
いわき
いわき市
人づくりを根幹に、警備と人材サービスでいわき市の未来を創造する
株式会社アムーヴ
社員が喜びと誇りを感じながら働ける、充実した職場環境の整備
経営理念
経営理念
アムーヴは、お客様・地域社会、そして、社員の喜びと満足を追求しつづけること…
それが全てである
行動理念
我々は、常に「規律ある行動」で事にあたります
我々は、常に「謙虚な姿勢」で事にあたります
我々は、常に「創意工夫」を持って事にあたります
代表者メッセージ

弊社は、1999年にいわき市で創業し、経営コンサルティングと輸入販売業からその歩みを始めました。人口減少や少子高齢化による労働力不足が社会的な課題となる中、時代のニーズに応じて事業を発展させ、現在は警備業と人材派遣業を二本柱として、地域社会の安心と発展に貢献しています。
私自身が警備員時代に感じた「この仕事で働く人の人生の価値を高めたい」という悔しさが、経営の原点にあります。だからこそ、私たちは「社員ファースト」を何よりも大切にしています。社員の誇りを高める新制服、家族も楽しめる最新設備の社屋、そして有給消化率100%の実現は、全て社員の人生を豊かにしたいという想いの表れです 。
若手の採用と育成にも注力し、高い定着率を実現した結果、厚生労働大臣より「ユースエール」の認定もいただきました 。これからも「人づくり」を事業の根幹に据え、警備業界の未来をリードすることで、お客様、地域社会、そして全社員の喜びと満足を追求してまいります 。
代表取締役社長 夏原 潤

私たちのこだわり
大手スーパーの経営企画室を経て、地元いわき市で創業
弊社は、1999年に現会長の赤津紀正が創業しました。赤津はいわき市出身で、近畿大学卒業後は株式会社ダイエーに就職し、経営総合企画室にて全国規模の戦略に携わっていました。その中で経営ノウハウを学びましたが、大企業の戦略を突き詰めるほど、商売の原点である「地域とのつながり」の重要性を痛感するようになります。やがて、会社が利益優先の拡大路線へと進むと、赤津が信じる地域密着の理念との乖離は決定的となり、退職を決意しました。複数の誘いを断り、40代半ばで「自分で地域密着の事業を立ち上げたい」との思いを胸にいわき市へ戻りました。
しかし、すぐに会社を立ち上げるのではなく、まず地域とそこで働く人々を深く知るため、警備会社でアルバイトを開始します。現場の仕事と並行して、経営状態の悪かったその警備会社の再建にも携わり、約3年かけて立て直しに貢献しました。
そして1999年、「地域密着の事業を自分で」という原点に立ち返り、有限会社アムーヴとして弊社を創業しました。社名には「赤津がムーヴメントを起こす」という思いが込められています。創業当初は、ダイエー時代の経験を活かし、デフレ経済下の需要を見込んだ輸入販売業と経営コンサルタント業務から事業をスタートしました。
転機が訪れたのは、郡山市の警備会社での講演会でのことでした。赤津が「デフレ経済下では、トップである社長が変わらなければ何も変わらない」と、経営者自身が率先して変わるべきだという厳しい意見を述べると、その会社の社長から「赤津さん、そこまで言うなら自分で警備会社をやってみろよ」と言われたのです。
この一言に奮起した赤津は、自身の警備員としての経験も踏まえて「警備員として働く人々を幸せにする会社を作る」ことを決意し、2001年に警備事業をスタートしました。その後、2007年には人材派遣業も開始します。そして2010年頃には、当時の東北地方の警備業界では極めて異例であった「全社員の社会保険加入」を実現し、業界でも大きな評判となりました。
2013年には株式会社アムーヴに商号を変更しました。
現在、弊社は警備業と人材派遣業の2本柱で事業を展開しています。社員数は300名を超える規模に成長し、いわき市民の約1,000人に1人がアムーヴで働いているという計算です。交通誘導・雑踏・施設警備や、一般事務・製造・物流など幅広い分野の人材派遣を通じて、地域社会の安心・安全と経済を支えています。
宮城県の警備会社勤務時代にアムーヴの現会長と出会い意気投合
私は、もともと宮城県内の警備会社で働いていました。当初はアルバイトとして軽い気持ちで働き始めましたが、次第に仕事の面白さに目覚めていきました。その後は、その警備会社で正社員から役員となり、会社の重要な舵取りを任される立場になりました。
実は、アルバイト時代から「これほど世の中に必要な仕事なのに、なぜ警備員の待遇は悪いのか」という悔しさを感じていました。そのため、役員になってからは、まず自社からこの状況を変えようと、社員の待遇を少しでも良くしたいという一心で尽力しました。この取り組みは会社の成長にも繋がり、当初1億円だった年間売上高を4億円まで伸ばすことにも貢献しました。
しかし、自社が成長していく喜びを感じると同時に、たった1社の努力だけでは警備業界が抱える構造的な課題を解決できないという、強いもどかしさも感じるようになったのです。
実は、一口に警備と言っても法律で大きく4つに分類されています。企業のビルや商業施設などに常駐する「1号警備」、現金輸送などを担う「3号警備」、要人の身辺を守る「4号警備」、そして、私たちが専門としていた、交通誘導やイベントでの雑踏警備を行う「2号警備」です。
特に、この「2号警備」の分野は、長年賃金が低く、待遇改善が難しい状況にありました。この状況を業界全体で変えなければならないという想いから、私は宮城県の警備業協会での活動に力を注ぎ、他社への経営改善ノウハウの共有などを行っていました。
その協会活動を通じて、2016年頃に福島県で同様の活動をしていた赤津と出会いました。親子ほど年齢は離れていましたが、「警備員の社会的地位を向上させたい」という同じ志と、現場出身ならではの悔しさに共感し、すぐに意気投合しました。
2021年末、私はより自分自身の想いを込められる会社を起業する時期が来たと考え、17年7ヶ月勤務した前職を退職しました。それから2ヶ月後の会社設立の準備をしているときに、赤津から「アムーヴを手伝わないか」と声をかけられたのです。私は宮城県で手にしてきた働く人を幸せにすることができる警備会社経営のノウハウを、福島県にもたらすことができるのならば、それは地元宮城で新会社を設立する以上に価値あることではないかと考え、福島県への進出を決断しました。
当時のアムーヴが抱えていた最大の課題は、事業承継でした。主業である2号警備は、日々状況が変わるため経営者に迅速な判断力が求められます。その特殊な難しさから、警備業の経験がなかった過去の社長への承継は難航し、会長である赤津が経営を支えている状況でした。
このような中で、赤津と同じ志を持ち、宮城で警備会社の経営経験を積んだ私の経験が、この課題を解決できると期待されたのです。その期待に応えるべく、2022年にアムーヴへ入社しました。まずは事業承継に向けた準備期間として実績を重ね、翌2023年に4代目の社長に就任しました。
「社員の喜びと満足」を追求し、未来へ繋ぐ
私たちアムーヴの経営理念は、「アムーヴは、お客様・地域社会、そして、社員の喜びと満足を追求しつづけること…それが全てである」です。この理念は、創業者の赤津が抱いた「警備員として働く人々の生活を向上させたい」という強い思いを原点に、創業10年目にあたる2010年に策定しました。特に、私たちの警備業や人材派遣業は、社員一人ひとりのサービスが会社の価値を直接的に左右する労働集約型のビジネスです。だからこそ、数ある項目の中でも「社員の喜びと満足」を事業の根幹に据えています。社員が満たされていなければ、お客様に最高のサービスは提供できないからです。
そして、この理念を絵に描いた餅で終わらせないためには、言葉だけでなく具体的な行動で示すことが何よりも重要です。弊社では、社員のほとんどが社外で働くため、理念や想いを直接伝える機会はどうしても限られてしまいます。そこで、私は社内報を手作りし、給与明細と一緒に郵送しています。あえて紙媒体で届けることで、社員本人だけでなく、そのご家族にも会社の考え方や雰囲気を知ってもらえると思うからです。
社内報では家族も参加可能なイベントの案内や、社会貢献活動などを報告しています。実際に、新入社員の祖父母から「毎月楽しみにしています」といった声が届くこともあります。社員の働く姿や会社の理念がご家族に伝わり、温かく見守っていただけることが、結果として本人の仕事に対する誇りや会社への愛着を育んでいるのだと実感しています。
社員ファーストを徹底
弊社の最大の特徴であり、創業以来の根幹を成すのが「働く人を大切にする」経営です。
警備業界は、依然として給与水準が低いという構造的な課題を抱えており、一社の努力だけでできる処遇改善には限界があります。だからこそ私たちは、社員の満足度を高めるための投資を惜しまず、「社員ファースト」を徹底しています。「警備員は格好良い」を合言葉に、社員一人ひとりが主人公として輝ける、地域No.1のプロフェッショナル集団を目指しています。
その理念を象徴する取り組みの一つが、2025年1月に導入した制服です。制服は社員の価値を示すものと考え、1人あたり従来の4~5倍ほどにあたる15万円をかけて「警備員らしさ」をあえて排したデザイン性の高いものを採用しました。これにより社員のプライドと意識は大きく高まり、規律ある行動がお客様からの信頼にも繋がっています。
2024年4月に完成した新社屋も、私たちの想いを形にしたものです。現場で働く社員たちのための「第2の家」をコンセプトに、東北でも最先端の設備を導入しました。2階の多目的ホールには200インチの4Kプロジェクターとイタリア製7.2chスピーカーを備え、映画鑑賞会や人気歌手グループのライブビューイング、Switch2を使ったアクションレースゲーム大会など、社員やそのご家族も楽しめるイベントを毎月開催しています。以前、ジブリ映画の鑑賞会を開いた際には、70代の社員が息子さんご夫婦とお孫さんを連れて親子3代で参加してくれたこともあるなど、世代を越えた温かい交流の場となっています。
また、働く環境だけでなく、社員の私生活の充実にも最大限配慮しています。弊社では、有給休暇消化率100%を保証し、勤務時間中の通院や、現場が早く終わった際の直帰を認めるなど、柔軟な働き方を導入しています。さらに、家族手当の充実や育児・介護休暇の取得支援、結婚や出産といったライフイベントへの祝い金支給など、会社が社員の人生を全力でバックアップする体制を整えています。
厚生労働大臣「ユースエール」認定企業に
警備業界が直面する深刻な人手不足と、若者が定着しにくいという構造的な課題に、私たちは強い危機感を抱いていました。かつての弊社も例外ではなく、新卒者を受け入れる体制が整っていなかったため、簡単な研修だけで現場に出すという業界の慣習を根本から変える必要がありました。
そこで入社直後より、若手社員の積極採用と、そのための全く新しい研修制度の導入に舵を切りました。2022年から2025年にかけて11名の新卒者を採用し、彼らのために用意したのが、入社後1ヶ月間は業務をほとんど行わず、社会人マナーや先輩社員との交流を通じて会社に慣れてもらうことを最優先とするプログラムです。この丁寧なステップが、若手が安心して会社に溶け込める土台となっています。
その結果、採用した11名のうち退職者はわずか1名という高い定着率を実現しています。こうした多角的な取り組みが評価され、2024年には、若者の採用・育成に積極的で雇用管理の状況などが優良な中小企業を厚生労働大臣が認定する「ユースエール」(日本全国で1,640社:2025年9月現在)の認定も受けることができました。
私たちは、入社した若手を将来の幹部候補として捉え、次世代リーダーの育成にも力を入れています。「働く時間は人生の約半分。だからその半分が楽しくなかったら幸せな人生にはならない」という考えのもと、彼らが「かっこいい大人」として成長し、自らの可能性を高められるよう、これからもサポートを続けていきます。
地域社会にとってプラスになるようなM&A
弊社は、未来を見据えた事業展開の選択肢としてM&Aも視野に入れています。しかし、警備業界が深刻な人手不足と高齢化によって淘汰の時代を迎える中にあっても、「とりあえず買収する」という考えは一切なく、私たちの価値観や会社のあり方と合致するかを慎重に見極める姿勢です。
特に、私たちの主業である交通誘導などの2号警備分野における同業種のM&Aは、非常に難しいと考えています。先ほども申し上げましたが、この事業は、社員一人ひとりがサービスそのものである労働集約型ビジネスです。そのため、会社が変わった途端にサービスの担い手である警備員が離職してしまうリスクが非常に高いのです。また、買収対象となる企業の社員が高齢化している場合、そのサービスを何年維持できるかという持続性の課題もあります。
一方で、施設警備などの「1号警備」は、建物の契約といった売上の地盤ごと受け取れるため、M&Aを検討する余地はあるかもしれません。
また、私たちは地域に根ざした経営を大切にしているため、同業種よりも人手不足に悩む異業種との連携に大きな可能性を感じています。弊社が持つ「人財」という強みを供給することで、お互いがWin-Winとなるようなシナジーを生み出せると考えているからです。
私たちがM&Aを検討する上で、何よりも重要な判断基準となるのは、私たちの理念に沿って売り手企業様の社員を「幸せにできるか」という一点です。そして、社員一人ひとりの人生に本気で責任を持つためには、会社が私たちの目の届く範囲、すなわち、いわき市からすぐに足を運べる距離にあることが望ましいと思っています。統合によってお互いの強みを活かし、地域社会にとってもプラスとなることが、私たちが目指すM&Aの形です。
いわき市の警備業界をリードしていきたい
私たちの10年後のビジョンは、いわき市で「警備を頼むならアムーヴ」という警備依頼における窓口的存在になることです。これは市場を独占するという意味ではありません。人手不足と高齢化が進む警備業界は、今後、淘汰と集約を経て、信頼できる少数の優良企業が互いに協力し合う時代が来ると確信しています。その中で私たちは、いわき市の警備業界をリードし、地域全体の安全を守る「コントロールタワー」のような役割を担っていきたいと考えています。この動きはすでに始まっており、大規模イベントの警備では弊社が中心となって協力体制を築く形が定着しつつあります。将来的にはこの仕組みを日常の工事現場警備にも広げ、警備員不足によって地域のインフラ整備が滞る事態を防ぎたいと考えています。
このビジョンを実現するための絶対条件が、業界全体の処遇改善です。警備員の給与はまだ十分とは言えませんが、毎年着実に昇給を行い、将来的には警備員が月30万円以上を当たり前にもらえる状況を目指します。業界構造の変革は容易ではありませんが、国への働きかけなども含め、粘り強く取り組んでいきます。
さらに私たちは、既存事業の枠にとどまらず、いわき市に未進出の魅力的な企業と連携して新たな価値を創出する、第3の事業展開も視野に入れています。そして、これらすべての未来を担うのが、現在私たちが採用・育成している若い世代です。彼らは将来の幹部候補であり、新しい事業を企画・推進する存在です。私自身、15年ほどで事業承継を考える時期を迎えますが、いずれこの若手社員の中から次の社長が生まれることを心から期待しています。私の役目は、若者たちが主体的に会社を動かす本物のリーダーへと成長できる環境を創ることです。
これからも、「働く人の人生そのものを幸せにすること」を最大の目的とし、若き力と共に、地元いわき市の未来を創造していきます。

大手スーパーの経営企画室を経て、地元いわき市で創業
弊社は、1999年に現会長の赤津紀正が創業しました。赤津はいわき市出身で、近畿大学卒業後は株式会社ダイエーに就職し、経営総合企画室にて全国規模の戦略に携わっていました。その中で経営ノウハウを学びましたが、大企業の戦略を突き詰めるほど、商売の原点である「地域とのつながり」の重要性を痛感するようになります。やがて、会社が利益優先の拡大路線へと進むと、赤津が信じる地域密着の理念との乖離は決定的となり、退職を決意しました。複数の誘いを断り、40代半ばで「自分で地域密着の事業を立ち上げたい」との思いを胸にいわき市へ戻りました。
しかし、すぐに会社を立ち上げるのではなく、まず地域とそこで働く人々を深く知るため、警備会社でアルバイトを開始します。現場の仕事と並行して、経営状態の悪かったその警備会社の再建にも携わり、約3年かけて立て直しに貢献しました。
そして1999年、「地域密着の事業を自分で」という原点に立ち返り、有限会社アムーヴとして弊社を創業しました。社名には「赤津がムーヴメントを起こす」という思いが込められています。創業当初は、ダイエー時代の経験を活かし、デフレ経済下の需要を見込んだ輸入販売業と経営コンサルタント業務から事業をスタートしました。
転機が訪れたのは、郡山市の警備会社での講演会でのことでした。赤津が「デフレ経済下では、トップである社長が変わらなければ何も変わらない」と、経営者自身が率先して変わるべきだという厳しい意見を述べると、その会社の社長から「赤津さん、そこまで言うなら自分で警備会社をやってみろよ」と言われたのです。
この一言に奮起した赤津は、自身の警備員としての経験も踏まえて「警備員として働く人々を幸せにする会社を作る」ことを決意し、2001年に警備事業をスタートしました。その後、2007年には人材派遣業も開始します。そして2010年頃には、当時の東北地方の警備業界では極めて異例であった「全社員の社会保険加入」を実現し、業界でも大きな評判となりました。
2013年には株式会社アムーヴに商号を変更しました。
現在、弊社は警備業と人材派遣業の2本柱で事業を展開しています。社員数は300名を超える規模に成長し、いわき市民の約1,000人に1人がアムーヴで働いているという計算です。交通誘導・雑踏・施設警備や、一般事務・製造・物流など幅広い分野の人材派遣を通じて、地域社会の安心・安全と経済を支えています。
宮城県の警備会社勤務時代にアムーヴの現会長と出会い意気投合
私は、もともと宮城県内の警備会社で働いていました。当初はアルバイトとして軽い気持ちで働き始めましたが、次第に仕事の面白さに目覚めていきました。その後は、その警備会社で正社員から役員となり、会社の重要な舵取りを任される立場になりました。
実は、アルバイト時代から「これほど世の中に必要な仕事なのに、なぜ警備員の待遇は悪いのか」という悔しさを感じていました。そのため、役員になってからは、まず自社からこの状況を変えようと、社員の待遇を少しでも良くしたいという一心で尽力しました。この取り組みは会社の成長にも繋がり、当初1億円だった年間売上高を4億円まで伸ばすことにも貢献しました。
しかし、自社が成長していく喜びを感じると同時に、たった1社の努力だけでは警備業界が抱える構造的な課題を解決できないという、強いもどかしさも感じるようになったのです。
実は、一口に警備と言っても法律で大きく4つに分類されています。企業のビルや商業施設などに常駐する「1号警備」、現金輸送などを担う「3号警備」、要人の身辺を守る「4号警備」、そして、私たちが専門としていた、交通誘導やイベントでの雑踏警備を行う「2号警備」です。
特に、この「2号警備」の分野は、長年賃金が低く、待遇改善が難しい状況にありました。この状況を業界全体で変えなければならないという想いから、私は宮城県の警備業協会での活動に力を注ぎ、他社への経営改善ノウハウの共有などを行っていました。
その協会活動を通じて、2016年頃に福島県で同様の活動をしていた赤津と出会いました。親子ほど年齢は離れていましたが、「警備員の社会的地位を向上させたい」という同じ志と、現場出身ならではの悔しさに共感し、すぐに意気投合しました。
2021年末、私はより自分自身の想いを込められる会社を起業する時期が来たと考え、17年7ヶ月勤務した前職を退職しました。それから2ヶ月後の会社設立の準備をしているときに、赤津から「アムーヴを手伝わないか」と声をかけられたのです。私は宮城県で手にしてきた働く人を幸せにすることができる警備会社経営のノウハウを、福島県にもたらすことができるのならば、それは地元宮城で新会社を設立する以上に価値あることではないかと考え、福島県への進出を決断しました。
当時のアムーヴが抱えていた最大の課題は、事業承継でした。主業である2号警備は、日々状況が変わるため経営者に迅速な判断力が求められます。その特殊な難しさから、警備業の経験がなかった過去の社長への承継は難航し、会長である赤津が経営を支えている状況でした。
このような中で、赤津と同じ志を持ち、宮城で警備会社の経営経験を積んだ私の経験が、この課題を解決できると期待されたのです。その期待に応えるべく、2022年にアムーヴへ入社しました。まずは事業承継に向けた準備期間として実績を重ね、翌2023年に4代目の社長に就任しました。
「社員の喜びと満足」を追求し、未来へ繋ぐ
私たちアムーヴの経営理念は、「アムーヴは、お客様・地域社会、そして、社員の喜びと満足を追求しつづけること…それが全てである」です。この理念は、創業者の赤津が抱いた「警備員として働く人々の生活を向上させたい」という強い思いを原点に、創業10年目にあたる2010年に策定しました。特に、私たちの警備業や人材派遣業は、社員一人ひとりのサービスが会社の価値を直接的に左右する労働集約型のビジネスです。だからこそ、数ある項目の中でも「社員の喜びと満足」を事業の根幹に据えています。社員が満たされていなければ、お客様に最高のサービスは提供できないからです。
そして、この理念を絵に描いた餅で終わらせないためには、言葉だけでなく具体的な行動で示すことが何よりも重要です。弊社では、社員のほとんどが社外で働くため、理念や想いを直接伝える機会はどうしても限られてしまいます。そこで、私は社内報を手作りし、給与明細と一緒に郵送しています。あえて紙媒体で届けることで、社員本人だけでなく、そのご家族にも会社の考え方や雰囲気を知ってもらえると思うからです。
社内報では家族も参加可能なイベントの案内や、社会貢献活動などを報告しています。実際に、新入社員の祖父母から「毎月楽しみにしています」といった声が届くこともあります。社員の働く姿や会社の理念がご家族に伝わり、温かく見守っていただけることが、結果として本人の仕事に対する誇りや会社への愛着を育んでいるのだと実感しています。
社員ファーストを徹底
弊社の最大の特徴であり、創業以来の根幹を成すのが「働く人を大切にする」経営です。
警備業界は、依然として給与水準が低いという構造的な課題を抱えており、一社の努力だけでできる処遇改善には限界があります。だからこそ私たちは、社員の満足度を高めるための投資を惜しまず、「社員ファースト」を徹底しています。「警備員は格好良い」を合言葉に、社員一人ひとりが主人公として輝ける、地域No.1のプロフェッショナル集団を目指しています。
その理念を象徴する取り組みの一つが、2025年1月に導入した制服です。制服は社員の価値を示すものと考え、1人あたり従来の4~5倍ほどにあたる15万円をかけて「警備員らしさ」をあえて排したデザイン性の高いものを採用しました。これにより社員のプライドと意識は大きく高まり、規律ある行動がお客様からの信頼にも繋がっています。
2024年4月に完成した新社屋も、私たちの想いを形にしたものです。現場で働く社員たちのための「第2の家」をコンセプトに、東北でも最先端の設備を導入しました。2階の多目的ホールには200インチの4Kプロジェクターとイタリア製7.2chスピーカーを備え、映画鑑賞会や人気歌手グループのライブビューイング、Switch2を使ったアクションレースゲーム大会など、社員やそのご家族も楽しめるイベントを毎月開催しています。以前、ジブリ映画の鑑賞会を開いた際には、70代の社員が息子さんご夫婦とお孫さんを連れて親子3代で参加してくれたこともあるなど、世代を越えた温かい交流の場となっています。
また、働く環境だけでなく、社員の私生活の充実にも最大限配慮しています。弊社では、有給休暇消化率100%を保証し、勤務時間中の通院や、現場が早く終わった際の直帰を認めるなど、柔軟な働き方を導入しています。さらに、家族手当の充実や育児・介護休暇の取得支援、結婚や出産といったライフイベントへの祝い金支給など、会社が社員の人生を全力でバックアップする体制を整えています。
厚生労働大臣「ユースエール」認定企業に
警備業界が直面する深刻な人手不足と、若者が定着しにくいという構造的な課題に、私たちは強い危機感を抱いていました。かつての弊社も例外ではなく、新卒者を受け入れる体制が整っていなかったため、簡単な研修だけで現場に出すという業界の慣習を根本から変える必要がありました。
そこで入社直後より、若手社員の積極採用と、そのための全く新しい研修制度の導入に舵を切りました。2022年から2025年にかけて11名の新卒者を採用し、彼らのために用意したのが、入社後1ヶ月間は業務をほとんど行わず、社会人マナーや先輩社員との交流を通じて会社に慣れてもらうことを最優先とするプログラムです。この丁寧なステップが、若手が安心して会社に溶け込める土台となっています。
その結果、採用した11名のうち退職者はわずか1名という高い定着率を実現しています。こうした多角的な取り組みが評価され、2024年には、若者の採用・育成に積極的で雇用管理の状況などが優良な中小企業を厚生労働大臣が認定する「ユースエール」(日本全国で1,640社:2025年9月現在)の認定も受けることができました。
私たちは、入社した若手を将来の幹部候補として捉え、次世代リーダーの育成にも力を入れています。「働く時間は人生の約半分。だからその半分が楽しくなかったら幸せな人生にはならない」という考えのもと、彼らが「かっこいい大人」として成長し、自らの可能性を高められるよう、これからもサポートを続けていきます。
地域社会にとってプラスになるようなM&A
弊社は、未来を見据えた事業展開の選択肢としてM&Aも視野に入れています。しかし、警備業界が深刻な人手不足と高齢化によって淘汰の時代を迎える中にあっても、「とりあえず買収する」という考えは一切なく、私たちの価値観や会社のあり方と合致するかを慎重に見極める姿勢です。
特に、私たちの主業である交通誘導などの2号警備分野における同業種のM&Aは、非常に難しいと考えています。先ほども申し上げましたが、この事業は、社員一人ひとりがサービスそのものである労働集約型ビジネスです。そのため、会社が変わった途端にサービスの担い手である警備員が離職してしまうリスクが非常に高いのです。また、買収対象となる企業の社員が高齢化している場合、そのサービスを何年維持できるかという持続性の課題もあります。
一方で、施設警備などの「1号警備」は、建物の契約といった売上の地盤ごと受け取れるため、M&Aを検討する余地はあるかもしれません。
また、私たちは地域に根ざした経営を大切にしているため、同業種よりも人手不足に悩む異業種との連携に大きな可能性を感じています。弊社が持つ「人財」という強みを供給することで、お互いがWin-Winとなるようなシナジーを生み出せると考えているからです。
私たちがM&Aを検討する上で、何よりも重要な判断基準となるのは、私たちの理念に沿って売り手企業様の社員を「幸せにできるか」という一点です。そして、社員一人ひとりの人生に本気で責任を持つためには、会社が私たちの目の届く範囲、すなわち、いわき市からすぐに足を運べる距離にあることが望ましいと思っています。統合によってお互いの強みを活かし、地域社会にとってもプラスとなることが、私たちが目指すM&Aの形です。
いわき市の警備業界をリードしていきたい
私たちの10年後のビジョンは、いわき市で「警備を頼むならアムーヴ」という警備依頼における窓口的存在になることです。これは市場を独占するという意味ではありません。人手不足と高齢化が進む警備業界は、今後、淘汰と集約を経て、信頼できる少数の優良企業が互いに協力し合う時代が来ると確信しています。その中で私たちは、いわき市の警備業界をリードし、地域全体の安全を守る「コントロールタワー」のような役割を担っていきたいと考えています。この動きはすでに始まっており、大規模イベントの警備では弊社が中心となって協力体制を築く形が定着しつつあります。将来的にはこの仕組みを日常の工事現場警備にも広げ、警備員不足によって地域のインフラ整備が滞る事態を防ぎたいと考えています。
このビジョンを実現するための絶対条件が、業界全体の処遇改善です。警備員の給与はまだ十分とは言えませんが、毎年着実に昇給を行い、将来的には警備員が月30万円以上を当たり前にもらえる状況を目指します。業界構造の変革は容易ではありませんが、国への働きかけなども含め、粘り強く取り組んでいきます。
さらに私たちは、既存事業の枠にとどまらず、いわき市に未進出の魅力的な企業と連携して新たな価値を創出する、第3の事業展開も視野に入れています。そして、これらすべての未来を担うのが、現在私たちが採用・育成している若い世代です。彼らは将来の幹部候補であり、新しい事業を企画・推進する存在です。私自身、15年ほどで事業承継を考える時期を迎えますが、いずれこの若手社員の中から次の社長が生まれることを心から期待しています。私の役目は、若者たちが主体的に会社を動かす本物のリーダーへと成長できる環境を創ることです。
これからも、「働く人の人生そのものを幸せにすること」を最大の目的とし、若き力と共に、地元いわき市の未来を創造していきます。

会社概要
社名 | 株式会社アムーヴ |
創立年 | 1999年 |
代表者名 | 代表取締役社長 夏原潤 |
資本金 | 300万円 |
本社住所 |
971-8183 福島県いわき市泉町下川字須賀蛭535番地1 |
事業内容 | 警備事業、人材派遣業、業務請負業 |
URL |
https://amove.work/
|


会社沿革
1999年 | 有限会社アムーヴ設立(輸入販売、コンサルタント業) |
2001年 | 警備業認定(警備事業スタート) |
2007年 | 労働者派遣業許可(人材派遣スタート) |
2013年 | 株式会社アムーヴに商号変更 |
2015年 | 有料職業紹介事業許可 |
2020年 | 令和元年台風第19号災害による応急復旧等への貢献に対し表彰される。(国土交通省 東北地方整備局長) |
2024年 | 新社屋完成 「福島県次世代育成支援企業」認証 「ユースエール」認定 |
2025年 | 「いわき市女性活躍推進企業」認証 |
公開日:2025/09/26
※本記事の内容および所属名称は2025年9月現在のものです。現在の情報とは異なる場合があります。