「後継者問題に関する栃木県内企業の実態調査(2017年)」帝国データバンク宇都宮支店によると栃木県内事業所の61・8%において後継者が決まっていません。結果からはもはや後継経営者と呼ばれる人材が半分以下になってしまっている現実が読み取れます。ますます後継経営者は地域にとって必要な人材になっていきます。そんな同世代の後継経営者の方からよく「今のうちに何をやっていけばよいでしょうか」「経営において心掛ける点はなんでしょうか」という質問をよくいただきます。今回は後継経営者の3つの役割について述べていきたいと思います。
「後継者問題に関する栃木県内企業の実態調査(2017年)」帝国データバンク宇都宮支店によると栃木県内事業所の61・8%において後継者が決まっていません。結果からはもはや後継経営者と呼ばれる人材が半分以下になってしまっている現実が読み取れます。ますます後継経営者は地域にとって必要な人材になっていきます。そんな同世代の後継経営者の方からよく「今のうちに何をやっていけばよいでしょうか」「経営において心掛ける点はなんでしょうか」という質問をよくいただきます。今回は後継経営者の3つの役割について述べていきたいと思います。
まずは、引き継ぐ前にやっておきたいことについて触れておきます。まずは、優れた社外の勉強会や研修の機会には積極的に後継経営者の時代に参加しましょう。現場が忙しいのは当然ですが、経営者になったらもっと時間が取れなくなります。周りの理解もいただきながら学びの時間を確保しましょう。できれば1年~2年は継続して経営について体系的な勉強をしておくことが望ましいです。多くの経営者は後継者の時にもっと経営について学んでいればよかったと経営者になってから気が付きます。
次に、人脈をいかに引き継ぐかです。案外先代の人脈を承継の計画に入れていないケースが多いです。お客様ではないため優先順位が低くなりがちです、会社の発展に影に日向に貢献してくれた方々と疎遠になってはいけません。できれば早い段階で面識を持って定期的に接点を持ちましょう。
そして、代表になる前には、部門の責任者の経験があるほうがスムーズな承継が可能になります。後継経営者であるうちに会社の経営計画や計数についても自分で立案できるようにしておきましょう。
それと「代表者になるには何歳が望ましいか」という質問も多いのでお答えします。老舗企業を見てみると、代表者になるには35歳から40歳過ぎ遅くとも45歳までには事業引継ぎを行っています。そして、事業承継後の業績パフォーマンスを見てみると55歳~65歳の間に経営者としての円熟期を迎え最高の実績を上げる傾向にあります。
では次に後継経営者としての役割についてです。これはまとめると主に3つあります。
最初の役割として事業を引き継ぐにあたり、会社の置かれている状況を鑑みて、自社の「守るべきもの変えるべきもの」を峻別する必要があります。経営理念を改めて時代に合わせることもよいでしょう。そして、事業構造を転換させるにあたっては2つに分けて考えることが重要です。まず1つは事業自体の見直しです。これは、自社の製品、商品ラインナップなどを含め時代に合わせて変えていく必要があるからです。2つ目は社内システムです。社内システムとは人事システムや会計システム、生産方法や販売方法などです。これらを2つを新しい視点で改革することが自分の代で新たな成長カーブを描く基盤になってきます。
次に、創業者や先代のカリスマ性のある経営者から経営を引き継いで最初からリーダシップを発揮するなどまず無理です。いきなり、改革を推し進めて反発を食って改革がとん挫してしまっては本末転倒です。そのためにも、社員の話や意見に耳を傾け現場を重視した取り組みを行っていくことが重要です。どんなに優秀な後継経営者でも一人の力は限られています。制度の導入などもトップダウンで進めるよりも社員と一緒に進めていくことが望ましいです。経営力も財務力も営業力もそれぞれ社員の方が長けていることが多々あります。最初は支えてもらうことが基盤づくりが重要です。定期的な面談やヒアリング、プロジェクトチームの立ち上げなど社員の力を結集させることをまずは念頭に置きましょう。
最後に3つ目は「次の世代に引き継ぐ準備?」と言いたくなることですが社長の仕事で最も大切ものは人材を育成することです。その中でも自分の後継者育成は引き継いだ時から意識して取り組まないといけません。これからの時代は子供や親族が継ぐ確率はどの業種でもさらに少なくなってくるでしょう。したがって、経営者は常に自分の後進を育成することを念頭において経営していく覚悟が必要です。私の経験上親族以外の社員を後継者として育成するには10年~15年、基礎教育から経営知識の習得、人脈の引継ぎなどを含めかかります。長期的な視点で計画を立てて人の育成に力を入れていきましょう。是非後継経営者の皆様は参考にしていただき平成31年も前に前に進んでいきましょう。
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