―2022年3月にM&A・出資を目的とした活動を開始され、早々に株式会社だんきち様と出会われたと聞いていますが、改めて経緯を教えてください。
自社のゴルフVR事業「VRゴルフレンジ」をいかに成長させていこうかと考えていた時に話が持ち込まれました。そもそも「VRゴルフレンジ」は、VR環境でゴルフのトレーニングができる製品で、弊社の社員が考え、事業化させたものになります。
弊社では「幸せな時を過ごす」を企業ビジョンとして掲げ、社員がやりたいことを実現できる環境を提供していることもあり、社長としては、何としても応援したい事業です。そんなタイミングで、オンラインスポーツレッスンを手掛ける株式会社だんきち様からのお話を頂いたのは正直びっくりしました。
―打診を受けた時はどんな印象を持ちましたか?
いきなり理想的な相手が来たぞ!と思いましたね。弊社の「VRゴルフレンジ」は、ゴルフ練習に特化したもの、そしてだんきち様のオンラインレッスンはダンスや野球、ゴルフが得意領域。それぞれの強みを出し合いながら、相乗効果を生み出せるマッチングだとピンときました。
―出資に対して社内からの反対はありましたか?
そもそも出資を行うのは、今回がはじめてのことだったので社内からは「時期尚早なのでは」という意見も当然出ました。私自身も、少し前までは出資やM&Aは大企業が行うものと思い込んでいたので、以前なら違う判断をしていたかもしれません。ただ、M&Aや出資を経営者として勉強したり、社内にM&Aに関する研究会を作り、企業の分析方法やM&Aや出資にまつわる用語など、文字通り基礎から学ぶ体制も整えたことで、徐々に風向きが変わりました。
―出資が決定的になったきっかけは?
出資先の株式会社だんきちの与島社長と面談する機会を作ったのが大きかったです。弊社社員が10名 対 与島社長1名というオンライン面談の中でこちらから質問攻めをしたにもかかわらず、すべて明確に答えた与島社長の熱量と知識にメンバーの心が奪われました。そのあとは反対の声はあがりませんでした。
―具体的にはどんな質問が出たのでしょうか?
研究会メンバーから出た「なぜこの事業を始めたのか。どこにモチベーションがあるのか?」という質問への回答は特に印象深かったです。与島社長は、鹿児島県の奄美大島出身で、根底には場所の制約によるスポーツの教育格差をなくしたいという問題意識があり、それをオンラインで解決していくというのがモチベーションだと知れました。
また、コミュニケーションを重ねていくうちに双方が事業を通じて目指したい方向が近しいことがわかってきたり、先方もこちらに対してそう思ってくれるようになり、スムーズに話が進んでいきました。
―最初の対面からどれくらいで最終契約に至ったのでしょうか?
2022年3月末にだんきち様からの打診を受けて、翌日にWebでの初回面談を行いました。結果的に合計4回の面談を経て、6月の最終契約となりました。
―今後の展開はどうお考えでしょうか?
まずは、両者のサービスを組み合わせることで定性情報(動画)に定量情報(軌道情報などの数値データ)を加えたTechレッスンを目指し「スポーツレッスンの発展・革命」の実現を目指します。その先にはVR空間上でアスリートとファンの交流イベントや、元アスリートのセカンドキャリアを支援できるサービスを展開したいと考えています。
また、ビジネスとしての側面だけでなく、オンラインでのレッスンを広く提供できてくれば、チームがない、指導者がいない、選べる競技の選択肢が少ないといったスポーツ教育、とりわけ部活教育の地域格差の問題解決にも繋がっていくのではないかという期待を持っています。
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