エムテック防災サービス株式会社

お客様の安全や資産を守るための消防設備を届ける

弊社は、2012年に創業した消防用設備の点検・保守・設置および建築設備の点検・調査を担う企業です。
消防用設備とは、火災時に必要となる火災発生の早期発見や速やかな鎮火、安全な避難を行うために欠かせない、消火器、消火栓、火災報知器、スプリンクラー、誘導灯などのことです。
精度の高いサービス提供と24時間365日の緊急対応を行うことで、火災の危機からお客様の大切な建物をお守りしています。

また、建築設備点検は、建築物の規模などによって消防法で義務づけられている定期的な点検です。弊社では、多数の人が利用する事務所・ホテル・マンションなどの建築物において、換気や給排水、排煙、非常用の照明装置に関わる建築設備、建物利用者の健康と安全を確保する検査を行っています。
創業時から愛知県・岐阜県を中心に事業を展開していますが、近年は、関西圏のお取引先も増えています。

起業を決意するまで

私は岐阜県で生まれ育ちました。学生時代から社長への憧れの気持ちがあり、「自分の力で道を切り拓きたい」という漠然とした野心を持っていました。
高校卒業後は工場に就職します。しかし仕事に取り組む中で、工場内でこつこつと作業を行うよりも、「外に出て、多様な人と関わる仕事のほうが性に合っているのでは」と感じるようになりました。同時に、知見を広げたいという思いもあり、18歳の時に消防設備点検の企業に入社します。

社員数4名程度の会社だったため、各個人の責任が大きい反面、裁量も大きいことにやりがいを感じていました。
親子ほど年の離れた社長のことも尊敬し、愛社精神を持って日々の仕事に取り組んでいました。しかし、社長には後継者がいなかったため、徐々に会社の行く末に不安を覚えるようになります。
将来、「私が継いで会社を守りたい、任せて欲しい」と思うようになり、35歳ぐらいの時に思い切って事業承継を持ちかけました。社長も喜んでくださり、後継者となる方向に動き出しましたが、事情によりその道は叶わなくなります。
とても残念でしたが、長年培った経験と業界への知識で自信がついていたため「自分の力を試してみよう」と、気持ちを切り替えて自らの起業を決意しました。

営業力と迅速な対応で業界の常識を打ち破る

37歳で弊社を創業し、知人に紹介された社員1名との2名体制でスタートしました。資金面は計画通りで順調でしたが、創業から2年ほどは取引先の開拓と人財の確保に苦戦しました。
この業界は大手企業と社員数数名程度の零細企業に2極化しています。大手企業はエンドユーザー向けのサービスを大きく展開していて、弊社のような新規参入は割って入ることができないという厳しい状況です。そのため、弊社では、エンドユーザーではなくマンション・オフィス等の管理会社向けに積極的な営業を行い、サービスを展開するようになります。

私は現場仕事をしながら、空いた時間はすべて飛び込み営業を行い、ほぼゼロから顧客を開拓しました。今思い返すとほとんど寝ることもなく、仕事に全力を注いでいたように思います。
新規参入の会社ということもあり、当初はなかなか信用が得られず苦労しました。
そこで、大手企業や既存の会社にはない強みで差別化を図りました。
この業界は成熟業界であり、対応が比較的遅い企業が多い中で、弊社は営業面でもサービス面でもフットワークが軽く、迅速な対応をするということです。数多く営業する中で、「担当する会社の対応に不満がありながらも、ニッチな業界であるゆえに代替が見つからない」というパターンも多くあり、弊社のサービス内容を選んでいただいて、少しずつ取引先を増やしていくことができました。

2016年には岐阜県羽島郡に本社を新設し、2020年には愛知県一宮市に一宮オフィスを構えて2拠点体制とし、社員も13名に増えました。
ようやく事業が軌道に乗ったと感じたのは、創業から10年後の2022年のことでした。

組織づくりと育成フローの確立に注力

先ほど申し上げた通り、営業力とフットワークの軽さという強みである一方で、組織づくりや人財育成が後回しになっていることが課題でした。
そのような時に経営計画や人事制度の策定を伴走してくださる税理士の先生との出会いがあり、最重要課題として仕組み化に取り組んでいます。
どうしても人手が必要な業種なので、スタートアップ時は現場型の能力を重視して採用を行いました。しかし、徐々に「将来的に離職が増え、人財が育たないことで混乱が生じてしまうのでは」という懸念が生じるようになります。そのため、社員の適性を見極めてマネジメント育成していくことに加えて、マネジメント能力のある社員の採用を行うようになりました。

弊社は中途採用を主に行っています。新卒一括採用であれば年齢で階層を分けることもできますが、社員によって経験値が異なるため、ノウハウや経験値で階層を分けた上での育成に力を入れていきます。
現在、ようやく仕組み化ができたところなので、今後は幹部育成に注力し、拠点を拡大する際の足掛かりにしていけたらと思います。

社員が笑顔で働くために

弊社の経営理念は「信用」「信頼」「幸せ」です。この理念は、5カ年計画を立てた際に税理士の先生と共に策定しました。
理念のように、社員同士が信頼できる仲間となるためには、コミュニケーションが不可欠です。しかし、弊社は2交代制かつ2名1組で業務を行うことが多いため、社員全員で顔を合わせる機会がほぼないのです。そのため、バーベキューや飲み会、社員旅行などを通じて、絆を深める場を積極的に設けています。

また、現在は、エクセルでの日報についてシステムを作り、私が社員全員と直接文章でやり取りを行っています。業務管理とコミュニケーションを兼ね備え、生産性を上げる仕組みです。
私が目指すのは「社員同士が助け合い、笑顔で働ける会社」です。その輪を広げ、一人ひとりが誇りを持って働ける環境を整えていきたいと思っています。

新たな出会いを万全で迎える準備に注力

以前策定した5ヶ年計画では、「売上3億円」「社員数26名」「京都支店開設」を掲げており、今年がちょうど5年目にあたります。
京都支店の開設とともに、今後商圏を広げるためにも関西での事業展開に注力していく上でM&Aを検討しています。業種は弊社と同業種、または消防設備と親和性の高い電気工事業を希望します。特に地方の電気工事業は高齢化が進んでいて、今後の事業の維持について悩まれる経営者も多いと聞きます。そういった企業様と円満なM&Aを進めることで、地域経済を活性化させる一助となれたらと思っています。