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GX(グリーントランスフォーメーション)と中小企業の補助金活用
2023.05.24 | 補助金情報

GX(グリーントランスフォーメーション)と中小企業の補助金活用

例年公募が行われる補助金は、その時々の国が抱える問題や世界のトレンドにより、要件や特色が異なります。昨今のトレンドの代表格といえば、「GX(グリーントランスフォーメーション)」です。新たな事業や取り組みを始めたい事業者、環境経営に関心がある事業者に向けて、「GX」の概要とそれに伴い活用できる補助金についてお伝えしていきます。

例年公募が行われる補助金は、その時々の国が抱える問題や世界のトレンドにより、要件や特色が異なります。昨今のトレンドの代表格といえば、「GX(グリーントランスフォーメーション)」です。新たな事業や取り組みを始めたい事業者、環境経営に関心がある事業者に向けて、「GX」の概要とそれに伴い活用できる補助金についてお伝えしていきます。

2023年4月20日実施したWebセミナー「昨年度採択率100%の敏腕コンサルが語る今期注目の補助金と環境経営への活用セミナー」は、多くの皆様にご参加いただきました。今回は好評だったセミナーの内容をもとに、環境経営やGX(グリーントランスフォーメーション)を踏まえた中小企業の補助金活用について解説していきます。

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国を挙げた一大施策「GX」とは

2020年10月に日本政府は、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル(脱炭素)」を2050年までに実現することを宣言しました。カーボンニュートラルの実現は決して容易なものではなく、産業構造の転換やイノベーションの創出など、国を挙げた取り組みを行う必要があります。カーボンニュートラルの実現に向けて注目されているのが、自動車・蓄電池産業や半導体・情報通信産業、資源循環関連産業などの「成長が期待される産業(14分野)」です。これらの産業を2050年に向けて成長・拡大させ、カーボンニュートラルの削減と産業競争力の向上の両立を目指そうという取り組みを「GX(グリーントランスフォーメーション)」と言います。

この「GX」こそが、昨今の公的支援施策のトレンドであり、環境省をはじめ、中小企業庁や国土交通省、文部科学省など、省庁を横断する形で関連した予算付けがされています。さらに、日本政府は2050年までに150兆円の「GX」投資を実現するという方針を掲げているため、当分、この「GX」に関する施策は継続されるでしょう。

中小企業ができるGXとカーボンニュートラルの取り組み

「GX」というと、とても大がかりな取り組みで、中小企業や小規模事業者にとっては関係のないと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

例えば、自社における炭素排出量の測定も「GX」の取り組みに含まれます。もう少し具体的にいえば、1つの製品を作るためにどれくらいの電気を消費しているのか、物流にどれだけの燃料を使用しているのかなどの現状把握です。こうした測定は、中小企業、小規模事業者でも取り組むことができる内容だと言えます。
さらに炭素排出量の測定結果を受けて、企業独自の判断でさらなる「GX」の取り組みに発展さていくことも可能です。例えば、既存の設備を省エネ効率の高い製造ラインに更新する、原材料の利用を効率化して廃棄を削減する、炭素排出量を削減できる素材を活用して新たな製品を開発するなどが該当します。

こうした「GX」にかかわる取り組みを行う際に必要な設備投資等を実施する際に、補助金の出番がやってきます。補助金を活用した「GX」への取り組みをきっかけに「新たな事業を創出し、企業価値を高める取り組み」に繋げていくことも可能です。

GXに活用できる補助金

「GX」「脱炭素」に関わる取り組みで活用可能な補助金にはどんなものがあるのでしょうか。

前述のセミナーでは、「事業再構築補助金」と「ものづくり補助金」の「グリーン(成長)枠」という類型を紹介させていただきましたが、改めて整理してみましょう。

事業再構築補助金

事業類型グリーン成長枠
※エントリー、スタンダードの2類型
概要研究開発・技術開発又は人材育成を行いながら、グリーン成長戦略「実行計画」14分野の課題の解決に資する取組を行う事業者を支援
補助率2分の1
補助上限額4,000万円~1億円
直近回の申請期日6月30日

ものづくり補助金

事業類型
グリーン枠
※エントリー、スタンダード、アドバンスの3類型
概要温室効果ガスの排出削減に資する取組に応じ、革新的な製品・サービス開発又は炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資等を支援
補助率3分の2
補助上限額750万円~4,000万円
直近回の申請期日7月28日

まず「事業再構築補助金」では新事業の創出を伴う取り組みで、要件別に「エントリー」「スタンダード」という2パターンの類型があります。補助率は2分の1、補助上限額4,000万円~1億円と他の類型よりも補助金額が大きくなることから、前述の「成長が期待される産業(14分野)」への比較的大きな設備投資にも活用することが可能になります。

一方の「ものづくり補助金」では、「脱炭素に資する革新的な製品・サービスに資する取り組み」、または「生産プロセスやサービス提供方法の改善」を実施する場合に適用が可能です。9つの脱炭素にかかる取り組みのうちいくつかに適合する場合に適用でき、その取り組みの数に応じて「エントリー」「スタンダード」「アドバンス」の3パターンの類型があります。従業員数に応じて750万円~4,000万円の補助上限となり、補助率は3分の2です。

ものづくり補助金「グリーン枠」の申請に必要な「温室効果ガス削減の取り組み」

1エネルギーの使用量及びCO2排出量の把握
2電気、燃料の使用量の用途別の把握
3自社及び業界・産業全体での温室効果ガス削減に貢献する開発に取り組む製品・サービスへの取り組み
4再生可能エネルギーに係る電気メニューの選択
5再生可能エネルギーの自社発電の導入
6グリーン電力証書の購入実績
7J-クレジット制度の活用実績
8SBT若しくはRE100への参加
9省エネ法の定期報告の評価において『Sクラス』に該当若しくは、省エネルギー診断を受診

通常枠(成長枠)と比べると申請の要件のハードルは上がりますが、14分野事業に該当しなければ利用できない「事業再構築補助金」に比べると、いくつかの要件をクリアすればよい「ものづくり補助金」の方が利用しやすいのではないかと思います。

「事業再構築補助金」は2023年6月30日、「ものづくり補助金」は2023年7月28日が直近回の申請期日となっております。現在、設備投資を検討しており、「GX」を盛り込んでみたいという方は、ぜひ弊社までお問い合わせください。

その他にも、省エネ効率の高い設備に更新する場合に利用できる「省エネ補助金」や、太陽光発電や蓄電池を導入する場合に自治体の補助金が活用できることがあります。

冒頭お伝えした通り、「GX」投資に係わる補助金は、省庁や自治体の垣根を越えて公募されていますので、各自治体のホームページ等でご覧ください。

●中小企業経営者で補助金に興味がある・詳しい話を聞きたい方は下記までお問い合わせください
お問い合わせフォーム(ツグナラ運営会社・サクシード宛)

押山 健司
Writer 押山 健司
押山 健司
Writer 押山 健司
上席執行役員 コンサルティング事業部  
JMAA認定M&Aアドバイザー
栃木県田沼町(現 佐野市)出身。大原簿記専門学校 札幌校卒業後、
宇都宮市内の税理士法人に就職し14年間勤務。
退職後、IT企業の経営管理部門にて、財務・労務・税務・人事業務のほか、マネジメントシステム(ISO9001・プライバシーマーク・ISO27001(ISMS))の運用と新規認証取得(ISMS)に携わる。
中小企業においても経営管理業務の強化の重要性を感じ「中小企業診断士」の取得を決意、1次試験合格を機に、より多くの中小企業の支援に尽力したいと考えるに至り、現職へ転職。財務・会計をはじめ補助金申請のスペシャリストとして活動している。

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