の勢いを日本の製造業に取り戻したいと考えています。
ツグナラコンサルタントによる紹介
熱意を持った社長のもとには、パワフルな社員さん達が集まっています。高度経済成長期のように急成長していた日本の製造業の勢いを取り戻したいと常にチャレンジを続けるものづくり企業です。
会社概要
社名 | 焼結合金加工株式会社 |
創立年 | 1966年 |
代表者名 | 代表取締役 高柳 昌睦 |
資本金 | 1000万円 |
本社住所 |
211-0051 神奈川県川崎市中原区宮内1-20-60 044-755-2815 |
事業内容 | 焼結材を含む金型成形品の手配と機械加工(NC旋盤・マシニング・研磨 他) |
URL |
https://shouketugoukin.co.jp/
|
会社沿革
1966年 | 会社設立 住友電気工業株式会社様と外注基本契約締結 |
1983年 | 日本ステッピング工業株式会社を設立(事業の拡充を図る) |
1987年 | 日本ステッピング工業株式会社を吸収合併し、経営の合理化と体質強化を図る |
1990年 | 住友電工焼結合金株式会社様と取引契約締結 |
2012年 | 睦特殊金属工業株式会社様と取引契約締結 |
2013年 | 日本機材株式会社様と取引契約締結 |
2015年 | NTNアドバンストマテリアルズ株式会社様と取引契約締結 |
2022年 | 代表取締役社長交代 高柳昌睦取締役、代表取締役社長に就任 |
焼結合金加工株式会社の経営資源引継ぎ募集情報
公開日:2023/05/26 (2023/09/22修正)
※本記事の内容および所属名称は2023年9月現在のものです。現在の情報とは異なる場合があります。